【腐注意】もし俺 小話05【オリジナル】
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CP:黒ブラ、まろさし Side:さしこ♂

 

 

今日は2月3日、節分。明日から暦の上では春になるらしいんだけど、外は雪だ。誰だこの時期に立春とか設定したやつ。前出ろ、前だ。

 

そしてオレは今日も今日とて黒ブラ夫婦の家で寛いでいる。珍しく黒さんがいたことに驚いたけどそんなことは気にしない。インターホンを鳴らした時に聞こえたバタバタという騒々しい音や出てきたときのブラさんの乱れた服装+荒れた息は見なかったことにして、いつも通り手土産を渡して部屋に入った。2人がナニしてたかなんて関係ない。今日はちゃんとブラさんにアポイントメントを取ったうえで訪問してるのだから。それを彼が忘れていた可能性は大いにありうるけど。

 

「さしさんごめん、忘れてた」

 

そうだと思った。

 

「別にいいよ。節分イラストで許してあげる。R指定ね」

 

イベント事は大切にすべきだと思っている。わざわざR指定にした理由はもちろん羞恥心を煽るためだ。言わせんな恥ずかしい。

 

「R指定、はわかんないけど、節分でいいの?バレンタインは?」

 

そうだ。本当は少し早めのバレンタインネタで盛り上がろうとここまで来たんだった。

 

「バレンタインまではまだ日があるし、今度にする。どうせそれまでにまた来るし、今日節分だし」

 

「そっか。でも節分とか何も思い浮かばないんだけど?恵方巻き?」

 

ですよねー。オレも節分=恵方巻きだもん。この業界では定番だよね。でも、

 

「もう恵方巻きネタは飽きたんだよね」

 

「うん。正直お腹いっぱいだよね」

 

ベタは大事だけど毎年毎年同じネタばかり見てるとマンネリ化して萌えなくなってしまうんだよね。マンネリ怖ろしい。

 

「でも、せっかくのイベント事だしねー」

 

「有効活用しないと勿体ないね」

 

「節分って何がある?恵方巻きと豆まき?」

 

「他には柊鰯とかもあるみたいだよ」

 

何それ初めて聞いた。ヒイラギの形したイワシなの?イワシの形したヒイラギなの?興味ないけど。

 

「なんでそんなに詳しいの?節分ヲタ?」

 

「違うよ!今うぃきっただけだよ!」

 

どおりで。携帯見てると思ったらそんなこと調べてたのか。

 

「なんだ。新世界の扉を開いたのかと思ったのに」

 

「そんな扉開きたくないよ!」

 

「まぁどうでもいいけど」

 

「うん、わかってたけどね」

 

さすがブラさん。だんだんオレのあしらい方に慣れてきてる。

 

「結局、どうする?節分」

 

「どうしよっか」

 

悩みながら部屋を見渡す。壁に背を預けて本を読んでた黒さんが顔を上げて、不意に目があう。そのときなぜか今日持ってきた手土産が頭を過ぎった。あ、そうだ。

 

「そうか。なるほどわかった。最初からこうしたらよかったんだね」

 

「何が?」

 

「さっきのお土産の中に恵方巻きがあるんだけど、ブラさん、恵方巻きしゃぶれよ」

 

「は?」と2人の声がハモる。さすが夫婦はクオリティが違いますね。

 

「え?!何言っちゃってるの?!」

「恵方巻きはしゃぶるものじゃないでしょどう考えてもしかも結局恵方巻きネタなの!?」

 

2人が捲し立ててきた。確かに恵方巻きは食べ物だけど、ただ恵方巻き食べてるところなんて見ても楽しくないし。

 

「ケツの中に福は内、にするか、恵方巻きしゃぶるか考えたらやっぱり恵方巻きだった。別にブラさんがしてくれないなら黒さんでもいいよ。それはそれで萌える」

 

なんでも残さず美味しく戴く派なんです。

 

「どっちも嫌だよ!もっとマシなの何かなかったの!?」

 

ないからこうなったのになー。ブラさんのケチー。

 

「無理だってー。大体節分ネタで萌えようとしたのが間違いだった」

 

素直にバレンタインにしておけばよかった。

 

「そう思うなら考えなきゃいいのに。ていうかさしさんいつまでいるの?」

 

黒さんが口を挟んできた。オレとブラさんの問題なんだから邪魔しないで欲しい。というより、

 

「もしかして、オレ、邪魔?」

 

そういやオレがくるまでそういう雰囲気だったんだっけ?

 

「もしかしなくて「そんなことないよ!ずっといてもいいんだよ!」

 

ブラさん、黒さんがこっち見てるよ!これ完全にフラグ立っちゃったよオレ知らないよ!

 

「えー。ついさっきまで嫌がってたのにー。そんなに帰ってほしくないならしゃぶれよ」

 

「言い方!まるで俺がさしさんのをしゃぶるみたいになってるじゃん!」

 

むしろそれを狙ってるんだけど。

 

「え、違うの?オレの(持ってきた恵方巻き)をしゃぶるんでしょ、って!冗談だよ黒さん!ジョーク!お願いだから携帯壊さないで!!」

 

気付けば、黒さんが無表情でオレの携帯に従来とは反対方向の力をかけようとしていた。慌てて制止すると、ニッコリ笑って

 

「そういえばまろみさんからメール来てたよ。家にさしさんいないんだけど知らない?って。もちろん知らないって返したから今ごろ心配して捜し回ってるかもね」

 

あああああああ!怒っていらっしゃるぅぅううう!!!しかもまろみさんから連絡きてるとか全然気付かなかったよ携帯マナーにしたままだったしどうしよう!!!まろみさんの事だから本気で心配されちゃう!!!

 

「オレ帰るわ!見送りとか要らないし2人の時間を楽しめば良いと思うよ!」

 

それだけ言って駆け出した。後ろからブラさんが何か言ってた気がしたけど、きっと気のせいだ。それより今は早く帰らないと!

 

【05 節分ネタに挑戦したら節分要素がなくなった】

 

(本当に知らないって言ったの?)

(嘘だよ。ちゃんと伝えてる)

(そっか、良かった)

(それよりブラさん、分かってるよね?)

(ひぃ)

説明
※こちらは男同士の恋愛を取り扱った作品なので、閲覧の際はお気を付けください。
ちょっと外れたオリジナルBLの小説サイドです。

2月3日に書いたものなので節分ネタです。

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オリジナル BL ボーイズラブ 

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