【腐注意】もし俺 小話06【オリジナル】 |
CP:黒ブラ 会話文のみ
「ただいま」
「お帰りなさい!くろさん!」
「今日は何してたの?」
「えーと…さしさんが来てた」
「また来てたの?あの人学生だよね?」
「うん。今日は学校が2限までだったんだって」
「ブラさんの話聞いてたら、本当に学生なのか疑いたくなるよ」
「でも俺達もそんな感じじゃなかった?」
「もう忘れちゃったよ」
「えー」
「そういえば明日はまろみさんもお休みなんだって」
「珍しいね、さしさんは?」
「さしさんは学校。5限まであるらしいよ」
「うわぁ。さっきちょっとでも疑ってしまってごめん」
「2限で帰るらしいけど」
「え、最後まで受けないの?」
「代返頼んでるってさ」
「むしろさっき謝った分を返してほしいよ。ていうかさしさんの代返とか難しくない?普段から目立ってるよね」
「それが何とかなるみたい。さしさん、そういうの上手だから」
「あー」
「だから、明日夕方から一緒に遊ぼうってさ」
「ん、わかった。じゃあ夜ご飯も一緒だね」
「うん。くろさんとお酒飲みたいんだって」
「そっか。ブラさんは飲んじゃダメだよ」
「分かってるよ。俺もそんなに醜態晒したくないし」
「それなら良いや。そろそろご飯の用意しようか。」
「俺今日はカレーが良い」
「ダメ、今日は唐揚げって言ってたでしょ。昨日から用意してたんだから」
「えー」
【06-1 晩御飯は唐揚げ】
(一昨日もカレーだったのに)
(そうだったっけ?)
CP:まろさし 会話文のみ
「まろみさんー!おかえりー!」
「ただいま。早かったんやね」
「課題があるからね」
「珍しいね。学校でせんかったん?」
「うん。明日のことブラさんに伝えようと思って」
「そっか。ちゃんと伝えてこれたん?」
「だいじょーぶ!」
「本当に?集合時間と場所は?」
「あ」
「やっぱり。ちゃんと連絡しておいたら?」
「うーん…後にする。今はこっちやりたいんやもん」
「そんなこと言ってたらまた忘れるよ」
「えー。じゃあまろみさんがしといてよ」
「分かった。黒さんに伝えておくね」
「よろしく!あ、今日のご飯は生姜焼きやから!」
「え、ジャーマンポテトは?」
「じゃがいもとベーコンがログアウトしたんよねー」
「うん、わかった。明後日はポテトサラダね」
「えーやだー。明後日は水炊きって言うてたやん」
「じゃがいもとベーコンがダメになるよ」
「ポテトサラダ嫌いなんやもん」
「我儘言わないの。用意してあげるからパソコン除けて?」
「まろみさんはオレのオカンか!」
「はいはい。さしこさんは大人だからオカンの添い寝は必要ないですね」
「うあー!嘘だってー怒らないでー!一緒に寝るー!」
「怒ってないよ。それより台拭くから教科書除けて」
「一緒に寝てくれるなら除けますー」
「わかった。一緒に寝るから」
「りょーかい!」
「でも上に乗るのは無しね」
「まさか…!」
「それも違うから。俺疲れてるの」
「えー」
【06-2 晩御飯は生姜焼き】
(せっかくの休みなのにー)
(さしこさんは学校でしょ)
(やs(ダメ)
CP:まろさし Side:まろみ♂
カーテンから漏れる日差しが眩しくて目が覚めた。時計を確認すると8時30分を過ぎたところ。一瞬ハッとするが、よく考えたら今日は休みだった。布団を干したいけど、もう少し寝ていたい気もする。誘惑に負けて2度寝しようとしたところでこの時間にあるはずのない布団の盛り上がりに気付いた。布団をめくれば思った通り、お気に入りのぬいぐるみを抱きしめたさしこさんが丸まっていた。目を瞑ったまま片手でもぞもぞと布団を探している。
「さしこさん?」
「んー」
「今日学校やなかった?」
「んー」
「もう8時半過ぎちゃってるよ?」
「んー……え?」
煩わしそうに返事をしていた彼が一気に覚醒した。読んで字のごとく飛び起きて、キョロキョロとあたりを見回す。時計を差し出せば一気に顔が青ざめた。
「ヤバい。間に合わん。オレの携帯ない?」
「充電器に挿してるんじゃない?」
あーとかうーとか言いながら充電器に繋がった携帯を手に取り、何度かボタンを押して耳に当てる。すぐに繋がったようで、電話に向かって話し出した。邪魔をしてはいけないと思い、窓を開けてベランダに出る。空は晴れていてもう大分明るい。布団を干すにはちょうど良さそうだ。ベランダの柵に水滴がついていないことを確認して部屋に戻れば、電話を終えたさしこさんが大きなため息をついていた。
「珍しいね。目覚ましかけてなかったん?」
「かけてたけど気付かんかった。今日の1限は出たかったのに」
「2限は?」
「2コマ続きやからサボる。やりたい課題あるし、今日夜はできんから」
「単位大丈夫なら別に良いけど、あんまサボったらいかんよ」
「分かってる」
「布団干すから二度寝せんとってね」
「…りょーかい」
けち、と小さく呟いて彼は洗面所に向かった。それを確認して彼の布団から干すことにする。布団があったらまた寝てしまうかもしれない。彼の睡眠に対する執着心は意外と強い。彼の布団を干し終わり、自分の布団を干していると彼が洗面所から出てきた。ベランダでお日様を浴びている布団を見て、残念そうな顔をする。見ないふりをして入れ替わりに顔を洗いに行く。
「朝、ご飯?パン?」
ドアの向こうから声が聞こえてきた。ご飯、と答えると、りょーかいと返事が返ってきた。さしこさんがトーストを焼くとなぜか必ず焦げる。ホットケーキは半生になる。それを知ってから、彼が朝食を用意するときは必ずご飯を希望するようにした。それでも律儀に聞いてくるあたり、彼なりの気遣いなのだろう。簡単に身なりを整えて洗面所から出れば、彼は朝食の用意をしてくれていた。
「何か手伝う?」
「もうすぐできるからテーブル拭いてもらってもいい?」
「わかった」
テーブルを拭いて食器を用意する。料理が並んだら、2人で手を合わせて食べ始める。テレビに映る情報番組を見ながら、こんなにゆっくりと朝食をとるのは久しぶりだと思う。黙々と咀嚼しているさしこさんを見ながら今日は何をしようかと考えを巡らせた。
【06-3 家事は分担制】
(俺、ちょっと買い物行ってくるね)
(オレも行く!)
(レポートしないと夜の予定はキャンセルするよ)
(いけずー!)
CP:黒ブラ、まろさし Side:まろみ♂
予定通り、俺たちは4人で居酒屋に来ている。最近流行の個室で楽しむことができる店でこれまでも何度かお世話になっていた。ある程度お腹も膨れて酔いも回ってきたところで、いつものようにさしこさんがブラさんに絡む。
「ブラさんも飲みなよ!」
「無理だよ!飲んだらすぐに吐いちゃうんだから!」
「えー!良いじゃん別に!黒さんいるから大丈夫だよ!」
会話だけ聞いていたらいつも通りの冗談のようだが、酒の勢いもあってか今のさしこさんは結構マジだ。必死に断るブラさんに押し倒さんばかりの勢いで酒を勧めている。むしろ押し倒してる。珍しく黒さんが何も言ってこないことが逆に恐ろしい。
「さしこさん、やめなよ。ブラさん困ってるよ」
「えー!つまんなーい!」
詰め寄られて涙目になっているブラさんが可哀想で助け船を出す。自分だけでは止めようがないので、黒さんにも何か言うように目で促したらそれを察してくれたようだった。
「さしさん、オレが付き合ってるから良いでしょ?ブラさんは烏龍茶にしてあげて」
「えー」
文句を言いながらもブラさんから身体を離す。助かった!と言わんばかりにさしこさんの下から這い出たブラさんが、すぐさま黒さんの隣まで移動した。
「くろさん!」
「よしよし、大変だったね」
ブラさんを撫でながら慰めているはずの黒さんの笑顔がなぜか黒く見えたのだけれど、気付かなかったことにしたい。一方、さしこさんは全身から不満を垂れ流しにしていた。
「まろみさん!黒ブラがちゃいちゃいしてるよ」
「黒ブラって言わないの!別に2人がいちゃいちゃしてても問題ないでしょ?」
「ある!オレがムカつく」
「何で!?」
「なんとなくイラっとする。まろみさんは全然オレに構ってくれないし」
「俺のせいなの!?」
わけが分からないよ。
「そーだよ!みんなオレに冷たい。ブラさんには優しいのに、オレのする事はみんなダメって言う」
「そんなことないよ?」
「ある!みんなオレのこと嫌いなんだー」
そういってぐずぐずと落ち込む。さしこさんがこんな状態になるのは珍しい。いつもはこんな酔い方はしないのだけれど、勢い余って飲みすぎたのかもしれない。の割には飲んでいる量は少ない。
「嫌いだったら一緒に飲んだりしないでしょ?今日はもうお酒は止めた方がいいよ」
「やだー。もっと飲むー」
性質が悪い。今日は異常に面倒くさい。
「ダメだって。これ以上飲むなら家に連れて帰るよ?」
「んー。じゃあ帰るー」
言いながらのろのろと帰る用意を始める。普段なら絶対に帰らないと言い張って押し問答が繰り広げられるのに。ここにきてようやく、彼の様子が今朝からおかしかったことを思い出す。寝坊をしたり、お酒の量が少なかったり、妙に聞き分けがよかったり。もしやと思い額に手を当てれば、肌に伝わる熱感。さしこさんは当てられた手に気持ちよさそうに目を細めてされるがままになっている。その様子を黒さんが不思議そうに見ていたから説明をする。
「今朝から何かおかしいとは思ってたんだけど、ちょっと熱あるかも」
「本当に?大丈夫なの?」
「たぶん大丈夫。最近毎晩遅くまで課題とかしてたから、疲れてるんじゃないかな」
「そっか。ブラさん起きて?家に帰るよ」
んーとかうーとかの声になっていない返事をしながらブラさんが顔を上げる。さしこさんの被害から救出された後、黒さんの肩に身体を預けてうとうとしていたみたいだ。2人がこんな状態だからお開きにはちょうどいいだろう。
「まろみさん、先帰っていいよ?さしさん早く寝かせた方がいいでしょ?」
「うん。支払い頼んで大丈夫?」
「大丈夫。次さしさんに会ったときにでも請求するよ」
「わかった。迷惑かけてごめんね?」
「気にしないで、こっちもこんなになってるし」
未だうとうとしているブラさんを見て、苦笑する。今回は黒さんの心遣いに甘えることにしてタクシーを呼んだ。電車で帰る手もあるけれど、より早く家に着いた方がいいだろう。さしこさんにいつもより厳重に防寒をさせて外に出る。もう少しでタクシーが来る筈だ。こちらに身体を預けて隣で立ってるさしこさんを心配しながらもいつもより随分大人しい彼に、これはこれでいいのかもしれないと思ってしまった。
【06-4 体調不良に気付かずによく出かけてしまいます】
(なんで体調悪いって言わなかったん?)
(気付かんかった)
(自分のことだからちゃんと気を付けないと)
(そう思うんならまろみさんがオレの体温毎日測って)
(体温計くらい自分で使えるでしょ)
(そういう意味じゃなかったんだけど、)
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※こちらは男同士の恋愛を取り扱った作品なので、閲覧の際はお気を付けください。 ちょっと外れたオリジナルBLの小説サイドです。 担当:+ |
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