【T&B】ある名も無きヒーローの物語【腐向け】 |
イーストブリッジ――昔事件で僕たちが出会った付近にあるそこへ、この人は時折「散歩へ行こうぜ」と声をかけて僕を連れて行く。行ったからといって何かをするわけでもない。ただ、チェイサーから降りて橋のたもとに行き、護岸工事されたコンクリに直接隣り合って座ったまま、そこからその橋が開くのを見ているだけだ。
「……そういえば、いつも橋が開くときですね。ここに来るの」
数度目にしてようやくそのことに気がついた僕は、いつものように通り過ぎる船をじっと見ている虎徹さんの横顔に声をかけた。別にこうしてただ座っていることに文句があるわけじゃない。隣に座っているだけで幸せを感じてる、だなんて、数カ月前の自分からは想像もつかないことだったが……それはさておき、ただ、何も説明してくれないのが少し不満だった。それもいつものことだったけれど。
「ん、ああ、そうだな」
船から目を離さないまま、虎徹さんが曖昧に答える。橋が開くのは、遠洋からやってくるこの手の大きな船に対してだけだった。小さなものには橋は開かない。それらは下の空間を通っていく。
遠くヨーロッパやアフリカからはるばるやってきた、遠洋航海の船。藍色に塗られた船体の腹には、その船の名前が白いペンキで書かれていたが、長い航海のためにくすんでいた。ぼうーぼうーと低い音で汽笛が鳴る。その音に応えるように、橋がゆっくりと開いていく。
「……船がお好きなんですか?」
そういう趣味があるとは聞いてない。最近通うようになった彼のアパートメントにもそんな雑誌や本、あるいは模型なんてものはなかった。だけれど、単に付き合いが浅いから知らないだけなのかもしれない。だから、一応訊いてみた。
虎徹さんが、さすがに苦笑のような笑みを口に浮かべる。
「いんや。ただ、昔の馴染みがな、帰ってくるかもしんねぇって、
……ついそう思って見に来ちまうんだよな」
その目がふっと、見ているはずの船よりも遠くを見やるようだったので、僕は思わず虎徹さんの膝に置かれていた手を握り締めた。
「お、おい……?」
ぎょっとした虎徹さんが、ようやく僕を振り返る。わがままなのは分かっている。でも、僕の方を見て欲しかった。なんだかあなたが遠くに行ってしまいそうで、きゅっと胸が苦しくなっただなんて、言ったらこの人は笑うだろうか。
「誰を待ってるのか、聞いてもいいですか?」
虎徹さんは、一瞬まじまじと僕の顔を見つめた後、ぷっと吹き出した。僕は随分と情けない顔をしていたに違いない。この人相手にはもう駄目なのだ。何も隠せない。
「長い話になるぜ?」
にやり、と笑いながら、僕の肩を抱く。その手は大きくて、優しくて、僕は安心する。
「構いませんよ」
抱き寄せられるまま、彼の肩に凭れかかるようにしながら呟く僕の目の前、開いた橋の間をその船はゆっくりと通り過ぎていった。
虎徹が「彼」に初めて会ったのは、自身のヒーローデビューのお披露目パーティの時だった。
「あ、ありゃ、もしかしてステルスソルジャー」
新人の紹介が終わって解放された虎徹は、きょろきょろと会場を見まわしていた。憧れであったMr.レジェンドはかなり前に亡くなっており、その女房役とも言われていたステルスソルジャーは引退してOBCの解説者に転身していたが、今日はゲストとして招かれていた。
「ひとこと挨拶できねぇかな」
虎徹はMr.レジェンドだけではなく他のヒーローも好きだった。とりわけ、ステルスソルジャーはその渋い活躍に、自分の中では評価が高かった。婚約者の友恵もそうだ。いや、彼女は自分よりもディープなヒーローファンで、その彼女の熱弁でステルスソルジャーのことを見直したと言ってもいい。「ヒーローは連携も大事なのよ!その点ステルスソルジャーは最高!」と拳を握りしめて語っていた姿を思い出して、頬を緩める。サインでもらって帰れれば、彼女はさぞ喜ぶことだだろう。
そわそわしながら、笑いさんざめくタキシードとドレスの海を掻きわけてそばに行こうとしたが、そこは本日の主賓ともあって、あちこちから挨拶をされ、なかなか近づくことができなかった。
(だーっ!!!)
内心叫びながらも、にこにこして近づいてくる客たちに邪険にするわけにもいかない。彼らの多くはHERO TVを支えるスポンサーやスタッフなのだ。友恵から、そして、デビューに当たってマネージャーとしてついてくれたベンからも、くれぐれも粗相がないようにと釘を刺されている。だから、虎徹は慣れない愛想笑いを顔に貼りつけて、しどろもどろな挨拶を繰り返した。
「やあ、はじめまして、ワイルドタイガーくん」
そうこうしているところへ、爽やかな笑顔と共に近づいてきたのが「彼」だった。
そのマスクには見覚えがあった。レジェンドやステルスソルジャーよりはだいぶ若い、しかし、現役としてはもはや最古参に入るヒーローだった。所属は全く違ったが、なぜかレジェンドやステルスソルジャーと仲が良く、画面にも共に収まることが多かったため、虎徹にもなじみがあった。友恵の評価も高い。「彼はやり手よね」と、活躍シーンを見ながらにやりと笑っていた様子を思い出す。
「あ、どうも、こちらこそはじめまして、――さん」
「彼」のヒーロー名を呼べば、マスクに隠されてない目元が優しく緩み、同じく隠されていない形のいい薄い唇が笑みを形作る。
「名前を覚えてもらえてるとは、光栄だよ」
「いや、それは、むしろこっちの方です!」
Mr.レジェンドと肩を並べて戦っていたヒーローに、こうして自分のヒーロー名を呼んでもらえるようになれたなんて……それだけで虎徹は感無量だった。
「あああ、そうだサインっ!!!
サインくださいっっ!!!」
はっと、これはチャンスだと気がついて、虎徹は上ずった声をあげた。
憧れのヒーローのサインが欲しい。
ステルスソルジャーにもらいたかったが、他のヒーローにももちろんもらいたい。もしやと思って持ってきたサイン帳とペンを取り出すと、ぷっと吹き出された。
「……俺のはこれからいつでも書けるからね。
ああ、そうだ、ステルスソルジャーからまずもらうといい。
紹介してあげよう」
「えっ本当ですか!!!」
上ずった素っ頓狂な声を上げると、笑いながら促される。余りの感激に、ふわふわと足元を頼りなく感じながら進むと、皆が「彼」に対して道を開けてくれた。古参のヒーローである「彼」へ、皆が敬意を払っているのが、それだけでもわかった。
「おーい、ステルス」
「彼」のその声にステルスソルジャーが振り返り、笑顔を向けてくる。それは、数年来の友人に対するもので、彼らの間にある絆を感じさせた。
「よう、最近活躍してるようだな」
「まあな。あんたが見てると思うと下手は打てないからな」
「失敗したら、こきおろそうと待ちかまえているのにな」
「そうだと思った」
気さくな軽口を叩きながら拳をぶつけあう。憧れのヒーロー同士によるそんなやりとりが目の前で展開されてるなんて、これほどファン冥利に尽きることはない。
「で、こちらが今日デビューのワイルドタイガーくん」
「今日の主役だね。君の活躍に期待してるよ」
「彼」の紹介にステルスソルジャーは、虎徹に顔を向け如才なく笑ってみせた。OBCのプロデューサーに転身した彼は素顔を晒しており、神経質で知的な印象だったが、笑うとその鋭さが少し和らいだ。
「あ、はい、その、がんばりますっ」
かちんこちんになって答える虎徹の様子に、二人が笑う。
「ああ、そうだ、彼、あんたのサインが欲しいらしいよ」
「え、俺の?」
きょとんと首を傾げるステルスソルジャーに、虎徹は焦りながらサイン帳とペンを差し出してみせた。
「ああああ、あの、俺、ずっとファンで!」
ステルスソルジャーは虎徹のマスクをじっと見つめた後、ふっと笑ってそのサイン帳を受け取った。
「さっきのスピーチ、すごく良かったよ。
レジェンドに憧れてヒーローを目指したってくだりが特にね」
さらさらとサインを書きながら、そんな風に褒められて、虎徹はマスクの下で真っ赤になった。ヒーローデビューにあたっての所信表明の中で、虎徹が昔レジェンドに救われてヒーローを目指したエピソードを熱く語ったのだった。
そして、Mr.レジェンドのような偉大なヒーローになりたいのだ、と……。
「あ、ありがとうございます!」
「うん、亡くなったレジェンドもさぞ喜んでることと思う」
にっこり笑いながらサイン帳を返してくるのに、虎徹は胸が詰まって何も言えなかった。
「お前、ちゃんと先輩として指導してやれよ」
「ああ、もちろんさ」
余りに感激し過ぎていて、このとき視線を交わし合う二人の瞳がわずかに憂いを帯びたことに、虎徹は気がつかなかった。
ステルスソルジャーと約束した通り、「彼」はそれから何くれとなく虎徹の世話を焼いてくれた。
この頃はまだジャスティスタワーもなく、トレーニングセンターにヒーローが集まるということもなかった。だから、最初のパーティでの顔合わせが終わってしまえば、後は事件でもなければほとんど顔を合わせることもないはずだった。
だが、「彼」は何かと機会を作っては虎徹に声をかけてくれた。
所属も違う、年齢も違う、それでいてとても社交的でスマートだった「彼」は、元々人見知りをしない虎徹には付き合いやすい相手だった。もちろんライバルとしても意識していたが、経験豊富な「彼」をやがてごく自然に、虎徹は先輩として尊敬するようになっていった。
「よータイガー、飲みに行こうぜ」
「あ、はい、行きます」
「お、俺も俺も」
いつしか事件の後、気安く飲みに行く仲になり、そして、そういうときはだいたいアントニオも一緒だった。アントニオは、虎徹より少しだけ先にデビューしていたが、「彼」とは虎徹を介して知り合ったのだった。
「しかし、あの時はやばかったよな」
「あれは動きとしてよくなかったな」
「俺もちょっとあれはどうかと思ったぞ」
「ああいう時はだな…」
ヒーローとしての動きやノウハウをそんな席で指導してくれたりもして、駆け出しの虎徹やアントニオにとってはとてもありがたかった。
「そういえば、――さん、またスクープされてましたよね、熱愛。
前の彼女とはまた違うお相手だったじゃないですか」
その日なぜか一緒についてきていた女性ヒーローが、興味深々といった風情で「彼」に話を振った。全員、すでにヒーロースーツは脱いでおり、私服である。彼女はその季節には少し肌寒そうな襟ぐりの開いた桜色のワンピースを着ていた。化粧にも随分気合いが入っている。
「ああ、ありゃ、あっちの話題作りのお手伝いってやつさ」
「彼」の私生活は派手だった。常に上位にランキングされ、KOHにもなったことがある「彼」は、その手の浮名に事欠かなかった。
もちろんスマートな「彼」は見栄えもいい。
短く刈り込まれ整えられた薄い金髪に、がっしりとした顎を耳元からやはり男らしい揉みあげが囲んでいる。眉毛もくっきりと濃く、その下のスカイブルーの目と、がっしりとした鼻と共に、男の色気を漂わせている。私服はいつも少し崩した感じの白っぽいスーツで、どこかのホストのような風情だった。伊達男――そんな形容がよく似合う男だった。
「えーそうなんですか」
グラスを傾けながら、薄い唇で酷く自嘲気味に笑う「彼」に、その彼女はしなを作ってみせていた。アントニオがそのあからさまな媚態に眉を顰める。虎徹はただ苦笑していた。
そんな風に「彼」はよくもてるのだった。
笑いながらも目が笑ってない――そんな表情で、「彼」は虎徹に向き直って話題を変えた。
「虎徹は、結婚生活順調なんだろ。子供いくつになった?」
「まだ1歳ですよ。ようやく、子供らしくなってきた感じで…」
話を振られた虎徹はそんな風に言いながらも、でれっとした顔をして、いそいそと胸ポケットから家族の写真を数枚取り出してみせる。
「わーすっごいかわいい!」
「おお、こないだより確かに子供らしくなってる」
ひとしきり、その写真で盛り上がったあと、「彼」はぽつりと呟くように言った。
「俺には縁がない話だからなぁ、虎徹はすげぇよな」
「――さんは、俺よりよっぽどもてるじゃないですか」
聞き咎めた虎徹が写真を大事そうに再び胸ポケットに仕舞いながら首を傾げた。
「結婚する気がねぇってことだよ」
「彼」の口がくっとシニカルに歪んだ。それにその女性ヒーローが食いつく。
「えー、なんでですかー」
「俺は悪い奴だからなぁ、相手を不幸にしちまうのさ」
どこか遠い目をしつつ、グラスを傾ける色男の横で、彼女が悶絶していた。
「もてる男ってのはやっぱり違うな」
「……ああ」
その隣で男2人は首を振る。
結局その日は彼女が潰れてしまい、「彼」は頭を掻きながら彼女を送っていった。
「アントニオ、お前、ぼちぼちいい女性(ひと)とかいねぇの?」
「……いたら、お前らと飲みになんて来てねぇよ」
2人の乗ったタクシーを見送りながら、虎徹とアントニオはため息をついた。
◆
その女性ヒーローが死んだのは、それから数カ月後のことだった。
それは、HERO TV中継中の事故だった。
テロ予告のあった現場へ配備されたヒーローたちのうち、彼女が配備された場所にたまたま爆弾が仕掛けられていたのだった。
「ちくしょう、あいつら!!!
そんな馬鹿なことがあるかよ!!!」
虎徹はその事故があったときに、「彼」がそんな風に叫ぶのを聞いた。
爆発の轟音とともに崩れ落ちる建物に駆けこもうとする「彼」を、周囲のヒーロー数名が羽交い絞めにして引き止めていた。「彼」の能力では無理だ、と。
すぐに、がれきを除去できる能力を持つヒーローが駆け付けて、かつて彼女だったものを引きずり出すことに成功したが、そこに生前の面影はなかった。ほぼ反対側にいたせいで駆け付けるのが遅れた虎徹も、大きなコンクリの塊をどかして救助を手伝ったのだが、その惨状に思わず目を背け、しばらく肉を食えなくなったほどだった。
爆弾は彼女の真下で爆発したのだった。能力を発動する暇もなかったのだろう。そして、彼女の能力はそもそも防御向きではなかった。
幸い、避難誘導は完了しており、一般市民に被害は出なかった。
――不幸な事故だった。
最終的に、その事故はそんな風に片付けられた。
HERO TVを挙げての追悼番組――彼女の思い出を語るヒーローたちの中で、「彼」もそつなくインタビューをこなしていた。だが、虎徹は、その目が冷たく凍てついていることに気がついていた。
「ヒーローを辞める……。本気ですか?」
だから、「彼」の行きつけのパブに呼び出されて、そう告げられた時も、実のところ違和感はなかったのだった。なんとなくそうなるだろうということを、動物的な勘が鋭い虎徹は随分前から感じとっていた。
「……ああ」
だが、わかっていても、行って欲しくないことには違いなかった。「彼」は虎徹にとって、今一番身近な「憧れのヒーロー」だったのだ。
「やめて、どこに行くっていうんです」
「俺が戦うべき場所へ、かな。それは、ここじゃねぇんだ」
「彼」がにやりと笑ってみせる。
「まだ……まだ、あなたから学びたいことはたくさんあるんです。
俺たちにはまだまだ、あなたが必要なんです」
無駄だとわかってはいても、一縷の望みをかけて掻き口説く。「彼」はそんな虎徹に優しく目を細めた。
「なあ、もう随分昔にレジェンドは死んだんだよ。
俺たち古い世代はもう衰えた。
……だからこれからは、若いお前たちがこの街を守っていくんだ」
言いながら、涙がこぼれるのを必死で我慢しようとして変な顔になっている虎徹の頭をぽんぽんと撫でてやる。それで、結局虎徹は決壊した。
「いがないでぐだざいよう……」
ずびずびと鼻水と涙を溢れさせながら、虎徹が言い募る。
「あー汚ねぇなぁ……
それでもおめぇヒーローかよ
ヒーローってのはな、どんな時でもかっこつけてなきゃいけねぇんだぜ」
苦笑しながらナプキンを放ってよこす。
「ううう…」
それでひとしきり拭ったあと、虎徹は顔を上げて「彼」を見た。再び盛り上がってくる涙を、唇をぎゅっと噛み締めて堪え、鼻を啜る。
「おめぇの名前を言ってみろ」
「かぶらぎ…」
「そっちじゃねぇ、ヒーローとしての名だ」
「……ワイルドタイガー」
それは誇り高きヒーローの名。その名を名乗るだけで、自然と胸が張り、涙が止まる。
「そうだ。おめぇはワイルドタイガー、この街のヒーローだ」
「彼」が拳を握って、ぎゅっと口を引き結んだ虎徹の前に差し出した。
「俺はMr.レジェンドから、この街を託された。
俺は今、その街をお前に託す。
いいか、頼んだぞ」
虎徹が頷き、拳を上げて、「彼」のそれにこつんとぶつける。
「わかった。俺はこの街を守る」
「それでこそ、俺たちのヒーローだ」
「彼」はにやりと笑った。
『時々様子見に来るから、
あの橋が上がるでかい船に乗って帰ってくるから、
いつも恥ずかしくないようしっかり働けよ』
別れ際にそう「彼」が言ったのだと、すでに船が通り過ぎて閉じてしまった橋をぼんやりと見ながら、虎徹さんは話を締めくくった。
「それで、その先輩は今まで帰ってきたんですか?」
僕がそう聞くと、虎徹さんは、わかんねぇ、と肩を竦めた。ヒーローとして忙しいので、船が入ってくるたびに来れるわけでもない。だから、わからないのだ、と。
「それでもさ、偶然でも帰って来た時にさ、会えねぇかなって思うんだよ」
会えるといいですね、と肩に凭れかかったまま、絡めた指に力を入れる。それ以上は何も言えない。この胸がきしきしと何とも言えない気持で痛んでいても、それを言葉にすることはできない。どう言葉にすればいいかも、わからないのだ。
会えるといいなと思っているのは本当なのに、なぜ、それを言葉にすると白々しく感じてしまうのだろう。心の片隅で、その「彼」と会って欲しくないと思ってしまうのはなぜだろう。過去の話なのに、遠く憧憬を込めて船を見ることが嫌だと思ってしまうのは……。
虎徹さんはくすりと笑うと、ぐるぐるとそんなことを思い悩んでいる僕の頭を、空いた手でくしゃりと撫でてくれた。
「あの人にさ、報告したいんだよ。
あんたから預かった街を、俺はちゃんと今も守ってますよって」
そして、それに、と言葉を継ぐ。
「俺の後に続くヒーローもこんなに立派なのが育ってますって、
だから安心してくださいって、
言いたいんだ」
虎徹さんがそんな風にいってくれたのが嬉しくて、でも、ひどく後ろめたい気がして、僕は見せられない顔を虎徹さんの肩に埋(うず)めた。
説明 | ||
レジェンドやステルスソルジャーより後輩で、虎徹にとっては先輩にあたるヒーローの思い出を語るおじさんと、それを聞く兎さんのお話。設定は絶賛捏造。 珍しく全年齢向けが書けたのでpixivから転載。これもまあ、前提としてコテバニか兎虎です(未設定)。 |
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