全ての終焉より戻りし1000歳のネギ 21 |
第21話『修学旅行編6』
前に立ちはだかる獣化となった小太郎とネギが向かい合っていた。
ネギと小太郎の間、緊張感溢れる雰囲気に明日菜が眼を鋭くさせた。
「お互い本気でやろうやないか!」
「それで獣になってるんだ。芸がないな」
「俺を舐めるんやないで!」
小太郎が気を開放させていた。
おおっ! 気が前より強くなってる。
「いく……ちょっ!?」
「雷の25矢」
25本の雷属性の矢が小太郎の方へ向かっていく。
あんまり力も込めていないので軽く聞く程度のはずだ。
「へっ! そんなへなちょこの矢なんて弾き返したる!!」
小太郎は両腕で矢を左右に弾き飛ばした。
だが、その選択は間違っていた。
弾き飛ばした矢が戻ってきた。
「嘘!?」
「やれやれ、追尾式を弾くなんてアホとしか言えないよ?
最低限は消してくれないと」
僕は前と違い魔力を持つため、更なる魔法の矢で相手を怯まそうと実行する。
「今度のコレは追尾じゃないから注意してね。融合の射手・闇と光の矢」
闇と光の属性が合わさったネギ専用魔法の射手
ネギが使える呪文は父親の名称以上ある。
闇属性と光属性の効果を持った射手を小太郎に向けて放った。
「な、何やぁ!? はぁあああああああああ!!」
必死の表情の小太郎が僕の射手を弾こうと頑張ってました。
勢いが止まらない射手は小太郎の体を少しずつ後ろに押していく。
「何かその表情が良い……小太郎の表情が見れたからもういいや」
明日菜の手前まで後方に下がり、魔法の矢1を押し込まれている小太郎の方へ撃った。
融合の射手と魔法の矢が混ざった瞬間、爆発を起こす。
音が激しくなる。
爆発の衝撃で周りの柱や草木一本すら消えていた。
「ネギ、やりすぎじゃない?」
「僕も思いました。大丈夫ですよ?だって微かにですが、まだ生きてます。……残念ながら」
「ざ、残念!?」
ネギの言葉に青ざめた明日菜だった。
前方では発生していた煙が消えていく。
完全に消えた後に残っていたのはボロボロになってぶっ倒れている小太郎だけだ。
ほう、前と同じ強さなんだ。と憐れみを感じた。
「ちょっと、あの子大丈夫なの?」
「生きてますよ、ああ見えても人狼みたいな生き物ですから」
「人狼? 確かにそう見えるわ」
倒れてる小太郎をじーっと観察している明日菜さん。
死んでないだけマシかな?
あ、親書届けなきゃいけないかな。
「明日菜さん、先に行きましょう」
「無限ループになってるんじゃあ……」
「こんなヘッポコ結界軽くつぶせるよ?」
「だったら何で……」
できるんだったらしてよ。と睨んでくる明日菜さん。
確かにそうしたかったのは山々なんだけど理由が一つだけあった。
それは、
「今後のためです」
「今後?」
首を傾げる明日菜さん
未来の事を知らない明日菜さんに今後と言っても理解できる訳がない。
今後とはヘルマンの事ではなく魔法世界の事だ。
出来る限り、仲間が欲しい。
そのためにはこの接点がなければ意味がない。
僕はそう推測した。
「それよりも早く行きま……!?」
「ネギ? え!?」
明日菜は驚愕しているネギの視線を辿ってみると、
ボロボロになっている小太郎を背負っている黒ずくめの男がいた。
顔が全く見えない。
それ以前に魔力も開放していないのにヒシヒシと伝わっている。
「ネギ、スプリングフィールド」
「あなたは何者ですか?」
本当に誰なんだ?
身長は183ぐらいあるだろう。それだけしかわからない。
全然記憶がないし、こんな黒ずくめな男に会ったことすらない。
悩んでいると黒ずくめの男が口を開いた。
「俺は白さ……いや、ここで名乗る気はない。また会う機会があるだろう」
僕から背後に振り向き歩いて行くが、僕は魔法の矢1を試しに放った。
一つの圧縮しすぎた影響でスパークが走っている矢が黒ずくめの男に直撃すると思いきや
「……領域」
黒ずくめの男の一声で僕の矢が消失した。
「なっ!?」
驚いてる僕に向き直り、魔力を放出させた。
強大な魔力が周りを包み込んだら結界が消滅した。
消滅したと同時に強大な魔力も消えた。
「なんて魔力だ」
「そ、そうね」
「結界は破壊した。目的を果たしてくれ」
黒ずくめの男が僕と明日菜さんに言い残して消え去った。
転移魔法を使った痕跡すらない。
あれは一体何?
「ネギ」
「何ですか?」
「私、木乃香が気になるわ」
「……そうですね。行きましょうか」
「うん!」
目的が決まった。
親書は後回しにして僕と明日菜さんは影のゲートに潜った。
〜シネマ村〜
僕と明日菜さんはシネマ村前に影のゲートで来た。
懐かしい。
ここで初めてフェイトと会うんだっけ。
「何でここなの?」
「僕も分かりません」
「とりあえず、入ってみよう」
「はい」
入場料を払い、中に入った。
入場すると周りには人がたくさんいた。
見ろ!人がゴミのようだほどではない。
僕と明日菜さんは普通に私服だ。
ここで服を着替えると言うのは時間がないためしない。
「木乃香達を探せばいいのよね」
「ええ」
「じゃあ、私はあっちの方に行くわ」
明日菜さんが走っていった。
僕は夕映さんのカードを出して念話をする。
「夕映さん、夕映さん、聞こえますか?」
『聞こえるです』
「今、どこにいるんですか?」
『シネマ村です。ネギ先生は今どこに?』
「シネマ村の中です」
『今、観客が多い場所に木乃香さんと刹那さんがいます』
「それって直ぐに分かりますか?」
『多分、一か所しかないです』
「ありがとうございます」
人が多い場所って橋のある所か。
念話を切った僕はカードをポケットの中に直して人混みが多い場所に走った。
橋の方では、
刹那と木乃香が月詠に会っていた。
「何でここにいる!」
新撰組の服装をした刹那が刀を月詠に向けた。
「先輩と戦ってみたいと思いまして」
「くっ!」
周りは人がいる。
ここでは派手な事が出来ない。
どうする、どうすれば回避できると思ったその時、
「木乃香!!」
「明日菜!?」
明日菜が来た。
でも、この状況は何も変動がない。
状況を見ていた夕映達は考えていた。
「ネギ先生はまだですか」
「そうだね」
「何でネギ先生なの?」
ハルナの言葉にビクンと反応する夕映とのどか。
言った本人は面白い物を見つけた様な表情になっていた。
「そ、それは……」
「あ、ネギ先生」
「え?」
月詠の方から出てきたネギがいた。
急いできた僕は月詠さんを目撃した。
背後から攻めるのは僕の趣味じゃない。
だから、僕は月詠さんの前にいる2人の前に瞬動で向かった。
「木乃香さん、刹那さん」
「ネギ君!」
「ネギ先生」
二人とも無事みたいだ。
分身でもないから自由に行動可能だ。
僕は木乃香さんの耳に小声で呟いた。
「木乃香さん、実家に向かいましょう」
「実家!? そうやな」
木乃香さんが僕の意見に頷いて刹那さんに
「せっちゃん、ウチの実家に」
「わかりました」
「そうはいきまへんで!」
おばさんの誕生だった。
誕生じゃなく登場であるが。
相変わらずぬいぐるみらしき存在と出てきた。
「隠す気があるんですか?」
「あるわけないやん、それよりも木乃香お嬢様を渡してもらおうか!」
「なぜ木乃香さんをおばさんに渡さなきゃいけないんですか?」
「そうよ!」
明日菜さんが僕の前に出る。
いたんですか。
出てくるまで気が付かなかった。
おばさんが札を出してこう言った。
「この札はな〜、ウチの最高傑作やからガキンチョごときがどうにかできると思わへん方がええで」
「小太郎君といい、おばさんといい……仕方がないですね」
ここで足止めさせてもらおう。
念のため、明日菜さん達に目的地まで向かってもらう。。
「明日菜さん、木乃香さん達と共に向かってください」
「え?」
「ネギ先生はどうするんですか?」
「僕は足止めします」
背中に手をやったがスカッと空振りする。
そういえば杖放置してきたんだ。
かっこ悪い。
薄気味悪い表情で僕の事を見るおばさん
「フフフ、ウチをなめんやないで!」
「ヤラレ役が何を言うんですか?」
「このガキ……」
怒りで増えてる所申し訳ないけど、時間の無駄だから先手を取る。
いや、取ろうとしたが僕と敵の間に私服姿のエヴァと茶々丸が着地した。
飛んでくるなよっと突っ込みたいが、まあいい。
「エヴァンジェリンさん」
「こいつらか」
「ネギ先生の敵は……この方達ですね」
茶々丸さんが何かに目覚めてる。
ロボットだからわからないと言う事はない。
エヴァの反応を楽しむ事が出来るほど世界が歪んでいるんだ。
不思議でもないと僕は思い込んだ。
「貴様、私の物に手を出すな」
エヴァが月詠さんを上から目線で呟く。
私の物っていつエヴァの物になったんだよ!
明日菜さんと木乃香さんの眼がメラメラと燃えてるし
「エヴァンジェリンさん」
「ネギ、ここは私に任せろ! さっさと向かえ」
「遠慮なく向かいますね」
すると、エヴァがズルッとバナナに滑った様なコケ方をする。
「お前は私を……とかないのか!」
「エヴァンジェリンさんは最強なんでしょ? ですからがんばってください」
茶々丸さんとエヴァに任せる事にした僕は2人の前まで移動する。
そんな目で僕を見るのはやめてくれません?
2人の目が僕を突き刺す様な視線だった。
「急ぎましょう」
「そうやな〜」
「エヴァちゃんに任せれば大丈夫でしょ。なんたって最強なんだから」
明日菜さんが笑顔でエヴァにさよならと手を振り、僕の左手を握る。
機嫌が良くなった木乃香さんも僕の右手を握りながら目的地に向かうべく走った。
走ってる途中でエヴァの「覚えてろよ!神楽坂明日菜、近衛木乃香!!」とか聞こえた。
うん、気のせいだ。
僕達はエヴァを残してシネマ村から抜けた。
エヴァンジェリンはネギがようやく行ったと判断すると殺気を前にいる女に話しかけた。
「私が相手になろう。あいつらを追いたければ私を倒すがいい」
札を持って変な笑い方をする女の横に白髪の少年が女にこう言った。
「千草、ここは引いた方が良い」
「何でや? 相手は一人やで」
「相手は闇の福音、吸血鬼の真祖だから」
「あんなちっこいガキが!?」
大声で叫ぶ目の前の女にムカッと来たエヴァは言い返した。
「誰がちっこいだ!」
「マスター、落ち着いてください」
茶々丸がまあまあっと暴れそうなエヴァを止めている。
まるで子供がわがままを突き通そうとしているような光景。
「千草」
「ちっ! わかったで……月詠はん、撤退や」
「はいな」
白髪の少年と共にシネマ村から撤退して行った。
撤退している方向がどう見てもネギ達が向かっている方向だった。
エヴァは相手の向かってる方向を見て舌打ちする。
「茶々丸、私達も向かうぞ」
「シネマ村はいいのですか?」
「何時でも来れるだろ!」
茶々丸がエヴァの顔をじーっと見つめる。
見られてるエヴァは茶々丸から目を逸らす。
何かを悟った茶々丸が納得した様に頷き
「ネギ先生のためですね」
ネギという単語に赤らめたエヴァは茶々丸を睨んだ後、ネギの向かった方向へ飛んでいく。
茶々丸もエヴァの後を付いていった。
「ネギ先生……行っちゃいましたね」
「木乃香さんの実家に向かったそうです」
「そこに向かおう。夕映」
「ですね」
残っていた夕映やのどかは急いでネギの後を追う事になったのだが……
会話を聞いていたハルナがのどかと夕映の肩をポンと叩いた後、
「のどか、夕映、その辺……詳しく聞こうか」
背後に黒いオーラを漂わせていた。
まるでどこぞの白い魔王の雰囲気だった。
「少し、聞かせてもらいましょうか」
「ハルナ……えと」
「うう……」
涙目になった2人は耐えきれず話すのだった。もちろん、魔法の部分は隠して
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