全ての終焉 22 |
第22話『修学旅行編7』
〜本山・木乃香の実家前〜
実家前と言っても家は上の方にある。
かなり登らないといけないからつらい。
僕は大丈夫でも他の人が……ね。
「へえ、ここが木乃香の実家なんだ〜」
「そうやで、驚いたやろ?」
「正確には門前」
「上に登らないと行けませんね」
「これって疲れない?」
現在、僕は混乱していた。
なぜかって?
そんなこと決まっている。何で、
「何でエヴァンジェリンさんがここにいるんですか?」
当然のようにエヴァが門の柱にもたれていた。
あなた、修学旅行を楽しむんじゃなかったんですか?
呪いの間に過ごした無駄な時間を忘れてもらおうとあまり関わらなかったのに。
「あいつらがお前の方に向かったから来ただけだ」
「本当は心配で来たんです。ネギ先生」
「何を言ってるんだ!」
茶々丸の言葉に反応して突っかかるエヴァ。
修学旅行に来て、ますます性格が変な方向に行ってる気がする。
「人数多くないか?」
「そうですか?」
「気のせいなのです」
「木乃香の領地ってすごいわね」
「上に登らないと家ないんやけど」
家は上に登らなければいけない。
そこまでの道がしんどいのだが、
あれ?
木乃香さんの家ってこんなんでしたっけ?
疑問を抱く
ちなみに、今いるメンバーは明日菜、木乃香、茶々丸、エヴァ
夕映、のどか、ハルナだけだった。
「ちょっと!私を忘れて……」
「朝倉さんもいたんですね。誰のせいなんでしょうね」
「それより、何でパルが」
「夕映とのどかに聞いたのよ。ネギ先生の事も」
ニヤニヤしているハルナさんを見て確信した。
ああ……ばれたのかと溜息を吐いた。
「夕映さん、のどかさん、いっちゃったんですか」
「はい」
「言うつもりはありませんでしたが、威圧感に負けてしまって」
「それは仕方がないです」
「仕方がないの?」
明日菜さんが何か言いたげな表情。
念のため、圧力をかけておこう。
「ハルナさん、一つだけ言っておきますがみんなに広めないでください。
じゃないと、オコジョか記憶を消さなきゃいけません」
「わ、わかったわ」
青ざめたハルナさんがコクコクと頷く。
広めた記憶がないから大丈夫と確信した。
でも、油断は禁物だ。
「ネギ、そろそろ行かない?」
「立ち止まっても仕方がないですね」
僕達は頂上へ登った。
〜木乃香の実家(こういう名前で)〜
辿りつくと、巫女さんがいっぱいいた。
木乃香さんの実家は本当に久しぶりだ。
前と全然変わってない。
「ようこそいらっしゃいました。ネギ先生」
詠春さんが出てきました。
ここで明日菜さんが渋いとか言うな。
「木乃香のお父さんって……」
「奥に入ってください。そこで用件を聞きましょう」
「わかりました」
詠春さんが奥へ招いてくれた。
ただ、詠春さんの表情がちょっとだけ驚いた表情になっていたが。
奥に入ると何かお城や最高責任者がいる様な状況の場にいた。
座布団が敷いてあり、詠春さんが座る場所には王様的な高級座布団があった。
それはいいとして、何故、座布団?
和風だから仕方がないのかな。
「僕は真ん中に座りますか」
僕の発言で一斉に誰かが動き出した。
エヴァが僕の右腕をギュッと絡める。
「私はここで座らせてもらおう」
「エヴァちゃん、それはアカンって」
「エヴァンジェリン?」
詠春さん、何を驚いた表情になっているのですか?
「久しぶりだな、詠春」
「なぜ君がここに」
呪いをかけられているはずの人物がいると驚くのは当たり前だ。
呪いが消えた事を詠春さんは知らなかったみたいだ。
というか、今いる事を気づいたのか。
「行事の一環として呪いを操作してもらった」
「嘘付くんじゃないわよ!」
「本当の事を言うと問題になると思うが?」
僕は別に構わなかった。
エヴァを助けたのは今からで言うと未来の関係だ。
呪いを解いた僕を敵意持つならそれはそれでいい。
僕を狙うと言うなら容赦はしない。
問答無用で無になってもらう。
「あ、そうだ。詠春さんでしたっけ?」
「はい」
話した事があんまりないからどうすればいいのかわかりません。
タカミチ以上に存在自身忘れてましたよ。
最後に話したのは木乃香さんの事についてでしたね。
懐かしく思いながら懐にしまっていた親書を取り出し、詠春さんに渡そうとするが
「エヴァンジェリンさん、木乃香さん、邪魔なんですが?」
「そんなもの、私が渡してやる」
親書を僕から奪い取り、魔力を親書に包み込み投げた。
こんな使い方、今まで見た事もない。
詠春さんの所に親書が届く。
受け取った詠春さんが親書を読み上げた後、僕にこう言ってきた。
「御苦労さまです。親書を確かに受け取りました」
「はい……明日菜さん、助けてください」
僕の助けを聞いた明日菜さんはハリセンでエヴァと木乃香さんを叩いた。
バシン! バシン!とかシュールな音が鳴った。
「何をする!」
「何するん? 明日菜ぁ」
「ネギから離れなさいっての!」
ここまで状況説明がなかったから言います。
僕の両腕に木乃香さんとエヴァが占領。
それを見ているのはのどかさんと夕映さん、茶々丸さん
状況を楽しんでいるのが朝倉さんとハルナさん
そんな状況に、刹那さんが詠春さんの前に出てしゃがみ込み、
「長、私は……」
「頭を上げてください」
「あ、はい」
詠春さんに言われた刹那さんが顔を上げる。
「木乃香の護衛、ご苦労様でした。これからもお願いします。
それが木乃香のためにもなるんですから」
「はい!」
ネギがとんでもない事を言い出した。
「木乃香さんは既に魔法を知ってます」
「ちょっ!?」
明日菜さんが僕を止めようとしますが無駄に終わる。
詠春さんは今までにない驚きをしていた。
「僕が来て当日か翌日にばれてしまいまして、明日菜さんのせいで」
「何で私のせいなのよ!」
「なるほど……明日菜さんは当日に知っていたのですね」
「ここで魔法とか言って大丈夫なん?」
「木乃香さん、大丈夫ですよ。ここにいる全員は魔法の存在知ってますから」
「そうか……木乃香、お前は魔法使いになりたいかい?」
詠春さんのいきなりの質問に木乃香さんは目を見開いた。
20秒ぐらい考えているように見えた後、僕を抱きしめて
「ネギ君のパートナーになるのは決定済みや!」
「木乃香、あんたねえ」
「キスだってしてるやん」
キスって挨拶みたいな事になってるよ。
それだけで言うのはどうなんでしょうか、
僕には乙女の頭の中は理解できません。
「もうその辺でいいです。木乃香、がんばりなさい」
「うん!ありがとな、お父さん」
木乃香さん、親公認って勝ち誇った表情してるの?
頑張りなさいって何を言っちゃってるんですか?
娘を応援する気持ちは分かりますが相手は10歳でしょ?
言おうとしたが、ここで言ってしまうと何かを失う気がした。
「頑張らなくていいぞ」
「エヴァちゃん、負けへんで」
「ほう? ネギに鍛えられたごときの力で私に勝てると思うなよ」
魔力を開放すると、天井にひびが入る。
エヴァ、木乃香さんの実家を破壊する気。
詠春さんはニコニコと微笑むのみだった。
止めろよ……。
仕方がないので茶々丸さんにお願いする。
「茶々丸さん、エヴァンジェリンさんを止めてください」
「えと、わかりました。……せっかく残念ですけど」
茶々丸さんが残念そうにしながらもエヴァを捕まえる。
「マスター、これ以上するのは危険です」
「止めるな!」
「ネギ先生から印象が悪くなってもですか?」
「……仕方がない」
茶々丸の言葉に悔みながら魔力を消す。
同時に木乃香さんの魔力も消えた。
「皆さん、お疲れの様ですから今日の所は泊まってください」
「いいの!」
「ハルナ、落ち着いて」
「でもどうするの? 私達がいないとわかったら」
「それに関してはご心配しないでください」
複製魔法で明日菜さんを含めた存在を生み出し、本物と同じように行動させる。
今頃は旅館で普通の行動をとっている事だろう。
「本当に大丈夫なんでしょうか」
「それより、部屋で休みたい!」
ハルナさんはもう歩けないと言う事を態度だった。
「そうですね。では、案内人に従ってください」
詠春さんが僕達を見て苦笑した後、ここの人が部屋に案内してくれた。
部屋と言っても男女混合になってる。
広いけどこれはないだろう。
仮にも僕の見た目は10歳だけど、精神は1000歳だ。
ハルナさん達が畳の上に寝転ぶ。
「疲れた〜」
「木乃香の家ってすごいわね」
「ウチやなくてお父さんのやけど」
「どっちにしてもすごいわ」
「さて、問題はここから何ですよね」
「何だ?」
僕の言葉、エヴァの言葉に明日菜さん達の表情が変わる。
「ここに貼られてる結界って大丈夫かどうかです」
「木乃香が狙われてるってのは聞いたけど、どうなの?」
「普通の魔法使いでは無理だ」
「影のゲートや水から来られる危険性があります」
「確かにな」
水や土などに結界は意味がない。
そこまで高性能な結界はあまり存在しない。
僕はその辺の危険性を説明した。
「ここも安全って言い切らない事か」
「どっかで見た事あるわ。アニメだっけ?
バリアで覆われた基地に透ける装置がある機械が入って攻め込まれるシーンが」
アニメってまあ、そう思っててもいいかも知れない。
本山の結界でも透過する能力があれば入れるってのが判明してるもんね。
「一番は木乃香さんを攫うのが目的だから攫ってもらおうか」
「ネ、ネギ先生!?」
「せっちゃん、別にいいんよ? 元から決めてた事やし」
「このちゃん……」
心配そうに見つめる刹那さん
刹那さんの心配に気づいた木乃香さんは右手を上げて
「大丈夫や、もしもの事があったら自力でどうにかできるし」
「どうやってですか!? 神鳴流がいるんですよ?」
「これがあるから」
そう言って右手に魔力の塊を作り杖を生み出す。
「木乃香、それってもしかして」
明日菜さんにも教えてるから知ってる。
腕を組んでいるエヴァが木乃香の杖を見て僕に尋ねる。
「何だあれは……」
「強制転移の杖です。ただし、1日に1回しか使えませんが」
「それがあっても無理なんじゃあ」
興味を持った朝倉さんが杖を見て呟く。
「強制転移の杖は危険と思った瞬間、どんな能力があろうが強制的に転移させる」
「つまり、相手が強かろうが関係ないって事か」
「夕映さんとのどかさんだけ渡しておきましょう」
僕は2人に強制転移の杖を渡す。
「ネギ君! 私は?」
ハルナさんが何かを言っていた。
それを無視する。
「でも、修行の時それを使ってもネギから逃げられなかったんだけど」
「あ、ウチも疑問に思った」
修行の時、何度かそういう修行をしている。
その時に使ったがネギの攻撃をまともにヒットした。
一応、その辺の説明はしておこう。
「僕の場合は……スピードが速すぎて意味がないんです。あはは」
「あははって……」
「ネギのスピードってどれぐらいだ?」
明日菜さんと木乃香さんの表情が青ざめた。
状況を思い出したようだ。
エヴァは2人の反応を見て首を傾げるのみ。
「マッハで言うと、かなり手加減してたから30000ぐらいだっけ?」
「嘘付け!」
「嘘じゃないですよ? 本気を出せば横切る衝撃波だけで敵を倒せる自信があります」
へっへん!と鼻を伸ばして威張るネギを見たエヴァがその辺にある座布団を持ち突っ込んだ。
「物騒な事言うな!」
エヴァから突っ込みを貰った。
本当の事を言ったのに何がいけないんだ?
落ち着こうとテーブルにあるお菓子を一口で飲みこむ。
「うーん……」
「ハルナ、どうかしたのですか?」
「いやね、それもどっかで見た事あるのよね。
喫茶の店長が疾風の何とかと呼ばれてて、通り過ぎただけで相手を倒すだっけ?
その漫画の前半は安定してたけど後半からすごいのよ」
「ネギ先生、ハルナの言う感じですか?」
漫画の話をしてるハルナさん
僕にそう言ってきた夕映さんが一息とテーブルに置かれていたお菓子を一口食べる。
「似たような感じです」
「お風呂に入ってこないと……」
「あ、僕も……」
今日は別の意味で疲れました。
僕は立ち上がり行こうとしたその時、爆発音が鳴った。
爆発音にしては魔力が流れ込んできて結界が破壊されていた。
それもかなり魔力でその場を爆発させたような音だ。
爆発音と共にちょっと揺れた気がした。
「何事だ!」
「多分、あいつらだと思います」
刹那さんが冷静な態度で呟く。
「そいつに会ってきますか」
魔力の気配がフェイトなのは既に分かっているけど、何で月詠さんの気配を感じるんだ?
エヴァを連れてる影響かどうかわからないがそういう事にした。
皆は状況に混乱していた。
詠春さんが危ないと僕は思い、フェイトの所に向かおうとするが止められた。
「待て、ネギ」
声の主はエヴァだった。
音がした方面を見ながらこう言った。
「私も行くぞ」
行く気満々になってるエヴァを見て、まずいと思った。
相手からバレてるけど、今は僕だけでフェイトと接触してみたい。
接触する事でどう変わるのか見てみたいからだ。
だから、僕は戦いの歌を使用して、
「来ないでください。エヴァンジェリンさんは夕映さん達をお願いします」
「まっ!?」
壁をぶち壊しながら爆発音のあった場所へ突っ込んでいった。
関係ない壁など粉砕してるけど気にしない。
過去まで来たんだ、後悔はしない。
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