全ての終焉 29
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第29話『いきなりの発見』

 

 

 

夕食を取った僕は自分の部屋から出ようとしたが、明日菜さんに呼び止められた。

僕は明日菜さんの方へ向く。

明日菜さんの右手に封筒があった。

 

「ちょっと」

「どうしたんですか?」

「これ、ネギへ手紙が」

 

一枚の国際封筒を渡してきた。

明日菜さんから受け取った僕は宛先を見て顔を顰めた。

何でこんな時期に送ってくるんだ? お姉ちゃん

封筒を開け、手紙を開けてみる。

 

「『ネギ、久しぶりね。修行の調子はどうかしら?

お姉ちゃん、とても心配で堪りませんっと言ってる場合じゃないか。

実はね、学園長がアーニャの修行内容を変えてしまって、

どこって? 聞きたい? それはね、ネギの補佐に変更って事よ。

そっちの方だと明日の夜に来るんじゃないかしら。じゃあ、元気でね』……うわ、アーニャがここに来るのか?」

「ネギ、アーニャって誰?」

「アーニャちゃんって誰なん?」

 

2人が黒いオーラを覆いながら僕を責めてきた。

黒いオーラを軽く無視してさらっと答える。

 

「幼馴染かな? 年は1つ離れてるだけ」

「そうなんや。幼馴染……すごい武器やな」

「そうね」

 

2人は真剣な表情になって何を言ってるんだ?

別にアーニャとは何の関係もないんだよね。

意識し出したのなんて魔法世界で助けた時だし、

どうしてって? 助け出した時、かわいかった。

 

「ネギ、その子はいつ来るの?」

「明日の夜だってさ」

「明日の夜か〜、ここに来るって事はここの生徒になるって事やろ?」

 

僕の補佐って言ってるけど、

僕の推理が正しければネカネお姉ちゃんが学園長に無理やり変更させた。

そう思うしかないじゃないか。

 

「教師ではなく3−A生徒になるかも知れません」

「11歳でしょ?」

「僕は10歳ですよ?」

「あ……」

「すっかり忘れてたわ。ネギってそんな年齢に見えないのよね」

 

何処が見えないっていうんだ?

馬鹿な、性格なんてちょっとしか変えていないというのに。

昔から女性はそういう所を見抜くのが上手いというがそうなのか?

ネギの目的が斜め上に向かってるため、ネギ自身にはそれが表に出てる事を知らない。

 

「私、風呂入ってくるわ。バイトあるし」

「ウチも入ってくるえ……ネギ君も一緒に入らへん?」

「ええ!? 僕は遠慮します」

「そう言わんと」

 

木乃香さんは僕の手を掴んでお風呂場へ連れて行こうとするが、

力を入れてこの場にとどまる。

っつか、明日菜さんも頬を染めてないで止めてください。

念話を明日菜さんに送信したが、帰ってきた言葉は

 

『まあいいんじゃない? もし誰か居れば出れば良いんだし』

 

どう思うよ、僕の知ってるこの頃の明日菜さんと全然違う。

もっと教育的に悪いなど私はショタコンじゃない!とかで拒否してくるんだが。

明日菜さんも止める気しないって事は味方がいない?

 

「オレッチも入っていいっすか?」

「カモは邪魔よ!」

「酷いっす」

「あはは……」

 

カモ君、同情するよ。

明日菜さんからは昔の僕もそんな感じだったし

今だけはカモ君と呼んであげる。

味方がいないって事は逃げるが勝ちってことね。じゃあ、

 

「はぁ、逃げるか」

「ネギ君!?」

「極移」

 

木乃香さんが逃げる僕を見て叫び、明日菜さんが僕を掴もうとするが、

それも間に合わず、部屋だった景色が0コンマ1の時間で世界樹の前に移動した。

 

〜世界樹〜

 

魔力消費ゼロの極移で来た僕の目の前に巨大な木が立っていた。

この前書きは良いか、それよりも、よく僕はここに来るな。

 

「ネギ先生〜」

「お姉ちゃん、本当にするの?」

 

あれは……風香ちゃんと史伽ちゃんだね。、

本当にするのって何の事だ?

パタパタとこちらに走ってくる。

 

「ネギ先生、約束覚えていませんか?」

「約束……」

 

約束、修学旅行後にってアレの事か。

このイベントがここに来るって事なの?

 

「その約束ってココですよね」

「はい」

「はいです」

 

双子だから背もほぼ同じ。

 

「ネギ先生、この世界樹には伝説があるんですよ?」

「確か、世界樹前で告白して結ばれると永遠に離れる事が無いというアレですか?」

「ええ!? そんな伝説があったんですか?」

「史伽、知らなかったの?」

「じゃあ、今からそれをやるの?」

 

今から起こる事は前と同じなんだろうけど、それを伏せいておこうか。

後で明日菜さん達の耳に届いたら、別の意味で怖い。

黒いオーラとか黒いオーラとかね! 特に木乃香さんのが!

 

「よじ登ろうよ」

「よじ登る……だと? 危ないですからここでいいんじゃないですか?」

「先生は登りたくない?」

「面倒……じゃない危ないじゃないですか」

「仕方が無いな〜。一応、前だからいっか。史伽」

「う〜……わかったよ。お姉ちゃん」

 

風香ちゃんと史伽ちゃんが僕の両腕に絡み付いて僕のほっぺに口づけをした。

 

「ええ!?」

 

用が終わったと離れた2人の表情は赤くなっていた。

 

「ネギ先生、好きです」

「私もネギ先生の事が好きです」

 

素直で真剣な表情をした2人の顔が輝いていた。

2人に魔法バレるのは、少なくとも魔法世界後までバレる事が無かったんだよね。

 

「……お2人の気持ちは嬉しいんですが、今の僕にそんな余裕はないんです」

「別に今じゃなくてもいいよ」

「先生やってるんだから仕方ないよ」

「僕は部屋に戻りますね」

 

2人と別れた僕はこの場から離れる事にした。

夜といってもこの時間だから大丈夫だよね。

寮の外出時間というか管理人が前より優しめになってるから心配はない。

 

〜学園・大橋〜

 

前、僕はエヴァと闘った場所にいた。

結界を前から貼り付けてエヴァを範囲内まで来させ、捕縛魔法を発動。

でも、茶々丸さんの解除で無意味だったけど懐かしい。

 

「学園結界はここまで……ん? こ、れ、は……」

 

見た事のあるぬるっとした感触のある水を見つけた。

この時間は誰もいない。

ここは学園都市みたいなものだからな。

 

「このぬるっとした水は」

 

地面にある水たまりを触ってみる。

これは、あの時のスライムか?

って事はもう? この学園に潜入済みって事になるのか?

 

「まずいな。早い、早すぎるぞ。小太郎はどこかに身を寄せてるからいいとして

ヘルマン達も身を寄せてるのか?」

 

前は封印の瓶を目当てに初めは千鶴さんの所へ行っていた。

でも、小太郎が瓶持ってなさそうだったからどう行動するのかわからん。

明日菜さんは僕の魔力をすでに完了済み。

木乃香さんはって、ポケットの中に杖があった。

 

「あれ? 強制転移の杖あるな……今の木乃香さんなら関係ないか」

 

大事な点を思い浮かべ、どうにでもなるさ。

そう考えを完結した僕は火の1矢を気持ち悪い水たまりにぶつけて蒸発させた。

 

「突きとめることはできるが、止めておこう」

 

むやみに歴史を変える気はない。

僕は何もせずに、橋から離れた。

 

 

 

〜ネギの部屋〜

 

 

ヘルマンがこの地域にいるのか、と溜息を吐きドアを開けた瞬間、

機嫌が悪そうな明日菜さんが出席簿を持って騒いだ。

 

「何よこれ!」

「え?」

 

何か怒ってるが、木乃香さんがいない?

木乃香さんの事は後にしよう。

明日菜さんから受け取った出席簿を開けてみると内容を見て叫んた。

 

「なっ!? こんなの書いた覚えねえよ!!」

 

全員の写真の上に妙な事が書かれていた。

書いてある内容とはこうだ。

『ネギ先生、選び放題だね。できるなら私を選んでくれると嬉しいなハート。by鉄火面』

突っ込み所あるが、鉄火面って何だよ……

表に地が出るほど言葉が戻り、頭を抱えていた僕は明日菜さんに聞く。

 

「これ、どこにあったんですか?」

「え? さっきまき絵ちゃんが届けてくれたの」

 

まき絵ちゃんって何でこれを持ってるんだ?

これ、どうでもいいから僕の机の中に閉まったはずだよ?

職員室にある物がどうして……

 

「それで、まき絵さんはどうしてこれを?」

「中見てねって言ってたわ」

「じゃあ、これを書いたのは……まき絵さんかな?」

「へえ〜? でもこれって消せないわね」

 

油性マジックで書かれている。

消せない事もないが、消す意味もない気がする。

 

「消す必要ってあるんですか?」

「誰かに見られたらまずいわよ」

「どうまずいんですか?」

「……これ以上、ライバルを増やす気?」

「これからもっと増えるんじゃないですか?」

 

小声で呟いていたが、聞こえたので僕はそう答えた。

それを聞いた明日菜はムッとしながら

 

「ネギって本当に10歳に見えないわね」

 

嫌見のつもりで言ってるんだろうけど、僕には通じない。

だから僕は満点な笑顔で返す。

 

「そういえば木乃香さんは?」

「木乃香? 木乃香ならエヴァちゃんの所へ行ったわよ」

「どうして?」

「修行だってさ。私はバイトがあるから勘弁」

 

明日菜さんは面倒そうにしてた。

今の能力でもヘルマンに勝てはしないだろう。

小太郎を見てるとヘルマンも力が上がってるかも知れない。

 

「明日菜さんも行ってきたらどうですか?」

「いや、私はバイト」

「別荘があるじゃないですか」

 

エヴァの別荘があれば鍛えることぐらいできる。

でも、ヘルマンが攻めてくるのが明日の夜としたら遅いか。

出席簿を僕の領域の机の中へ転送させた。

 

「それなら仕方が無いですね」

「へっ?」

「どうかしたんですか?」

「……だって、木乃香が行ってるなら私もって指摘されるかと」

「考えてましたが、今日はもういいですよ」

「明日の夕方行くわ」

 

明日菜さんが青ざめながら呟く。

エヴァの修行って鬼だからしょーがないけど、効果はちゃんとある。

明日菜さんと木乃香さんがどう鍛えられているか僕は知らない。

聞いてみようか。

 

「明日菜さん、エヴァンジェリンさんの修行ってどんな感じですか?」

「基本運動、高温度、低温度での訓練、咸卦法の継続時間、組手ぐらい」

「僕の修行と比べてどうですか?」

「ネギの方が鬼よ!」

 

必死に否定する明日菜さん。

僕はそこまで鬼だったか?

たかがミスしたら精霊の射手1とか無詠唱の呪文とか、

全部回避せよ!と言って光の1000矢を時間差で攻撃程度じゃないか。

 

それから眠る時間まで色々と話した。

ウェールズで過ごした頃の事。最近の事。

僕が話した後、明日菜さんもとても楽しそうに話してくれた。

 

「じゃあ、私寝るわね」

「はい」

 

明日菜さんは微笑んでベットの方へ向かい、体を寝かせた。

しばらくして、明日菜さんが寝たと感じた僕はソファーで横になり、

 

「明日は大変な事になりそうだ……」

 

だんだんと眠気が襲って来て限界になった僕は眠りに落ちた。

この言葉が明日、現実になる事をネギは知らなかった。

 

第30話へ

 

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次話はヘルマン登場。

説明
第29話
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タグ
逆行 最強 ネギま オリジナル魔法 

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