全ての終焉 32
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ヘルマン編の戦闘はこれで終了です。

後編はサブタイトル合ってないです。

 

今回、強引部分や描写不足な部分がありますが、作者の技量不足です。

 

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第32話『ネギ対雑魚犬、ヘルマン後編』

 

僕の前にテンション高めのアーニャが立っていた。

 

「ネギ君、君の周りは本当に面白い人たちがいるものだ」

「それは同感です。アーニャ、下がった方が良い。こいつ、強い」

 

本来のヘルマンより能力が高いのは間違いない。

 

「ネギだけでどうにかできるの?」

「できるよ」

「2人まとめてかかってきたまえ」

 

ヘルマンが僕を挑発するかのように人差し指をクイッと2回ほど繰り返す。

本当にこいつ、変わってるな。

アーニャじゃあどうやっても勝てない事を知ってる僕はアーニャに注意する。

 

「アーニャ、危険だから下がってくれ。ウェールズを襲った魔族なんだ」

「っ!? まさか……私のママとパパを石にさせたのも」

「そうだ。私だ」

「ゆ、許せない……」

 

まずいな。両親の事で心に火が付いたか。

怒りで震えていたアーニャは攻撃するため、杖を前に構えて呪文を唱え始めた。

 

「私の全力で仇を取るわ! 炎の精霊48柱 集い来たりて 魔法の射手 連弾・火の48矢」

 

アーニャの放った炎の矢がヘルマンのほうへ集中砲火していく。

それだけじゃあヘルマンを倒すなんて夢のまた夢だな。と思っていると

 

「さらに、火精召喚 槍の火蜥蜴17柱」

 

連続で炎の精霊を放ち、ってアーニャは何時の間に詠唱キー無視できたんだ?

ロンドンに行ってる間に何かしたのかな?

そう思っていると、アーニャの声がさらに大きくなって叫んだ。

 

「これで最後よ! フォルティス ラ・ティウス リリス・リリオス 

契約に従い、我に従え、炎の覇王。来たれ、浄化の炎、燃え盛る大剣。

ほとばしれよ、ソドムを焼きし火と硫黄。罪ありし者を、死の塵に 燃える天空っ!!」

 

アーニャが燃える天空をヘルマンに向けて放った。

何ッ!? 燃える天空なんて撃てるのか……

けど、詠唱キー無視は普通の呪文だけなのね。

ヘルマンに直撃して、周りをも炎に包まれた。

 

「あんなんじゃあ、倒せないだろうから僕も支援」

 

僕は燃えてる中心部分に向けて魔法の射手 雷の100矢を発射。

僕の援護に驚いたアーニャが僕を見る。

 

「ネ、ネギ!?」

「……アーニャ、燃える天空を何時の間に覚えたの?」

「え? ロンドンで修行してたらいつの間にか、ね」

 

修行してたらってどうやったらそんなにできるの?

まだ1年もたってないよ?

アーニャは炎属性だから使えるのは当り前なんだけど、

現在でそこまでの技量は無かったはずなんだ。

 

だが、目の前で燃えている場所から衝撃波が発生して炎が消えていく。

どうやらヘルマンが空中に飛んだ影響のようだ。

燃える天空すら効かないのなら、前みたいに雷の斧なんて撃っても無傷に違いない。

なら、強力な魔法をやるしかないから、アーニャに離れた方が良いと言うとしよう。

 

「アーニャも明日菜さん達の方へ行ってくれる? ここは僕一人で」

「無理に決まってるじゃない!」

 

僕だけにさせないため、粘るアーニャを見ていたエヴァがアーニャの前に出てきて

 

「ネギに任せろ」

「あんたは誰よ!」

「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 通称闇の福音など呼ばれてる吸血鬼」

「ひっ!? わ、わかったわよ」

 

闇の福音という言葉に青ざめたアーニャが安全な所まで避難しようと僕から離れた瞬間、

上からアーニャに向けて魔力を発射。

抵抗しようにも先ほどの魔法で魔力がないアーニャは相手の攻撃に直撃し、倒れた。

 

「……っ!? アーニャ!」

 

僕は必死にアーニャの所まで走り、倒れているアーニャを見る。

気絶してるだけのようだが、背中から血が出ている。

僕は詠唱なしの治癒魔法で背中の怪我を治し、

 

「……木乃香さん」

「は、はい!!」

 

冷たい声に反応した木乃香が慌てて返事をする。

僕はアーニャを木乃香さんの前まで転移させ

 

「アーニャを頼みます」

「わかったえ」

 

今の僕を見て悟ったのか了承してくれた。

アーニャを木乃香さんに任せた後、僕は浮いているヘルマンを見て視線を鋭くさせる。

 

「マギア・エレベア、掌握」

 

この場にある植物などあらゆるものから強引にエネルギーを吸収する。

植物は生気を失い、枯れていき、電気が付いていた建物もいきなり切れる。

流れ込んでくるエネルギーに気付いたヘルマンは地面に降り

 

「ククク……いくぞ」

 

言葉を発しながらものすごいスピードで突進してくる。

妨害しようとするのだろうが、もう完成していた。

だから、僕は一言呟く。

 

「充填」

 

僕の姿が黒く染まり、髪の色が変わる。

闇の魔法の完成だ。決して、術式兵装を使う訳じゃない。

結界もなしに使った瞬間、この世界がどうなるのかわかったものじゃない。

 

「雷の神槍・七連」

 

七つの雷の神槍が僕の前に出てきて、槍がヘルマンの方へ直進する。

ヘルマンは右に回避するが、追尾式してあるから着いて来てる。

その事に気付いたヘルマンが受け止めようと立ち止まり前に手を出す。

そんなヘルマンに笑みを浮かべてこう言った。

 

「その槍が素直に直線で来ると思ってるの?」

「何?……これは」

 

僕の優しい言葉に反応したヘルマンだったがもう遅い。

右手を確認して人差し指をクイッと上に曲げ、パーにした後、ギュッとグーに変える。

すると、七つの槍がヘルマンを囲むように別れた後、光を発しながらの速度でヘルマンに発射。

 

七方向からの槍の速度を見切れず、ヘルマンの体を貫通する。

刺されたというのに血は出てこなかった。

 

「ぐほっ!」

 

ヘルマンは口から血を吐いた。

どうやら体の状態がおかしいようだ。

 

僕は苦しんでいるヘルマンをチャンスと思い、権限の鍵を右手に装備。

ヘルマンの前まで走った僕は鍵をヘルマンの腹に突き刺すと、ヘルマンが両手で僕をどけようとする。

今の僕は権限の鍵と魔力の影響でヘルマンの力なんて蟻レベルでしかない。

 

「アーニャを傷つけた分は重い。アーニャの得意とする属性で魂ごと消してやる」

 

権限の鍵に魔力を送った後、僕の左手で小さな光を作り、ヘルマンの背後に光を浮かせる。

小さな光は野球ボール並みになっていく。

そして、僕は無表情になり、こう言った。

 

「原子のチリとなれ。極光陽」

 

ヘルマンの背後で浮いている光が輝いていく。

いきなりヘルマンはジタバタと暴れて苦しみ始めた。

当り前だ。ヘルマンの背中が熱によって赤色になっているから。

塵に変えてやる。

そう意気込んだ僕は最後の言葉を呟いた。

 

「始動」

 

すると、光は一瞬で広範囲を包み込んだ。

包み込んでいる間にジューっという音がしている。

光が10メートルほどで停止し、役目が終えたかのように消失した。

 

「え、えええええええええ!?」

 

明日菜さんが驚きの声を挙げた。

他の人たちも眼を見開いて驚愕していた。

僕の周辺には熱で蒸発したようなクレーターができていたから。

目の前にいたヘルマンは跡形もなく消えていた。

 

「あんな熱程度で消えるとは……」

 

極光陽とは、小さな光を生み出し、敵の周辺に設置させ発動させる。

発動時、かなりの熱が出ているため周りが蒸発していく。

ちなみに、先ほどの極光陽の温度はコロナ程度だ。

権限の鍵を使用しての効果だから、自分の力だけだと10000度程度しか出ない。

僕は明日菜さんの所まで移動して心配そうに声をかける。

 

「大丈夫でしたか? 一応、結界を貼ってあったので大丈夫なはずですが」

「え? 大丈夫よ。でも、何で蒸発したようになってる訳?」

「確かにそうだな」

「あの敵が一瞬にして消えてたです」

 

これはどうもおかしいと夕映さんが言ってるわけで。

クレーターが出来ていて焦げた匂いがするのは普通じゃない。

 

「簡単ですよ。今の魔法で完全消滅しただけですし」

「ネギ」

「何ですか?」

「相当の熱のようだが」

「まさかヘルマンが100万度程度で蒸発するとは思いもしませんでした」

 

まったく、あの程度の温度で消滅するとは大したことない。

権限の鍵の能力を全力出せば、核以上の温度は余裕で出せるはずなんだ。

尤も、今の僕では太陽の核までしか出せないのが欠点。

心中で思いながらも呟いた僕の言葉に、全員がはぁ?状態。

夕映さんが僕の体を見回して

 

「ネギ先生、ご自分が言った事理解してますか?」

「100万度なんて耐えられる訳ないで」

 

木乃香さんの言う事も尤もなんですが。

皆が混乱しているようだから偽りの事を言うしかあるまい。

 

「冗談ですよ。魔力でやったんです」

「そうやろうと思った」

「ネギ先生も冗談を言うんだから!」

 

僕の背後にいるハルナさんが、パンパンと背中を軽く叩いた。

冗談と受け取ったみたいだ。

ヘルマンが消えた事により、安心した僕は皆に言う。

 

「これで一件落着ですね」

「一件落着じゃないわよ」

「え?」

「これ、どうすんのよ。クレーターが出来てて噴水広場って言わないわよ」

 

真ん中に底なしのクレーターがあって元の噴水の欠片もない。

明日菜さんはそれを言いたいのか。

 

「しかし、よく学園側とか気づきませんね」

「せっちゃん、ウチらを攫った人達はどう来たんや?」

「あ、そうですね……」

 

小太郎が侵入できたのも不思議な札が原因だし、この事を学園長に知らせる必要がある。

今回の事も学園長は、学園側は知らないだろう。

 

「私、そろそろ帰りたいんだけど」

 

思いっきり無関係そうな朝倉さんが気まずそうにしていた。

当然といえば当然だろうけど、茶々丸さんが向こう側の木の方に指を差し、

 

「ネギ先生」

「何ですか?」

「あの少年がまもなく目を覚まします」

 

あの少年? ああ、自分のドジで吹き飛ばされた哀れな小太郎か。

そういえば、小太郎は放置してたな。

ずいぶんとまあ長い気絶だことって言いたいね。

悪戯気分で僕は木にめり込み、今も気絶している小太郎の前に立つ。

 

「さてと……」

 

僕は左手で相手の口を塞ぎ、右手で相手の鼻を摘む。

その様子を見ていた明日菜さんが顔を引きつらせながら呟く。

 

「ネ、ネギ、それはえげつない」

「……ん! んんんんん!!」

 

小太郎がようやく気付いた後、ジタバタしながら僕を黒い狗神で攻撃させた。

対して効かないけど7歩分ぐらい小太郎から離れた。

息を止められたせいで苦しかった小太郎は背後の木を黒い気みたいなもので消滅させる。

 

「はぁはぁ……殺す気かい!!」

「起こそうと思って」

「普通に起こせっつーの!」

「……それはいいとして、これからどうするつもり?」

「もちろん、勝負やで!」

「ヤダ、今から学園長に侵入者の事を報告しなきゃいけない」

 

本当は面倒くさいけど、無断で侵入してきた小太郎の事もあるし

 

「……」

「学園長室まで来てもらおうか? 侵入者さん」

 

僕は楽しそうに小太郎に向けて満面な笑顔をプレゼント。

僕の笑みを見て悔む小太郎はギュッと拳を握る。

 

「わかったで。ならさっさと連行してもらおうやないか!」

「わかったよ。あ、そうだ。アーニャ!」

 

明日菜さんにおんぶされて寝てるアーニャを起こす。

起こされたアーニャは僕を見て

 

「ネギ……はっ! あいつは!?」

 

明日菜さんから瞬間移動したかのような早さで離れて周りを見る。

警戒しながら探しているアーニャに向かって言ってあげた。

 

「ヘルマンなら僕が倒しましたよ」

「ええ!? 嘘」

「本当よ。だからこんな状況になってるんでしょうが」

「……これ、どうなってんのよ」

「アーニャちゃん、ネギ君って滅茶苦茶強いやん」

 

木乃香さんの僕を褒める言葉を聞いたアーニャは首を傾げて疑問を持つ。

ま、まずいな。このままでは何で僕が強いのか問いただされる。

ある事情で魔法世界まで明かす気なんてないってのに。

なら簡単だ。こうするしかない。

 

「小太郎君、学園長室まで行くよ」

「いつでもええで!」

「戦いに行く訳じゃないんだけど」

 

あくまで小太郎の事を決めなきゃいけない訳で。

前と違うのは京都から脱獄したってのがないの。

さらに、瓶も存在してないようだからヘルマンの件も知らない。

本当、疑問になってきた事がある。

 

「ここって本当に僕の過去なの? でも間違いなく僕の過去なんだ。

じゃあ、この世界に誰かが干渉してるって事?」

 

十分にあり得る事だけど、考えられるのはあの黒い男?

駄目だ。断定するのもまだ難しすぎるし、材料が無さ過ぎる。

それにまだ、敵が強いやら結界の強度が違うなど小さな事しかない。

 

「何一人でブツブツ言うてんねん」

 

頭の中で考えていると小太郎が怪訝そうな表情で僕を見てくる。

どう思われようが関係ないんだけど、ブツブツって事は聞かれてないっぽいね。

当然、明日菜さん達にも聞かれてない訳です。

安堵した僕は小太郎に返事をする。

 

「……うん、何でも無いよ。行こうか」

「ネギ、私達も」

 

明日菜さんが僕に付いてきてくれるみたいだが、どうする?

別に影響ないからいっか。

 

「別に良いですよ」

「ネギ先生、ここどうするんですか?」

「えと、直しますか」

「どうやって直すのよ。こんなの無理に決まってるわよ」

 

アーニャが破壊された光景を見て

 

「ネギ君がこの前、クレーターになってた桜並木通りを直してたから」

「……復元魔法 第2修正、解放」

 

とりあえず、こんな場所を残しておくわけにはいかない。

僕は権限の鍵を右手で破壊された場所へ向ける。

すると、クレーターになっていたり破壊された場所がフィルムの様に修正されていく。

明日菜さん達は見慣れているが、まだ知らない人たちにとっては驚愕していた。

修正が完了すると、権限の鍵を僕の中へビシュンと音が鳴ると共に消える。

 

「これで大丈夫ですよね」

「何時見ても不思議な現象です」

「夕映、冷静すぎ」

「のどかこそ」

「私ははじめてみるわ。ネギ先生すごいわね」

 

ハルナさんが僕を褒めてくれた。

夕映さんとのどかさんは初めてじゃないんだっけ?

初めてなのは、朝倉さんとハルナさんにアーニャぐらい? 

え? 小太郎って野郎の事なんて知らん。

 

「な、な、な……」

「どうしたん? アーニャちゃん」

「って何で私の名前を!?」

 

木乃香が自分の事を知ってる事に驚くアーニャ。

 

「知ってるも何も、ネギ君に聞いたんやけど?」

「ああ、それもそっかってそうじゃなくて! ネギ、何よあの魔法は!」

「ん? 復元魔法だけど?」

「いつそんな呪文できるようになったのよ」

 

ゲッ! もしかしてヤバいと思ったが、

刹那さんやエヴァ達がこう言った。

 

「ネギ先生ですし」

「ネギ君やし」

「ネギだからな」

「マスターもネギ先生の事を」

「違うって言ってるだろうが! 何度言えば分かるんだ!」

 

エヴァが茶々丸さんの頭にあるアレをくるくる回していた。

悶絶しながらも茶々丸さんが

 

「ツン……デレ、ですね」

 

遺言の様な声色で呟いていた。

エヴァは誰がツンデレだ!とか言ってたけど、どうみてもツンデレです。

 

「二人とも、その辺にしたらどうですか?」

「ふん! 仕方が無い」

「……助かりました。ネギ先生 人間ペースになったらお礼します」

「人間ベースって?」

 

明日菜さんが頭の上に?マークを浮かせながら首を傾げていた。

わかってはいるんだけど、今は聞きたくないな。

でも、ネギの思いは次の言葉で消え去った。

 

「人と同じ性能になれます。つまり、ネギ先生に……」

 

僕にって言った後、なぜか茶々丸さんの頬が赤く染まっていく。

続きは恥ずかしすぎて言えないようだった。

恥ずかしい事を聞いた僕は嫌な予感がして溜息を吐いた。

 

「そんな話してないで、さっさと学園長室へ行くわよ! ネギ」

「そ、そうですね」

 

アレ? 嫌な予感がしたのに誰も突っ込んでこない。

それはそれでいいか。手間が省けるし。

そう頭の中で完結させたが、バカの声が僕に。

 

「まったく、ネギは情けないで!」

「小太郎にも分かる日が来るよ。こんな状況になったらそうなるって」

 

言い返してやると、小太郎は冗談だろ?という表情でないない、とか言いながら首を横に振る。

僕の過去では、小太郎は確か2人以上に……だったかな?

あんまり他人の恋愛関係なんて覚える気ない。

どうでもいい考えを水に流して、全員にこう言う事にした。

 

「僕は今から小太郎と学園長室へ行きますが、こんな時間ですので他は寮に帰ってくださいね」

 

そもそも今、夜だし。すっかり忘れていたよ。

寮の管理人は前より優しい人になってるから、かなり遅くならない限り怒らない。

 

「あ、そういえば門限過ぎてるんだった! ヤバいわよ。夕映、のどか」

「そ、そうですね」

「じゃあ、ネギ先生、私達はこれで」

「ネギ先生、また明日」

「さよなら」

 

朝倉さん達4人は寮へ向けて歩いていった。

ヤバいとか言いながらも普通に歩いて行くって……まあいいか。

残ったのは刹那さんなど。

 

「エヴァンジェリンさん達はどうしますか?」

「私も行くに決まってるだろ? だが、この学園の結界も大したことないな!」

 

まったくその通りだ。

エヴァが学園結界の脆さに笑っているではないか。

木乃香さん達もなぜかうんうんと首を縦に振る。

 

「ねえ、ネギ」

「何ですか?」

「服着替えたいんだけど、さすがに恥ずかしい」

 

頬が赤い明日菜さんがスカートの部分をなぜか抑えている。

そういえば、今の明日菜さんの姿ってチアガールだっけ?

ヘルマンって妙な趣味をしている。

まあ、そのおかげで明日菜さんのチアガールを見れた訳だけど。

今後、見ることはないと思うけど仕方が無いな。

 

「ええ、明日菜の良く似合うやん!」

「こ、木乃香!?」

「う〜ん、そ、それもそうやな……えい!」

 

木乃香さんがスカートのポケットから小さな杖を出し、明日菜さんに向かって振った。

すると、なぜか制服姿になった。

 

「何で、制服なのか?は聞かないわ。とにかくありがとう。木乃香」

「親友やん」

 

明日菜さんは信頼できるような笑みで木乃香さんに感謝していた。

本当にこの2人は親友なんだなぁ。

 

「じゃあ、そろそろ行きますか」

「やっとかいな〜」

 

小太郎は待っている間、欠伸をしつつも空を見ながら待っていた。

本当に疲れてるっぽいから10メートル範囲の魔法陣を地面に貼って

 

「極移」

 

場所を想像しながら小さな声を出した。

ネギ達は噴水広場から姿を消した。

 

この場には誰もいなくなった……と思われたが、今まで忘れ去られてた生き物がいた。

その生き物は小さくマスコットキャラ的存在。

 

「兄貴〜、酷過ぎるッス。オレッチが活躍したのにも関わらず……兄貴の所へダーッシュ!」

 

小さな生き物は叫びながら、急いでネギ達の後を追った。

 

 

 

第33話へ続く。

 

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次は学園長室から始まります。

説明
第32話
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逆行 最強 ネギま オリジナル魔法 

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