全ての終焉より戻りし1000歳のネギ 35 |
第35話『エヴァと千雨いえ、ちうちうの仮契約』
「あ、カモがいないや。まあいっか」
スペースがある所に魔法陣展開。
この2人だからカモの魔法陣は不要だね。
「完成。エヴァンジェリンさんはどうするの?」
「マスター、心拍数が上昇しています」
「やかましいっていうか何時からいた!!」
「マスターが赤くなってる所を録画してましたが」
平然とした態度で答える茶々丸さん
録画って何に使うの?
「な、ななな」
「あははは、茶々丸さんも変わったわね」
「茶々丸さん、その服は?」
「え、えとこれは……」
「可愛いですよ」
「あ、ありがとうございます……」
僕が満面な笑顔で言うと、茶々丸さんが顔を赤くしていた。
茶々丸さんの服装が明日菜さんの着ていたメイド服そのものだ。
機械時代だから赤くなってるって分からない訳でもない。
「準備は出来ましたよ」
「う〜ん、仮契約すると何かあるのか?」
「こういうのが手に入るんや。アデアット」
「なっ!?」
木乃香さんは千雨さんに見せる為、アーティファクトを解放。
制服から巫女さんになった。
いきなり変化したのだから驚くのは普通だろう。
「カードから何かに変わるという訳か。私の場合は何だ?」
「千雨ちゃんは興味を持ってる何かあるん?」
「わ、私は……」
「千雨さんは多分、パソコン系でしょう」
「ぱそこん?」
正確には電子精霊だっけ? 忘れたけどそんな感じだったりする。
電脳世界とかいうアレになんちゃらって僕自身覚えてない。
「だって千雨さんはネットア「わああああ!!」って言いませんよ」
「もろバラす気だっただろ!?」
ちっ! ばれてたのか。
どうせ分かる事だからばらした方が身のためなんだけどね。
まあいっか、後でばれた方が面白いとも言うし。
「ネギ先生、何か企んでませんか?」
「いえ、それよりも本題をやってしまいましょうか」
「それならオレッチに任せとけ!」
どっから沸いてきたのか、カモの登場だ。
何時来たんだろうねぇ、この生物は。
嬉しそうに魔法陣を展開して妙な事を呟く。
「さすがアニキっすよ。あの闇の福音を従者にさせてしまうなんてオレッチ誇れるッスよ!」
「ネギ、この下等生物、細切れにしていいか?」
言葉と共に殺気を放つエヴァ
エヴァの恐怖を味わうカモは小さな体を震わせていた。
「駄目ですよ。カモは細切れにするんじゃなくて食べた方が美味いんですから」
「ヒドイッス!」
「それよりも早くしたら? 待つのがめんどくさい」
腕組みしながら指をトントンとさせてるって事はイライラしてるな。
夕映さんやのどかさんはなぜか黙ってるし。
「仕方がない。ネ、ネギ先生」
「ええ」
僕は千雨さんの前に立つ。
これ、結構恥ずかしい。
魔法陣の中に入り、いつも通りの展開なので以下略。そして、キスをする。
空中に仮契約カードが浮かぶ。
「これがカード?」
「そうですよ。アデアットで展開。アベアットで展開OFFね」
「言い方が変わってるんですけど」
「夕映さん、同じ説明飽きてこないですか?」
「確かに」
まあいいや、これで仮契約カードが増えた。
多重アーティファクトまでの近道か。
でもあれって、作ろうと思えば作れるよね。
とりあえず、今が大事だ。
「千雨さん、協力お願いしますね」
「嫌だって言っても無駄なんだろ?」
「無駄だな。魔法の事を知れば意味がない」
「のどかちゃんとか巻き込んでるから別にどうでもいいわ」
だんだんと変わってきてるね。明日菜さん
「こんなに集めて何か組織でも作る気なん?」
「組織って何ですか?」
「組織って言うよりもパーティっすよ」
前よりも強化されてるメンバーだね。
だけど、リライトとかうざったい事があるからね。
造物主の掟は僕に効く事は一切ないが……。
「ネギ、私とするんじゃなかったのか?」
恥ずかしくもじもじさせながら呟くエヴァ
かわいいなぁ、思わず頭を撫でてしまうな。
「ってネギ! 何をしてるのよ!」
「ネギ君〜」
アーニャと木乃香さんが怒ってる様な表情で僕を見てきた。
気づけば僕はエヴァの頭を撫でていた。
相手も拒否してこないしそのままでもいいな。
「あはは……」
「ネギ、いつするんだ?」
「う〜ん」
「エヴァちゃんも何で撫でられっ放しなの?」
ハリセンを持った明日菜さんがエヴァに迫っていたが、横に避難していた。
ん、避難? その理由はというと。
「……星光破壊」
「はい!?」
「っ……」
木乃香さんが防御完全無視、空間破壊できる魔法を撃ってきてました。
しかも、前より小さいので威力も速度も遅いのだが、効果は変わんないな。
だって空間にヒビ入ってるし、それを見たエヴァが顔を引きつらせながらも僕から離れた。
わかるよ。真祖の障壁でも関係なく無視できるもんね。
反則的な効果を持つ星光破壊が僕の方に迫ってきた。
「はぁ、掌握」
こちらに向かってくる星光破壊を僕の魔力に変換、吸収した。
反則って言われても知った事じゃない。
遊びで星光破壊なんて撃つな、この別荘が消える。
「あっさり防がれると落ち込むんやけど」
「木乃香!? 何をするんだ」
「ええ、だって〜」
「だってじゃない!」
話が進まない。
状況が混沌化してるから仕方がない。
「アーニャとの買い物もあるんだから急いでくれません?」
「何ってああ、転入したばっかりか」
「カモ」
「はいっさ!」
カモ君が魔法陣をもう一度展開させる。
契約魔法陣でってエヴァの姿はゴスロリだけど、パンツ意味ないし
見慣れてるせいやらエヴァが恥ずかしがらないという理由が主にある。
「よし!」
以下略な事をしてから、エヴァと僕はキスをした。
「兄貴、これがカードっす」
空中にあったカードをパクっていたカモから受け取る。
「何だ? ……これってやばいなぁ」
絵柄が前と全く違っていた。
しかもこれは、20歳ぐらいの姿だった。
真祖から人間になった時の状態か、この話はエヴァに聞かせるかはわかんないよ。
それはともかく、僕が完成させた闇の魔法で作った2メートルの白い槍。
「あはは、白王(はくおう)の槍……」
誰にも聞こえないほどの小声でつぶやく。
白王の槍は僕が作った槍で、使うときは多分、あるかも知れないから許容範囲内には入れておいた方が良い。
事象の地平面に追放させる相手がいればの話だが。
ガノードをぶっ倒した後にできるようになった事だから、なぜできるのか、は僕自身が説明できない。
「これがエヴァちゃん? 何かイメージとちゃうやん」
「確かに違うわね」
それを言っちゃいけないよ。明日菜さん、木乃香さん
夕映さんとのどかさんも頷かない。
「お前らな……」
「千雨さんとエヴァちゃんのアーティファクトってどんななの?」
「……アデアット」
千雨さんが言うと、服装が変わり身長も小さくなっていた。
「って何だこれえ!?」
千雨さんは叫んでいた。
この姿はビブリオルーランルージュじゃん。
数センチの差程度だから気にする必要はないと思う。
でもこれって……コスプレ大会の時の姿だっけ?
「小さくなってると言ってもちょっとだけ、ね」
「数センチ縮んだだけやん」
「カード見るとさ、妙な格好をした千雨ちゃんだよね」
「うん。そうやな」
千雨さんのカードに描かれていたのはビブリオルーランルージュの姿だった。
小さくなったと言っても年齢詐称薬で小さくさせたほどじゃないが……。
縮んだとか言いだすから千雨さんの表情がブルーになってる。
「これ、元に戻るのか?」
「アベアットって言ってみたら?」
呆れ表情のアーニャが千雨さんにタメ口してる。
「……アベアット」
光が全身を包み込み、光が消えると元の姿に戻った。
千雨さんはホッと安堵の息を吐いた。
「元に戻らなかったらどうしようかと思った」
「エヴァちゃんみたいな身長になるのが嫌やったんやな〜」
「木乃香、ケンカ売ってるのか?」
星光破壊撃った時も思ったけど、木乃香さんはエヴァと何かあったのか?
前と関係が全く違うからわかりにくい。
「エヴァちゃんのアーティファクトどうなの?」
「あ、ああ」
エヴァがカードをアーティファクトに変えた。
すると、白い槍に変わる。
本人は槍の先をじっと見つめていた。
「何でしょうか。この槍」
「私も知らん」
「夕映のアーティファクトでわからへん?」
木乃香さんが夕映さんに聞く。
「ああ! なるほど」
さっそく実行するため、夕映さんはポケットの中からカードを取り出す。
アデアットと呟いた夕映さんの姿が変わった。
夕映さんの姿を見たアーニャが妙な事を言いだした。
「ネギと仮契約したって事よね、これってネギの趣味?」
「アーティファクトはその人のアレだから、僕は関係ないよ?」
「そうやで、だったらウチのも違うやん」
木乃香さんがアーニャにカードを見せる。
姿が京都の巫女服だった。
実家に居た時の影響かも知れんが、僕のせいじゃないぞ?
「へえ、何かいいなぁ」
「夏だと暑いよね、巫女服」
「それよりも私の槍は?」
「わかりました。ちょっとしらべてみます」
夕映さんが本を宙に浮かし、検索していた。
うむ、非常識な辞典だな。
「名前は何て言うのですか?」
「ん? 天の槍(アマノヤリ)と書かれてるが?」
良かった。どうやら違うようだ。
でも天の槍って何?
槍の名称を聞いて頷く夕映さんが調べていたが、目を見開いて僕を見た。
説明してもいいのか分からない状態だった。
僕は夕映さんの隣で詳細を見てみる。
「……広範囲破壊の槍みたいです。魔力を上乗せする毎に威力も上がっていくらしいです」
「破壊の槍、ですね」
「私の考えていた完成版の闇の魔法を応用すれば誰でも勝てそうだ」
「考えてただけやろ?」
「確かにそうだが、ネギの強さが予想外だからな。私も闇の魔法を覚えようと思ってる」
エヴァはフッと口を歪ませた。やる気のようだ。
もしかして、僕って妙なフラグ立てた?
覚えるのは良いんだけど、僕の闇の魔法完全版はエヴァの言う完成版とまったく違うからね。
何処が違うのか、は後ほど見る機会があるよ……多分。
「それって一つだけなんですか?」
「アーティファクトだから無限に出せるんじゃないの?」
「でも明日菜、アレは某鍵みたいなタイプやないん?」
「某鍵って何ですか?」
のどかさん、それを聞いたらいけませんよ。
とか言いつつ、僕も良く知らなかったりする。
木乃香さんは知ってるみたいだ。
「某鍵ってのはな、キングんんんんって何するんっ!?」
言おうとした木乃香さんの口を夕映さんの右手が塞ぐ。
「言っちゃ駄目です。問題が起きます」
「何の問題なん?」
「……えと、エヴァンジェリンさん、何本でも出せるのですか?」
聞いてる方の疑問を無視してエヴァに問いかける夕映さん。
無視された張本人は夕映に無視された、とか嘆いていた。
それも無視するって夕映さんも変わってる。
反応したエヴァは横に首を振り否定する。
「いや無理だ。一本しか出ないな」
「投げて?」
「アホか、もし本当なら別荘が崩壊するぞ」
表情に青筋を立てて、槍からカードに戻した。
エヴァのアーティファクトも分かった事だし
そろそろアーニャの方に行くとするか。
「アーニャ、買い物行こうか」
「え、いいの?」
「気にしないでいいよ。急がないと後が面倒だから」
「ネギ、アーニャちゃんの買い物行くの? だったら私も付き合うわ」
明日菜さんとその横で頷いてる木乃香さんが付いてくる気満々だった。
う〜ん、4人が限界かな?
あんまり人数を増やしても邪魔なだけで効率も悪い。
頭の中で考えていた僕は答えを見出した。
「いいですよ。それじゃあ、アーニャと僕と明日菜さんと木乃香さんでいいですね」
「ええよ」
「わかったわ」
「ちょっと待て!」
「あ、マスターが……」
いつの間にかエヴァの背後に茶々丸さんがいた。
本当にこの茶々丸さんは気配もなくいきなり現れる。
居なくなってたりするからね、わかんなくなる。
「何ですか?」
「私も連れて行け!」
「エヴァちゃんには関係ないんじゃない」
「アーニャちゃんはどう思うの?」
いきなり話を振られたアーニャは「え?」と困惑したが、
僕を見てハッとなった瞬間、エヴァにビシッと指を差す。
「駄目! 私の買い物なんだから付いて来ても何にもないわよ」
確かにそうだ。
アーニャの日常品を買いに行くだけなのにエヴァが付いて来ても何もない。
本当にそれだけだと思う。
「ふん! わかった」
「マスターが諦めました」
「茶々丸、何が言いたい?」
「何でもありません」
プイっと横に背けて拗ねるエヴァとそれを見て、見守る様な笑みを浮かべている茶々丸さんがいました。
この時の茶々丸さんの表情を極めるのってかなり難易度が高いよ。
「夕映さんとのどかさんと千雨さんはどうしますか?」
3人の事を聞かなければいけない。
強引に連れて来たのだから魔法で送り届けなければ。
うん? 人に見られたらどうするのかって? そんな事は知らん。
「ネギ先生はアーニャさんの買い物に付き合うんですよね」
「そうですよ」
「のどか、私達は例のアレをしないと駄目では?」
「ああ! ネギ先生、部屋までお願いします」
例のアレって何だろうか。
のどかさんと夕映さんが何か考えてる?
だとしたら、木乃香さんみたいな星光破壊タイプかなってありえんな。
この2人に木乃香さんの考え方面に行く訳がない。
そんな事はまあいいや、千雨さんはどうするんだ?
「私か、私も部屋に戻してもらえればいいです」
「極移」
「おいっ!いきなり……っ!?」
千雨さんの足元に魔法陣を貼って自分の部屋に帰らせた。
強引かもしれないがお帰りになってもらった。
その後、夕映さんとのどかさんと別れて、一旦部屋に帰る事になった。
〜ネギの部屋〜
エヴァの別荘から帰ってきた僕達は買い物に行く準備をする。
難しい表情をした木乃香さんがこんな事を言ってきた。
「エヴァちゃんの別荘って1日経たな出られへんねやろ?」
「ああ、そういえばそんなルールが存在してましたね」
「ネギ君ってそのルール無視してるやろ? どうやってるん?」
言いたい事はわかった。
極移は元から次元だろうと無視できるから関係ない。
そこの転移法を教えるとアーニャが噛み付いてきた。
「そんな転移魔法、習ってないわよ!」
「これは僕が編み出した転移だから」
「ネギの魔法って非常識よね」
「対消滅とかSFチックな単語もある訳やし」
対消滅は異世界に行った時、その光景を見て真似ただけ。
あの極移も高等技術的な科学世界の転移を真似ただけ。
それだけで真似る事が出来る僕も僕だが。
「どうやって編み出したのよ!」
「……それより早く買い物行かない?」
「アーニャちゃん、そんな話は後にして、ね!」
アーニャは軽くウインクする明日菜さんをジト目で睨み、相手の表情を見て溜息を漏らす。
「そうね、ネギにおごってもらいましょうか」
「何で?」
「給料入ってるでしょ?」
「……別に良いよ。使う事あんまりないし」
僕自身、教師としての給料は一切使った事がない。
今の残金7桁はあるんじゃないかな?
過去に戻る前のお金? 無いよ、あの未来の学園から外は宇宙だもん。
宇宙で飛び回っても人が住んでる惑星なんて無い。
だから、お金は学園だけになった時、湖の中に沈めた。
「そういえば、カモは?」
「いなくても困らないんじゃない?」
「ウチもちょっと忘れる」
「それって酷いんじゃない?」
アーニャが庇う様な事を言うが、とうとう2人にまで存在否定されるカモ、哀れ。
「そういえば、何で部屋に戻ったっけ?」
「何か用事があったような?」
「私の買い物でしょ!?」
声を張り上げるアーニャ
そんなに買い物に行きたいのかい?
「忘れてたよ」
「ネギ君から言い出した事やろ?」
「と・に・か・く、行くわよ!」
この子はどうしても行きたいようだ。
顔に青筋を立てていたがまあ、気にしないでおこう。
アーニャを筆頭に僕達は街の方へ向かった。
※簡易な出来事ですので省略しています。
街で歩いていると、アーニャが疑問を漏らす。
「食器、服とかどうするの?」
「アーニャ、金を持ってるの?」
「持ってるわ。ネカネさんに貰ったから」
「いくら?」
「10万円ぐらいかしら?」
「ネギはどれぐらい持ってるの?」
「財布の中には15万ぐらい?」
「子供が10万も持ってるなんてね」
「ネギ君は別にええやん」
「何でよ」
「ネギ君は大人っぽいやん」
「……どこがよ!」
「そう言いながらネギと仮契約してるじゃん」
「それより買い物」
「レッツゴー」
別の場所。
「千雨ちゃんのアーティファクトって結局何なの?」
「ああ、本人が言わない限り出てこない式ですよ」
「そうなんや」
「今度、能力は見れると思いますよ」
「あの姿って何なの?」
「それは触れてあげないでください」
「何、ネギは知ってるの?」
「知ってますよ」
「教えてぇな〜」
「……インターネットで『ちう』という言葉を検索すれば分かりますよ」
「帰ったら調べてみよう」
あ、教えてしまったよ。
よし、こうなったら今度、千雨さんの部屋に突撃だ!
僕はそれだけを心の中で決心した。何の決心かは学園祭の時に分かる。
「そういえばネギ君の好みって誰なん?」
「え?」
「木乃香、聞くのやめたら?」
「明日菜も気になるんやろ?」
「うっ、気にはなるけど」
「明日菜も木乃香もアホな事言わなくていいから、買い物!!」
「仕方がないな〜」
「そうね、さっさと終わらせたら休憩したいわ」
「アーニャ、面倒だけど、本当に面倒になってきてるけど終わらせようか」
「ガーン、そこまで私の事」
「いや、まあ行こうか」
「ああ! 話し逸らした!」
そんなやり取りがあったとさ。
その後、色々あったが、無事買い物が終わりました。
※省略出来事、終了。
〜ネギの部屋〜
部屋に戻った僕達を迎えたのは、なぜかボロボロになっているカモだった。
何があった?
「アニキ、オレッチ酷い目にあったッス」
「酷い目って?」
「水道管に流されたり、拳銃を持った女に乱れ撃ちされたり、お嬢様と寂しく呟いてた女の愚痴を聞いたり」
「悲惨な目にあったんやな〜」
木乃香さん、そんなこと言いますけど、最後の言葉はどうみても刹那さんにしか見えないと思う。
ってか、刹那さんはカモに愚痴を言うほど寂しかったんですね。
うむ、やはり木乃香さんと刹那さんの関係って変わり過ぎてるな。誰のせいだろう。
「水道管って……カモ、体洗ってきなさいよ」
「へいへい」
薄汚れてるカモは明日菜さんの言う通り、この部屋から出て行った。
どうやって扉を開けたかなんて聞かないでほしいな。
「それにしても疲れたわねぇ」
アーニャは赤いソファーに体を寝かせる。
よっぽど疲れたんだろう。無理もない。
「ところで、水着も買った意味は何?」
買い物してる途中で、水着も買おうって話が出ていた。
買うために立ち寄った店、女性用服屋の中に、夏用の水着があった。
明日菜さん達が購入してたから疑問に思った。
「決まってるじゃない。委員長に誘ってもらうのよ。ネギのためならOKするでしょ?」
「あやかもネギの事狙ってるの?」
「委員長はショタコンやからな〜」
「それを言ったら木乃香もショタじゃない?」
「うっ、でもネギ君は別や」
「そ、そうね」
照れながらも微妙な反応をする明日菜さん
何をどう言えばいいのか、分からないみたいだ。
「仮契約した子がまた増えたわね」
「何で! ネギがこんなにモテるのよ」
「知らないよ」
本当に知らない。
僕自身、自分がそんなにモテる訳がないと思ってた。
だって、僕は10歳の子供だから。
エヴァが言うには父親が原因だと言ってた。
こんな所まで遺伝しなくてもいいのにって思ったけど多い方が良いだろ。
「話は変わるけど、そろそろ学園祭よね」
「学園祭?」
「何それ?」
「二人とも初めてやったな」
いえ、僕は初めてじゃないよ?
でも懐かしいな。何百年ぶりだ? 学園祭という言葉を聞くのは
「年に1度だけやられる学園最大のイベントや」
「巨大な祭りみたいなものよ」
「この学園自体が大きいからね」
学園祭か、武道会、超さんと別れる出来事。
のどかさんの告白とかあったなぁ。
僕とアーニャに詳しく説明してくれた。
でも、この説明ってアーニャだけだと絶対してくれないな。
教えてくれてる2人の視線が僕に集中してた。
「楽しみだわ」
「今年はどんな出し物があるかしらね」
「そうやなぁ。ウチはネギ君とデートしたい」
「ちょっとっ!!」
「木乃香、抜け駆けっ!?」
アーニャも明日菜さんも素直になり過ぎ。
うむ、タカミチの事がないから歴史の流れが変化するのか?
そこはどうなんだ? もし変化するなら学園祭中だけは変わってほしくない。
「今はそんなこと考えても仕方ないか」
学園祭で面倒事の予感がした僕は不安な溜息を吐く。
とりあえず、目の前の3人に夕食を伝えた。
だが、ネギの言う面倒事が現実になる事を、このときのネギは思いもしなかった。
第36話『学園祭編1』へ
************************************************
正式にはまだ学園祭編ではありませんが、学園祭前日まで数十日前って所です。
一応、この話で原作8巻終了ですので、そう言う事に。
千雨のアーティファクト能力は後ほど詳しく(?)出てきます。
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第35話 今日の更新はここまでにします。残りは明日。 | ||
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