転生者殺しの龍 第0話
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「・・・ああ、そうか。俺は死んだのか。」

 

何もない、真っ白な空間に浮かぶ一人の少年がそう呟く。彼の名は『龍崎龍馬』。平凡な高校に通う平凡な高校生を演じていた、世界最後の『龍』である

 

「しっかし、天寿を全うしたはずなのに何故俺はこんな空間にいるんだ?最後の同類が死んでから幾万年、人間としていき、死んだはずなんだが・・・」

 

『龍』というのは非常に特殊な存在であり、一度死ぬと輪廻の輪に組み込まれずに魂が消滅する。それを免れるには『龍』としてではなく『人間』として死ぬ必要がある。彼は『人間』として生を終えた。それはつまり輪廻の輪に組み込まれ、新たな命として生を受けるはずである。しかし、彼は生前の意識を残したまま、この白い空間に浮かんでいる

 

「いったい何が・・・」

「それはだな、俺がお前の魂をこの空間に連れ込んだからだ。」

 

突如、後ろから声をかけられる

 

「っ!!誰だ!!」

 

後ろを振り向くとそこには、背中に漆黒の翼を生やした一人の男がいた

 

「俺か?俺はそうだな・・・ま、管理者とでも呼んでくれ。」

「管理者・・・?」

「ああ、そうだ。そして、お前はあの世界最後の『龍』で合っているな?」

「・・・ああ。」

 

彼は警戒しながらも返事をする

 

「おいおい、そう警戒するなよ。別に取って喰おうってわけじゃねぇんだ。唯な、お前に一つ、頼みごとがあってな。」

「・・・なんだ?」

「俺の仕事を減らすために転生してくれねぇか?」

「・・・は?」

 

彼は状況を飲み込めずにいる。最も、いきなり転生してくれなんて言われれば誰でもこうなるだろうが。もしならなかった場合そいつは転生願望が非常に強い厨二だろう

 

「俺が管理者だってことはさっき言ったろ?でな、俺が管理している世界に馬鹿な世界神共が娯楽と称して転生者を大量に送り込んでるんだ。そのせいでこれまでも幾つもの世界が崩壊している。管理者である俺としてはそれはどうしても防ぎたい。だが、俺がここから離れることはできない。そこで、魂の容量が人間よりも大きい『龍』に転生してもらい、転生者共を殺しまくってきて欲しいんだ。」

「・・・一応、理解はできた。だが、何故俺なんだ?それに魂の容量は関係あるのか?」

「簡単だ。お前の魂の容量が他の『龍』を遥かに凌駕しているからだ。魂の容量が大きいとそれだけ能力やらなんやらを多く詰め込めるってわけだ。」

「そうか・・・と、言う事は俺に何か能力やらなんやらを付加するのか?」

「ああ。転生者共も全員何かしらの能力を持っている。最も、大抵『無限の剣製』だとか『王の財宝』を選ぶみたいだがな。」

「・・・」

「まあそんなわけで、何か付加してほしい物があれば言ってくれ。ああ、向こうに転生しても『龍』にはなれるからな。そこは安心していいぞ。」

「・・・なら、俺が生前やっていたゲーム『モンスターハンター』シリーズに出てくるリオレイア古生種、エスピナス希少種と融合させてくれ。もちろん、両方とも剛種で頼む。」

「ほう?」

 

彼の言葉に管理者は驚いた

 

「随分と渋い二体を選んだものだな。」

「ああ、それも一興と思ってな。」

「まあ、いいか。ただ、一つ気をつけろよ。」

「?」

「転生先で生まれた直後とかで下手に能力を使ったりしたら最悪、捨てられるからな。」

「ああ、それは気を付ける。」

「それならいい。そんじゃ、転生させるぞ。モンスター達は転生中に融合させる。特に何か感じるわけでもないがな。ああ、それとエスピナス希少種だが、亜種の攻撃も使えるようにしとくから。んじゃ、いってらっしゃい。」

 

管理者の言葉を聞いた直後、彼の足元が開いた

 

「・・・は?」

「いわゆるテンプレだ。そんじゃ、お前が死んだらまた会えるだろうよ。」

「これは不要だあああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」

 

彼の声がどんどん遠のいていく。管理者はそれを聞きながら、ひとり呟いた

 

「しっかし、『龍』が『竜』を望むとはな・・・面白い。ようし、禁じ手だが世界を少し改変するか。既存の世界に『モンスターハンター』シリーズの世界を付加っと・・・うし、これでいい。あとはあいつがハンターに出くわした時にはハンター側に『龍』としての存在がバレるようにも設定しておくか。」

 

こうして、とある世界に『龍』が転生した

 

その世界の名は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『魔法少女リリカルなのは』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
転生者よ、覚悟するがいい。この世界に貴様らの居場所などない。貴様らに許された居場所はどこにもない。おとなしく我が力の前にひれ伏し、消滅せよ!!
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