怪人と魔法使い
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それは、16世紀のある場所に保管されていた処刑道具の原典。

 

 

「・・・・・・あぁ・・・・・・とうとう『私』は千を越えた。これで『私たち』はもう一度生きることが出来る。いやいや、これは『私』には感謝しなければな」

 

 

それは、何百人という人間の首をはねた断頭台(ギロチン)の 原典。異端審問においてある異能の力を持つ者がギロチンにかけられ死にたくないと願った瞬間に『それ』は目覚めた。そして、存在する全てのギロチンと繋が り、それにより殺された者たちの魂を集めて生れ落ちたその姿は、男であり女でもあり、子供でもあり老人でもある。美しくもあり醜くもある奇妙な存在。

 

 

「さて・・・『私』の望みは生きること。確か、『私』が言っていたな、我思う故に我ありと。ならば、生きるとするか」

 

 

そして、『それ』は歩き出した。自らの存在意義である『処刑』と『生きること』を実行するために。

 

 

「まずは、世界を見て廻るか」

 

 

その姿はいつの間にか精悍な顔つきの男性に変わっていた。そして、どこから取り出したのか血のように赤黒い外套をまとい歩き出した。

 

 

「さて、『私たち』の存在意義を実行するとするか」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、数年後ヨーロッパにおいて『ギロチン公』と呼ばれる処刑人が現れるようになった。その存在の正体を突き止めようと教会や魔術師などの人間が探ろうとしたが、生きて戻る者は皆無だった。

 

説明
にじファンにて投稿していた物です。

簡単にいえば、創作上の怪人をだしちゃおうぜ!というお話。主人公はギロチンの擬人化です。そのうちいろいろ出てきます。
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