SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREEED OF GREED”   永遠と初殺しと恐竜コンボ
[全1ページ]

〜惑星ムディ〜

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

アンクはモニターを睨みつけていた。そこには、『L・H・C・J・M・T・S・E』のアルファベットが描かれた8本のUSBメモリに似たような物が順番に並んでいた

 

 

「・・・・・・成る程。これはガイアメモリという名なのか」

 

 

そう言ってアンクは一旦モニターから目を離した。

 

ガイアメモリ・・・。それは常人が使えば意思を持たぬ怪物へと変化し、選ばれし者が使えば別名『魔性の小箱』と呼ばれる物である。

 

今回、管理局開発部はある人物《・・・・》から与えられた設計図と方程式図を基にして計8本のガイアメモリを開発し、その内の7本は既に機動6課へと配備したらしい。

 

しかし、Eのメモリは開発が遅れたため、今日陸士108部隊に配備されるらしい。

 

 

「コイツを手に入れれば良い手駒になる・・・。これは奪う他に手はないなぁ」

 

 

そう言ってアンクは管理局の機密ファイルにクラックを掛けて、運送ルートを調べ上げる。だが、最近は自分達以外からのクラック回数が多いのか、初めの頃に比べれば随分と防壁が硬くなっている。まぁ、クラック専用のデバイスがあるので半端な防壁は意味をなさないが。

 

 

『I completed a crack.Do you open data?(クラックが完了いたしました。データを開きますか?)』

 

 

 

「そうしてくれ」

 

 

アンクはデバイスの呼びかけに応える。するとモニターが勝手に動き出し、クラナガンの地図が表示される。そして道路と思しき場所には所々赤いラインが走っていた。

 

 

「成る程・・・。これなら待ち伏せて襲って奪った方が手っ取りはやいな」

 

 

そう言ってアンクは転送ポートに立ち、何処かへと転移された。

 

 

〜クラナガン・廃棄都市近く〜

 

 

シュン

 

 

「さて、と・・・・・・」

 

 

アンクは懐から赤くしかもどこか黒み掛かった缶を幾つか取り出して、すべてのプルタブを立てる。

 

 

プシュ!

 

 

すると炭酸の抜けるような音がした後、それは全てタカを模した機械の鳥へと変形した。それを確認したアンクは、配送ルートをプリントした紙を鳥のような物に見せ付ける。

 

 

「この配送ルートを周って運搬車を探して来い。見つけたら機体は電波を発して俺と他のカンドロイドにしらせろ。そしたら俺が着くまでの時間稼ぎをしていろ。分かったら早く行け」

 

 

アンクの言葉と同時に、鳥・・・『ダークタカ・カンドロイド』達は一斉に散らばっていった。

 

 

「さて、あいつらが戻ってくるまでに、俺は少しでも体力を温存させておくか」

 

 

そう言って、アンクは近くの木陰に身を置いて眠り始めた。

 

さて、カンドロイドが戻ってくるまでの間、アンクが持っているカンドロイドについて説明をしておこう。

 

言っておくが、前章で高町アキラが使ったクジャク・カンドロイドのように、このミッドチルダにもカンドロイド及びライドベンダーは存在する。ただ、利用者の大半が管理局員やその関係者であり、使用にはマジックコインと呼ばれるコインが必要なため(名前の通り、莫大な魔力が封じられたコインである。ちなみにライドベンダーも魔力を動力源としている)、その存在が余り知れ渡っていないだけである。

 

アンクはそれを改造し、セルメダルで動くカンドロイドやライドベンダー・・・我々三次元の言葉で言うのならば、本来《・・》のライドベンダーやカンドロイドを開発したのだ。

 

ちなみにカンドロイドはオーズ本編で登場した全種類が両者(管理局とアンク)共に開発されている。なお、アンクのカンドロイドが若干黒みがかっているのは単純な理由があり、管理局製の物と区別をつけるためだそうだ。

 

 

『ピュイィイイイイイイ!!!』

 

 

「ん・・・。やっと見つけたか」

 

 

アンクはダークタカ・カンの鳴き声で起き上がり、自身を怪人態へと変化させてダークタカ・カンの案内の元、その場所へと飛んで行った。

 

 

〜ミッドチルダ・某区〜

 

 

「な、なんだこいつら!?」

 

 

「くそっ!?邪魔だどけ!!」

 

 

アンクが案内された場所に着くと、大量のダークタカ・カン達がメモリを運搬していた局員(?)達を襲撃していた。ただ、アンクはその局員達を見て不思議に思ったことがあった。

 

 

(・・・ん?なんであいつら修道服なんか着てるんだ?)

 

 

そう。彼らは茶色を主体とした服ではなく、何故か修道服を着ていたのだ。あの積荷の中身はEのガイアメモリのはずだ。それは先ほど、能力を使って確かめたから間違いない。

 

となると、考えられる可能性は二つある。一つはクラック先を間違えたか、二つ目は管理局が聖王教会に運搬を委託したかになる。

 

だが、アンクはすぐに委託の線だと悟った。何故なら、彼が作った(プライム)は現在まで間違いを起こしたことはない。だから、その線は薄いと思ったからだ。

 

 

「・・・・・・応答せよプライム」

 

 

『What will it be?(なんでしょう?)』

 

すると、左の指についている髑髏の指輪の目が点滅する。これはプライムの仮の器である。本体はムディのアジトにあるコンピューターだが、情報が乏しくなると、彼は指輪を中継してプライムの本体にアクセスして情報を得るのだ。

 

 

「カリム・グラシア、シャッハ・ヌエラこの二人の現在の動向を10秒で調べろ。」

 

 

『I sat up straight.・・・ became clear.(かしこまりました。・・・判明いたしました)』

 

 

「何処だ」

 

 

『I hold a meeting in a place number 100km away from here, and a place is the Administration Bureau main office, and the pigs of the upper echelon seem to attend it somehow or other, too(ここから数百km離れた所にて会議を行っております。場所は管理局本局です。どうやら上層部の豚共も同席しているようです)』

 

 

「そうか。では通信を断つ」

 

 

『Warrior's destiny(ご武運を)』

 

 

そう言ってプライムは通信を切った。そしてアンクはある物を調達するために一度アジトへと戻り、戻ると同時にすぐさま局員・・・、いや、教会の騎士達の元へと向かった。

 

 

「しつけぇんだよ!!この×××どもがぁ!!!」

 

 

下品な言葉を叫びながら騎士の一人が刀を振り回してダークタカ・カンを撃墜していく。実はこの男、名前を『宮島博人《ミヤジマヒロト》』と言い、転生者の一人である。そのため、顔はイケメンでレイ・メイスティーマ程にではないにしても、かなりのものである。

 

ちなみに能力は『東方projectの全キャラクターの能力を使えるようになる程度の能力』であるため、記憶にある東方関連の能力を使うことができる(ただし、何故かスペルカードは使えない)。

 

 

「ハァアアアアアアアアアア!!」

 

 

そうこうしていると反対車線から一台のバイクが走ってきて、右手に持ったトンファーを一薙ぎした。するとダークタカ・カンはそれを見ると、慌てて撤退していった。

 

 

「ふぅ・・・・・・。大丈夫ですか?」

 

 

「は、はい・・・。って、シスターシャッハ!?」

 

 

宮島を救ったのは何と現在会議をしているはずのシスターシャッハこと、シャッハ・ヌエラであった。その横には、ライドベンダーがバイク形態で停められていた。

 

 

「どうして此処に?本日は会議のはずですが?」

 

 

宮島は偽者ではないかという疑いを持ちながら問いかけた。

 

 

「あぁ。それは騎士カリムが忘れ物をしたので、取りに戻るんですよ。・・・はぁ」

 

 

シャッハは心底呆れたような表情を見せて、溜息をつく。宮島は念には念を入れてカリムの心を読んだ。しかしその思考はカリムに対して呆れている物が多く、偽者と断定出来る思考は愚か、本人しか知らないような情報まで知っていたので、宮島は本人だと断定した。

 

 

「ところで、あなた方はここで何を?」

 

 

「はい。我々は管理局から依頼された物を届けにいくところです」

 

 

「そう」

 

 

そう言って、シャッハは後ろを向いて、僅かに微笑む。それを不思議に思った宮島のつれの男はシャッハに質問した。

 

 

「あの・・・。どうかなさったのですか?」

 

 

すると、シャッハは口元を左手で抑えてこういった。

 

やっぱり間違ってなかったなぁ。と

 

その瞬間、シャッハは大量のセルメダルに包まれて、アンクへと変態した。同時に、連れの男の首を一瞬で撥ねた。男の首は力なくコロコロと転がった。

 

アンクは騎士達と接触する前に、自身の姿を本来の姿ではなく、シャッハへと変えたのだ。

 

この行為は擬態というもので、原作でもロストアンクが行っており、その際は赤いチェック柄の服を来た少年に変身し、本物のアンク以外のグリードは皆、これを行っていた。

 

ちなみに先程用意していた物はシャッハ・ヌエラの写真とライドベンダーであった。

 

 

「なっ!?何をするんですか!?シスターシャッハ!!」

 

 

「あぁ?そのシャッハとか言うやつなら、まだ会議中だろうよぉ」

 

 

宮島は怒鳴り声を上げるも、アンクは鼻で笑ってそう答えて、変態を解除してオーズドライバーを取り出し、腹部に装着した。

 

そして、タカ・トラ・バッタのメダルを装填して、オースキャナーでメダルを読み込ませた。

 

 

キキキィン!!

 

 

「変身」

 

 

『タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ♪タトバ・タ・ト・バ♪』

 

 

オーズに変身したアンクは、宮島に向かってトラ・クローを構える。それを見た宮島は、怒りをあらわにしながら刀を構える。

 

 

「貴様・・・。まさかシスター・シャッハの名を語って悪事を働くとは、不届き者の風下にも置けねぇ野朗だ。こい。俺様の愛刀『桜観剣』と『白桜剣』で切り刻んでくれる」

 

 

「はっ!!やってみろよ雑魚!!」

 

 

「ほざけ!!」

 

 

ビュッ!!

 

 

宮島は叫ぶと同時に白桜剣で切りかかった。

 

 

「ふん」

 

 

ガギィン!!

 

 

しかし、それは左のクローで防がれる。オーズはメダルをシャチ・カマキリ・コンドルに変えて、再度スキャンする。

 

 

『シャチ!カマキリ!コンドル!』

 

 

するとオーズの体が、シャチを模した頭・両手に装着されたカマキリのような刀、コンドルのように鋭く紅い脚に変わり、亜種形態の一つであるシャキリドルへと変身させた。

 

 

「変わっただと!?」

 

 

「あぁ。変わったよッ!!」

 

 

ジャジャギィン!!

 

 

「グァア!?」

 

 

オーズは宮島が驚いた隙を使い、カマキリソードで宮島を切りつける。そこからはオーズは先程とはまるで別人のように両手のカマキリソードを振るい、一撃一撃を確実に入れていく。

 

 

「・・・・・・さぁ、これでフィニッシュだ!!!」

 

 

バキッ

 

 

「あグっ!!」

 

 

オーズは右手のカマキリソードを仕舞って、空いた手で宮島を殴る。そして奴が接地する寸前に、スキャナーでメダルをスキャンさせる。

 

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 

「はぁぁぁぁ・・・・・・・・・」

 

 

オーズは深く腰を下ろして、カマキリソードを下に降ろす。すると赤、緑、青のエネルギーがアーマーに走るラインドライブを伝ってカマキリソードへと移る。

 

 

「オラアァアァアアアアアアアア!!!」

 

 

それを確認したオーズはそのエネルギー斬撃のように飛ばした。

 

 

「時よ止まれ!!」

 

 

カチッ

 

 

「なっ!?チィ!!」

 

 

ガギギギギギィン!!

 

 

そんな声がすると共に一瞬で宮島はオーズの背後に回り、大量のナイフをオーズに向けて投擲する。オーズは一瞬驚いたような顔をするも、すぐにカマキリソードでナイフを全て弾いた。

 

 

(何だ今のは・・・。いつ後ろに回った?俺が全く気がつかなかっただと?)

 

 

「どんどん行くぜ!!オラァ!!」

 

 

ゴォオオオオ!!

 

 

宮島は右手から炎を放ち、オーズを攻撃する。

 

 

「フン!!」

 

 

バシャァアアアアア!!

 

 

それに対しオーズは、シャチ・ヘッドから水流を発射して炎を相殺させる。相殺させると同時に、メダルをウナギとバッタに交換し、宮島の炎の放出が終わると同時にスキャナーにメダルを読み込ませる。

 

 

『シャチ!ウナギ!バッタ!』

 

 

するとオーズの体が、約3/1が青主体になった、シャウタコンボの亜種形態・シャウバへと変わる。

 

 

「ハァ!!」

 

 

ビュッ!!バチィ!!

 

 

「ヌガァ!?」

 

オーズは腕に装着されていたボルタームウィップを振るい、宮島を攻撃する。宮島は突然の事に対応が出来ず、鞭の攻撃を貰った。

 

 

「っづう・・・。この化物がぁ!!」

 

 

ガギュギュギュギュ!!!

 

 

宮島はそう叫ぶと同時に、右手の人指し指と親指を伸ばして拳銃状にする。するとそこから、白い弾丸状の物が幾つも発射される。

 

 

「ふん・・・・・・」

 

 

オーズをそれを見て鼻で笑うと、電気を纏わせたボルタームウィップを回転させて盾のようにする。すると銃弾はそこに吸い込まれるかのように近づいていき、すべてが粉砕される。

 

 

「化物で結構だ。にしてもてめぇはうぜぇな」

 

 

バシィ!!

 

 

「ウヅッ!?」

 

 

オーズは宮島に向けて話しながら鞭を当てる。

 

 

「大した覚悟もないのにのこのこ戦場に出てきやがって」

 

 

ビシィ!!

 

 

「アギッ!!」

 

 

宮島は苦痛に満ちた声を上げるも、オーズはやめようともしない。

 

 

「てめぇらは良いよなぁ。能力があるから認めてもらえてよぉ!!!」

 

 

ギュル!!

 

 

「グッ・・・・・。て・・・・・・め・・・・・・何・・・言ってや・・・・・・が・・・・・・る」

 

 

オーズはボルタームウィップで宮島を巻き上げ、上空につるし上げる。

 

 

「まっ、どの道今からくたばるてめぇには関係ねぇだろうがなぁ。転生者さんよぉ?」

 

 

「!?」

 

 

宮島は驚愕した。

 

何故こいつは俺が転生者だって事を知っている?

 

俺が転生者だと知るのは騎士カリムやシスター・シャッハだけだ。

 

 

「さぁ、話はここまでだ!!」

 

 

ブン!!

 

 

「ヅァァ!!」

 

 

そう考えている間に、宮島は上空に高く放り投げられる。

 

 

『タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ♪タトバタ・ト・バ♪』

 

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 

宮島が上空から落下してくる間に、オーズはタトバコンボへと戻り、再度メダルをスキャンした。すると脚がバッタのような形状になり、オーズは上空に跳び上がる。そのジャンプ力は凄まじく、落下しているとは言え、かなりの上空にいるはずの宮島をあっさり追い抜き、その跳距離はさらに伸びる。

 

そしてその上昇が止まると、赤、黄、緑のリングが出現する。そしてオーズはそこを潜り抜けていく。すると、鷹・虎・飛蝗のようなエフェクトが出現し、そのまま必殺技『タトバキック』を喰らわせた。

 

 

「グァアアアアアアアア!!!?」

 

 

ドガァアアアアアアン!!

 

 

弱りに弱りきっていた宮島はタトバキックの直撃を受け、爆散した。オーズはそれと同時に着地し、ゆっくりと立ち上がる。しかし変身だけは決して解こうとはせず、じっと爆発した場所を見ていた。

 

 

グチュ

 

 

するとどういうことだろうか。段々と爆散した肉片が集まっていくのだ。そしてそれは、元の宮島の姿へと戻っていった。

 

 

「やはりか」

 

 

「てめぇ・・・・・・。よくもやってくれたな」

 

 

宮島は最早騎士とも呼べない目付きでオーズを睨み、オーズは再生するのが分かっていたかのような立ち振る舞いをみせていた。

 

 

「もうてめぇは生かしておかねぇ。殺してやる!!!!」

 

 

宮島は殺気を発して牽制を仕掛けた。しかし、宮島の復活前からそれを予期していたのか、オーズは一切慌てやうろたえを見せることもなく、オースレイター(ベルトの中央にあるコアメダルを装填する部分)を水平に戻し、メダルを全て体に戻す。

 

 

「どうした!!怖気づいたか化物!?」

 

 

「怖気づく?・・・・・・誰に向かっていってやがるんだ雑魚が」

 

 

そう言って、オーズは胸に手を当てる。すると一瞬タカ・アイが紫に光り、光りが消えると、その手には唯一欠番《10枚目》を含む全てのコアメダルを回収し終えた、種類が違う紫のコアメダルが3枚鎮座していた。

 

 

「言ってろ化物!!俺には不老不死になる程度の能力が備わってるんだよ!!それになぁ、てめぇ見たいな化物に安々と殺されてたまるかよ!!俺にはカリム達を堕してハーレムにするって夢があるんだよ!!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

カシャ

 

 

宮島は聞いても居ない事をベラベラ話し出す。それをオーズは無視し、ティラノザウルスが描かれたメダル『ティラノ・コア』を一番左側のオースレイターへと装填する。

 

 

「大体テメェも転生者だろうが!?どうして転生をした!!ハーレムがしたいのか!?それともこの世界を「いい加減その口を閉じろ下種野朗が」ヒッ!?」

 

 

カシャ

 

 

オーズは苛立ちを表に出して、宮島にぶつける。それを殺気と勘違い(あながち間違いではないが)した宮島は、情けない声を出す。

 

そしてオーズはトリケラトプスが描かれたメダル『トリケラ・コア』を中央のオースレイターに装填する。

 

 

「・・・俺には嫌いなものが無限とあるが、その中でも特に嫌いな物が3つある。1、努力をしないで才能だけでのし上がる屑」

 

 

カシャ ガチャ!

 

 

オーズは相手にも聞こえるような声で独り言を呟きながら、最後の・・・プテラノドンが描かれたメダル『プテラ・コア』を右端のオースレイターに装填して、それを傾ける。すると、一瞬メダルが紫に光った。

 

 

「2、好き勝手に歴史を改変しておいて、それで迷惑を掛けているのにも関わらずそれを知ろうともしない屑共」

 

 

そう言って、オーズはオースキャナーを手に取る。すると、アップダウンが激しい待機音が辺りに響き渡る。

 

 

「3つ目、死ぬ覚悟も殺す覚悟もないのに死神に立ち向かおうとする馬鹿だ」

 

 

キキキィン

 

 

『プテラ!トリケラ!ティラノ!!プ・ト・ティラ~ノ・ザウル~ス♪』

 

 

オーズはスキャナーにそれを読み込ませる。すると、プテラノドンのような翼を持った頭部『プテラ・ヘッド』が形成され、肩にはトリケラトプスの角を縮小したような角『ワイルドスティンガー』を携えた胴体『トリケラ・アーム』、ティラノザウルスのような強靭な脚『ティラノ・レッグ』が装着された身体・・・・・・『オーズ・プトティラコンボ』が此処に参上した。

 

 

「ふぅ〜・・・・・。さぁ、糞餓鬼。覚悟は出来てるだろうなぁ?」

 

 

「ヒッ!?」

 

 

ドガン!!

 

 

宮島は再びおびえたような表情を見せるも、オーズはそれを無視して地面に手を突っ込む。オーズが地面から手を引っこ抜くと、その手には恐竜を模した顔が付いた、刃の部分がクリスタル状のもので構成された斧『メダガブリュー』が握られていた。

 

 

「ふん!!」

 

 

ズバン!!

 

 

「あぎゃぁああああああああああああああああああああ!?!!?!!」

 

 

 

オーズは怯えた表情を見せていた宮島に向けてメダガブリューを振るう。その斧は一振りで宮島の右手を切り落とした。

 

 

 

「ギ・・・・・・こんな・・・・・もん・・・・・腕を再生させれば・・・・・・!!!!」

 

 

 

そう言って宮島は腕を再生させようとした。しかし、

 

 

ビュゥウウウウウウウ

 

 

ピキン

 

 

オーズはその隙を突いて、口から冷気を放出して宮島を完全に氷漬けにした。

 

読者の諸君は、彼の残酷さを知っているだろう。

 

アンクは隙を見逃す程馬鹿ではない。

 

では何故先程から積極的に攻撃を仕掛けようとしなかったのか?

 

答えは一つ。見極めていたのである。彼が全力で殺すに値する人物か。それを見定めていたのである。

 

しかし結果は期待はずれもいいところで、全力どころか10/1程度の力を使わずとも殺せる事が分かった。

 

なら何故、本編では最強とも名高いプトティラを使ったのか?

 

それは宮島が持つ再生能力に原因がある。彼の再生能力は凄まじい。恐らく、他の技を使って木っ端微塵にしたとしても、細胞の一片でも残っていれば復活が可能だろう。例としては、先程のタトバキックがいい例だ。先程のタトバキックは今もてる全力の力を使って放った。しかし、結果は知っての通り復活されてしまった。ならば細胞の一片どころか、この世にいたという痕跡を消し去るというだけの出力を持つプトティラコンボの必殺技で消滅させてしまえばいいだけの話だ。

 

 

「さぁ、GEAM SETだ」

 

 

ゴキベキベキ!!

 

 

そう言ってオーズは左腰のメダルケースからセルメダルを四枚取り出し、それを全てメダガブリューの口(?)と思しき部分に投入する。そして、手前にあるレバーを操作して、メダガブリューの顎でそれを全て噛み砕かせる。

 

 

『ゴックン!!』

 

 

そんな音がすると同時に、オーズはメダガブリューの持ち手の部分を操作する。すると、メダガブリュー自体が銃のような形になる。それをオーズは銃のように持って照準を合わせる。

 

 

「good by」

 

 

『プ・ト・ティラ~ノ・ヒッサ~ツ♪』

 

 

ズドォオオオオオオオオ!!!!

 

 

そしてオーズは躊躇いなく引き金を引き、必殺技の一つである『ストレンジドゥーム』を発射した。メダガブリューから放たれた光線は、宮島を細胞の一片も残さず消滅させた。おまけで最初に殺した騎士も消し飛んでしまったが、まぁ問題はないだろう。

 

 

「・・・・・・・ふぅ」

 

 

カシャ

 

 

オーズは溜息を吐いて変身を解除してアンクへと戻った。

 

 

「やっと一人殺せたか・・・。まさかプトティラに変身するとは思っても見なかったがなぁ。まぁ、さっさとガイアメモリとやら・・・・・ヲ゛ッ!?」

 

 

バチ・・・バチバチバチ!!!

 

 

突如、メモリの回収をしようとしたアンクだったが、いきなり身体に電撃のようなものが走った。そして次の瞬間

 

 

キュィイイイイン

 

 

「なっ!?何だこの身体は!?」

 

 

アンクが緑色の光とともにメダルに包まれた。するとその姿はいつもの猛禽類を思わせるような姿ではなく、昆虫・・・全体的にクワガタ虫を思わせるような姿へ変わったのだ。

 

そして、アンクはこの身体に見覚えがあった。

 

以前6課に侵入した時、奴らが聖王オリヴィエのクローンである高町ヴィヴィオの記憶見ていた際にドサクサに紛れて彼女の記憶を盗み見た。

 

その際に聖王と戦っていたグリード衆の一人の姿と、一部の装甲が剥げ落ちて表皮がむき出しになっているものの、酷似していたのだ。

 

その名は『ウヴァ』。かつて昆虫の王として名を馳せ、聖王によって破壊されたグリードの一人だった。

 

 

キュィイイイイン

 

 

しかしそれも一瞬で、すぐに元の人間態に戻った。

 

 

 

「な、なんだったんだ今のは・・・・・・」

 

 

バサァ

 

 

アンクは冷や汗を描き、疑問を口に出しながらも、メモリ及び一緒に輸送されていた赤い機械質なベルト『ロストドライバー』を奪い、いつものように翼を出してその場を去ろうとしていた。

 

 

「・・・・・・」

 

 

しかしアンクは一瞬上昇を止め、何を思ったか腕を怪人化させて十数枚単位のセルメダルを近くに放り投げると、そのまま上昇して姿を消した。

 

残されたセルメダルは、太陽の光を浴びて鈍い銀色に光ってた。まるで元の持ち主であるアンクがここにいたということを証明する目印のように・・・・・・・・・。

 

それから数分後。

 

いつまで待ってもメモリが到着しない事に疑問に思った108部隊の部隊長『ゲンヤ・ナカジマ』が捜索をしたところ、ほぼ全壊している輸送車を発見。搬送をしていた二人の騎士の行方は、輸送車に搭載されていたカメラによって何者かに殺された事が判明した。

 

だが、ここでアンクにとって予想外な事が起こってしまった。

 

何と、その搭載されていたカメラにアンクの姿が若干だが映りこんでしまったのだ。しかも、変身を解除している状態のものである。

 

運よく顔が写らなかったのが不幸中の幸いであった。

 

 

〜To the next stage good-bye〜

説明
早くも第6話か・・・。早いもんだ。

今回は執筆している時に聞いている音楽を書いておきます。

Time Judged All

さぁ、地獄を楽しみな

微笑みの行方

小さな手のひら

sweet time

はるかなる愛にかけて

星よ、にじむな!

Bad Apple!!

恐怖の軍団

ロンリー仮面ライダー


・・・・・・・・・鬱な曲ばっかじゃん。

P.S.

何でだろ。サブタイをオーズの題名に真似たつもりなのに、何かが違うような・・・・・・・。

ついでに、この章から他のライダーの変身アイテムが登場します。
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転生者は敵 主人公はアンクもどき カリム=敵 恵まれない主人公 原作キャラ死亡 アンチ管理局救われない終わり 伏線回収不能 

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