SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREEED OF GREED”   昆虫と進化と水棲コンボ
[全1ページ]

〜惑星ムディ・アジト〜

 

 

「・・・・・・・」

 

 

アンクがETARNALメモリを強奪した1週間後・・・。アンクはアジトでクワガタ・コアを握り締めて瞑想を行っていた。アンクが瞑想を行っている理由は、1週間前にメモリを強奪する直前に起きた現象・・・、自身の身体が聖王時代の逆賊であるウヴァへと変身したことである。

 

もしこれが自由に変身することが可能となれば、戦力と戦略の幅が広がるからだ。そのため、アンクはETARNALメモリの解析をプライムに任せて、自身は自由に変身が可能になるように精神統一も含めて思考の海に潜って方法を探っているのである。

 

 

「・・・・・・・フゥッ!」

 

 

ゴォオオオオオオ!!!

 

 

アンクは突然立ち上がって、エネルギーを開放し始めた。その色はかつてのような色採々のものではなく、完全に緑一色だった。

 

 

バチ・・バチバチバチ!!!

 

 

「んぐっ!?グググゥ・・・・・!!!!」

 

 

すると、かつて彼が復活した時のように電気が奔る。それが痛く苦しいのか、アンクは倒れこそしないものの、痛みにもだえ苦しんでいた。

 

 

「ヅァッ・・・!!!ァアアアアアアアアアァアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

 

キュィイイイイイン

 

 

アンクが痛みに耐えかねたのか、身体に溜まった何かを吹き飛ばすかのように吼えた。するとついにアンクが望んでいた事が起こった。彼の身体が再びウヴァの姿へと変身したのだ。

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・。・・・12時間ぶっ続けでやって・・・・やっと1回か・・・・・。相変わらず・・・・・才能ねぇなぁ・・・・俺」

 

 

キュィイイイイン

 

 

アンクは途切れ途切れに自分に対する皮肉と苛立ちに口にしながらウヴァへの変身を解いて床に座り込む。どうやらまだなれない変身のため、本来の姿になるよりもエネルギーを消費するようだ。

 

 

『I wonder if I am just available Your Majesty?(陛下。今よろしいでしょうか?)』

 

 

「なんだプライム」

 

 

アンクは疲れているものの、プライムの仮媒体である指輪に顔を近づける。

 

 

『I caught the reaction of the core medal.(コアメダルの反応をキャッチしました。)』

 

 

「何処だ?」

 

 

『It is the fifth management world, official name Algarve and supposes it from a reaction and thinks whether it is an insect pro-core medal by the establishment of 98.79%.(第5管理世界、正式名称アルガルヴェです。反応から推測して、98.79%の確立で昆虫系のコアメダルかと思います。)』

 

 

「分かった。コアメダルの正確な座標を調べ上げろ」

 

 

『I sat up straight.(かしこまりました)』

 

 

アンクはそう言って、立ち上がって近くの岩をセルメダルへと還元して、それを一度上に放り投げてから身体へと吸収させる。アンクはグリードになったため食事や水分補給を必要としなくなった分、不定期でセルメダルを補充しなくてはならない身体になっていた。所謂グリードにとっての食事である。

 

 

『All of you having summons ability I became clear, and the coordinate is 2j8fi3-or39fjc-iowje326d3-92kdgqk-d6y234, and to be still called the lu・lushie whole families by this spot settles down, and there is a connection, and of "God dwells and does a core medal, and the guy and others seem to worship the Administration Bureau as a sacred medal"(判明しました。座標は2j8fi3-or39fjc-iowje326d3-92kdgqk-d6y234です。なお、この地点にはル・ルシエ一族と呼ばれる召喚能力を持つ者共が住み着いており、奴らは管理局とも繋がりがある上に、コアメダルを『神の力が宿りし聖なるメダル』として崇めているようです)』

 

 

「ほぉ・・・・・・。神の力が宿るメダルねぇ・・・・・ハッ!馬鹿らしい」

 

 

アンクは小馬鹿にしたような表情《かお》で嗤う。彼自身は生前も復活後も架空の神の生存を信じては居ない。というよりも、本物の(死神とはいえ)神に会ったことがあるために、架空の神を信じる事が馬鹿馬鹿しくて仕方ないらしい。

 

 

『By the way, what kind of intention to go for by hand is it this time?(ところで、今回はどういう手で行くおつもりですか?)』

 

 

「メモリ奪った時に使った手で行く。今回は適当な局員を捕まえればいいはずだからなぁ」

 

 

アンクの清々しい程の笑顔を見たプライムはすぐに悟った。

 

陛下はきっと、捕まえた局員をセルメダルに還元するんだろうなぁ

 

と。

 

 

「プライム。ル・ルシエ一族の村に転送ポートはあるか?」

 

 

『A certain thing has it, but a system for person himself confirmation arrives disgustfully so that a thief and a criminal cannot invade it from a transfer port.(あることにはありますが、盗賊や犯罪者が転送ポートから侵入出来ないように本人確認の為のシステムがウンザリするほど着いています。)』

 

 

「いくつだ?」

 

 

『There are ten in total. A fingerprint authentication, the retina certification, the voiceprint certification, the magical power certification, the looks certification, the figure certification, the device certification, the handwriting certification, the DNA certification, the blood type certification are all in this.(全部で10つあります。指紋認証、網膜認証、声紋認証、魔力認証、人相認証、体型認証、デバイス認証、筆跡認証、DNA認証、血液型認証。これで全部です)』

 

 

「・・・・・やけに多いなぁ。それに7つは突破できるが、魔力、DNA、血液型はごまかすことが出来ない。プライム、局の人事部のサーバーにアクセスして俺の偽造戸籍と局員証を作れ。それを使ってル・ルシエ一族の集落に赴く」

 

 

『I sat up straight and have time to making a little.(かしこまりました。作成までのお時間を少々いただきます。)』

 

 

「分かった」

 

 

アンクはプライムとの相談を終えた後ウヴァへの変身と解除を繰り返す。いくら変身が出来るようになったといっても、まだ一度しか成功していない。だからいざという時感覚を忘れて変身できなくては意味がない。そのため、何度も変身と解除を繰り返すことでその感覚を身体に叩き込むという手段を行なっているのだ。

 

 

『Your Majesty. The making of the identification of official was finished. The set of the coordinate is completed at the same time, too.(陛下。局員証の作成が終了致しました。同時に座標のセットも完了しています。)』

 

 

「ご苦労。局員証は?」

 

 

『Wait a minute・・・・.(少々お待ちください・・・・)』

 

 

そう言ってプライムは少し沈黙する。すると10秒程経つとプライム本体からカードキーのような物が出された。そこには『時空管理局・安全管理部所属、レーゲ・カヌード二等陸尉』と書かれていた。

 

 

「よし出るぞ。プライム」

 

 

アンクはそう言って転送ポートの上に乗る。

 

 

『It is transfer the consent!!(了解。転送!!)』

 

 

そしてアンクはアルガルヴェという世界にあるル・ルシエ一族が住む集落へと転送された。

 

しかし、この情報は別の場所にも知らされていたのを、アンクは知らなかった。

 

 

〜6課メンバー・ヘリポート〜

 

 

機動6課の移動の要であるJF704式ヘリがプロペラを回して待機しており、そこには6課メンバーと、ナンバーズ数人が集結していた。

 

ちなみにそこにいるのは、

 

高町なのは

ヴィータ

ティアナ・ランスター

スバル・ナカジマ

 

フェイト・T・ハラオウン

シグナム

エリオ・モンディアル

キャロ・ル・ルシエ

 

クワットロ・ハラオウン

チンク・ナカジマ

ジェイル・スカリエッティ

ノーヴェ・ナカジマ

 

八神はやて

高町アキラ

大島宗助

レイ・メイスティーマ

の、15人である(他のナンバーズは留守番だったり、他の部隊に出向中)。

 

 

「皆集まっとるな?今回は第5管理世界へ行くで」

 

 

「第5管理世界!?」

 

 

はやての言葉にキャロは驚愕した声を出す。それを見越していたかのようにはやてはゆっくりと頷いた。

 

 

「第5管理世界・・・正式名称『アルガルヴェ』。そこは召喚が得意な一族・・・つまり、キャロの部族であるル・ルシエ一族が定住しとる世界や」

 

 

そう言ってはやては一旦話を区切り、キャロの様子を伺う。

 

一見する限り、キャロは特に落ち込んだ様子はなかった。その目は真っ直ぐ前を見ている目だった。

 

 

「(ふぅ。何とか大丈夫そうやな)ほならそろそろ「部隊長!!大変です!!」どないしたんやシャーリー?」

 

 

はやてがそろそろ行こうと言おうとした時、6課のメカニック・・・シャリオ・フィニーノ(通称シャーリー)が焦った様子ではやての所へ駆けて来た。

 

 

「アルガルヴェが何者かによる襲撃を受けているそうです!!」

 

 

「何やて!?」

 

 

シャーリーの言葉に全員が驚愕した。これから自分達が行こうとしている場所が、今襲撃を受けてるなんて報告を受けたら、誰でも驚く。

 

 

「場所は!?」

 

 

「場所はポイントk-d6y234・・・ル、ル・ルシエ一族の集落です!!」

 

 

カァアアアアアアア

 

 

その瞬間、メンバーの下に魔法陣が展開された。

 

 

「僕の転移魔法陣だ。このままル・ルシエの集落に転移する。スカリエッティ。あなたはここに残って防衛を固めてくれ」

 

 

「ほかならぬ君の頼みだ。断るわけがないよ」

 

 

レイがその言葉を言い終わり、スカリエッティが魔法から退いた後すぐに、6課メンバーは隊舎から姿を消した。

 

 

〜アルガルヴェ・ル・ルシエ一族集落〜

 

 

カァアアアアアア

 

 

「ふん。此処がル・ルシエ一族の集落か」

 

 

さて、時を少しばかり遡るり、6課に集落襲撃の知らせが入る約30分前。

 

アンクは一足早くル・ルシエの集落の転送ポートにいた。そしてセキュリティをあらかじめ手に入れておいた偽造した局員証や人口血液でごまかした。なお、デバイス認証に関してはプライムにクラックさせてプログラムを弄らせた。おかげでどうにかセキュリティを突破し、集落に入る事が出来た。

 

セキュリティを突破したアンクは一通り集落を見学した。いざというときの逃走経路を確認するためだ。

 

 

(平時は南側入口の警備が薄い・・・。しかもそこから先は、木々が生い茂った山があり、その先には切り立った崖がある。逃走には持って来いの場所だな)

 

 

そこまで考えて、アンクは村長の自宅へと向かった。どうやら事前にプライムが仕入れた情報は本当らしく、神の器と崇められているコアメダルを見るためには、村長の許可が必要なのだ。

 

 

「っと、その前に・・・・・・」

 

 

ピィイイイイイイイン

 

 

アンクは思い出したかのようにセルメダルを取り出し、丁度人気のない路地にいた人間にメダルを投擲する。すると、人間の後頭部にスロットが現れ、そこに吸い込まれるかのようにメダルが入り込む。

 

 

チャリン

 

 

すると。その人間の体からミイラ男のようなもの・・・・白ヤミーが這いずり出してきたのだ。

 

 

「ヒ、ヒィイイイイイイイイイ!!?なんだコイツはぁああああああ!!?」

 

 

男はあまりの恐怖に気絶した。すると、白ヤミーは何かを求めるかのように何処かへと消えてしまった。

 

 

「さて、これで下準備は終わりだ。・・・・・・おっと、言い忘れてたぜ」

 

 

アンクはその場を立ち去ろうとしたが、何かを言い忘れたかのように男へ近づいていき、ある言葉を呟いて今度こそ立ち去った。その言葉とは、

 

その欲望、解放しろ・・・・・・。

 

 

 

「こちらです」

 

 

「ほぅ。これが噂に名高き神の器ですか」

 

 

それから数分後。

 

ようやく村長と会うことができたアンクは、村長の案内の下、ようやく神の器として崇められているコアメダルの場所へとたどり着いた。

 

 

「この神の器は、とある錬金術師が生み出したといわれる器の一部です」

 

 

そういう村長の目線の先には、クワガタ・コアが1枚、カマキリ・コアが3枚、そしてバッタ・コアが2枚、岩壁に埋め込まれていた。

 

 

「やはり耳で聞くより目で見たほうが一番ですな。さて、では早速神の器に張ってある結界をチェックしましょ」

 

 

ドォオオオオオオン!!

 

 

アンクがそう言おうとした瞬間、巨大な爆発音が聞こえた。

 

 

「なんじゃ今の音は!?」

 

 

突如響いた爆音に、村長は耳を抑えながら問う。

 

 

「とりあえず村長さんは村人の安全の確保と現状確認を。私は管理局に連絡を入れていからすぐに結界のチェックをします」

 

 

「わかりました!!頼みましたぞ!!」

 

 

そういうと、村長はどこから呼び出したのか巨大な獅子に乗って外へと駆けて行った。それを見送ったアンクは、不敵に笑ってオーズドライバーを取り出し、腹部に装着する。するとベルトが伸びて、体からクワガタ・トラ・コンドルのメダルが放出され、自動で装填・カテドラルが傾いた。

 

オーズはスキャナーを手に取り、カテドラルを沿うようにして、スキャナーにメダルを読み込ませた

 

 

キキキィン!!

 

 

「変身」

 

 

 

『クワガタ!トラ!コンドル!!』

 

 

「オラァ!!!」

 

 

バリバリバリバリ!!!

 

 

アンクは一気にオーズ・ガタトラドルへと変身すると、クワガタ・ヘッドにエネルギーを溜め、そのままコアメダルに張ってある結界に向けて放出した。

 

 

「チィ・・・・・・!意外と堅いな」

 

 

ガギンギィン!!!

 

 

オーズはそう呟いて、電撃の放出をやめた。そしてトラ・クローとコンドル・レッグの真空刃を使って、結界を切りつけていく。しかし、亀裂どころか傷すらもつかない。

 

 

「クソッ・・・・・・。こうなれば最終手段だ」

 

 

キキキィン

 

 

『スキャニング・チャージ!!!』

 

オーズはメダルを再度スキャンして、必殺技を発動させた。すると、ヘッドから両手のトラ・クローに電撃が集まっていき、レッグからもエネルギーが集まっていき、トラ・クローに緑・黄・赤の順番でエネルギー状の爪が形成された。

 

 

「オォオオオオオオオ!!!!」

 

 

ガギャァアアアアアアン!!!

 

 

オーズはそれを全力で振り下ろす。その衝撃で火花と余波が飛び散るが、オーズは知ったことじゃないといった感じで、トラ・クローで斬りつけ続ける。

 

 

ピシ

 

 

「!!」

 

 

ついに待ちわびていた音がした。オーズはその音がした箇所に目を凝らす。そこには、僅かだが小さなヒビが入っていた。

 

それを見たオーズはすぐさまトラとコンドルを交換し、ゴリラとゾウに変えて、スキャナーでスキャンする。

 

 

キキキィン!!

 

 

『クワガタ!ゴリラ!ゾウ!!』

 

 

「ハァ!!!」

 

 

ズドン!!

 

ピキキッ!!

 

 

オーズは姿が変わると同時にゾウ・レッグで亀裂を蹴りつける。すると、今までビクともしなかった結界に、亀裂が入った。

 

 

「オッラァアアアアア!!」

 

 

ドゴン!!

 

 

パキィィィィイイイイイン!!!

 

 

オーズは止めとばかりにゴリラ・アームを振りかぶって、結界に思い切りぶつける。するとあれ程堅く壊せなかった結界が、まるで飴細工を砕くように、心地いい音を立てて砕け散った。

 

オーズは変身を(何故かベルトは装着したまま)解除して、嵌め込まれていたコアメダルを慎重に抜き取り、不敵に笑った。

 

 

「これでウヴァのメダルは9枚。ウヴァはこれで全て揃ったなぁ」

 

 

そう呟いてアンクは外に出る。そこでは、左が黒、右が緑の、W型の銀の触角が付いた戦士が、『イカテントウ・ヤミー』と戦かいを繰り広げていた。見ると、イカテントウ・ヤミーが不利なようだ(なぜか、その近くには6課メンバーがいた)。

 

戦士はそれを好機と見たのか、ベルトに挿してあったUSBメモリを抜いて、右側の長方形上のスロットに装填した。

 

 

『JOKER!!MAXIMAM DRIVE!!』

 

 

すると竜巻が巻き起こり、その竜巻を利用して戦士は上にあがっていき、再びスロットをたたく。それを合図にしたように風がやみ、戦士はドロップキックの体勢のまま急降下していく。するとなんと、戦士の体が半分に割れ、そのままヤミーに直撃した。

 

ヤミーは悲鳴を上げる間もなく、セルメダルへと還元された。

 

 

「風・・・・。そしてメモリとあの腹の機械・・・・。なる程、あれがWか」

 

 

アンクはそう呟いて、右手と翼を発現させて、手を前に伸ばす。

 

 

ジャラララララララ

 

 

するとヤミーから零れたメダル諸共、全てアンクのほうに引き寄せられていき、腕や体に吸収されていく。そして、驚く6課メンバーに対して、アンクは不敵に笑ってこういった。

 

 

「こんにちわ。元”同僚”さんよぉ」

 

 

「同僚だと?我らは貴様のような奴と同僚になった覚えはない」

 

 

シグナムがアンクを睨みつけ、デバイスであるレヴァンティンを構える。それを合図にしたのか、ほかのメンバーもデバイスを構え、クワットロは何故か気絶しているティアナを連れて、自身も背後に下がった。

 

 

「そうか。やはり俺のことは覚えてないか・・・・・。そいつは残念だなぁ」

 

 

バシュ!!

 

 

アンクは少し残念そうにいうと、体からメダルが3枚放出され、カテドラルに装填、ベルトが傾けられる。

 

 

「!?あのメダルは!!」

 

 

なのはが驚いたような表情と声をあげると同時に、アンクは口の端を吊り上げてニヤリと笑った。

 

 

「俺を覚えてれば」

 

 

キキキィン

 

 

すると、アンクの言葉に合わせるかのように自動でメダルがスキャンされ、コアメダルを象ったエネルギー状のオーラングサークルが浮かび上がっていく。

 

 

『タカ!』

 

 

「もしかしたら俺を」

 

 

『トラ!』

 

 

「倒せたかもなぁ」

 

 

『バッタ!』

 

 

「変身」

 

 

『タ・ト・バ♪タトバタ・ト・バ♪』

 

 

アンクの最後のワードによって、アンクはオーズへと変身した。

 

 

「欲望の王・・・!!」

 

 

「ふん・・・・・・。偽物が」

 

 

フェイトは自身の相棒であるデバイス・・・バルディッシュを構えて、オーズをにらみつける。そしてオーズが一瞬目線を話した瞬間、レイが先制攻撃に転じた。

 

 

「ディバインバスター!!バージョン・スタッグ!!」

 

 

『OK.DIVINE BUSTER.ver.stag』

 

 

『ディバィイイイイイイン!!バスタァアアアアアアアアアアアア!!!』

 

 

ズドォオオオオオオ!!!

 

 

レイはかつてのアンクのデバイスであるガディアスを、なのははレイジングハートをオーズに向ける。すると、ガディアスからは白いディバインバスターが、レイジングハートからは桃色のディバインバスターが発射され、レイのは威力を保ったまま二つに分かれ、なのはは中央、レイは左右からの挟み撃ちを敢行した。

 

 

「ふん!」

 

 

ドン!!

 

 

オーズはそれを一瞥すると、バッタレッグの力を使って上に回避する。ディバインバスターは互いにぶつかり合って爆発した。

 

 

「残念だったな欲望王。上には私達がいる」

 

 

「ほぅ」

 

 

オーズが飛び上がった上空には、レヴァンティン・シュランゲフォルムを構えたシグナムと、グラーフアイゼン・ラケーテンフォルムを構えたヴィータがいた。

 

 

ガシャンガシャン!!

 

 

両者はデバイスにカートリッジをロードさせ、アイゼンは炎を噴射し、レヴァンティンは紫色の炎をまとわせた。

 

 

「ラケーテン・シュラァアアアアック!!」

 

 

「紫電一閃!!!」

 

 

二人はたがいが得意とする技を放ち、オーズを撃墜させようとする。

 

 

(ふん。挟み撃ちで相手を上空に追いやって、空からの追撃で潰す。個人技任せの雑把で対処のしやすいプレーだな)

 

 

しかし、オーズはこんな状況でも冷静に分析とを評価を下していた。

 

それらの状況からオーズは、メダルをすべて抜き取り、代わりにシャチとウナギ、そして新たにタコのコアメダルを装填し、スキャナーでメダルを読み取らせる。

 

 

『シャチ!ウナギ!タコ!!シャ・シャ・シャウタ〜♪シャ・シャ・シャ〜ウタ♪』

 

 

バシャァ!!

 

 

オーズは復活してから初めてとなる水棲系コンボ『オーズ・シャウタコンボ』に変身した。

 

そして、なんと自身を液化させて、ヴィータとシグナムの必殺技を避けたのだ。

 

 

「「なっ!?」」

 

 

「シグナム副隊長の技を避けた!?」

 

 

「それにあいつ水になったぞ!?」

 

 

二人は驚愕を隠せない。それは下にいる連中も同じだった。

 

 

「ハッ!!この程度の事で驚くとはなぁ!!」

 

 

キキキィン!!

 

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 

「オラァ!!」

 

 

ギュン!!

 

 

「なっ!?ムグッ!!」

 

 

「ヴィータ!!」

 

 

オーズは二人を嘲笑うと、メダルを再度スキャンさせ、ウナギウィップをヴィータに巻きつける。突然の行動に、ヴィータは何もすることができず、捕縛されてしまった。

 

 

「はぁああああああああああ!!!」

 

 

ギュルルルルルル!!

 

 

オーズはヴィータを捕縛したままウナギウィップを思い切り引き寄せ、自身はドロップキックの体制をとる。すると、足の蛸の装甲が剥がれ、ドリル状に回転していく。シグナムが慌てて助け出そうと接近し、下のメンバーが魔力弾を放ち、フェイトが高速で接近するが、すでに遅かった。

 

 

「おらぁあああああああああ!!!」

 

 

「ガァアアアアアアアアア!?!!?」

 

 

ズドン!!

 

 

ドシャァアアアアアアアア!!

 

 

オーズは気合が入った掛け声とともに、ヴィータの腹に必殺技『オクトバニッシュ』を食らわせた。ヴィータは悲痛な叫び声をあげながら地面に急降下し、その勢いのまま地面にたたきつけられた。

 

 

「ヴィータちゃん!!」

 

 

「ヴィータァアアアアアアアアアア!!」

 

 

「「「「副隊長!!」」」」

 

 

全員がヴィータに駆け寄ろうとするが、変身を解いた(というよりもコンボを使った上でスキャニングを使用した事による強制的な変身解除)アンクが、地面に落下し、気絶しているヴィータの頭を踏みつけていた。

 

 

「おいおいなんだよ・・・。俺をいたぶってたのはこんなに弱かったのかよ・・・・・」

 

 

アンクは心底ガッカリしたような顔でヴィータの頭を踏みつける。

 

 

「ヴィータから足を離しやがれ化け物ガァ!!!竜之炎参式ホムラァ!!」

 

 

ギュォオオオオオ!!

 

 

宗助は怒声を上げながら、鞭のような炎をアンクに放つ。アンクはヴィータの頭から足を退け、ホムラをあっさりと避ける。

 

 

『LUNA JOKER』

 

 

しかし、頭から足を離したことにより、戦士・・・Wによって救出されてしまった。

 

 

「チッ・・・・・・。甘ちゃんどもがぁ!!!」

 

 

キュィイイイイイン

 

 

アンクは力を込めて、その姿をウヴァへと変身した。

 

しかしその姿は、メダルをすべて回収したのにもかかわらず、いまだにセルメン(コアメダルが足りない状態の姿の事。完全体と比べて、上下または一部を残して装甲がなくなり、ベルトがくすんでいるのが特徴)の状態だった。

 

 

「ふん!!」

 

 

バチバチバチ!!!

 

 

「!?キャァ!!」

 

 

ウヴァへと変身したアンク(以下、ウヴァと一括して表記)は、頭のクワガタを模した角で電撃を放った。

 

 

「姉さん!!この!!」

 

 

『BURST MODE』

 

 

ズガガガガガン!!

 

 

「何!?ヅォアアア!!」

 

 

ドシャァ

 

 

アキラは赤と銀色が施された携帯に『1 0 3 ENTER』と入力し、携帯を銃型に曲げる。すると、携帯から電子音声が響き、アンテナ部分から紅い光弾を発射する。突如発射された光弾を避けることができず、ウヴァはモロに喰らってしまい、地面を転がった。

 

 

「今だ!」

 

 

アキラはどこからか、武骨な機械のベルトを取り出し、それを腰にまきつけた。そして、先程光弾を射ち出した携帯を元に戻し、『5 5 5 ENTER』と押して、携帯を閉じた。

 

 

ピピ

 

 

『STANDING BY』

 

 

すると機械音声がして待機音が鳴り響く。

 

 

「変身!!!」

 

 

そう言ってアキラは携帯・・・ファイズフォンを、ベルト・・・ファイズドライバーに垂直にセットしてそれを倒した。

 

 

『COMPLETE』

 

 

すると、紅い光がアキラを包み、光が収まったころにはその姿はなく、代わりに、どこか鮫のような顔をした戦士・・・仮面ライダーファイズが悠然と立っていた。

 

 

「アキ・・・ラ?」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

アキラ・・・いや、仮面ライダーファイズは自らの名を呼んだなのはを一度だけみると、すぐに視線をウヴァに戻す。

 

 

「ふん・・・。どんな姿になろうが、所詮は雑魚だ。・・・フッ!!」

 

 

ドン!!

 

 

ウヴァはファイズを貶し、跳躍してファイズに攻撃を仕掛ける。

 

 

「フリード!!ブレストフレア!!」

 

 

「駆けよ隼!!」

 

 

「エクセリオン・キャノン!!」

 

 

『METAL!!MAXIMAM DRIVE!!』

 

 

「メタル・イリュージョン!!」

 

 

「スタール・メッサー!!」

 

 

「轟け雷神!!」

 

 

「エクセリオン・バスター!!」

 

 

「壱式崩!!」

 

 

「っ!?アグァアアアアアアアアア!!」

 

 

ズガアァアアアアアアン!!

 

 

ジャリィイイイイイイン・・・・・

 

 

しかし、6課メンバーの集中砲火にウヴァはやられてしまった。さらに悪いことに、やられた際にセルメダルが剥離し、それと一緒にライオン、タコ、ゴリラ、チーター、トラのコアメダルを手放してしまったのだ。

 

『!!スバルッ!!』

 

 

「わかってる!!」

 

 

『LUNA JOKER』

 

 

どういうわけか右半身の目が光った瞬間、ティアナの声がした。それと同時にWはメモリをMETALからJOKERにチェンジして、落ちたコアメダルを回収しようとした。

 

 

「ググッ・・・。さ、させるか!!」

 

 

キキィン!!

 

 

『タカ!カマキリ!チーター!!』

 

 

ウヴァは痛む体に鞭打ち、急いでグリード化を解いてオーズ・タカキリーターへと変身して、トップスピードでコアメダルの元へと走った。

 

 

チャリリン

 

 

そんなコアメダルが擦れ合う音がすると、いつの間にかオーズはWの背後にいた。

 

 

「くそッ!!たったこれだけか!!」

 

 

オーズがあわてて手を開くと、その手にはゴリラ・コアしか握られておらず、悠然の立つWの手には、ライオン、トラ、チーター、タコのコアメダルが握られていた。

 

 

「ちぃ・・・・・。まぁいい。用事は済んだ」

 

 

そう言って変身を解いて、アンクは先程奪取したウヴァのコアメダルを取り出す。

 

 

「!?それはル・ルシエの神の器!!」

 

 

村民の避難を済ませてやってきた村長がそれを見た瞬間、悲鳴にも近い声を上げていた。

 

 

「ハッ、馬鹿か。こいつは飾って見るものじゃないんだよ・・・。こいつはなぁ」

 

 

そう言ってアンクは口角を釣り上げて、メダルを上に投げる。コアメダルは一枚も下に落ちることなく、すべてアンクの体に吸収された。

 

バチ・・・バチバチ

 

 

「こう・・・使うんだよ・・・・!ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

キュィイイイイイイン

 

 

ズガァアアアアアアアアン!!

 

 

「「「「「「「「「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?!」」」」」」」」」

 

 

「「「グァアアアアアアアアアアアアアア!!?!」」」

 

 

すると、アンクは再びウヴァへと変身する。その体は先程までのセルメンと違い、すべての装甲が発現し、ベルトは金と銀で装飾されている、ウヴァ・完全体へと進化していた。

 

そしてその余剰エネルギーは、雷となって6課メンバー達に落ちた。

 

 

「ハァアアアア・・・・。いいぜぇ・・・。最高の気分だぁ!!!」

 

 

ガギィン!!

 

 

「なにっ!?」

 

 

ウヴァは最高の気持に浸りながら、背後から迫っていた獅子の爪の防ぐ。絶対にばれないと思っていた村長は、あっさりと攻撃を防がれたことに驚愕していた。

 

 

「ゴミだ。フン!!」

 

 

ザザシュゥ!!

 

 

『ガォオオオオオオ!!?』

 

 

「レ、レオォオオオオオオオオン!?」

 

 

ウヴァは獅子の爪を一度はじいて、その腹と顔を同時に切り裂いた。すると獅子は真っ二つに切れ、そのまま霧のように霧散した。

 

 

「ふん。たかがこの程度で俺に挑もうとすること自体間違いなんだ「ガァアアアアアア!!」ん?」

 

 

ウヴァが突如した方向に顔を向けると、そこには火炎球を極限までためこんだフリードリヒがと怒りに満ちた眼をしたキャロがいた。

説明
さてようやくの更新にございますね。

前回は6課メンバーはほぼ出ませんでしたが、今回は一応出てきます。

ちなみに、ナンバーズに関しては性格を把握している者のみ出演します。

※今章は個々によっては聖者を侮辱しているような表現が含まれています。なので、もしそういった方々がいらっしゃいましたら、今章の閲読はご遠慮及び次章までお待ちください。

閲読できなくしてしまったことに、多大なる不満をお持ちになられた方々がいらっしゃると思いますが、ご理解をいただくと共に、最大限の謝罪を申し上げます。
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