SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREEED OF GREED”   城とラボとキドラゴスコンボ
[全1ページ]

〜惑星ムディ・アジト〜

 

 

あの宣戦布告から1週間後・・・。アンクはミッドチルダ全域に探索魔法をかけていた。

 

 

「・・・・どうだプライム。メダルの反応はあったか?」

 

 

『No, I do not almost fall. After all is there only there for possibility.(いえ、ほぼ引っかかりません。可能性としてはやはりあそこしかないかと)』

 

 

「そうか・・・。」

 

 

そう言ってアンクはある建物の画像をモニターに展開する。そこには、いかにも中世に建てられたような物を感じさせる城が建てられていた。

 

 

『I think whether it is very likely that the even if I think reasonably.(道理的に考えてもその可能性が高いかと)』

 

 

「・・・・・・腹括るしかねぇか」

 

 

アンクは寝てたカリムをたたき起して、ミッドの上空へと転移した。

 

 

〜ミッドチルダ北部・上空〜

 

 

「ねぇ・・・アンク?」

 

 

「あん・・・?」

 

 

転移した場所のしたを見たカリムは頬をひきつらせてアンクに問うた。

 

 

「ここって・・・エーデルシュワルト城よね?」

 

 

「あぁ。それがどうした?」

 

 

アンクが来た場所・・・、そこは聖王オリヴィエが暮らし、政治を行っていたといわれる城『エーデルシュワルト城』であった。

 

 

「どうしたって・・・。何でこんな場所に?」

 

 

「コアメダルの回収だ」

 

 

「!!」

 

 

カリムはアンクの言葉に驚愕し、アンクは一笑してから一度地上に降り、木に寄りかかって説明を始めた。

 

 

「・・・俺は聖王オリヴィエのクローン体である高町ヴィヴィオの記憶を盗み見した後、アジトに戻ってコアメダルとドライバーの所在を血眼になって捜した。が、所在がわかったのは俺が盗み出したコアとル・ルシエ一族の所有していたコアメダルだけだった

 

だから、俺はずっとプライムにコアが存在しそうな場所をふるいにかけさせ続けた。

 

そして最終的に予想が高かったのは、生前やつが暮らしていたこの城だと判断した。・・・ここまでで質問は?」

 

 

アンクがいったん話を中断させると、カリムが手を挙げていた。

 

 

「・・・なんだ」

 

 

「いつ盗み見してたの?」

 

 

「6課が高町ヴィヴィオの記憶を読み取っているときにな。方法は俺の意識の宿ったコアメダルを配線の間にストッパーのように挟み込むようにすると出来る」

 

 

「それは私でも可能?」

 

 

「多分無理だろう。お前はまだ完全にグリード化していないからコアメダルに意識が定着してないからなぁ」

 

 

「ふ〜ん」

 

 

「・・・・他に質問がなさそうだから話を再開するぞ。人間ってのは不思議なもんでなぁ。自分の物は常に目に入るところか近くに置いていなければ安心できないらしい。コアメダルはアストラがその基礎を作り出し、その装飾やデザインもアストラが担当した。だが実質コアメダルの製作者は二人いる。今の説明は一見して矛盾してるかと思うが説明は後だ。そして俺はこう考えた。『もしかしたら残りのコアメダルは聖王が関係、もしくは縁が深かった場所にあるんじゃないか?』ってなぁ」

 

 

「じゃあ、さっきふるいにかけてたのって・・・」

 

 

「そうだ。生前聖王に縁が深かった場所や地域、もしくは聖王が作り上げた場所をかたっぱしからな」

 

 

そう言ってアンクは端末を取り出して2枚の地図を展開する。

 

 

「右が今のクラナガン、左が聖王時代のだ。そして聖王時代の地図に聖王が作った建物や施設の場所をマーキングして今の地図に重ね合わせると・・・」

 

 

そう言ってアンクは昔の地図に聖王が建てた建物や施設を赤くマーキングし、現在の地図と昔の地図を重ね合わせる。

 

するとなんということだろうか。

 

赤くマーカーした場所はビルや店舗などを表す表記に変わり、無事のまま残っていたのは、聖王教会の本部や現在の時空管理局の本局が立っている場所、そしてエーデルシュワルト城のみであった。

 

そしてカリムは、赤くマーキングされ、店舗やビルになっていた場所にすべて見覚えがあった。

 

 

「あれ?ここのお店やビルって・・・、全部アンクが襲撃した場所じゃない!?」

 

 

そう。これらマークされた店のほとんどは、すでにアンクによって襲撃された場所だったのだ。

 

 

「あぁ。さっきの結論に至った俺はすぐにコアメダルが有りそうな場所を虱潰しに探した。だが、エーデルシュワルト城は記念式典の真っ最中だったから後回しに、聖王教会や管理局本局は論外だ。あんな所に突出する程の力がないのに単身で突っ込む馬鹿はそうはいないしな。結果的に以前その建物や施設があった場所しか襲撃できなかった。ちなみに金品や服を奪ったのは一種の腹いせと八つ当たりだ」

 

 

そうはいないという事は一人二人は居たということだろうか・・・

 

そんな風に思いながらもカリムは口をはさまずにアンクの話を聞いていくのだった。

 

 

「で、さっきのコアメダルの製作者は二人いるってどういうこと?」

 

 

「・・・・その説明に入る前にまずはアストラについて話をしなきゃいけないな」

 

 

そういってアンクはアストラの肖像画をモニターに表示する。

 

 

「アストラ・ゼーゲブレヒト。享年24歳。名前の通り聖王家の出で、血縁と出生の関係上オリヴィエの兄にあたる」

 

 

「オリヴィエ殿下に兄!?そんな話初耳よ!?」

 

 

「最後まで聞け馬鹿野郎。お前が知らなくても当然だ。寧ろ知ってるやつのほうがおかしいだろうなぁ」

 

 

アンクはカリムの頭を一度殴り、肖像画のモニターを消して話を続ける。

 

 

「アストラはとある理由から聖王家を追放されている。それに加え、ベルカ大戦が起こる前に起こした欲望事変(『聖と欲とオリヴィエの記憶』を参照)が原因で、奴は聖王家からいなかった事になってるから

知らなかったとしてもおかしくはない」

 

 

「追放って・・・、跡取りである男児を?」

 

 

カリムの言葉をアンクは無言で首を縦に振り、肯定の意を示す。

 

カリムの言葉はもっともだ。

 

元来、どこの世界の王族でも男児というのは重要視される。日本・江戸時代の武家屋敷では、出生したのが男児でなければ平民や商人の家に奉公に出させて、実質上の出家を命じていた家もあるようだから、それがミッドチルダでやられていてもおかしくはない。

 

しかし、逆に男児が破門されるとなればそれは疑問に出てくる。仮にも男児だ。言い方は悪いかもしれないが、多少の問題くらいなら権力を使えば揉み消すなりどうとでもなるのではないか?

 

カリムはその旨をアンクに告げると、アンクはあぁとだけつぶやき、説明を再開した。

 

 

「奴には欲望王という名のほかにもう一つの名前がある。それは『王の器がありながら器でない者』っていう名前がなぁ」

 

 

「????」

 

 

カリムは精いっぱい首をかしげながら、意味を理解しようと必死に頭を働かせていた。アンクは若干無視しながら話を進める。

 

 

「人間には三大欲求というものがある。『食欲』『睡眠欲』『性欲』。これ以外にも知識欲とか破壊欲があるが、それらすべての欲求をアストラは制御できなかったのさ。聖王は聖なる王・・・、即ち清く正しい者がならなくてはならない。ここまで言えば分かるよな?」

 

 

「えぇ。つまりアストラが破門された理由は欲望に浸りきっていたのが原因で追放され、継承権が低かったオリヴィエ聖王女が聖王の座に着いた。そしてその破門が原因でアストラはコアメダル、セルメダル、そしてグリードを生み出し、欲望事変を起こした。体よく纏めるとこんな感じかしら?」

 

 

「・・・大方あってるが一応話を続けさせてもらうぞ。豆知識程度に聞いとけ。

 

無論、破門されたアストラも黙って指をくわえて見ているわけじゃなかった。

 

やつは自分を追放した聖王家に復讐するためにあるものを作り上げた。それは奴自身の長所でもあり短所でもある欲望を形に仕上げた・・・」

 

 

「コアメダルね?」

 

 

「あぁ。そして一番最初に作られたコアメダルが、俺のタカのコアだ」

 

 

そう言ってアンクはタカを含む全てのメダルを取り出してカリムに見せる。

 

 

「ふ〜ん。・・・ちょっと待って。仮にも一介の王族だったアストラが、材料はともかく、どうやって精製したっていうの?」

 

 

「アストラは俺と違って生来の天才だったらしい。一度見たものの理論や論理をすぐに理解し、そしてそれを一瞬にして形にして見せたといわれている。それに独自の理論をも組み上げていたらしい。現に、俺や管理局が使ってる電子端末やらデバイスの礎を作り出したのもアストラだ。表の歴史じゃ全く違う人間になってるがなぁ」

 

 

そう言って呆然としているカリムを尻目にアンクは話を続ける。

 

 

「そしてタカのコアメダルを作り上げたアストラは、次にかつて聖王と覇王が飼っていた豹と比較的似た動物をモチーフにしたメダル・・・トラのコアメダルを作り出し、さらに、当時農作物に多大な被害の爪あとを残したイナゴに似た生物・・・バッタのコアメダルを作った。そしてそれを制作順に並び替えて一つのコンボを作り上げた。それが『タトバ・コンボ』だ」

 

 

「そっか!!だから他系統のコアメダルでもコンボが組めたんだ!!」

 

 

「そういうことだ。あの3枚のメダルはアストラにとって思い入れの深いメダルだったから、奴はあの3枚でコンボを組んだんだ。

 

その後、出会ったものに栄光を与えるという『クジャク』、ありとあらゆる生物を捕まえる『コンドル』が加わり鳥獣系のコンボが出来上がった。

 

いっておくが、全てのコアメダルが同じ製法で作られたとは思うなよ?」

 

 

「どういうこと?コアメダルは一枚一枚作り方が違うの!?」

 

 

「いや、殆ど同じだが入れる欲望が系統ごとに違うだけだ。

 

例えば猫系のコアメダルだが、あれはアストラの奥底に眠っていた『自分の居場所が欲しい』という欲望から作られたんだ」

 

 

「居場所・・・?」

 

 

「・・・・知ってのとおり、アストラは俺と同じように全てに忌み嫌われていた。普段は抑えこんでいて押し殺していたからこそ、その欲望をコアメダルに入れたんだろうな」

 

 

「じゃあ、他のメダルは?」

 

 

アンクは少し疲れたような表情をしながら返答を始めた。

 

 

「ふぅ・・・。昆虫系は当時アストラの中に入っていた破壊欲を封入し、水棲系はアストラが欲しかったものの一つである愛欲を封入、重量系は甘えたいという欲求を封入したそうだ」

 

 

「ふ〜ん・・・。あれ?私の恐竜系とアンクの鳥獣系はどんな欲望を封入したの?」

 

 

そう言ってカリムは目を紫色に光らせながら問うた。アンクはそれにも律儀に答えた。

 

 

「俺のメダルには命という欲望が込められている・・・・らしい」

 

 

「らしい?」

 

 

カリムがかわいらしく首を傾げるも、アンクは一切反応せずに問いを返した。

 

 

「分からん。俺のコアメダルに関しては殆ど資料が残ってなかった。それも恐竜系の事もな。さて、これで話は終わりだ」

 

 

そう言ってアンクは立ち上がり、右腕を怪人化させる。それにつられてカリムも左腕を怪人化させて青いマントを羽織った。

 

 

「突っ込むぞ」

 

 

「了解」

 

 

ズドォオオオオオオオン!!

 

 

そう言ってアンクは火球を放ち、城壁を破壊して城の内部へと入った。

 

 

〜エーデルシュワルト城・大広間(多分)〜

 

 

「ん〜、やっぱり何もないわね」

 

 

「ま、当然のことだろうな。寧ろあったら国家レベルで大変なことになりそうだがなぁ」

 

アンクとカリムは現在、大広間と思われる場所に来ていた。しかしそこには、豪勢な金品が飾ってあるだけで、オーズやアストラに関係ありそうなものは何一つとして置いてなかった。

 

なお、曖昧な表現しているのは、広すぎてどこにいるのかわからなくなったので、数ある部屋を虱潰しに探していたらそれっぽい場所に着いたからそう表現しているに過ぎない。

 

 

「さて、多分次の部屋で最後・・・のはずだ」

 

 

「ていうか途中で迷ってるから何処の部屋を調べたか分からないのよね」

 

 

カリムは捨てゼリフっぽいものを吐いて、最後の部屋の扉を開けた。

 

そこは、金で全体が作られ各所に宝石が鏤められた豪華な玉座、純金と純度の高いルビーで作られたシャンデリア、さらにはベルカに名高き巨匠が描いたと思われる立派な絵画が飾ってある部屋だった。

 

 

「ここって確か・・・」

 

 

「聖王の記憶で見た部屋だ。・・・間違いない。ここは王の間だ」

 

 

そう言ってアンクはコアメダルの力を解放して目を赤く光らせた。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

「!?なにこの音!?」

 

 

するとものすごい音とともに玉座が回転しながら地面に消え、代わりにタトバの紋章と玉座が一体化したようなものが床からせり出し、床に大きな穴が空いた。その奥のほうには階段も見える。

 

 

「どうやらコアメダルの力をもつ者のみがこのカラクリを見破れ、さらにこいつを発動する事が出来るって仕組か」

 

 

そういってアンクはカリムとともに地下へと降りていく。そしてその最下層にあった扉をゆっくりと開いた。

 

 

「見ろ姉貴・・・。大正解だ」

 

 

「うわぁ・・・・」

 

 

カリムは息をのんで驚嘆した。地下室には大量の金属やクリスタルと思われる物質や、緑色の培養液につけられた生物や何かの破片、そして木製の机にぽつんと置かれた一冊のノート、そしてその表紙に描かれたタトバの紋章。すべてのものが、ここがアストラの研究室である事を裏付けていた。

 

アンクはノートを手に取り、何枚かページを捲ると、近くの壁に手を当てて何かをつぶやく。

 

 

ゴゴゴゴゴッ

 

 

すると壁が縦にスライドし、その中から30枚のコアメダルが姿を現した。

 

 

「これは・・・?」

 

 

「・・・・俺のロスト・コアとウヴァ達グリード軍団のロスト・コア、それからもしアストラやグリードの持つコアメダルが何らかの要因で破損した場合の予備のメダルだろうな。だが・・・」

 

 

そう言ってアンクは金縁の藍色のメダルと同じく金縁で茶色のメダルを手に取る。

 

 

「この2種類のコアメダルに関しては見たこともなければ聞いた事もない」

 

 

そういってアンクはメダルをよく観察する。藍色の方には馬っぽい何か・おそらく竜・翼が生えた馬が彫られており、茶色の方には龍、多分悪魔、多分天使のようなものが彫られていた。それらをしばらく見ていたアンクだったが、少しため息を吐いて、茶色のメダルをカリムに投げ渡す。その意図がわかったのか、カリムはそれを受け取り懐にしまい、アンクはオーズドライバーを取り出して腰に着け、カテドラルにメダルを装填し、スキャナーに読み込ませた。

 

 

キキキィン!!

 

 

「変身」

 

 

『キリン!ドラゴン!ペガサス!!キ・ドラ・ゴ〜ス♪キドラゴス〜♪』

 

 

バチバチバチバチ!!!

 

 

すると、アンクの体にクワガタヘッドの電撃とは比べ物にならない電気が走った。そして、オーズの装甲が、

 

藍色の複眼・青く稲光った角曰く『キリンヘッド』、

 

腕部と胸部には藍色を主体とした鎧と爪が着き、肩には藍色の装甲と青く光る龍玉のようなものが装着された『ドラゴンアーム』、

 

ペガサスのような青白く小さい2対の翼が両足に着き、馬のような顔がゾウレッグのように着いた『ペガサスレッグ』

 

へと変わり、その姿を『オーズ・キドラゴスコンボ』へと変身させた。

 

 

「すごい力ね。でもなんでコアが3枚しかないのかしら?」

 

 

「おそらくこのコアは未完成品だったんだろう。しかし強大な力を持っていたから廃棄するわけにもいかず、ここに封印してあったんだろうなぁ」

 

 

そう言ってアンクは変身を解いた。その際にカリムが、もう一つの方は変身しないのかと聞いたら、アンクは「それはおそらく一回きりの変身しか出来ない」といったので、その場はおさまった。

 

ちなみに、撤退の際に城を吹き飛ばしたため管理局が来てしまったが、発見される直前に転移魔法で逃走、ラボも重要な物や証拠をすべて運び出して跡形もなく吹き飛ばしたため、管理局はラボの発見はおろか、痕跡さえ見つけることは出来なかった。

 

〜NEXT STAGE〜

説明
さて、今回の話にはあまり戦闘はありません。つか、ほぼ説明回だね。うん。

今回はコアメダルの探索と伏線の回収です。

みんな忘れてるかもしれませんが、アンクには他系統のコアメダルが不足しています。特に水棲系のコアメダルは3枚しかありませんので。

ついでに、いくつか伏線を張る・・・のかなぁ?

ついでに言っておきますが、前半会話がかなり多いです。だから描写が少ないのなんのって・・・。

あっ!!やめっ!!石を投げるな!!

やるなら岩を投げろ!!

p.s.
超中途半端wwwwww。ワロタwwwww。

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タグ
転生者は敵 恵まれない主人公 原作キャラ死亡 伏線回収不能 主人公はアンクもどき カリム=敵 アンチ管理局救われない終わり 

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