第八話 アニス、魔王と出会う |
アニスサイド
〜朝〜
「……ん……ふぁ〜……」
やぁ、おはよう……どうやら朝の様です……。
朝はあれだ、嫌いだ。朝が苦手なのだ……口調も定まらないし、思考も変な方に行くし……。
「……顔……洗お……」
とりあえず、目を覚まさせたいので、予めはやてに聞いていた洗面所の場所を目指す。
確か、リビング通って行かないとなかったはずだ……。
俺は何の躊躇いも無く、リビングのドアを開けた。
「あ、アニス君おはよ………」
入った瞬間、挨拶をしようとしたはやてが固まった……。
固まんなし……俺の顔に何か付いてるのかな?
「……ななな……何やねんその恰好は!!」
「……ふぇ……?」
格好?……あぁ、この寝間着か……これはワイシャツ、継ぎ目すら無い綺麗なフォルムだろ?
いや、継ぎ目はあるんだけどね……あぁ、変な事しか考え付かん。
「誘っとんのか!!」
「……誘う?……何に……?」
「……ウチ……やってけるかな……」
なんかはやてが遠い目をしだしたよ?何か辛い事でもあったんだね。
今度和菓子買ってやるから元気出せコノヤロー。
「……顔洗ってこよ……」
はやてが何か悩んでるみたいだからそっとしといてあげよう。
あァ、俺って何て気遣いが上手いんだろうか!流石俺!自画自賛してやんよ!
「……ふぁ、アンクおふぁよ……」
「………取り敢えず一発殴らせろ」
「え……何で……」
ドゴッ!!
「っつぅ〜……何すんだよ!?これ以上俺の脳細胞を死滅させないで!俺の脳細胞のライフはとっくに0よ!」
「何でそんな恰好でうろついてんだ!普通の服着てから起きて来い!」
「……もしかして、アンク以外の人に肌を見せたから怒っt……オーケー、冗談だよアンク。だからその手に持っている包丁を降ろそうか……ゆっくりとだ……」
あぶねぇ、何で包丁持ってんのか不思議だけど。包丁を握ってるアンクにだけは、冗談は言わんとこ。
たぶん本気で切り刻まれるから……。
「取り敢えずアンクの拳骨で目が覚めたので、顔を洗う必要性が無くなったわけだ。んじゃ朝ご飯の用意でも……」
「だから服着て来い!目の毒だ!」
「酷い!アンクはこの恰好がお気に召さないのね!?だったら下のスパッツを脱ぐわ!……オーケーアンク……その両手に持ってる出刃包丁と良く熱されたフライパンを降ろそうか……ゆっくりとだ……」
ヤバいヤバイ、ついネタに走ってしまった。
さっき包丁持ってるアンクにネタを振るのは駄目だと学習したはずだぞ俺。
次やったらたぶん命は無いぞ俺……少し落ち着こうか……。
「つう訳で昨日買った服に着替えてきまーす」
仕方ないよね、アンクが止めろって言うんだし。
それよりもさっきからはやてがうんうん悩んでるのは、俺のせいではない筈……。
さて、服でも着ようかね。
〜割愛〜
「アンク〜、服着て来たよ〜。似合う似合う〜?」
「あぁ、似合ってる似合ってる……」
ちょっ、明らか棒読みやんけ……。
アニス悲しい。それよりも、まだはやては何か悩んでるわけ?
さっきからぶつぶつ言ってるけど……時折変な言葉も聞こえて来るけど。
「……アカン……ここは鋼の精神や……間違い起こしたらアカンでウチ……まだ会って二日目……」
……これってスルーしてもオーケーな感じだよね。
そして、誰かツッコンでよ!今の俺の格好、スパッツに上半袖だよ!?ツッコンでよ!
仕方ないのでパーカーを着る……ちぇっ、誰かツッコンでよ……。
「おいアニス、皿出してくれ」
「あ、分かった〜」
取り敢えず俺も気にしない方向で行く事にした。
カオスな八神家だねこれ……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「んじゃ、俺この町探索して来るわ!」
「お前一人でか?」
「うん!」
「……何か心配になってきた……」
とりま朝ご飯食べて少し経った辺りどす。
少しこの町の事を知っとこう……特に翠屋行きたい。それに、大体今原作に入ってるのか入ってないのか知りたいしね。
「まぁまぁアンクさん。アニス君なら何とかなるから大丈夫ちゃうか?」
「いや……こいつだったらフラッと誰かについて行きそうだから怖いんだ……」
「んな訳ないっしょwww。今日は休日だから、怪しまれずに行動できる!こんな日を逃してなるものか!という訳で、行ってきます」
俺はスタッと立ち上がり、そのまま玄関の方に駆けて行こうと思った瞬間。
アンクに腕を掴まれて動きを止められる。
「キャッ!?な、何だよアンク!びっくりするじゃんか!」
「まてアニス。お前、まさかその恰好で行く気じゃないだろうな?」
「……へ?駄目?」
「当たり前だ!スパッツ脱いで普通のズボン穿け!」
え〜、お気に入りなのにスパッツ……。
こんなに動きやすい物は二つとない!……いや、ブルマも動きやすかったな……確か。
よし、今度はそれで行こうか。採用。
「良いじゃんか別に〜。こんなチンマリした九歳の男の娘に欲情する変態ロリショタコン野郎がこんな真昼間から出るわけないじゃん」
「そんな事心配してねぇ!俺は世間体を考えて言ってるんだよ!」
「……あぁ、確かに。このまま出てけば近所の人に目が付き、尚且つアンクが外に出れば……アンクがこんな格好させてるのかと、有らぬ誤解を生み、そのままアンクは刑務所行きか……それは避けたい」
「何で俺のせいになるんだよ!!」
「だって、アンクしか大人の人いないじゃん。あ、そうだ!いっその事はやても履かない?スパッツ」
「いや、ウチはどっちかって言うとブルマの方が……」
「八神も真面目に答えてんじゃねぇ!!」
一々うるさいねぇ。人の格好にとやかく言わないの!めっ!だよ!
まぁ、仕方ないので、そこは譲ってやったよ。
真面目にズボンを穿いたぜ……ちくしょう……。
「スースーするの……」
「普段スパッツばっか穿いてるからだ!」
「……ズボンの中に穿いちゃ駄目?」
「駄目だ」
「ブーブー。分かりましたよ!んじゃ、行ってきまーす」
少し不機嫌モードなアニスたんのお通りですよー。
「……アンクさん、良く耐えられますね?」
「何がだ?」
「ぶっちゃけ、アニス君に欲情したりせぇへんのですか?」
「ブーーッ!!……するわけないだろうが!あいつは男だぞ!?お・と・こ!分かってるのかお前は!」
「いや、アニス君可愛いし。たまに何かの手違いで欲情せぇへんかな〜と」
「ガキがそんな事言うんじゃねぇ!」
アニスが出て行ってから、直後の語らい。
二人とも危ない話をしてますね〜、ツッコミが来い。
アニスサイド
「ふんふふ〜ん♪」
良いねぇ、こうアスファルトの上を歩くと、日本なんだな〜と感じるよ。
まぁ外国もアスファルトだけどね……。
「ここが海鳴市かぁ〜、すげぇな〜」
自然は少ない物の、それを補う海があり。
公園にはそれに見合う自然がある……っつくしー、調和だ。まさにハーモニーだ!
「らんらら〜ん♪」
いや〜、ついつい鼻歌を歌いたくなっちゃうねこれ。
こんなに気持ちの良い朝は初めてだよ。さて、先ずは何処に行こうかな〜。
「あ、ぬこだぬこ。おいで〜」
「にゃ〜」
おっ、寄って来た!何だこいつ!甘えるぞ!?
可愛い、むっちゃ可愛い!あっ!指ぺろぺろした!あぁ〜、可愛いな〜。
「えへへ〜、何だコノヤロー。可愛いなコノヤロー」
飼いたいな〜。でも、八神家にはもう少ししたら犬が来るしな〜。
あ、犬じゃなかった、狼だっけ?まぁ、変わりは無い。
「んじゃなぬこ〜」
「にゃ〜」
俺は名残惜しいが、ぬこと別れを告げた。
くそっ、可愛いぬこだったぜ……お持ち帰りしたい!っが!たぶんアンク辺りに、元の場所に反してこい!って突っぱねられそう。
アンクのバーカバーカ。
「さて、目的地を絞ろう」
まぁ、翠屋位しか行く所ないだろうな〜。
まだなのはと会ってないし、フェイトも今居るか分からないし。
それに、原作も始まってるのか始まってないのか……それが今一番気になってる事。
「しょうがないし、もう翠屋行っちゃうか」
友達がはやてしか居ないし、ちょうど良いか。
なのはとも友達になろうかね……あぁ、本当はすっごくなりたくないねんけどな……。
魔王だし……怖いし……砲撃魔だし……トリガーハッピーだし……魔王だし。
「ま、まぁ……臆せずに行こう!おー!」
俺は一人で意気込みながら歩いて行く。
あ〜、この身長で歩幅小さいから、あんまし歩きたくないなー。
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「ここ……何処?」
何か行き辺りばったりな感じで進んでたら、迷ってしまった。
っかしいな〜、ここら辺じゃなかったっけ?まぁ、知らんけど。
「さて、困ったな……」
「何が困ったなの?」
「あぁ、聞いてくれよ〜。それがさ〜……って……誰だお前は……」
何か一人で喋ってたら、誰かが入って来たよ。
やぁね〜、独り言に入って来ちゃって……アニス君、そう言うの感心しないな〜。
へ?独り言して痛い子みたいに見られるよりましだろって?ですよねー。
「私?私は高町なのは!」
「……へっ?」
魔王様が降臨なさいました……。
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魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王!!!wwwww | ||
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