IS〈インフィニット・ストラトス〉 転生者は・・・ |
真っ白な空間で白に包まれた俺は―――――――
「うっ……。ここは……部屋?」
まず目に入ったのは、天井。普通のだ。
周りを見てもテーブルやテレビなど、普通のものしか置いてない。
どうやら俺は床に倒れているらしい。
『目が覚めたのか』
俺以外いないはずの部屋に、俺以外の声が響く。
「っ!? 誰だ!」
『ここだ。すぐにわかると思ったんだが?』
発信源はネックレス――いや、俺のISだった。
「ああ、そういやそうだったな……ティエリア、で良いのか?」
『ああ、構わない。早速本題に入るとしよう。ここについての説明を始めるが、良いか?』
「頼む」
『了解した。ここは神の言った通り、原作の始まる3日前の君の家だ。"憶えて"いるだろう?』
「は? いや、だって……あれ?」
知らない、こんな記憶は……。
元の俺には無かった記憶がある……?
『それについても説明しよう。君はこの世界の君と入れ替わった。だから記憶もある。神によって色々と変化しているがそのあたりは良いだろう。次に僕についての説明だ。僕はティアリアという名を持っているが、それはこのISの名前ではない。だからこのISに名前を付けてくれないか?』
「わかった……っても、神に頼んだ時点で決めてたんだけどな。名前は『マイスターズ』」
ま、マイスターって言ってもガンダムだけじゃないけどな。
『了解、名称の登録を実行する。名称登録『マイスターズ』。――以後の変更は不可能だ』
「構わない。説明を続けてくれ」
『そうさせてもらう。この機体は君が望んだとおり全てのガンダムに……いや、それ以外にもなれる。フラッグやティエレンだ。その変化の制約については説明を受けているな?』
「神様から聞いた。今の状態じゃ、ガンダムは第二世代機と第三世代機しか使えないんだろ?」
『そうだ。いつなるのかは知らないが、第二形態移行《セカンドシフト》で第四世代機が使えるようになる』
「そういえば、ナドレはともかくセラフィムはどうなるんだ? 背中にくっついてるよな……?」
あんな格好で固定されたら……うわ、想像したくもない。
『……今の僕には分からないな。シフトしてからでないと、どうとも言えない』
マジか……ちょっと不安だぞ、ガンダム!
「じゃあトランザムは?」
『この機体の唯一仕様能力《ワンオフ・アビリティー》として既に使用可能だ。分かっているとは思うが、第三世代機は使用後の性能低下が大きい』
「知ってる。使いどころを見極めないと……だろ?」
『理解しているならいい。では説明の続きといこう。このISのコアはGNドライヴだが、同時にISのコアでもある。468機目のISだ』
原作の場合のコアの数は467。
マイスターズの分だけ増えてるが……それは……。
「まずいんじゃないのか?」
『神も言っていただろう? この世界はISの世界に“酷似している”世界。恐らく、既に神が世界に対して割り込みを掛けている』
「神様サポートありがたいな。……俺はメインの原作キャラとの関係は無いんだよな?」
『君の記憶だと全く無いな』
「っておい………」
『ん? どうした?』
「何でティエリアが俺の記憶を知ってるんだ?」
サラッと話を続けてくれてたけどさ……。
『ああ、そういえばこれは説明していなかったか。原作と関わっている君の記憶は僕にもある。神がやったんだろうな』
「ふーん、原作に関わることだけなんだな?」
『そうだ。それ以外に君の記憶に関するデータは無い。簡単な説明はここまでだな。君から他に聞きたいことはあるのか?』
「……この世界での俺の両親は?」
『そのデータは僕には……いや、すまない。あった。父親は6年前に、母親は2年前に亡くなっている』
「あっちの俺と同じ……か」
ま、予想通りってことか……。
ただ世界が違うだけで、こっちの世界に居た俺に俺が憑依した。
性格も嗜好も知り合いもそのまま……起こった出来事さえ、ISが関わっていないことはほとんど同じ。
ま、知り合いなんて片手の指の数さえ居ないけどな。それもほとんど知らないような相手だ。……これじゃいないと同じか?
『そうなのか……それについては僕からは何も言えない』
「分かってる……わかってるさ……。さて、説明も受けたことだし準備を始めるか」
『IS学園に行く準備か?』
「そうだよ。それ以外に何があるんだ?」
『いや何も無い。だが、そこのバッグの中に全て入っているのでは?』
「え? ……本当だ。制服以外大体のものは入ってる」
バッグを開くと、学園での生活に必要になるだろうものが一式。
携帯電話と財布は、通帳と一緒に机の上においてあった。
ちなみに通帳を開いてみたが……すぐ閉じようと思うことになった。
――なんで、国の年間予算規模の数字が書いてあるんだよ。
なんだか、多少の恐怖を感じる。
……銀行とかで提示できねぇよこれ。
『それも神がやったんだろう。ちなみに制服はそこにかかっているぞ』
「ああ、これか。そうなると……何もすることが無いな…この近くにISを動かせる場所は?」
幻覚を見せられたような気分から立ち直り、白い制服を確認。
問題の無いことを確認してから、次の行動に移ることにした。
『検索してみよう……近くに山がある。その山中なら問題ないだろう。君も知ってのとおりGN粒子にはレーダーなどを無効化する作用があるからな』
「……やっぱり便利だなGN粒子。行こうか」
『案内は僕がする』
「人前でか?」
――心配するな。これで良いだろう。
頭の中に声が響いた。
「どういうことだ? 頭の中に声が…」
――プライベートチャンネルだ。その応用だと考えてもらって良い。
――こんな感じか?
――そうだ。それでいい。これなら人前でも問題ない。
――そうだな。
――では早速行くとしよう。
◆
来たのは家から歩いて10分ほどの山。その山中。
――人がいないのならここらへんで良いだろ?
――上も木で覆われてるしちょうど良いだろう。
――んじゃ、さっそく。
ネックレスを右手で掴む。
「『マイスターズ』起動!」
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第2話『異世界へ』 | ||
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