IS〈インフィニット・ストラトス〉 転生者は・・・
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「『マイスターズ』起動!」

 

 

 青白い緑色の粒子……オリジナルのGNドライヴより生成されるGN粒子が、全身の装甲を構築する。

 

 背中にはエクシアなどと比べ大きめなコーン状のスラスター、グレーと白のカラーリングを施された全身装甲の機体『0ガンダム』。

 顔も装甲に包まれたが、意識することで周囲を360度見渡せるようになった。

 ちなみに視界の隅っこにミニティエリアが居る。

 

『ふむ、フォーマットと最適化《フッティング》……一次移行《ファースト・シフト》をしていない現状ではOガンダムが出てきたというわけか』

 

「いや、ティエリアも知らなかったのかよ!」

 

『些細なことだ、気にするな。まずは武装の展開をやってみてくれ』

 

「お前AIだよな? ……まあいいや、了解。武装は何が?」

 

『ビームガン、ガンダムシールド、それから右肩の後ろに標準装備でビームサーベルがある』

 

「サーベルはデフォか。じゃ、ビームガンから」

 

 目の前の画面?に出てきたビームガンの画像。それが手の中にあることをイメージする。

 三秒くらいあとに、装甲に包まれた手の中になにかが出現した気がした。

 そのなにかはもちろんビームガンであるわけだが。

 

『遅いな。実戦では使えない』

 

「仕方ないだろ? こんなこと初めてなんだからさ」

 

 ちなみに手の中に出てくるイメージは投影だったりする。

 

『仕方ない、か。試し撃ちをしてみよう。目の前のモニターに的が表示されるから、それを撃つんだ』

 

「……山の中とはいえ、こんなとこでビーム兵器撃っていいのか?」

 

『そこは気にしなくて良い、本当にビームは出ないからな。モニターにそう表示するだけだ』

 

「そんなことまで出来るのかよ。じゃ、お構いなく」

 

『はじめるぞ…3・2・1・スタート』

 

 視界に円状の的が出現する。

 それに向かってトリガーを引くと、中心より上にそれたところに当たって的が消えた。

 すると、今度は違うところに的が出現する。

 どうやら、一つ当てるごとに次の的が表示されるらしい。

 それに向けて次々とトリガーを引く。

 

 10枚目を撃ち抜くと、そこで次の的が表示され無くなった。

 ちなみに、最後の一つ以外は中心に当てられなかったのが悔しい。

 

『筋は良いみたいだな』

 

「神様に頼んだ恩恵だろ? 『身体スペックの向上』を」

 

『僕はただ力が強くなる方向だと思っていたが……スペックのうちにはそれも入るということか。なら、後は経験しかないな』

 

「オーライ。じゃ次に行くか」

 

『次はガンダムシールドを展開してみてくれ』

 

 先ほどと同じように目の前のモニターにシールドの画像が表示される。やっているのはティエリアだろうがな。

 これまた先ほどと同じように、しかしこんどは左腕に装備される盾をイメージ。

 数秒後、左腕にかなり軽減されたであろう重さが感じられた。

 

「成功だな」

 

『やっぱり遅いが……仕方が無い。まだ初めて一時間と経っていないんだ』

 

「むしろ一時間以内でここまで出来る俺って……あ、そうだティエリア」

 

『ん? なんだ?』

 

「一次移行《ファースト・シフト》ってどうなってるんだ?」

 

『すまないが、まだ時間がかかりそうだ。僕はそちらに集中するから展開《オープン》と収納《クローズ》の練習をしていてくれ』

 

「ん、りょーかい」

 

 

 ひたすらビームガンを出してしまって、出してしまってをエンドレス。

 一秒くらいでガンを出せるようになったら、次にシールド。

 

 こっちも一秒くらいで出せるようになったところで、ティエリアから声がかかった。

 

 

『こちらは完了した。モニターに完了の表示が出るだろうから承認してくれ』

 

 それとほぼ同時にモニターの中央。そこに、

 

 

 ―――フォーマットと最適化が完了しました。確認ボタンを押してください―――

 

 

 そう表示された。

 すぐに中央の確認ボタンを押す。

 

『一次移行を実行。『マイスターズ』再起動』

 

 ティエリアがそう言うと、俺の体から装甲が粒子に戻る。

 その後、その粒子は再度俺の体に装甲を纏わせた。

 

『モードGN−001『エクシア』を選択《セレクト》、再起動完了』

 

 俺の体に纏われた装甲の色はトリコロール。

 そして右腕には己の腕ほども長さのある刀身。

 そこには『ガンダムエクシア』を纏った俺が居た。

 

『一次移行・パーソナライズ完了。これでこの機体は本当の意味で君の専用機になったわけだ』

 

「ティエリア、ご苦労様」

 

『……僕は自分のやるべきことをしただけだ。感謝されるいわれは無い』

 

「それでもさ。そうだ、他の機体に変わるタイムラグは?」

 

『装甲を変更する準備に10秒ほど時間をもらうことになるが……それが済めば一瞬で変更可能だ。ちなみにいくつかストックしておくこともできる』

 

「わかった、じゃあ早速……『デュナメス』に変更」

 

 

『・・・・・・・・・・設定完了。モード選択《セレクト》GN−002『デュナメス』』

 

 また一瞬装甲が粒子に還り、今度はモスグリーンと白の装甲に包まれる。

 右肩にはGNスナイパーライフルがマウントされ、マントのようなGNフルシールドを装備したデュナメス。

 

「この初期装備って何か決まりでもあるのか?」

 

『その機体にとって標準な装備は、装甲の展開と同時に装備されるようになっている。もちろん変更も収納も可能だ』

 

「そういうことか。了解」

 

 

 

 その後は一応第3世代ガンダムの全てを使い、ある程度動いたところで今日の所の訓練は終わりになった。

 

 

説明
第3話『マイスターズ起動』
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