『改訂版』 真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第一部 其の九
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『改訂版』 第一部 其の九

 

 

白馬

【緑一刀turn】

「袁紹を逃がしたですってえぇえ!!?」

 桂花は正に『怒髪、天を衝く』勢いで、トレードマークの猫耳フードが突き抜けそうなほど髪を逆立ててる。

 人間もこうしてこんなに髪を逆立てる事が出来るんだな・・・一つ賢くなった気がするぞ。

「あ〜・・・・・うん。ここまで一気に転落しちゃったら、これ以上は苛めのような気がしてさ・・・」

 

「それじゃああんた達、責任とって代わりに死んで。」

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 まるでその辺に落ちている小石で代用するみたいに、さらりと言ったよこの人。

 それ自体はいつもの事だが・・・やべぇ・・・完全に目がイッちゃってる・・・・・・。

「ちょ、ちょっと待て!桂花!!お前は麗羽たちをどうするつもりだったんだ!?」

「見せしめとして斬首・・・いえ、乳を斬った方がより効果的ね。その上で火炙りなんかいいかしら?」

 視界の隅に捉えた桃香と蓮華が胸を抑えて((青褪|あおざ ))めてるし。

 

「あんた達の場合は代わりに股間に付いてる下品なものを切り取ってから、煮えたぎった油に放り込んでもいいわよ。」

 

 ちょん斬られた上に、素揚げにされるのかよ・・・。

「桂花。いい加減正気に戻りなさい。」

 地獄に仏・・・・・華琳、なんとかしてくれ・・・。

「しかし華琳様!こいつらはちゃっかり真名まで預かって!きっと逃がす代わりに身体を要求したに違いありませんっ!!こんな人の皮を被った精液はさっさと殺してしまうのが世のためです!そして早く追っ手をむかわせましょう!!」

 全身精液男と微妙にニュアンスが違うけど、どっちにしろ妖怪扱いか。

「私が見ていた限り身体を要求などしていなかったわ。それに私も見逃したのだから同罪なのかしら?」

「い、いえっ!!決してそのような・・・・・・華琳様がお認めになったのであれば・・・」

「それに桂花。私の気持ちも察して貰えるかしら・・・・・若気の至りとはいえ麗羽とは真名を交換した間柄。戦場で命を落とすならお互い武人として納得もするけど、捕えて辱める様なことはしたくないわ。」

 華琳・・・・・俺が麗羽を逃がすのを黙って見てたのはそういう事だったのか・・・?

「も、申し訳ございません!!華琳様のお気持ちを察しきれなかったこの桂花の目が曇っておりました・・・・・」

「分ってくれてありがとう、桂花・・・・・朱里と雛里も納得してくれるかしら?」

「「は、はいっ!」」

 あの華琳にここまで言わせたんだ、反論出来ないよな。

 

「ところで桂花ぁ、とても楽しい口上だったけど・・・・・」

 

 あー・・・華琳のあの目は・・・・・。

「果たして品位のある口上と言えるのかしら?」

「そ・・・それは・・・・・」

「あなたは後でお仕置♪」

「も、申し訳ございませんっ!!」

 桂花の奴、口じゃ謝ってるけど顔はめちゃくちゃ嬉しそうだぞ。

 桂花にとってはご褒美だからいいのか?

 華琳もわざとやってるみたいだしな・・・。

 

 そんな訳で麗羽たちを逃がしたのは華琳、蓮華、桃香の了承を得た上での事として、俺たちの行動は不問となった。

 みんなに報告した時もその場の雰囲気で大体の事情は察していたみたいだ・・・一人を除いて。

 

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 今日は同盟としては初めての祝勝会となった。

 洛陽じゃそんな余裕なかったもんなぁ。

 明日は同盟の今後をどうするか決める会議を行う予定だし。

 劉備軍と曹操軍は会議が終われば河北へ出発するが、孫呉のみんなは江東へ一度帰る事が決まっていた。

 同盟が揃っての宴なんて今日を逃せば次は一体いつになることやら。

 そんな訳で軍師たちは手分けしてこの祝勝会の準備と手配に大忙し。

 兵にも酒とご馳走を振舞うので、現在の同盟の規模を考えればかなりの大仕事だ。

 料理を作るのに白馬の街の料理店に総動員でやってもらい、足りない食料、人員は輜重隊から回した。

 当然関わった街の人たちには特別賃金と食料の代金は支払っている。

 しかし、兵士の数が十八万以上、投降した敵兵にだってそれなりの食事を与えねばならない。

 軽く見積もっても二十五万人。

 そうなると料理店の厨房だけでは数が足りず、一般のご家庭の台所や戦時に造るカマドまで使って 料理を作ることになってしまった。

 将と軍師の宴会は白馬砦の大広間を使い、俺たちの提案で立食式でやることになった。

 この方が移動してみんなと話がしやすいと思い提案したら、天の国の宴がどんなものか試してみたいと話が通った。

 

「なあ、戦の最中より人の動きが激しくないか?」

「在る意味これも戦争みたいなもんだ。俺たちには何の手助けも出来ないけど。」

「軍師のみんなは指示だすのに大忙しだもんな、下手に近付いたら詠に蹴っ飛ばされそうだったし・・・」

 そんな訳で俺たちに出来るのは只見守るだけなのか・・・?

「そういえば華琳が今日は大した仕事してないから料理を作るって言ってたぞ。」

「「何っ!!」」

 紫の言葉に俺と赤が色めき立つ。

「「あの華琳の料理を食えるだとぉっ!!」」

「赤と緑はこの外史に来てから初めてだよな。まあ、さすがに最高食材って訳にはいかないけど、やっぱりすごいぞ!華琳の料理は。」

 これはなんというサプライズ!!

「それに流琉も料理するって言ってた。こっちも期待しとけよ!めちゃくちゃ美味いから。」

 いかん、そんな話を聞いたら居ても立ってもいられなくなってきた。

「なあ、ちょっと華琳たちの様子を見に行かないか?」

 俺の提案に赤が身を乗り出して来る。

「ああ!俺と緑は華琳が料理している姿をこの外史に来てからみてないから、是非見ておきたいな。」

「そうだな・・・俺たちも野菜の皮むき位なら手伝えるだろうし・・・行ってみるか!」

 紫の賛同を得て、俺たちは厨房へと向かった。

 

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「なんじゃ!?これだけ女が揃っておってまともに料理が出来るのはこれだけかっ!!」

 厨房に近付くといきなり祭さんの怒鳴り声が聞こえてきた。

 中をこっそり覗くと華琳、秋蘭、流琉が料理を作っていて、桃香、愛紗、蓮華、シャオ、春蘭は申し訳なさそうに項垂れて。

 鈴々と季衣は苦笑いで誤魔化している。

 軍師のみんなは各部署への指示を出しているので元からここには来れないが、雪蓮、思春、明命、霞、凪、沙和、真桜、恋、星、白蓮の姿が見えなかった。

「蓮華様と小蓮様も武芸ばかりではなく、こういった事にも精進なさいませ。男は胃袋を攻めるのが最も手取り早く効果的。北郷の心を掴みたいなら心しておかれよ。」

 うわ、なんか出て行き辛くなっちゃったぞ・・・。

「胃袋を攻める・・・・・」

 春蘭が反応した?

 

「それは腹を殴れという事か?」

 

 ・・・・・・言うと思ったよ。

「・・・・・・・華琳殿、秋蘭・・・・・今迄苦労してきたんじゃな・・・・」

「そういう所が春蘭の可愛さでもあるのだけれどね♪」

 華琳は手を動かしながら笑って答えてた。

 確かに春蘭の最大の魅力は華琳の言う通りだが、このまま放っておくと俺たちには内臓破裂の未来が待っているんですけど・・・。

「お料理・・・・・ねぇ愛紗ちゃん、ご主人さまに喜んで貰えるように私たちも何か作ってみようよ♪」

「は、はあ・・・・・ご主人様が喜んでくださるなら・・・・・炒飯くらいならできそうですが・・・・・」

 ・・・愛紗・・・・・・炒飯?・・・・・・・・・・・ヤバイッ!!

「やあっ!!みんな料理作ってるって聞いて手伝いに来たぞうっ!!」

 俺は咄嗟に厨房へ飛び込んだ。

 突然飛び込んだ俺にみんなが驚いた顔で振り向く。

(お、おい緑!このタイミングで登場は・・・)

(俺はこの外史で愛紗の炒飯を((まだ食べて無い| ・・・・・・・・・・・・))んだよっ!!)

((え?・・・・・・と、いうことは・・・・・・))

 前の外史で愛紗は練習して料理が上手くなった。

 だが今、目の前にいる愛紗は祭さんに料理が出来ない事を怒られていた。

 この事から導き出される答えは一つだ!!

(((今の愛紗に料理をさせてはいけないっ!!)))

「あれ!?華琳!薪が足りないんじゃないか!?愛紗!春蘭!鈴々と季衣を連れて薪を割ってきてくれないかなあ!?」

「確かにそうね。それにここだけではなく薪は必要でしょう。お願いできるかしら?」

 俺の様子を察したんだろう、華琳がフォローしてくれた。

「はいっ!華琳様!!よし、行くぞ季衣!!」

「はーい!春蘭さま♪」

「愛紗!鈴々たちも早く行くのだっ!!」

「え?鈴々!?お、おい引っ張るな!」

 鈴々が有無を言わさず愛紗を厨房から連れて行ってしまう。

 実は鈴々も愛紗が『炒飯』と言った瞬間から逃げ出す隙を伺っていたのを俺は見逃していない。

「それじゃあ俺たちは野菜の皮むきや食器の準備を手伝うから、どんどん指示してくれ!」

 残ってる桃香、蓮華、シャオもこれくらいは手伝えるだろう。

「いいんですか兄さま?」

「あぁ、みんなが忙しくしてるんだ。それくらいさせてくれよ。」

「それでは北郷達にはそこの野菜の皮むきを頼むか。」

 秋蘭が笑って示した野菜の山に、俺たちは包丁を受け取って向かった。

「シャオも一緒にやるー♪」

 結局、蓮華と桃香も俺たちと一緒にぎこちないながらも野菜の皮を剥き始めた。

 

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「そういえばここに居なかった武将・・・例えば雪蓮はどうしてるか誰か知ってる?」

「姉さまはここに来て直ぐにお酒を飲み始めたので、華琳に一壺渡されて追い出されたわ・・・」

 蓮華が溜息混じりに呟いた。

 なんとも雪蓮らしい・・・・・。

「思春と明命にはその姉さまの監視を頼んだわ。」

 しかも続きが有りました。

「霞はどこかでその話を聞きつけたらしくてな。」

 次に秋蘭が野菜を刻みながら話してくれた。

「こっちも一壺渡したら北郷隊をお共に警備をしてくると出ていった。」

 あいつはきびだんご受け取った桃太郎か!?

「恋は兵に食事が行き渡るか心配で見に行ったようじゃ。心配せずとも良いと言ったのじゃが自分の目で確かめたかったのじゃろう。」

 恋はたくさん食べるけど、みんながきちんと食べられる状況じゃないと我慢するからな。

「武だけではない、良い将じゃな。恋は。」

 祭さんは小麦粉を練りながら笑っていた。

「星ちゃんは持ってくる物があるからって、白蓮ちゃん連れて輜重隊の所に行ったよ。」

「星がこの状況で持ってくるって言ったらアレだろうな。」

「アレか。」

「アレしかないな。」

「なんじゃ?北郷は三人ともしっておるのか?」

 祭さんが不思議そうにしていると、噂の星が白蓮と一緒に戻ってきた。

「おや?主たちもこちらにお出ででしたか。」

「誰か手伝ってくれよ・・・これ結構重いんだ・・・」

 重いものと聞いて流琉がすかさず白蓮の持っていた((甕|かめ ))を受け取った。

「あれ?この香り・・・・・もしかしてメンマですか?」

 やっぱりな。

「ほう、香りだけで中身を言い当てるとはお主なかなか出来るな♪」

「香りで当てる流琉もすごいけど・・・星。こんな戦の時までメンマを持って来てたのか。」

「何をおっしゃいます!戦なればこそ、何時命を落とすか分からぬのですから悔いの残らぬ様に好物を持って来るのではありませんか!!」

 そう言われると返す言葉が無い。気持ちは分かるしな。

「あの・・・ちょっと食べてみていいですか?」

「おお!是非試食してみてくれ。このメンマは私が漬けた自慢の一品だ。」

 星が自分の持っていた甕から小皿に載せて流琉に渡した。

「ふわぁ・・・すごく美味しいです・・・華琳さまと秋蘭さまも味見して下さい!すごいですよ!!」

 言われて華琳と秋蘭、それに祭さんも食べてみる。

「へぇ・・・これは驚いたわ。」

「うん・・・これは美味い。」

「ほぅ・・・酒が欲しくなるのぅ。」

「蓮華とシャオも食べてみなよ。」

「・・・そう?それじゃあ・・・」

「いただきまーす♪」

 食べた二人は目を丸くして驚いている。

「あなた達は食べないの?」

 華琳が不思議そうに訊いてくるが、俺たちはこれから先星のメンマに付き合う事を考えただけで胸がいっぱいになった。

「俺たちは宴会の楽しみにとっておくよ。」

 そう言って誤魔化した。

 桃香と白蓮も笑って誤魔化している。

 遂に星がメンマ伝道師として全国デビューする日が来たか・・・。

 

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 そうして遂に始まった宴の席。

「戦が始まるまでは結構気に病んだけど、こんなに上手くいくとは思わなかったな・・・・・」

 俺は手の中にある杯に満たされた酒を見つめ呟いた。

 この余りにも都合良く進む展開に、何か漠然とした不安を感じてもいる。

 みんな程よく酔いも回ってきたころだ。

「そうね。計画の最初で躓いた時はどうなるかと思ったけど,そんなもの無かったみたいに上手くいったわ。」

 華琳の白蓮に対する厭味が続いていた。

「できることなら麗羽を北と南から挟み撃ちにしたいところだったのに・・・・まさか、黄河を渡れず官渡で迎え撃つはめになるなんてね・・・」

 後で聞いた話だがあんなにぼやく華琳は初めて見たと秋蘭が笑って話してくれた。

「うう、あたしゃやられ損だっただけみたいじゃないかぁ・・・」

 白蓮はいじけてちびちび杯を舐めている。

「しかし、袁紹と袁術を逃がしたままでよいのでしょうか?」

 愛紗が杯を片手に問いかけてくる。

 やっぱり納得いかないんだろうな。

「う〜ん、まああの二人が再起してくることは無いと思うし、俺的にはいいかな。」

「へえ、どうしてそう思うの?」

 雪蓮が面白そうに訊いてくる。

「あの二人家柄はいいけど性格がアレだから地力を失った今じゃ助ける諸侯はいないだろう。反董卓連合から今までで、諸侯からの信頼はほぼなくなっちゃただろうし。自力で兵を集めても今回の二の舞は確実だろ。」

「まあ、そう仕向けてきたのだから当然の結果ではあるな。戦そのものは相手の数が多くて大変だったが、こうもあっさり片が付くと拍子抜けではあったな。」

 冥琳は笑みを浮かべ、この結果に満足そうだ。

「だけど雪蓮の気持ちはどうなんだ?袁術にかなり恨みが積もってたと思うけど。」

 紫が尋ねた。やはりそこを確認したかったんだろう。

「まあねぇ・・・最初は首を刎ねてやるつもりだったんだけど・・・あんなお漏らしまでして泣かれちゃその気も失せるわよ。」

「はじめて出会った頃の雪蓮さんならそれでも首を刎ねちゃってたんじゃないかなぁ。誰かさんの影響で優しさが溢れてる感じだもんね〜。」

 桃香が完全に酔っ払った様子で雪蓮にからむ。

「あらあら、それじゃ私は呉の王失格ね〜。家督は蓮華に譲ってさっさと隠居しちゃおうかしら。」

 雪蓮は茶目っ気たっぷりに笑った。

「そんな気毛頭無い癖して、大体世間がそれを許さないわよ。特にそこの軍師殿が絶対に許さないって目で睨んでるわよ。」

 華琳も笑っている。彼女がこういう席であんな笑い方をするのを初めて見た。

「あら、あたしは結構本気なんだけどなあ。冥琳と一緒に三人の一刀のところを巡ってちょっかいを出して遊ぶの。面白そうでしょ。」

 この時は気が付かなかったが、雪蓮のこの一言がこの場にいる女性陣(漢女含む)の思惑を一歩前進させた歴史的キーワードだったようだ。

「は。ははは・・・遊びに来るのは大歓迎だけどべつに王様やめなくてもいいんじゃないかな・・・?」

「ん〜〜〜〜。国は違ってもやっぱり一刀ってば優しい〜〜〜!」

 雪蓮が俺に抱きつき頬ずりしてきた。

「ちょ、ちょっと雪蓮・・・」

「あ〜〜〜〜!雪蓮さんずるい〜〜〜!!あたしも〜〜〜〜〜!!!!」

 桃香が抗議の声を上げて抱きついたのは・・・

「こらっ!桃香、それはあたしの・・・じゃない紫一刀・・・」

 華淋が慌てて桃香と紫の間に割って入ろうとしたら。

「え〜?じゃ、華琳さんも一緒に〜。」

 桃香は華琳も一緒に抱きしめだした。

「ちょ、ちょっと桃香?」

「桃香さま!いくら酒の席とはいえ羽目をはずし過ぎ・・」

 今度は愛紗が桃香を諌めようと近づくと。

「じゃあ、愛紗ちゃんも〜・・・えい!」

「きゃあ!」

 桃香は愛紗をも一緒に抱きしめてしまった。

 なんか向こうがカオスな様相を呈してきたな・・・華琳は怒りだすんじゃないか?

って、あれ?あんな幸せそうな華琳の顔初めて見たぞ。

「一刀に桃香に愛紗・・・・・・・こんな至福の時が訪れるなんて・・・こ、これはすぐにでも閨に!」

 か、華琳さ〜〜〜〜ん!

 

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 しかし、ここで宴会場の扉が開き一人の魏軍兵士が駆け込んできた。

「も、申し上げます!五胡の軍勢が国境を越え侵略してきたと次々と早馬がっ!」

「「「五胡の侵略!?」」」

 俺たちは驚きのあまり聞き返してしまった。

「落ち着きなさい一刀!早馬の伝令をここへ!直接報告させなさい!!」

 華淋の顔から酔いは完全に消え、『覇王の顔』になっていた。

 そして、各地から集まってきた伝令の報告は正に驚くべきものだった。

「西涼陥落!馬騰殿討ち死!」

「涼州が制圧されました!宋建殿討死!」

「雍州もほぼ制圧され間も無く司州に到達!韓遂殿討ち死!」

「益州を越え荊州の一部に既に到達しているとのこと!劉璋殿、劉表殿、張魯殿討死!」

 西側の国境全てを侵食するように、しかもかなり入り込まれてしまってるじゃないか!

 翠や紫苑、璃々ちゃんは無事なのか!?

 最初の報告以降、頭の中が真っ白になっていたが、周りの武将たちの目が俺を正気に戻してくれた。

 彼女たちの目には侵略者に対する怒りの炎が燃えていた。

「みんな!やるぞ!!」

『応!!!』

「すぐに出陣の準備!我らは北の敵に当たるっ!!」

 華琳の声に雪蓮が答える。

「では、呉は荊州の南に向かうわ!桃香たちは荊州北部をお願い!」

「わかりました!!みんな、襲われた人たちを助けに行くよ!!」

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 宴の会場にした砦が雄叫びで揺れる!

「折角これから閨で楽しめると思っていたのに!この恨み五胡の連中を皆殺しにして晴らしてやるわ!!」

 ・・・華琳さん・・・・めっちゃ私情オンリィなんですが・・・

 

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あとがき

 

 

今回は今までに比べると

短めになりました。

 

 

桂花

決して華琳からお仕置されるために

やっていたわけではありませんw

桂花にとっては

タナボタ的な嬉しい誤算です。

 

 

みんなで料理

最強兵器『愛紗の炒飯』は

一刀たちによって

未然に防がれましたw

しかしまだ伏兵『桃香の料理』には

誰も気がついていませんw

無印で愛紗は料理下手を

克服したのですから

いつかこの外史の彼女たちも

上手くなることでしょう。

 

 

祝勝会

改訂版の話の流れに合せ

若干の修正を行いました。

この時点で五胡が攻め込んでくる

伏線が『其の五』にあったのですが

正史に詳しい方には

バレていたと思います。

種明かしは次回に書きますので

少々お待ち下さい。

 

 

次回は

翠、蒲公英、紫苑、桔梗、焔耶を救出する話をメインに

進めるつもりです。

 

いい加減華琳に魏王を名乗ってもらいたいです。

セリフ廻しが大変なのでw

 

 

説明

加筆+修正となっております。

戦闘終了後の同盟側のお話です。
やや拠点風味、もしくは萌将伝風味となっております。
そして新たな戦いへの導入部です。

ご意見、ご指摘、ご感想、ご要望、さらに
「なんだったんでしょう・・・あの気味の悪い笑い声は・・・頭に直接響いてくる『おーーーーほっほっほっほ』という声、きっと妖怪に違いありません!戦が続いているのに、この間も『すたこらさっさー』と妙な呪文を唱える集団が出ましたし・・・本当にこの国はどうなってしまうんでしょう・・・?」
などの未来を憂うお声がご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。

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コメント
神木ヒカリ様  正史で曹操は父親の敵討ちの時、怒りに任せて数万人を大虐殺してますからねぇ。華琳様も容赦無いでしょうねぇ・・・(((´;ω;`)))(雷起)
量産型骸骨様  ご指摘ありがとうございます!早速修正いたしますm(_ _)m  魏√で閨を邪魔された時の華琳様を思い出すと、今回はそれ以上のお怒りのご様子ですw(雷起)
アルヤ様  申し訳ありません(;´∀`)あとがきの通り次回その答えを書きますので、少々お待ち下さいm(_ _)m(雷起)
華琳を本気で怒らせちゃったか・・・。 五胡の皆さんのご冥福をお祈りいたします。(神木ヒカリ)
閨を邪魔された華琳様がお怒りだ・・・((( ;゚Д゚))) 5p「思ったけ、どそんなもの」→「思ったけど、そんなもの」では?(量産型第一次強化式骸骨)
詳しくないから伏線わかんない・・・(アルヤ)
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