IS〈インフィニット・ストラトス〉 転生者は・・・
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 そしてその次の日。

 つまり、IS学園の入学式前日だ。

 

 ピピピピピピピ…ピッ

 

 突然、自宅の固定電話が鳴った。

 ……基本は使ってなかった電話のはずだから、どこからの電話なのかは簡単に予想が付いた。

 

「――はい、もしもし」

 

『ああ、初めましてだな』

 

「ええと、あなたは?」

 

『私は織斑千冬。IS学園で教師をしている者だ』

 

 やっぱり。IS学園からだ。

 てか、千冬さんキター!

 電話越しなのに迫力があるんですけど……。

 

「あ、初めまして。俺は『玖蘭拓神《くらんたくみ》』です」

 

『間違いないようだな。分かっているとは思うが、君は明日から我がIS学園の生徒だ。それで出来ることなら今日のうち……いや、なるべく早く来てもらいたいのだが?』

 

「準備はできてます。今から向かっても?」

 

『構わんよ。では門の所で私が待っている』

 

「お手数おかけします。また後ほど」

 

『ああ、ではな』

 

 プチッ……

 

 めっさ緊張した。とにかく緊張した。

 なんて言うんだろう? 覇気? そんな感じのものが、声だけの電話でもわかった。

 コレも身体スペック上昇の効力なのか? 相手のそういうのを感じ取れるっていう。

 

『今のが、織斑千冬という人物か?』

 

 ……急だなティエリア。

 

「ああ。本人がそう言ってたし、そうだろ」

 

『なんというか、AIの僕が何か……恐怖に準ずるものを感じたのだが……?』

 

 あはは、千冬さんハンパねぇ。

 

「気にしたら負けだ。とにかく行くぞ。持ち物はこのバッグと制服で良いんだろうな?」

 

『ああ、問題ない。早く行くとしよう』

 

「だな」

 

 おそくなりましたー……が、通用する相手だとは思えない。

 

 

 

 三十分ほどタクシーに揺られて……

 

 

 

「ここ、か」

 

 ――データには入っていたのだが、実際に来てみるとやはり違うな。

 

 市街地なので念話的な状態のティエリア。

 ちなみに、待機状態でもAIのティエリアにはそういう視覚などが感じ取れるらしい。

 ふと此方を見ている、本やアニメで見覚えのある黒いスーツを纏った女性。

 此方に近づいてくる。織斑先生だ。

 

 

「む? 君が『玖蘭拓神』か?」

 

「は、はい」

 

 うぉ、流石の迫力だ……。

 でもま、当たり前ながら神さまに比べたら劣ってるけど。

 

「改めて自己紹介と行こう。私は『織斑千冬』ここの教師をやっている」

 

「初めまして。『玖蘭拓神』です。よろしくお願いします」

 

「ああ、よろしくな。では早速だが中に入る。ついてきてくれ」

 

「了解です」

 

 俺はそのまま織斑先生について、IS学園の門をくぐった。

 

 

 

 

 そして連れてこられたのは、

 

「アリーナ?」

 

「突然だが、君にはこれから模擬戦をやってもらおうと思う。機体はあるのだろう?」

 

 どうして知っているのかが気になる。まあ、そこはいろいろと含めて神様が何かした。ということにしておこう。

 

「はい、問題ありませんけど……相手は?」

 

まさか織斑先生とか言わないでくれ……。

 

「連絡はしたから、もうすぐ来ると思うが…「お待たせしました織斑先生」来たか」

 

 ほっ、良かった。

 ――ん? ISのアニメでも聞き覚えの無い声だ。

 声のした後ろを向く。

 

「あら、君が話題の子の片方よね? 私はここの生徒会長『更識楯無』あなたの模擬戦の相手をするわ」

 

 え……。だってこの人学園最強でしょ? というか話題になってたんだ。

 俺、いくら超高性能の機体とはいえ初めて使ったのは一昨日なんだけど……やるしかないか。

 

 ――そういうことだな。

 

 ――ティエリア、なぜ俺の心を読んだ?

 

 ――いや、そんな感じがしただけだ。

 

 ――あっそ。戦闘中のサポートは任せた。

 

 ――了解している。

 

「俺は『玖蘭拓神』です。よろしくお願いします、生徒会長さん」

 

「ええ、よろしく♪」

 

 うん、今のだけでわかったことがある。

 原作の一夏が言ってた通り、空気だけでこの人は人たらしってことがわかった。

 

「話はそこまでにして、二人とも早く準備しろ」 

 

「了解です、織斑先生」

 

「わかりました」

 

 織斑先生にせかされ、アリーナの中央付近で向かい合う。

 会長がISを展開したのを見て、こちらも『マイスターズ』を起動させた。

 

「『マイスターズ』、モード選択《セレクト》0ガンダム」

 

 ――まずは小手調べとでも言う気なのか? 明らかに技量はあちらが上だぞ?

 

 ――いいさ、後で本気を出す。エクシアをセブンソード込みで展開する用意をしておいてくれ。

 

 ――ふむ、了解した。

 

『『マイスターズ』起動。モード選択GN−000『0(オー)ガンダム』』

 

 粒子が0ガンダムの装甲を構築する。

 違いは前のグレーと白ではなく、ファーストガンダムを彷彿とさせるカラーリング。

 装甲の展開と同時に、ビームガンとガンダムシールドも展開させた。

 

 ISとしてこの機体は異形だと思う。

 本来ISでの全身装甲は装甲が大きくなり、防御力はあっても機動力を失うだけ。

 だが、この機体の場合全身の線が細い。

 それに大体の場合大きなものを装備されるメインスラスターは、背中のコーン状のだけだ。

 現に、二人の表情がかろうじて変化したのが見て取れた。

 

「あら、なにか面白そうなISじゃない?」

 

「そうですか? 俺としては露出が多いと目のやり場に困るんですが」

 

「あら、拓神くんったらえっちい」

 

 スッと目を逸らす俺。

 最初に言ったのはこっちだけど、そんなこと言われてそっちを見てられるかよ……。

 

「はぁ……。おしゃべりはそこまでだ。双方とも準備は良いな?」

 

 あらら、織斑先生に軽く呆れられたよ。

 まあ、露出は戦闘中に意識できるほど余裕は無いと思っていいだろうな。

 流石に本気は出してこないとは思うけど、生徒の中で学園最強だし気は抜けない。

 アリーナの中央に10メートル程度離れて向き合う。

 

「問題ありません」

 

「俺もOKです」

 

 織村先生がアリーナの隅まで移動する。

 

「では――初めっ!」

 

 先生の良く通る声で、互いに動き出した。

 

 まず俺は、ビームガンで会長向けて射撃。

 まあ、簡単に回避された。

 会長は上に動いたので、俺も地に着いている脚を浮かせ、上空へと飛翔する。

 

 俺の動きが一瞬止まったところで、会長はランスを構えて直線の突進を繰り出してきた。

 早く避けすぎても追尾されるだけなので、ギリギリまでその場でガンを撃つが、水のヴェールにガードされ会長には届かない。

 ――そして俺は忘れていた。あのランスの武装の事を。

 

 ズガガガガガガガッ!

 

 ――げっ、あのガトリングのこと忘れてた!

 

 ――君は馬鹿なのか? 

 

 ――うるせ。ガンダムシールド、GNフィールド展開!

 

 ――了解!

 

 シールドを構えて、そのシールドの中心からGNフィールドを半円形に発生させてガトリングの弾を防御。

 しかし、突進を避けることが出来ず、ランスの切っ先がGNフィールドにぶち当たる。

 目の前には会長の笑み。と、ランスに水が渦巻き、ドリルのようになって――GNフィールドを突破してきた。

 

「おわっ!?」

 

 GNフィールドを解除。すぐに横に回避したが、かすってシールドエネルギー(以降S・E)をわずかに持っていかれた。

 

 ―――S・E残量578―――

 

 視界の隅のS・Eゲージが減る。

 

 すぐさま此方に背を向けた状態の会長向けて、ガンを撃つ。

 しかし、これまた横ロールで軽々と回避される。すぐにガトリングの弾丸が俺を襲う。

 

「GNフィールド!」

 

「ふふっ、甘いわよ?」

 

 目の前のガトリングを向けている会長が―――

 

 

 

 

 水になって崩れた。

 

「しまった! 本体は―――ぐぅっ!?」

 

 この機体のGNフィールドは、シールドを中心に半円形にしか展開できない。

 後ろに回りこまれて、水でドリルとなったランスの薙ぎ払いを受けた。

 今度は結構なS・Eを持っていかれる。

 いつの間に……。

 

 ―――S・E残量401―――

 

 くそっ、150以上持っていかれた!

 でも、接近戦なら受けるさ!

 

 ビームガンを左手に持ち替えて、右手で右肩の後ろの白いビームサーベルを引き抜く。

 そしてそれから、粒子の刃を展開させた。

 スラスターから粒子を噴出し、会長に接近。サーベルを横に凪ぐ。

 だが軽くランスで受け流され、次の一撃も薙ぎ払われた。

 

 やっぱこの人強い!

 ちっ、0ガンダムでも3世代IS並みには性能高いんだけどな!

 

「アハッ♪」

 

 しかも余裕綽々……。

 やっぱ俺の技量か。うん、そうだな。

 

「なら……GNフェザー展開!」

 

 ――了解、粒子開放。GNフェザー展開。

 

 背中のコーン状スラスターから、GN粒子を羽のように大きく広げる。

 この状態では粒子を一気に消費するが、機動力と機体制動力が大幅に上がる。以上ティエリアに聞いた話。

 

「はぁっ!」

 

 再度接近してビームサーベルを、今度は上から振り下ろす。

 ランスで逸らされたが、それでも良い。

 本命は、左手のガン。

 超至近距離でガンをぶっ放す。

 またも水のヴェールで防御されるが、いくつかはそれを抜いて会長に被弾させた。

 

「あらら、ダメージもらっちゃった」

 

「それにしてはえらく余裕綽々じゃないですかっと!」

 

 

 

 

 

 

 

 あまり至近距離に居続けるというのは好ましくないので、ガンを連射しながら距離を取る。

 

 ―――S・E残量357―――

 

 今の交錯で食らわされていたのか……流石としか言えないぞ?

 まあ、そろそろあれを使うかな?

 

 ――そろそろチェンジするぞ。準備頼む

 

 ――準備は終わっている。いつでも。

 

 ――ナイスだ。

 

 ティエリアとの会話を終えた俺は、右手のサーベルを会長向けて槍のように投げる。

 手を離れても、中に残っている粒子で一定時間は刀身は形成されるので当たればS・Eを削れる。

 まあ、案の定ランスで弾かれた。でもそれで良い。

 俺はガンでそのサーベルの発振器を撃つ。

 会長が驚いたようだが、気にしない。

 発振器は中に残った粒子をぶちまけて爆発、煙幕の代わりになる。

 

 ――ティエリア、モード選択『エクシア』

 

『了解。モード選択GN−001『エクシア』』

 

 

 会長が煙幕の中に居るうちに装甲の換装をする。

 普通の煙幕だとISのハイパーセンサーの前では無力に等しい。

 でもあれは"GN粒子を含んだ"煙幕。

 ISのハイパーセンサーですら妨害できる。……これもまたティエリアに聞いた。

 

 すぐに煙は払われるが俺の換装は済んでいる。

 トリコロールの装甲に、胸部には大きな円形のクリスタル。

 右腕には折りたたまれた長大な刀身。

 両腰にはGNブレイドがロングとショートの一本づつ。

 両肩の装甲の後ろにはサーベルの発振器、リアスカートにはビームダガーの発振器。

 

 GN−001『エクシア』セブンソード

 

「いままで初期設定だったのかな?」

 

「正確には違いますが……まぁ、そんなもんだと考えてください」

 

 本当は機能……だよな? というかそうでなければなんなんだと。

 ま、そんなことはどうでも良いか。

 エクシアの力。試させてもらう!

 

 

 

「エクシア、目標を駆逐する!」

 

 

説明
第4話『初戦闘』
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インフィニット・ストラトス ガンダム00(外伝アリ) 転生 恋愛 オリ主 

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