転生者殺しの龍 第2話
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「さて、取りあえず説明してもらうぞ?」

 

小走りで帰った俺達は、すぐさま俺の部屋に集合し、目の前のフェレット・・・『ユーノ・スクライア』から話を聞くことにした

 

「はい。実は・・・」

 

それから話された内容は無茶苦茶なものだった。魔法?管理外世界?ジュエルシード?デバイス?時空管理局?なんだそれは。・・・最も、人間ですらない俺が言っても説得力のかけらもないが

 

「・・・事の顛末は理解した。して、ジュエルシードを集める手伝いをしてほしい訳だな?」

「はい・・・」

「こちらもそのような危険物を放置しておくわけにはいかない。故に、俺自身としては協力を了承したいが・・・なのは達は?」

「当然!!手伝うわ!!」

「当たり前なの!!」

「そうだよ!!当然だよ!!」

「と、言うわけだ。俺達も手伝おう。・・・最も、それぞれ親を納得させなければいけないがな・・・」

 

俺がそういうと、なのはたちが暗い顔をして俯いた

 

「あ、あの・・・そこまで無理して手伝ってくれなくても・・・」

「ユーノ。」

「は、はい。」

「俺達は無理なんかしていない。それに、助けを求めている人が目の前にいるのに、それを助けないなんて後味が悪すぎる。大体、お前ひとりでできるのか?」

「うっ・・・」

「無理なら他の人を頼れ。その為なら協力は惜しまんよ。」

「うぅ・・・ありがとうございます。」

 

涙するユーノ

 

「さて、まずは家の親を納得させるか・・・」

 

俺はいつも以上に重く感じる腰を上げ、居間へと歩を進める。肩にユーノを乗せ

 

「アリサ、すずか。今のうちに親をどうやって説得するか考えておけ。なのは、行くぞ。」

「うん・・・」

「なのは、龍馬、死なないでね・・・」

 

……

………

…………

 

結果だけ言おう。納得させることができた

 

「ふぅ・・・」

「良かった・・・」

 

これで後はさっき家に帰ったアリサとすずかだけだ

 

「本当にありがとうございます・・・」

「ユーノ、敬語なんて使うな。むず痒くて仕方ない。」

「そ、そう?なら・・・これでいい?」

「そうそう、それでいい。」

 

しかし、アリサとすずかは一筋縄ではいかないだろうな。あいつ等は仮にも大企業の令嬢。そんな大事な存在を危険だらけの戦場に出す親がどこに居ようか

 

「ま、そこはあの二人のことだ。上手いこと丸め込んでくるだろ。」

 

そう信じることにしよう

 

「・・・あ、そうだ。ユーノ、ジュエルシードの封印はデバイスで行う必要があるんだよな?」

「うん。」

「そのデバイス、何個あるんだ?」

「それは、僕が偶然持ってたこの一つだけ・・・あ。」

 

・・・困ったな。これではアリサとすずかが親を説得できたところで戦力にならない可能性も出てきたぞ

 

「・・・仕方ない。ユーノ、俺達で一番魔力量が多いのは?」

「ええと・・・なのはだね。4人の中で一番多いよ。」

「なら、そのデバイスはなのはが使え。その方がいい。だろ?」

「うん。魔力量が多い方がデバイスの性能も引き出せるし。」

「え?ええ!?」

 

なのは、話についていけず

 

「お兄ちゃん、話が読めないの。」

「簡単な話だ。ジュエルシードの封印には、今ユーノが持っているデバイスを使う必要がある。そんでもって、デバイスの性能を最大限に引き出すにはそれ相応の魔力が必要だ。で、俺たちの中で一番魔力が大きく、デバイスの性能を引き出せるのがなのは、お前ってわけだ。」

 

できるだけわかりやすく説明したので、なのはも理解した

 

「へぇ〜、そうなんだ。ユーノ君、私の魔力ってどれくらいの量あるの?」

「ええと、僕がAランクぐらいだから・・・AAAランクぐらいだね。で、アリサがA+、すずかがA、龍馬が・・・Dだね。」

 

少なっ!!俺の魔力量少なっ!!

 

「・・・ドンマイ、お兄ちゃん。」

「ま、まあ、Dランクでも・・・ごめん、デバイスあっても念話ぐらいしかできないや・・・」

「絶望した。俺の魔力の少なさに絶望した。」

 

『龍』や『管理者』に頼んだ力を使えばどうにでもなるだろうが、そう簡単には使えない。だって、ねぇ・・・街の中にいきなり飛竜が現れたら、大パニック必至でしょ

 

「・・・本題に戻ろう。ユーノ、なのはにデバイスを渡して、多少でも魔法に関する知識をつけておいてくれ。」

「龍馬は?」

「父さんに武器の一つでも貰ってくる。」

 

小太刀を貰えれば万々歳だ。最悪木刀でもいい

 

「そんじゃ、頼んだぞ。」

 

……

………

…………

 

「父さん。」

「龍馬、どうした?」

 

高町家道場。父さんはここにいた

 

「頼みがある。武器が欲しい。」

「武器・・・?ああ、あの話のことか。」

「ああ。」

「ふむ・・・龍馬、そのジュエルシードとかいう奴が暴走した相手に、物理的なダメージは見込めるのか?」

「さあな。だが、原生生物を取り込んで暴走するって話だから可能だと思う。」

「そうか・・・わかった。蔵にいくつかあるはずだ。持って行きたいのを持って行きなさい。」

「わかった。ありがとう、父さん。」

「ああ。無茶はするなよ?」

「大丈夫さ。」

 

さて、蔵に行くか

 

……

………

…………

 

「ここか・・・」

 

道場の丁度裏側に位置するこの蔵。一度も入ったことがないんだよな・・・

 

「扉は・・・ワオ、鋼鉄製かよ。」

 

扉を押す。すると意外と簡単に開いた

 

「鋼鉄製の割には軽いな。中は空洞か?」

 

まあ、そんなことはどうでもいい。目的の武器を見つけなければ

 

「・・・ワオ。」

 

蔵の中に入って中を見渡す。壁にかかる大量の武器。小太刀から刀、大太刀、槍、薙刀、なんでもござれだ。そして、その中でも異彩を放つ武器が有った

 

「おいおい・・・こいつは幻か?」

 

蔵の奥の方にかかっていた武器。生物の翼をそのまま使ったかのような白銀の大剣

 

「『輝剣リオレウス』・・・なぜこれが現実に存在してるんだ?」

 

ふと、『輝剣リオレウス』の周りを見渡す。そしたら、あるわあるわ。『鬼神斬破刀【極】』『エンデ・デアヴェルト』『炎妃槍【華麗】』『ブラックハーベスト』『ネロ=カオス』『コウリュウノツガイ』『ゴールドラディウス』。MHの武器が幾つもかかっていた

 

「なぜだ・・・?」

 

そういえば、ユーノの話ではこの宇宙には次元世界とかいう世界が幾つもあるんだよな。もしかしたら、その世界の中にMHの世界があって、ユーノみたいにこの地球に来たのか?ハンターが。もしそうだとしたら、MHの世界が存在する・・・!!

 

「こうしちゃいられん!!取りあえず、こいつを持って行こう!!」

 

『輝剣リオレウス』を持ち、蔵から出る。結構重いが、動くには何の障害にもならん!!

 

……

………

…………

 

「なのは!!朗報だ!!」

「にゃ!?お兄ちゃん!?」

 

右肩に『輝剣リオレウス』を担ぎ、なのはの部屋に直行する。途中、壁とか天井とかを傷つけそうになったが。ヒヤヒヤした

 

「なのは、先ずこいつを見てくれ。」

「え?・・・っ!!」

 

なのはが驚く。ユーノは状況が読めていない

 

「お、お兄ちゃん、それ、どこで?」

「うちの蔵の中から発見した。他にもまだあった。」

「ホント!?」

「ああ!!あったぞ!!」

「でも、どうしてうちに?」

「分からない。そこでだ。ユーノ、お前に聞きたいことがある。」

「え、僕!?」

「そうだ。お前の話では、この宇宙には次元世界と呼ばれる数多の世界が存在しているんだよな?」

「うん。」

「その次元世界間の移動手段は?」

「基本的には次元航行艦での移動だけど、次元航行艦が開発される前は無かったね。たまに次元漂流者として他の次元世界にいっちゃうこともあるけど。」

 

ビンゴ!!おそらくその次元漂流者がハンターだ!!

 

「ええと、龍馬?興奮しすぎだよ?」

「これを興奮せずにいられるか!!MHの世界が存在する確固たる証拠が分かったんだぞ?それに俺だけじゃない、なのはも興奮している!!」

 

実際、なのはも狂喜乱舞している

 

「やったの!!全MHファンの夢が叶うの!!」

『おめでとうございます?マスター』

「ん?今の声は?」

『私です。マイマスター高町なのはのデバイス、レイジングハートです』

「へぇ、お前さんが。そんなら、これからよろしくな。」

『よろしくお願いします。龍馬』

「おうおう、いきなり呼び捨てか。ま、その方がいいがな。」

「お兄ちゃん!!こうしちゃいられないの!!はやくアリサちゃん達にも伝えるの!!」

「おう、そうだな!!んじゃ、頼んだぞなのは!!」

「うん!!」

 

なのはが走る。そして・・・

 

「へぶっ!!」

 

転ぶ

 

「おーい、大丈夫か?」

「大丈夫・・・なの・・・ガクッ」

 

あ、なのはが倒れた

 

「ユーノ、なのはを頼んだ。」

 

俺はなのはをユーノに任せ、一度自分の部屋に向かった。もちろん、『輝剣リオレウス』を置くためだが?しっかし、こいつを使うとなると砥石とか欲しいな・・・ま、それはおいおい考えますか

 

――続く

 

説明
転生者よ、覚悟するがいい。この世界に貴様らの居場所などない。貴様らに許された居場所はどこにもない。おとなしく我が力の前にひれ伏し、消滅せよ!!

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