第十五話 はやて視点と模擬戦
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はやてサイド

 

 

朝起きたら、知らん人がウチの顔除きこんどった時は凄く焦ったで。

不法侵入者かドロボーさんかと思って、心臓バクバクやったで。

 

 

まぁ、起きてすぐに、アニス君の使い魔言うてたから、落ち着いたんやけどもな。

それにしても、やっぱ魔法って凄いんやな〜。

 

 

ザゼルさん……やったっけ?この人がいきなりウチの車いすを持ち上げて懐に入れたん見たけど、質量保存の法則無視やな、魔法って。

 

 

それからウチを抱えて、そのままアニス君の部屋に、入ってもうた。

中には誰も居なくて、ミニチュアの家が入ってるガラス球が置いてあるだけやった。

 

 

「行きますよ?八神さん」

 

 

「へっ?行くってどこにですか?」

 

 

「勿論、アニス君の所にですよ」

 

 

そう言って、ザゼルさんとウチは、何処かに飛んだ……。

それは一瞬の出来事やった。今まで見慣れた部屋におったのに、いきなり周りは南国みたいな所に……落ちとる?

 

 

「何でやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「おっと、設定違いですかね?まぁ良いでしょう。よっと」

 

 

軽い口調でこの状況を物ともしていない様子。

 

 

「どうしてそんなに落ち着いとるんですかぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「え?いや、落ちてるんなら飛べばいいじゃないですか」

 

 

ザゼルさんがそう言うと、ウチらに掛かってた重力が無くなり、そのまま空中で止まる。

……あぁ、そうやった、そう言えば……空飛べばえぇんやったな……ウチは飛べへんけど。

 

 

「おっ、どうやらちょうど、アニス君が戻って来たようですね。何処に行っていたのやら……」

 

 

「何か……いつものアニス君と違う気が……どないしたんやろ……」

 

 

「まぁとりあえず、こっちに気づいた様なので、声を掛けてあげてください」

 

 

「はいな」

 

 

ウチはザゼルさんに言われたとおりに、アニス君に声を掛ける。

 

 

「アニスくーん!ウチ、飛んでる〜!」

 

 

ウチが飛んどる訳じゃないけどな。

でも、空を飛ぶのって気持ちえぇなぁ。

 

 

「ザゼルさーん!!はやてちゃんをこっちに〜!!」

 

 

「あ、分かりました〜!」

 

 

アニス君は大声でザゼルさんをこっちに呼ぶ。

ザゼルさんはアニス君の言葉に従い、下に居るアニス君の所まで下りてくれた。

そして、ウチはアニス君に率直な感想を述べる。

 

 

「うわぁ……ここがアニス君の別荘なん?南国見たいやわ〜。そしてアニス君!」

 

 

「ど、どうしたの?」

 

 

「生足サイコーや!!それに、上が半袖のパーカーのみって……もう痴女にしか見えへんで?」

 

 

そうか!これが感じった違和感や!

いつもアニス君はスパッツを穿いとったのに、今日はスパッツやのうて半ズボン!しかも上半身はパーカーのみで、半袖すら来ていない。それに、前も開けとるので、上半身は実質裸や……。

 

 

「な、なぁ……アニス君……ハァハァ……胸揉ませてくれへん?ハァハァ」

 

 

「嫌だよ!?何で揉まれないといけないの!?というか車いすはどうしたの!?」

 

 

「あ、車いすなら、ここに」

 

 

っと、ついつい暴走してもうた。

アニス君は男の子やのに、どうしても胸揉んじゃうねん。なんでやろ?反応が面白いからかな?

でも……胸揉まれてる時のアニス君の可愛さときたら……ハァハァ……っと、いつの間にかザゼルさんが車いすを出してくれた様や。

 

 

「はい、八神さん」

 

 

「あ、ありがとうございますザゼルさん。それよりも!いきなりザゼルさんがウチが起きた時に現れたんはびっくりしたで!お願いだから、ウチに一声かけてからにしてな?」

 

 

「あははは、ごめんねはやてちゃん。はやてちゃんまだ寝てたから、仕方なかったんだよ」

 

 

そうねん、一言くらい声かけぇ!

幾らウチが寝とっても、起こすなりなんなりすればえぇんや。でもまぁ、今日はこんな綺麗な景色も見れたし、チャラやな。

 

 

「まぁ、今日は許したるわ。こんな綺麗な所に来れたしな!」

 

 

「そう言ってくれると、作ったかいがあったよ。まぁ、修行用に作っただけなんだけどね」

 

 

「へぇ、アニス君は凄いんやな〜。それで、今日は修行する為に入ったん?」

 

 

「そうだよ」

 

 

「じゃあ、ウチは必要ないんじゃ……」

 

 

「いや、黙って入ったらはやてちゃん心配するだろうから。どうせなら連れて来た方が良いかなって」

 

 

「……アニス君……」

 

 

ヤバい、ウチ今顔絶対赤い……全くアニス君は、天然のジゴロやで……。

ちっちゃくて、可愛くて……もう非の打ちどころがないわ!!

 

 

「さ、さて。それじゃあアンク、再開しようっか。あ、ザゼルさんははやてちゃんに着いてて?」

 

 

「分かりました」

 

 

どうやら今から訓練を始めるらしい。

ウチはこの場に居たら巻き込まれるんやろうな……せやから今、隣にザゼルさんが着いとる。

それに、アニス君とアンクさんは念のためなのか、ウチと距離を取る。

 

 

 

「……それじゃあアンク、本気で来て。俺も本気で行くから……」

 

 

「分かった……ハァァァァァ!!」

 

 

アンクさんがいきなり力を籠めたら、アンクさんは鳥みたいな怪物……いや、アンクさんに失礼やね……何て言ったらえぇんかな?取り敢えず、変身した。

アンクさんはその姿になるのは久々なのか、自分の体を隅々まで凝視する。

 

 

「完全体のなるのは何年振りだ、最近じゃ、普通に翼と右腕だけで戦ってきたからな」

 

 

「あはは、ごめんね。アンクも定期的にその姿になれれば良いんだけど、そうもいかないしね。ごめんね」

 

 

「気にしてないから安心しろ。さて、サッサと構えろ」

 

 

「まぁ、待ってよ。斬魄刀出すから。……来い」

 

 

今度はアニス君が何かを取り出した……と言うよりは、いつの間にか刀が一振り握られとった。

しかも抜き身や……あんな、今にも折れそうな刀で戦うんかな?

 

 

「舞え、袖白雪!」

 

 

「ほぅ、それか……」

 

 

そう思っとったら、刀はいきなり姿を変えてもうた。

全部白一色になり、柄の下部分には、布みたいな物がついとる。

 

 

「……綺麗や……」

 

 

そう、その刀は……凄く綺麗やった……。

ただ白一色の刀やのに、それがまるで……キラキラ光ってる様に見えた。

 

 

「それじゃ……」

 

 

 

「第二ラウンド……」

 

 

「「開始!!」」

 

 

二人が同時に動き出す……砂を蹴り上げて、二人は戦いを始める。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

アニスサイド

 

 

「ハッ!!」

 

 

ブン!

 

 

「甘い!」

 

 

バキッ!

 

 

「クッ!

 

 

俺はアンクに斬りかかり、攻撃を開始する。

アンクは俺の初撃を避けて、がら空きの体に蹴りを放つ。

俺はそのまま吹っ飛び、砂に突っ込む。うぇ、口に砂入った……。

 

 

「ぺっぺっ!うぇ、じゅりじゃりする……」

 

 

「ハァ!」

 

 

ドンドンドン!!

 

 

アンクは火炎弾を三発出す。ちぃっ!間に合わない!

 

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!|闇の精霊《ウンデトリーギンタ》|3《スピーリトウス・》|柱《オブスクーリー》|!魔法の射手《サギタ・マギカ》連弾(セリエス)・|闇3矢《オブスクーリー》!!」

 

 

俺はサギタ・マギカでアンクの攻撃を撃ち落とす。

まぁ、後に思ったんだけど、ガッシュに出てくる氷か水系の呪文で撃ち落とせば良かったって思ったよ。

 

 

「はっ!そう来ると思ったよ!」

 

 

砂煙に紛れて、アンクは突っ込んでくる……。

ふっ、甘いねアンク……。

 

 

「アンク、久々過ぎて、袖白雪の攻撃方法を忘れちゃったかにゃ?」

 

 

「何?……しまった!」

 

 

アンクは一気に俺と距離を縮めるスピードを落とす。

だけど、もう遅いよ!

 

 

「初の舞月白」

 

 

カッ!!

 

 

アンクは、俺が仕掛けておいた月白の領域に、足を一歩踏み出していた。

右足は氷、右手を同様に凍り付いてしまった。

 

 

「ったく、まさか……俺の技を避けた際に、もう仕掛けておいたのか」

 

 

「えへへ〜、正解!さっ、どうする?」

 

 

「はっ、まだだ、まだやるに決まってるだろ?フン!」

 

 

バリン!!

 

 

アンクは右足と右手に力を入れて、氷を砕く。

まぁ、危ない事すんな〜。もし間違えたら、お前の腕と脚、粉々だよ?まぁ、グリードだから大丈夫なのか?

まぁ、分からん。

 

 

「さぁ、次はどう攻める?」

 

 

「……それじゃ……ソルセン!」

 

 

ブン!

 

 

呪文を唱えて、俺は刀を振るう。

ソルセン、アースが使っていた呪文。剣から剣閃と共に実体となった刃状のエネルギーを放つ呪文。

攻撃方法が三つしかない袖白雪との相性は結構良い。

手札がグンと増えるし、使いにくい月白も、これで時間を稼いで使う事も出来る。

 

 

アンクはその斬撃を避けるが、俺は既に動いている。

 

 

「ウルソルト!」

 

 

「ちぃっ!」

 

 

俺は剣撃の速さを上げる呪文を唱える。

もはや普通の人間には視覚出来ない速度に上がっている……そう、普通の人間には見えない……。

 

 

ガシッ!

 

 

「……ふぅ、これが斬月だったら、俺の手は斬られて無くなってるな……」

 

 

アンクが、刃に触れないように袖白雪を掴んで攻撃を防ぐ。

 

 

「さっすが」

 

 

「当たり前だ。完全体を甘く見んな!!」

 

 

バキッ!

 

 

「クッ!ハァッ!」

 

 

アンクの蹴りを受け止めて、俺は袖白雪を握っていた右手を開き、袖白雪を捨てる。

掴まれちゃままだったら攻撃も何も出来ないしね。

 

 

「ふん。今度は素手か?」

 

 

「そのまさかさ!」

 

 

俺はボクシングの構えを取り、呪文を唱える。

 

 

「ドラグナー・ナグル!」

 

 

ドラグナー・ナグル。テッドの呪文は結構使い勝手が悪い。

第一の呪文を使用しながら魔力を貯めないと、次の呪文が使えない。その他の呪文を使う時は、一段階ずつ呪文を唱えていくしかない。

だけど、これは守護獣……アルフやザフィーラ辺りになら使える。もちろん、アンクにも。

アンクはあんまりデバイスを使わない。

 

 

だから、今の完全体のままだったら、攻めに転じられる!

 

 

「はぁぁぁぁ!」

 

 

ブンブンブン!

 

 

「ちぃ!」

 

 

俺のパンチを紙一重で避け、そのまま攻めに転じようとするアンク。

まだだ!まだ俺のターンだ!

 

 

「ギアを上げるよ!セカン・ナグル!」

 

 

ドン!

 

 

俺は更に速さを上げる。

一段階アップしたスピードで再びアンクに殴りかかる。だがアンクはそれを今度は全て捌ききる。

まぁ、さっきみたいに紙一重で避けるのはキツイよね。

 

 

でも……無駄無駄!

 

 

「ギアを上げるよ!サーズ・ナグル!」

 

 

更にスピードアップ。

もう、これを捌ききるのは難しいよ!

 

 

「ハァッ!」

 

 

避けるのも捌くのも出来ないと直感したアンクは空に飛びあがる。

へぇ、そうしちゃう……マジで?まぁ、良いか。

 

 

「上に飛び上っちゃ、俺の格好の的じゃん♪ザケルガ!」

 

 

シュン!

 

 

一直線上に真っ直ぐな電撃がアンクに向かう。

ザケルガ、ガッシュやゼオンが得意とする呪文の一つだ。

ザケルと違い、真っ直ぐに飛んでくれるので使いやすい。ザケルは放出系だからね。

 

 

「はぁ!」

 

 

アンクは腕を振って、ザケルガを殴り飛ばす。

おぉ、すっげぇ、殴り飛ばすか……いや、やらんだろ普通……感電しますよ?

 

 

「だったら……グラビレイ♪」

 

 

ドゴォッ!

 

 

瞬間、アンクはいきなり空から落ちてきて、地面に叩きつけられる。

まぁ、まだ効果の範囲内だったから良かったよ。

 

 

「ぐっぁ……!」

 

 

俺は、苦しんでるアンクの前に手を出して、一言……。

 

 

「降参、してくれるよね♪」

 

 

そう言い放つ。

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別荘ねぇ……
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斬魄刀 八神はやて アンク アニス みなさんキャラ崩壊 

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