第十七話 予期せぬ起動と原作崩壊 |
……力が必要だ……。
今までこの小娘から魔力を得ていたが……足りぬ……。
まだ……まだだ……魔力が足りぬ……。
もう、あの小娘からあの小僧に移るしか手は無い……。
クククッ……小娘よりも質も量もけた違いだ……。
良いぞ……これは良い……やはりあの小娘よりもこの小僧から魔力を貰うとしよう……。
この小僧なら、一気に量を取っても死ぬ事は無い……。
小娘よりも、体が強い……。
あぁ、それにしても……魔力が十分になっても……我は管理人格が出て行かないと出れぬ。
何としてでも……我は外に出る。
だが先ずは……復讐してやりたい……。
我をこんな所に閉じ込めた、人間どもに!!!
それをするには……やはりあの小僧が必要不可欠。
それにしても……クロイツベルか……懐かしい名を聞いた……。
何の因果か……我を殺した一族の魔力を必要とするとは……。
だが、普通の人間よりも馴染みが速いだろう……ククク……あぁ、早く……早く出たい!!
……ふふふ、少し強引だが……小僧の魔力を奪えば……今にでもこの闇の書だけは起動できる……。
前倒しだ……少し、早いがな……。
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どうもっす……はやての家に来たから早二か月……。案外キンクリ活用し過ぎ。
今もう無印始まってます。
ユーノの念話が聞こえて来たから分かったよ。
まぁ、ジュエルシードには興味ないし、どうでも良いんだけどね。
それで、今月はもう六月。後三日位ではやての誕生日&闇の書起動……。何だけど。
ここで、驚く事が一つあります……。
「ア、アニス君!ウチの足が!今動いた!」
はい、決して動くことのないはやての足が、何故か動くようになりました……。
どうしてでしょう?俺にはサッパリです……。
小さいころから闇の書に魔力を取られ、そのせいで足が不自由になってしまったはやて。
それなのに、何故か足が回復?してる様です……。
「ホントに!?良かったねはやてちゃん!ねっ!アンク!」
「あぁ、そうだな。それじゃ、病院に行って石田に診せて来るか?」
「うん!石田先生、きっと驚くやろうな〜……。アニス君はどうや?一緒に行かへん?」
「あ……あぁ、ごめん……今日はちょっと……」
「?何か用事でもあった?」
「うん、まぁそんな所だよ」
「……そうか、なら、ウチはアンクさんと病院に行ってくるさかい。戸締りよろしくな!」
「うん、分かったよ!アンク、はやてちゃんをお願いね」
「分かってるっての。それじゃあな」
俺が起きてもう昼過ぎ。
二人とももう俺より先に起きていて、リビングで二人で談笑してる時だったらしい。
はやての足が動いたのは。
まだ大きく動かせないものの、ピクピクとなら動かせるらしい。
今までそんな事は一度もできなかったのに……。
俺ははやてとアンクが出かけた後、すぐにはやての部屋に行く。
そう、闇の書を調べるためだ。
「……何で、はやての足は動くようになったんだ?」
俺は確かに、はやてに魔法の存在は話した。
だが、そこまで原作に大きく影響するような話でもないし……。
どうしてだ?
「まぁ、それはお前を調べれば分かるでしょう……なぁ、闇の書?いや、夜天の書」
俺は、闇の書の目の前に立ち、そのまま闇の書を見る。
……何処も変わったところは無い。原作と全く同じ……だけど……魔力が少し漏れている?
どういう事だ?確かにはやての魔力ランクは高い……だが、ここまで魔力を吸い取れば……いかにはやでも、すぐに死んでしまう量だぞこれは……。
俺はそう思い……闇の書に触れる……。
その瞬間……。
バチン!
「キャッ!?」
いきなり闇の書から電流みたいなのが流れ、俺を拒む。
そして、そのまま闇の書は宙に浮かび、光りだす……。
《起動します》
「なっ!?」
起動するだって!?
まて、おかしいだろ!どうして俺が触れた瞬間起動したんだ!?
時期までまだ裕に三日はあるんだぞ!?なのに……どうして!!
俺は驚いて、後ずさってしまう……。
その時、俺の胸から、ごく少量だが……魔力が出てくる。
「……嘘……だろ……そんな……これは……まるで……」
はやてが闇の書を起動させた時と同じ……現象……。
そして、その魔力が闇の書に吸い込まれた瞬間、闇の書の大きな魔方陣が現れる。
ドックン!
「うぐっ!」
ドタッ!
そして、次に俺に降りかかってきたのは……心臓の痛み。
誰かに鷲掴みにされてるような、そんな痛みが、俺の胸に走る。
俺は痛みに耐えきれず、片膝を付いて、胸を抑える。
「ぐっ……うぁ……うあぁぁぁぁぁ!」
俺の叫び声とともに、魔方陣から放たれている光はより一層発光し、徐々に弱まっていく。
そして……俺が目を開けたその先には……。
「……なっ!?」
「……闇の書の起動を確認しました……」
目の前に居たのは、この世界のキャラ…八神はやての家族となるであろう……四人の守護騎士が、俺の前で跪いていた。
「我ら、闇の書の収集を行い、主を守る守護騎士でございます」
「夜天の主の元に集いし雲」
「ヴォルケンリッター、何なりと命令を……」
そんな……嘘……だ……。
俺が……闇の書の……主……だって?
「ぐっ……ハァ……ハァ……あ、あの……顔……あげてくれませんか?」
「……はい……!?主!顔色が優れませんが!」
「ハァ……ハァ……だ、大丈夫……だよ……」
俺の体何ぞどうだっていい……先ずはこの、闇の書の事について、解かなければならない……。
何故あそこまで、闇の書から魔力が漏れ出していたのか……。
そして何故、俺が触れた瞬間に、闇の書は起動したのか?
「ハァ……ハァ……先ずは……自己紹介から……が、良いよね?俺は……アニス・クロイツベル……き、君達の、名前……は?」
「その前に主のご体の心配を!今にも倒れそうじゃないですか!」
「あはは……ハァ……ハァ……だい、じょうぶ……だから……」
「大丈夫などではございません!」
「ハァ……ハァ……スー、ハー、スー、ハー……よし……何とか落ち着いた……。それで……名前は?」
「……私は烈火の騎士、シグナムでございます」
「鉄槌の騎士、ヴィータ」
「湖の騎士シャマルです」
「盾の守護獣ザフィーラです」
「そう……何だ……。うん、分かったよ。所で……シグナムさん」
「主、敬語など不要でございます。私の事は呼び捨てで」
「いえ、それはまだ何とも……まだ会って数分ですし……。それよりも……俺はホントに、君達の主……なのかな?」
「はい、間違いございません。主と私達は、パスで繋がっております。間違いなく、主は貴方様です」
と、シグナムがしれっと言う。
あはは、マジか……どうやら、世界は変わってしまったらしい……。
「……ふぅ、だいぶ落ち着いてきた……。分かりました……では、固っ苦しいのは嫌いです!俺の事は主ではなく、アニスと呼んでください!」
「なっ、それは出来ません!騎士ともあろう者が、忠誠を誓った主に、そんな事は……」
「む〜、そうですか……だったら、アニスたんでもオーケーですよ?」
「もっと酷くなってます!」
「あ、シャマルさんやっと喋った。ほとんどシグナムさんしか喋ってないんだから、ヴィータちゃんにザフィーラも喋ってよ♪」
俺はもう、現実逃避しか出来なかったよ……。
だって、考えても分かんないし、なっちゃった物は仕方ない。うん、仕方ないんだ。
「ア、アニス……」
「こらヴィータ!主に向かって何だ!その口は!」
「シ、シグナムさん落ち着いて。俺は気にしてませんから。……何?ヴィータちゃん」
「……何歳……何ですか?」
ヴィータは慣れない敬語を使いながら話しかけてくる。
おぅ、この子……可愛いよ……。流石エターナルロリータの称号を持ちし騎士……伊達じゃない。
「あはは、小さい主でがっかりさせちゃったかな?今九歳だよ。あ、因みに俺男だから♪」
「「「「………はい?」」」」
「……いや、だから……俺は女じゃなくて、男だからねって……」
「「「「ええぇぇぇぇ!?」」」」
おぉ!?まさかあのザフィーラまで驚くとは……恐ろべし、俺……。
その後、四人は盛大に謝ってきたのは、言うまでも無い……。
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「はい?主、今何と?」
「うんだから、収集はしなくても良いよ?俺、特に力とか必要としてないし。特にやりたい事も無いから」
「いや、しかし!」
「シグナムさん、お願い!収集は絶対にしないで!!」
俺はシグナムに頭を下げる。
「あ、主!おやめください!主が頭を下げるなんて!」
「む〜、じゃあ、皆収集しませんって約束で来たら、頭上げてあげる♪」
「うっ…………はぁ……分かりました。みんなもそれで、異論は無いな?」
「はい」
「うん」
「……あぁ」
うむ、どうやら上手く行ったようだ。
これで、収集する事も無いね……いや、だってさ……管理局に見つかりたく無いんだよ。
でも、あのリーゼ姉妹が見張ってるから意味ないか。
でも、リィンフォース出してあげたいんだよな〜……。
でも、まだ現時点では収集は出来ない。あんまり目立った行動もとれないし、何より、俺の呪いの進行は、まだそこまで酷い訳じゃないしね。
まぁ、俺が呪いの影響で倒れても、収集はさせる気ないし。
「うん、ありがとう!それにしても……みんな背が高いですね〜。俺、95pしか無いんで羨ましいです」
まぁ、実際嘘なんだけどな。
「えっ!?私より小さいじゃん!?」
「こらヴィータ!」
「あはは、シグナム、気にしなくて良いよ?敬語は禁止!これから家族何だからさ!」
「か、家族……ですか?」
「うん、家族!あから、堅苦しいのは止めてね?ヴィータちゃんみたいに声掛けてくれれば良いよ」
「……は……はぁ……」
「さて……はやてとアンクが帰って来るまで……この四人の服どうしようかな……」
とにかくこの四人の服装……怪しすぎる……。
アンクが襲い掛からないと良いけど……。
シグナムサイド
闇の書が起動し、我らが主の元に集まった……だが。
どういう事だろうか……。
私が今話している主は……今までの主とは凄く違っていた。
先ずは容姿……凄く小さい……守護騎士のヴィータでも120はあるのに……主は95pと言っていた……そして、年齢は九歳……今までの主の中で最年少だ。
そして性別は男……実際、皆女性と思っていた……だが、男性……。
いや、何でもない!
「な、なぁ……シグナム……今までの主よりも……全然違うな……」
「……そうだな……少なくとも、今までの主は……外道だったが……あの少年は、純粋だ……」
しかし、何故さっき、自分は本当に闇の書の主なのかと、聞いてきたが……どうして確認を取ったのだろうか?
「ザフィーラさんでけぇ!抱っこして抱っこ!」
「はい……」
ひょい。
「うわ!高い!わーい!高い高い!」
「……何だろう、今の主を見てると……安心する……」
「そうだな……今の主は、心優しい」
今まで主は……本当に最低の主だった。
こんなに輝いた主の笑顔を見るのは……本当に、いつ以来なのだろう……。
「シャマルさんシャマルさん!ザフィーラでけぇ!」
「そうですね」
シャマルは苦笑しながら答える。
まぁ、返答に困るだろう……今までの我らの扱いを鑑みれば……な。
その時、近くで魔力の反応を感知する。
「レヴァンティン!」
《ja》
私はすぐにバリアジャケットを纏いって……しまった!
まだ主にバリアジャケットを作ってもらっていなかった!
「主!早く我らに騎士甲冑を!」
「え?え?どうしたのみんな?いきなり血相変えて……」
「ここの近くに魔力反応が!こっちに近づいてきます!」
「魔力反応?……あぁ、アンクかな?大丈夫だよ、たぶんそれ、俺のパートナーだから」
主はそう言うと、すぐに廊下の辺りから物音がする。
「いやぁ、石田先生驚いとったなぁ」
「……そうだな……」
「……アンクさんどうしたん?いきなり怖い顔になって」
……我々に気づいたか……どうする……まだ騎士甲冑はもらっていない。
素手で対処すべきか?いや、この魔力量だ……あちらも手練れ……無理に素手で行かない方が賢明か。
「あ、帰ってきた」
その時、主はひょいっとザフィーラの腕から降りて、すぐに廊下に走り出す。
「主!駄目です!」
「キャッ!?はぅ……シグナムさん……痛いよ……」
「すみません……ですが、今廊下に出てはいけません!」
「え?どうして?」
主が首を傾げながら疑問をぶつけてくる。
だが、あっち奴はもうこっちに来ている……。
どうする……。
そして、ここの部屋のドアが開かれる。
ガチャッ……。
「……お前ら、誰だ?」
現れたのは、金髪の男。
そしてその手は、人間の物ではない……デバイスか?いや、背中に翼が生えている……。
やはり人間ではないのか?
「我らは主アニスの守護騎士……主には指一p「アンク〜」って、主!?」
主はいきなり、得体のしれない男に抱き着く。
抱き着かれた男は、やれやれとため息をつきながら頭を撫でている。
「シグナムさん、大丈夫だよ?こいつはアンク、俺のパートナー!」
「……はい?」
「おいアニス、何がどうなってんのか説明しろ」
「……主、我らにもご説明を……」
この男が主のパートナー?
……どういう事だ……?
ヴィータは絶えず警戒をし、ザフィーラもいつでも襲い掛かれる状態だ。
シャマルはすぐに主を救出できるようにしている。そして私も。
「まぁまぁ、皆落ち着こうよ。ところで、はやては?」
「あぁ、危ないから、一応玄関で待たせてある」
「そう……じゃあ、はやても入れて話し合おうか。俺としても、そっちの方が早いし。シグナム達も、一体警戒を解こう?ね?」
「……分かりました……みんな」
「……了解」
「……はい」
「………」
それぞれ警戒を解く。
……さて、どうご説明してくれるのだろうか、我が主は。
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