第十九話 買い物と誘い
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シグナムサイド

 

 

「シグナム、アニスを起こして来てくれ」

 

 

「……分かった」

 

 

我ら守護騎士が目覚めてから、二日目。

昨日分かった事は二つ。今回の主とここの家の主人は優しすぎる事と、この男……アンクと言う男は、とにかく怪しい人物だと言う事だ。

 

 

「あぁ、言うのを忘れてた。気を付けろよ?寝起きのアニスにはな」

 

 

「?ナニを言っているのか理解できないが、覚えておこう」

 

 

取り敢えず、意味が分からないので適当に流しておこう。

それよりも、早く主を起こしに行かなければ。

私はリビングを出て、主の部屋に向かう。

 

 

コンコン。

 

 

「失礼します」

 

 

主は寝ているので、返事は返ってこなかったので、まだ寝ておられるのだろう。

主は朝に弱いのだろうか?

そう思いながら、私は主が寝ているベッドに近づき、主に声をかける。

 

 

「主、もう朝です。起きてください」

 

 

「……ふぁ……アンふ?……何で……敬語?」

 

 

「主、私です。シグナムです」

 

 

「……はぅ……シグナムさんでしたか……すみません……寝ぼけてました……今起きます……よいしょっ……」

 

 

ガバッ。

 

 

主が起き上がり、そのまま立ち上がる。

 

 

「なっ……」

 

 

私は自分の目を疑った……。

 

 

「……どうしました?……シグナムさん……」

 

 

「あ、主……その恰好は……」

 

 

主の格好が……その……凄く、薄着なのだ……。

 

 

「……あうあう……シグナムさんが……固まっちゃったのです……」

 

 

「あ、あの……主……」

 

 

「……はい……何でしょう……」

 

 

「やはり主は……女性なのでは?」

 

 

「……あうあう……俺にも……付いてるもんは付いてんじゃー……なのです……」

 

 

何でだろうか……卑猥な事を言っているのに、主が言うと可愛く変換されてしまう……。

 

 

「……ねむねむ……」

 

 

「って、ベッドに戻ろうとしないでください!」

 

 

「……眠い……」

 

 

「行きますよ?主」

 

 

私は主にそう言い、主の手を握る。

……小さい……これで本当に九歳なのだろうか?

 

 

「……はい……」

 

 

主は弱弱しく答える。

 

 

〜気を付けろよ?寝起きのアニスにはな〜

 

 

確かに……これは危険だ……。

明日からは……覚悟を決めて起こしにこねばな……。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

アニスサイド

 

 

「ほなら!みんなの服を買いに行こうか!」

 

 

唐突に、はやてが声を上げる。

まぁ、内三人が女の子だもんね、それには賛成だよ。

 

 

「それって……またしま〇ら?」

 

 

「うん、そうやよ?」

 

 

俺もみんなも大好きなしま〇ら!

まぁ、それは前世の事で……この世界のしま〇らは、俺の知っているし〇むらでは無かったのだ……。

 

 

「あの、何もそこまでしてくれなくても良いんですよ?」

 

 

「そうです。我々は主をお守りする守護騎士。そんな私達が、買い物などと」

 

 

「シグナムさん?遠慮はしちゃいけないって昨日教えたよね?」

 

 

俺はジト目でシグナムに良い寄る。

シグナムはバツが悪そうに答える。

 

 

「主は優しすぎます。プログラムでしかない我々に、何もそこまで……」

 

 

「このお馬鹿!」

 

 

ペチッ。

 

 

俺はシグナムの頭を叩こうとしたが、身長差があり過ぎたので足を軽く叩く。

て言うか絶対痛くないよ今の。

 

 

「シグナム達は家族だよ!プログラムだろうと、なかろうと。それは変わりないの!て言うかプログラムだから何なのさ?それとこれとは別!むしろ関係ない!分かったか!答えはハイかイエスかオーケーだ!」

 

 

「……は、はい……」

 

 

「ハァ、ハァ……疲れた……」

 

 

駄目だ、長い台詞だけでもこの疲労。

やっぱりもう少し背があってもよかったんじゃない?

 

 

「主、水です」

 

 

「あ、ありがとう、ザフィーラさん」

 

 

何故か用意が良いザフィーラ……と思ったらアンクに勝ち誇った顔してる……。

どうしてこうなった。

 

 

「ま、まぁ。アニス君がほとんど言ってもうたけど、ウチも気にせぇへんよ?せやから服買いに行こう?」

 

 

「………………」

 

 

「俺を見ても駄目だよ?さっ、買いに行こうか。それに、ヴィータちゃんもシャマルさんも行く気満々だよ?」

 

 

「……はぁ……分かりました……行きます……」

 

 

シグナムはため息をつきながら妥協した。

うむ、良き事かな良き事かな。

 

 

「それじゃ、俺も新しい寝間着買いたいから行こう」

 

 

「ちなみに、次は何を着る気なんだ?」

 

 

「ん〜……前行った時に猫耳が着いた寝間着用の帽子があったから、今の寝間着に合わせようかと」

 

 

「……前から思っとったんけど、しま〇らがど何処に突き進んどるのか分からないんやけど……」

 

 

「俺もさ……」

 

 

とにかく、現実のしま〇らはそんな所では無いので、この話で行ってみようとか思った人……。

お間違いないよう……お願いします。

しま〇らはそんな所じゃねーから。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「うわぁっ……すげぇ……」

 

 

ヴィータが驚きの声を上げる。

まぁ、結構服が売ってるし、ヴィータサイズのも売ってるから嬉しいんだろうね。

 

 

「ほな、選ぼうか」

 

 

そう言ってはやては三人を引き連れて行ってしまった……。

うむ、男だけになってしまった……。

 

 

「……俺、選んでくるよ」

 

 

「あぁ、こっちはこっちで見て来るから、遠くに行くんじゃねぇぞ?」

 

 

「うん、分かってるよ。それじゃ、行ってくる」

 

 

俺はアンクとザフィーラにそう言って、服を見て歩く。

さて、何かあるかな?そろそろ暑くなりそうだし、夏物でも見に行こう。

 

 

「確か、こっちで夏物やってたな〜っと……あったあった」

 

 

何故かこのしま〇らは結構広い。

だから何処で何を売っているのかを地図にしてそこらへんに束で置いてある。

俺はそれを見て夏物が売ってる場所まで来た。

 

 

「う〜む、やっぱり夏は暑いし、タンクトップかな?まぁ、買いだね。1000円もしないし。あ、外に出かける時用に帽子も必要だね。後は……」

 

 

まぁ、何やかんやで俺もショッピングを楽しむのであった。

途中、何かスキマ妖怪が着るような服と傘と扇がセットで売ってたのは、俺の目の錯覚なのだろう……うん、錯覚だ。

 

 

「おっ、これは……」

 

 

そして戻る途中、ヴィータが好きそうなウサギのぬいぐるみを発見。

俺はそれを持ち、アンクに買ってもらう。

 

 

アンクと合流する前に、何か大人からヤラシイ目つきで見られてたのは……たぶんそいつらがロリコンだったかショタコンだったかだね。

 

 

来いよアグネス!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「いやぁ、またいっぱい買ってしまったなぁ」

 

 

「うん、袋を見れば分かるよはやてちゃん」

 

 

アンクとザフィーラが結構いっぱい詰め込まれている袋を両手に抱えて運んでいる。

うむ、凄い量だな……。

 

 

「なぁなぁアニス!」

 

 

「ん?どうしたのヴィータちゃん」

 

 

「似合ってるか?」

 

 

ヴィータは俺の前で歩くのを止め、クルッと一回転して全身を見せてくれる。

うむ、似合う似合う。可愛いな。

 

 

ヴィータの格好は、アニメ本編となんら変わり無い。

少しゴスロリチックだね。

 

 

「うん、似合ってるよヴィータちゃん」

 

 

俺はヴィータの頭を撫でようとするが……届かない……。

 

 

「……ドンマイ……」

 

 

「憐みの目で見て言っても説得力ねぇよコノヤロー」

 

 

軽く絶望した。

これでは逆ナデポではないか!まぁ、良いんじゃないかな?

とか思ってたらヴィータが俺の頭を撫でて来た……。ちくせう……。

 

 

「あうあう……ヴィータちゃん、頭撫でちゃいやっ……」

 

 

「ヴィータ!主に失礼だろう!」

 

 

「だってシグナム……私より小さい人初めて見るから……」

 

 

まぁ、この子も苦労してたんだろうね……。

だからって、俺の頭を撫でないでほしいな……。

 

 

「まぁまぁシグナムさん。俺は気にしないから。いつもアンクに撫でられてるし……はやてちゃんにだって……」

 

 

どんどん声のトーンが落ちていく。

そうか、俺は撫でる側ではなく、撫でられる側だったのか……よっしゃ、ガンバロ。

 

 

「でも、ホントにアニス君は可愛いですよね」

 

 

「あ、シャマルさん、名前呼んでくれた♪それにちょっと反応遅れちゃったけど、ヴィータちゃんも♪」

 

 

「良かったなぁアニス君」

 

 

「うん!えへへ〜、後はシグナムさんとザフィーラさんだけだね」

 

 

「……もう少し待ってください……」

 

 

「……右に同じく……」

 

 

「あはは、待つよ、いつまでも」

 

 

俺は二人にそう言って笑う。

その時、俺を射殺さんとばかりの視線を感じた。

俺はその視線の方をチラッと見る。そこには仮面を被った男が居た……。

 

 

やれやれ……来いって言ってるのかな?

仕方ない、乗ってやるか。

 

 

「みんな、俺ちょっと寄る所思い出しちゃった!さき帰ってて!」

 

 

「それでは、私達はお供させて頂きます」

 

 

「ううん、シグナムさん達も帰って良いよ?」

 

 

「しかし……」

 

 

「大丈夫。ちょっとした事だから。何かあったら念話で呼ぶから安心して?」

 

 

俺はシグナムにそう言う。

まぁ、無理かな?でも、着いてこられちゃめんどくさいし……。

 

 

「……分かりました。では、何かあれば呼んでくださいね」

 

 

「分かってる!アンクも着いてきちゃ駄目だよ?」

 

 

「……ちっ」

 

舌打ちすんな。

 

 

「ごめんねはやえちゃん。すぐに帰ってくるから」

 

 

「うん、分かったで。出来るだけ早く帰って来るんやよ?」

 

 

「うん、分かった!それじゃ行ってくる!」

 

 

俺は皆にそう言い、駆け出す。

さて、どっちの方向に行った?探すのめんどくさいし、魔力を辿ろう。

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ヴィータは(ry
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