シャルロット・デュノア
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唯は教師陣からオーズのことを聞かれ、ある程度はぐらかしながらも受け答えを行った。

鈴も同様にはぐらかしながらも受け答えを行った。

解放されたのは昼過ぎだった。

 

食堂

 

唯たちは昼食のため、ここに来ていた。

 

「トーナメントは中止だってさ。」

「ま、そうだろうな。」

「でもデータ取りのために一回戦は全て行うみたいだよ。」

「ガオッ。」

(あの場にいたのは卑怯者か・・?)

 

唯、シャルルはこんな会話を交わしながら昼食をとっていた。

ちなみにシャルルの肩にはトラカンが乗っている。

シャルルが欲しいといってきたので唯がちょちょいっと改造を施し、ライドベンダーとの合体機能と巨大化機能をなくした代わりにソーラー発電システムを組み込んだ。

実質ハイブリッドメカペットのようなものだ。

そこに山田先生が入ってくる。

 

「織斑くん、デュノアくん。お疲れ様でした。」

「いえ、どうも。」

「それで教諭、何のようだ?」

「あ、そうでした。なんと今日から男子の大浴場が使用解禁になりました!」

「そうですか。わざわざそれを言いに?」

「はい。あ、これ鍵です。」

 

唯は鍵を受け取り要件を済ませた山田先生は去っていった。

 

保健室

 

「・・・。」

 

ラウラは目を覚ました。

横を見ると千冬の姿があった。

 

「あの怪物はいったい・・?」

「私も詳しいことはよくわからないが、織斑弟が言うにはヤミーという怪物だそうだ。」

「ヤミー・・。」

「ボーデヴィッヒの欲望が形になった怪物・・とでもいっておこうか。あとは融合したお前のISにVTシステムが搭載されていた。巧妙に隠していたみたいだがな。」

「・・研究や製造、搭載が禁止されているあのシステムが・・?」

 

ラウラは顔を下に向ける。

 

「私が・・望んだからなのですね・・。あなたのようになりたいと・・。」

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!!」

「は、はいっ!!」

 

千冬に大声で呼ばれラウラの声が張りあがる。

 

「お前は誰だ?」

「え、わ、私は・・。」

「それでいい。織斑弟も言っていた。幻想を捨て、新しいラウラ・ボーデヴィッヒを今から始めろ。」

 

そういい残し千冬は保健室を後にする。

入れ替わる形で唯が入ってくる。

 

「大丈夫か?」

「・・ああ。」

 

しばらく沈黙が続く。

先に口を開いたのはラウラだった。

 

「なぜ、お前は強いのだ?」

「・・俺は強くなんかない。むしろ弱いさ。」

「うそだ。あの怪物を倒したのはお前だと聞いた!なのになぜ・・!?」

「俺は自分のできることをやっているだけだ。」

 

唯はラウラに顔を近づける。

近くで唯の顔を見たラウラはドキッとする。

 

「手を伸ばさなかったら後悔する・・。俺はそれがいやだから手を伸ばす・・ただそれだけだ。」

 

そう言って唯は保健室を後にする。

 

夜・大浴場

 

カポーン・・。

 

「ふぅ〜・・。」

 

唯は一人で風呂に入っていた。

シャルルが遠慮したのか部屋のシャワーで済ませるといったのだ。

 

「こんなにゆったりと風呂に入ったのはいつ振りだ・・。仕事先ではシャワーとかが当たり前だったからな・・。」

 

体を伸ばしながらしみじみと振り返っていると・・。

 

カラカラカラ・・。

 

「え?」

 

扉が開く音が聞こえ、振り向くとそこにはバスタオル一枚で体を隠したシャルルの姿があった。

 

「お、お邪魔します・・。」

「デ、デュノア・・!」

「あ、あんまり見ないで・・。」

「す、すまない!」

 

唯はすぐに目を瞑って右に回る。

 

「デュノア、どういうつもりだ?入らないって言ってたはずなのに・・。」

「ぼ、僕が一緒だと、イヤ・・?」

「・・好きにしろ。」

「・・ありがとう。来たのはね、大事な話があるからなんだ。だから、唯にも聞いて欲しい・・。」

「・・話してみろ。」

 

意を決したシャルルが話し始め、唯は目を閉じたまま話を聞く。

 

「そ、その・・前に話したこと、なんだけど・・。」

「学園に残るか・・という話か?」

「う、うん。僕ね、ここにいようと思う。僕はまだここだって居場所を見つけられてないし、それにね・・。」

「それに・・?」

 

ちゃぷ・・。

 

湯船の中を動く音が聞こえる、そして唯の背中にシャルルが触れた・・。

 

「デュノア!?そ、それは・・!?」

 

背中に触れた手を滑らせて唯を抱きしめた。

背中にシャルルが密着していて、唯の心臓はさらに鼓動を早くする。

 

「・・唯が、ここにいればいいって言ってくれたから。そんな唯がいるから、僕はここにいたいと思えるんだよ。」

「・・俺は何もしていない。その決断をしたのはお前自身だ。」

「ううん、そんなことない。」

 

シャルルからは見えないが顔を真っ赤にしながら唯は答える。

 

「それに、ね。もうひとつ決めたんだ。」

「何がだ?デュノ」

「シャルロット。」

「あ?」

「これからはシャルロットって呼んでほしいな、唯。」

「シャルロット・・。本当の名前を呼んでもいいのか?」

「うん、僕の名前。お母さんがくれた、本当の名前。」

「そこまでの覚悟があるのなら俺も答えなくちゃな。シャルロット。」

「うん。」

 

シャルロットの声が聞こえる。

顔は見えないけどきっと彼女の顔は笑顔だろう。

 

翌日

 

シャルルはホームルームに現れなかった。

今朝からチラチラと唯を見ているだけだ。

 

「み、みなさん、おはようございます・・。」

(なんか・・えらいやつれてるな。)

 

山田先生が教室に入ってきた。

とてもやつれているように見える。

 

「えーと、今日はですね・・。みなさんに転校生を紹介します。転校生といいますか、すでに紹介はすんでいるといいますか、ええと・・。」

(どういうことかな?)

(転校生・・?)

 

山田先生の言葉に唯とユリは脳内会議を行うが答えは出なかった。

 

「じゃあ、入ってください。」

「失礼します。」

 

ドアが開き、入ってきたのは・・。

 

「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします。」

 

スカート姿のシャルロットだった。

シャルロットはぺこりと一礼をするとクラスの全員がぽかんとしながら頭を下げ返す。

 

「ええと、デュノアくんはデュノアさんでした。ということです。はぁ・・、また寮の部屋割りを組み立て直す作業がはじまります・・。」

(先生、ドンマイ。)

 

唯が心の中で同情するが大事なことを忘れていた。

そう、ここはIS学園。

女子の巣靴であり姉と幼馴染がいるクラス。

 

「唯〜・・。OHANASHIしたいんだけど・・。」

「うむ、一夏の言うとおりだ・・。」

「・・・。」

 

いつの間にかヤンデレモードの一夏は雪片を展開、同じくヤンデレモードの箒も近接ブレードが握られていた。

離れた場所ではセシリアもスターライトを構えていた。

 

「「「天誅(ですわ)!!」」

 

二人は唯めがけて振り下ろしレーザーが放たれる。

しかし・・。

 

ガキィン!!

 

唯の前に立っていたのはシュバルツェア・レーゲンを展開したラウラだった。

まだ修復が終わっていないらしくレールキャノンがない。

 

「ボーデヴィッヒ・・。」

「・・・。」

 

グイッ

 

ラウラは唯の胸倉をつかみ・・。

 

「え・・?ムグゥ!?」

 

ジュル・・ピチュ・・ジュルル・・。

 

深いほうのキスをかまされた。

それを見ていたクラスメイトは顔を真っ赤にする。

ラウラが離れたとき、二人の間には銀色の橋ができていた。

 

「お、お前を私の嫁にする!これは決定事項だ!」

「はぁ、はぁ。よ、嫁・・?婿じゃないのか・・?・・ハッ!?」

 

顔を真っ赤にするラウラに突っ込みを入れた唯が殺気に気づき振り向くと般若が4人いた。

 

「へ、変身!」

 

(ライオン!ウナギ!バッタ!)

 

さすがに身の危険を感じた唯はオーズ・ラウバに変身。

 

「すまん!」

 

ピカー!!

 

「キャ!?」

 

ライオネルフラッシャーを発動し窓から逃げる。

そこから壮絶な鬼ごっこが展開され、終わったのは昼前だった。

昼にそのことを鈴に話すと・・。

 

「はぁ・・、またなの?」

「何で俺はこんなに好かれるんだろうな・・。」

「「はぁ・・。」」

 

二人のため息は風とともに消えた。

 

説明
IS・・

後ろを向いている唯と泣きながら背中に抱きつくシャルロット。
振り向く唯、シャルロットを抱きしめる。

この後すぐ・・!
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