とある【正義】を持っているヒーロー 第36話 |
【図書館島付近】
「せ、先生は突然どうしたんですか?」
女の腕からやっと解放された夕映が刹那に話しかけた。
「え、いや、あのっ!」
そもそも刹那自身もどう言う状況かよくわかってはいない。
なにをどう言えばいいのか分からない。
「何か言えないことなのですか?あれ?」
夕映は足元に落ちているカードをひろう。
そのカードにはなぜか自分の姿が映っていた。
「私が映った白いカードですか……なんなんでしょうかこれ」
「え? さ、さぁ」
そこにそのカードのことを知る者はいない。
それは覚が偶然に落としたカードである。
「そう、ですか(しかしこれは何か重要なものの気が……)」
そう言いながら夕映はカードをじっと見つめていた。
「それはそれでや。兄ぃはどこに行ったんや!」
「ウェ!? そ、それはですね、その〜」
木乃香の質問に刹那は動揺する。
魔法の隠蔽などもあるが……そもそももう隠しとうせる気はしない。
「せっちゃんなんかいわれてたやろ! 何を隠しとるん!」
「いや、その、私にもよく……」
「なにもめあってるんですかぁ! 早く逃げるです……よ?」
女の子が大声を上げ二人の間に割り込んでくると上の方から音がしていた。
「? 虫の羽音……な、何なんです!? あの大量の虫は!?」
そう大量の虫が夕映達の上を飛んでいた。
「うひゃあ! なんでこんなにたくさんの!」
「虫がこうなるのはなにかが起きると言う……」
そう言っているとひときわ大きいカブトムシが夕映に近づいてきた。
「な、なんです! って!?」
そのカブトムシは姿を変え目の前に現れた。
「虫達が嘆いておる。悪しき者によって……」
「悪しき者?」
「そう……悪しき者により……」
「あ、あなたは何者なんです?」
「私は……そう虫達の長老……老師」
諸事情により名前はない。
実はあるけどない。
「老師……」
「さて、その札を出すがよい」
「札……このカードのことです?」
「うむ……むぅ!」
老師がカードに向かい念じる。
すると背景の白い部分に青いカブトムシのような姿をしたものが映る。
「え、こ、これは……」
「選ばれし者よ……虫達を救ってくれ……」
すると老師は再びカブトムシの姿に戻り飛び去って行った。
「選ばれし者……」
「え、ええと……い、今のは何やったん?」
「え、私にもわかりかねますが……」
「わかったです……すべて」
夕映はカードを持ちながら呟く。
「わかった?」
「今行くです先生!」
夕映は突然走りだした。
覚達が向かった方向へ。
「あっ!そっちは危険区域へ行く道ですよぉおぉ!」
そう言いながら女の子も夕映を追う。
「な、なにがどうなってるんがわからんけど……おいかけな!」
「ああっ!待って下さいよお嬢様ぁ!」
そして二人も向かう……危険区域へ……
次回に続く
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