三・位・一・体 |
フォーゼはハウンドにトドメを刺そうとするが、百代の妨害にあってしまう。
その隙をついてハウンドは逃走をはかりフォーゼは逃がさないとロケットで追撃しようとするがなんと百代はフォーゼの腰にしがみつきバランスが崩れる。
それを好機と見たハウンドが光弾を放ちそれがヒット。
空中で爆発した二人は地上に墜落。
「いたたた。」
「隙ありだ!」
ハウンドは攻撃を変えてチェーンで攻撃。
フォーゼは距離を詰められず何度もくらってしまう。
「うわっ、あのチェーンが厄介だね。どうするかな?」
「あ、そうだ!スバル!これ使って!」
卓也は手に持っているポテチョキンからシザーススイッチを抜き取ってフォーゼに投げ渡す。
「そっか。これハサミだもんね。モロくん、ありがとう。」
フォーゼはウインチとシザースを入れ換え起動する。
(シザース)
(シザース・オン)
左腕に大型のハサミが装着。
ハウンドがチェーンを投げつけ右腕を封じるがハサミで切断してそのままハウンドを切りつける。
「・・!?スバル!後ろ!」
「え!?・・うわぁ!?」
京の声に振り向いたフォーゼにスコーピオンが飛び蹴りを放った。
「くっ!?またか!サソリ!」
「フォーゼ、貴様に邪魔はさせん。はぁ!」
スコーピオンは地面に光弾を放ち、発生した砂煙で二人を逃がしてしまう。
「うわっ!?・・逃げられちゃった!」
フォーゼは変身を解くと百代に詰め寄る。
「あなたのせいで逃がしたよ!どうして邪魔をしたの!」
「ふん、お前が私の邪魔をするからだ。あれは今までに戦った奴よりも強い。最近退屈だったからちょうどいい相手だ。」
百代はフォーゼの妨害をしたことを悪びれる所か強い相手が現れたことに心を踊らせていた。
昴はそれを聞いて百代の胸ぐらを掴み感情を露にする。
「お前・・!ふざけるな!僕はお前みたいに自己満足や快楽のために戦ってるわけじゃない!!友達や仲間を守りたいから戦ってるんだ!!」
「スバル・・。」
「あんな感情を露にしてる所初めて見た・・。」
卓也と京は驚いた。
普段はみんなに笑顔を見せ、男女問わずに楽しくおしゃべりをしたり週末には由紀江と共に美味しい料理を振る舞ったりする昴がここまで感情を露にしたのを初めて見たのだ。
「何が武神だよ!ただ強い敵を求めて戦うお前は闘争本能を抑える事のできないただのバーサーカーだ!!」
「何だと!?」
普段の昴を知るものにとって今の昴は全くの別人だ。
一触即発の中、卓也と京は二人を止めに入る。
「スバル、そこまでにしよう。」
「モロの言う通り。今はスイッチャーを探すことが先。」
「・・うん、わかったよ。でもまずは報告にいこう。」
卓也と京の言葉で頭が冷えた昴は百代を離してスイッチャー探しを始める前に大和に報告するためにラビットハッチへ向かう。
「フム、松永の妹は百代より力では及ばずとも心ができてるのう。武神の百代にあそこまで言うとはのぉ。」
遠くで川神学園長が見ていたことに気づかずに。
ラビットハッチ
昴はハウンドを後一歩の所まで追い詰めたが逃がしてしまったことを伝える。
「そうか、姉さんが・・。」
「うん、本当にごめん。」
報告を聞いて顔をしかめる大和に頭を下げる昴。
「スイッチャーは誰なのかしら?」
「今モロがネットで調べてる。ガクトとキャップ(バガミール持ち)は別々に聞き込みに行ってる。」
するとアストロスイッチカバンに連絡がはいる。
「キャップ?」
『大和、奴を見かけたぜ!高速の下らへんにいる!』
「そうか!サンキュー!」
通信の相手は翔一でハウンドを発見したとのこと。
「キャップが高速の下で見かけたらしい!」
「わかった!すぐに行くよ!」
昴はラビットハッチを出て先行で現場に向かう。
大和も後を追って現場に向かう。
ラビットハッチを出た所で大和の携帯が鳴る。
「ん?ガクト?・・どうした?」
ガクトからの連絡を受け、顔色を変える大和。
「何だって!?姉さんがハウンドをみかけた!?」
高速下
先行したフォーゼはハウンドと交戦している百代を発見。
「あの人はまた!」
フォーゼは戦いに乱入、ハウンドにスラッシュキックを叩き込み距離を取る。
「がぁ!」
「くっ!?邪魔をするな!」
「そうはいかない!」
フォーゼが立ち向かおうとした瞬間、スコーピオンが現れる。
「くっ!?サソリ!」
「邪魔はさせん!」
(どうしよう・・!?)
フォーゼは内心焦っていた。
ハウンドを止めなくてはならず、さらにはスコーピオンの追加、状況は圧倒的にフォーゼが不利。
(パワーダイザー)
電子音声が聞こえ振り向くとパワーダイザーが現れスコーピオンとハウンドを抑え込む。
「ナイス大和!」
「大和だと!?」
驚く百代を尻目にフォーゼはランチャーとレーダーをオンにする。
(ランチャー・レーダー・オン)
ランチャーとレーダーを装着してパワーダイザーが抑え込んでいる二体をロック。
「大和退いて!ミサイル発射!」
「ぬぅ!」
ミサイルが放たれパワーダイザーは素早く退くが瓦礫を利用され姿を消す。
「また逃げられた・・。」
悔しがるフォーゼ。
そこに・・。
「スバル!」
「え!?大和!?なら、ダイザーには一体誰が・・?」
なんと大和たちが駆けつける。
ならパワーダイザーには一体誰が搭乗しているのか・・?
ガシャーン!
パワーダイザーが仰向けに倒れ、ハッチがひらく。
「ワン子ちゃん!?」
「おいワン子!しっかりしろ!」
乗っていたのは一子でかなり消耗していた。
「えへへ、ごめんね。私なら大和より鍛えてるから扱えると思ったんだけど・・。」
「ワン子ちゃん!?」
一子は笑いながら気を失う。
「大丈夫だ。体力を使いきって気を失っただけだ。」
「よかった〜。」
フォーゼはホッと胸を撫で下ろす。
気絶した一子を見て百代は・・。
(ワン子がここまで体を張るなんて・・。それに大和・・あの敵について知っているのか・・?)
ラビットハッチ
昴たちは一子を運び寝かせていた。
百代は大和に質問をする。
「大和、なぜお前がこんな場所を知っている?それにあの敵はなんだ?」
大和は話した。
高校入学前にこの月面基地・ラビットハッチとフォーゼシステム等を託して失踪したこと。
昴が装着者になりフォーゼとして戦っていること。
自分は参謀としてフォーゼをサポートしていること。
全てを話した。
「・・・。」
話を聞き、百代は何も言えなかった。
陰で大和たちは戦っていた。
自分はどうだ?
欲望の赴くままに戦いを挑む。
だがフォーゼという力を得た昴は違った。
友達や仲間を守るために戦っている。
百代は何のために力を振るうのか自問自答を繰り返す。
そんな中卓也がハウンドのスイッチャーを発見したので急いで向かう。
廊下
今回もISで価値観を判断した女子に復讐するためにスイッチを手にしたという。
「やめなよ!そんな事で誰かを傷つけて何になるの!?」
「うるさい!ISがあるから何だ!全員が扱えるとは限らないのにどの女も偉そうに振る舞う!だから俺はこの力を手にした!」
(ラストワン)
男子生徒の負の感情に呼応するかのようにスイッチが変化。
男子生徒はそのスイッチを押し精神がハウンドに変わり肉体は糸に包まれて気絶した。
それを見て百代は唖然となり、ハウンドは校舎の外に出る。
「モロくん、キャップ。ここは任せるよ!」
「うん!」
「任せろ!」
昴はハウンドを追って外に出た。
走りながらトランスイッチをオンにする。
3・・2・・1・・
「変身!」
昴はフォーゼに変身してロケットをオンにする。
(ロケット・オン)
ロケットで突っ込みながらいつものあれを言う。
「宇宙キターーー!」
「ぐあぁ!?」
ライダーロケットパンチを食らいハウンドは転がる。
「またお前か!」
「仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうよ!」
フォーゼは拳を前に付きだしいつもの名乗りを上げ、エレキを取り出してロケットと入れ換えスイッチオン。
(エレキ)
(エレキ・オン)
「よし、行くよ!」
フォーゼはエレキステイツにステイツチェンジしてロッドで切り刻む。
昴は由紀江の稽古を受け、少しずつ上達していっている。
ハウンドの動きを見極め、必要最低限の動きで攻撃をよけロッドを叩き込む。
「まゆっちの訓練が生きてる!このまま一気に・・うわぁ!」
ハウンドに更なる攻撃を仕掛けようとすると蹴飛ばされる。
「誰!?・・サソリ!」
「フォーゼ、お前の好きにはさせん!」
「くっ!?キャァ!」
「こっちにもいるぞ!」
フォーゼはスコーピオンの攻撃を避けるが後ろからハウンドの攻撃が当たる。
「またサソリが来たよ!どうするの大和!?」
「・・!」
(ビークルモード)
卓也の焦りの声を聞き、大和は遠隔操作でパワーダイザーを呼び寄せる。
「俺はどうなっても構わない・・!ダイザーしかない!」
大和がダイザーに乗り込もうとした瞬間、誰かが大和の肩に手を置いた。
振り向くとそこにいたのは百代だった。
「妹や舎弟には重すぎる物だ。私が手本を見せてやる。」
百代は不敵な笑みを浮かべながら大和に言う。
大和は少し考え・・。
「・・姉さん、任せる。」
(パワーダイザー)
大和はパネルを操作してビークルモードからパワーダイザーへと変形させる。
パワーダイザーを見つめる百代の顔は武神の顔になっていた。
「くっ!うう・・!」
いくら由紀江から稽古を付けてもらっているとはいえ2vs1はかなりキツイ。
「最後の狩りだ!」
トドメを刺すために二人が駆け出したその時・・。
「うおおおおおおー!」
パワーダイザーが滑るように二人にタックルを当てて吹き飛ばす。
「どうした!?スバル!しっかりしろ!」
「その声・・百代さん!?」
「ああ。」
「百代さん、一緒に戦おうよ!この仮面ライダー部で!ここならあなたの自由に戦える!」
「自由?なぜ?」
仮面の下で昴は笑いながら答える。
「表面の名誉がないからだよ!武神も何も関係なく自由に戦える!密かにこの学園と町を守っているっていう影の名誉があるけど、それは僕たちだけの勲章になる!」
「私たちだけの勲章か・・悪くないな!行くぞ!」
「オッケー!」
百代はスコーピオン、フォーゼはハウンドを引き受け戦い始める。
「はぁ!でやぁ!」
「くっ!?」
百代やさすが武神というべき身体能力をフルに生かし軽やかな動きでスコーピオンを圧倒。
スコーピオンが転倒した隙をついて押さえ込む。
そこへハウンドに吹き飛ばされたフォーゼが飛んで来るが百代は振り回しながらハウンドへ投げ飛ばす。
そこへ大和の指示が飛ぶ。
「エレキとドリルの力を合わせろ!」
「オッケー!」
フォーゼは空中でドリルをオンにする。
(ドリル・オン)
そして左手でレバーを操作する。
(エレキ・ドリル・リミットブレイク)
「三位一体!ライダー電光ドリルキーック!」
「うがぁぁぁ!」
必殺技・ライダー電光ドリルキックが炸裂。
ハウンドは爆散して宙に舞ったスイッチをドリルをオフにしたフォーゼが掴む。
「スイッチオフっと。」
スイッチを切り消滅。
百代はスコーピオンを逃がしたがその顔には充実感があった。
「百代さん、ごめんなさい。あんな事言って。」
「気にするな。それよりお前いい身体をしているな。」
百代は両手をワキワキと怪しく動かしながら昴を見る。
昴のスタイルはよく胸は由紀江ぐらいあり腰はくびれていてお尻も出ている。
「セクハラ禁止!」
「ぐがぁ!」
昴はアッパーを繰り出し百代は気絶した。
「全くもう・・!」
アッパーを繰り出した昴はどこか笑っていた。
こうして風間ファミリーの絆は完全に修復。
仮面ライダー部の新たなるスタートとなった。
説明 | ||
IS・・ 背中合わせに立つフォーゼと百代。 このあとすぐ・・! |
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ボクっ娘 真剣で私に恋しなさい 仮面ライダーフォーゼ | ||
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