後・輩・乱・心 |
黛由紀江。
大和たちの後輩であり剣聖・黛十二段の娘である。
若くして川神四天王の称号を手に入れた。
ルックスよし、スタイルよし、家事もこなす。
まさに万能な彼女だが彼女には悩みがあった。
「うう・・今日も声をかけられませんでした・・。」
彼女は極度の上がり症で友達がいないのだ。
さらに自称・九十九神と名乗るマスコット・松風を相手に腹話術を展開している。
「松風、私はどうしたらいいのでしょう?」
「心配すんな!いずれまゆっちの魅力に気付く奴が現れるって。」
そんな由紀江だが最近気になる人が出来た。
松永昴
大和たちと同学年で川神四天王・松永燕の妹。
由紀江は昴がフォーゼとして戦っていることを知ったのはカメレオンゾディアーツに襲われた時。
そして先日エレキステイツにステイツチェンジしたことをきっかけに自分に特訓相手になって欲しいと頼んできた。
由紀江は最初は断った。
自分には上手に教えられる自信がなかったから。
だが昴は引き下がらずにこういった。
「僕は大和やワン子ちゃんたち、それに友達を守りたい・・!そのためにはもっと強くならないとダメなんだ・・!だからお願い!僕に剣術を教えて!」
土下座をしてまで頼む昴。
本気で仲間や友達を守れるくらい強くなりたい。
その思いを汲み取った由紀江は昴を鍛える事を了承。
するとメキメキと実力を身に付けていく。
まるで水を吸収するスポンジのごとく。
ある日
高速で走る制服の昴とタイヤを着けて走るブルマ姿の一子。
正門に着いたのはほぼ同時。
由紀江を見かけたので止まる。
「おっはよーまゆっち♪」
「おはようございます。スバルさん、一子さん。今日も元気ですね。」
「もちろん♪青春フルパワーだもん♪」
朝から元気いっぱいの昴と一子。
由紀江は空を見上げる。
「まゆっち、こりゃあ一雨来るぜ。」
「本当ですね。スバルさん、一子さん、雨が降って来ますよ。」
「え?ウソだ〜、こんな青空なのに?」
「そうよ。」
昴らが空を見上げると曇り一つない晴天。
雨なんか降るはずがない。
そう思っていたが・・。
ゴロゴロ・・
ザアァァァ!!
「ウソ〜!?本当に降ってきた〜!?」
「早く校舎に入りましょう!」
なんと由紀江の予言通り雨が降ってきた。
その際、濡れた制服の下の青いブラが見えたのは余談。
同じ様にどしゃ降りにあった大和は当てた由紀江を信用できず手に持った20番・ファイヤーを見つめる。
「予言なんか信じない・・!俺が信じられるのはアストロスイッチだけだ・・!」
ラビットハッチ
「よし、調整完了。」
最終調整を済ませた大和はスバルにスイッチ3つを渡す。
「スバル、ガトリング、シールド、ファイヤーの調整が終わった。後は実戦で使えるかテストを頼む。」
「わかった。でもこの3個は使えそうだけどね。」
昴は大和からスイッチ3つを受け取る。
すると呼鈴がなる。
通信相手は一子だ。
『プールで大変なことが起こってるの!すぐに来て!』
「わかった。スバル、行くぞ!」
大和は昴と共にプールへと向かう。
プール
女子生徒が水泳部の男子生徒に詰めよっていた。
その女子生徒はルックスはいいとはいえず、男を見下している噂もある。
「あんたは私を振った・・。その報いを受けてもらう・・!」
女子生徒は怪しげな呪文を唱えるとプールの水がうねりを上げながら男子生徒に襲いかかる。
「うわ、何あれ!?」
「水が襲ってる!まさか魔女!?」
「そんなわけあるか!スバル、変身だ!」
「え?でも相手は人間だよ!?」
大和のまさかの言葉に昴は戸惑いを見せる。
人間相手にフォーゼの力を使うのかと。
「早く助けないと水泳部の連中が危ないだろ!」
「あ、そっか。ちょっと気が引けるけど・・。」
理由に納得した昴はドライバーを装着してトランスイッチをオンにする。
3・・2・・1・・
「変身!」
昴はフォーゼに変身。
そしていつものあれをやる。
「宇宙/><\キターーー!\>д</」
「邪魔をするな!」
フォーゼは女子生徒に立ち向かおうとするが女子生徒は水をフォーゼに向けて放つ。
それにより足元が滑り上手く動けなかった。
「滑って上手く動けない!あ、新スイッチ!」
フォーゼはレーダーとシールドを入れ換えてオンにする。
(シールド)
(シールド・オン)
左腕にスペースシャトルを模した盾が装着。
シールドで水を防御。
「あとこれも使ってみよう!」
続けてドリルとガトリングを入れ換えてオンにする。
(ガトリング)
(ガトリング・オン)
左足にガトリングが装着。
銃身が回転を始め弾丸を放つ。
ズドドド!
後ろの壁を破壊しながら弾丸が放たれ危険を感じた女子生徒は横に回避。
あまりの威力にフォーゼは急いでガトリングのスイッチを切る。
「あわわ、これは威力ありすぎだね。いくら魔女でも人間相手にこの威力はダメだよね。大和、どうしたらいいかな?」
フォーゼは大和に指示を貰うために大和の方に振り向く。
大和の手にはバガミールがあった。
「バガミールの中のカメラスイッチをつかえ。」
バガミールはピョンピョン跳ねながらフォーゼの手のひらに乗る。
「なるほど。敵の攻撃を撮影するんだね。」
フォーゼはカメラスイッチを切り、フードモードに変えてスイッチを抜き取りシールドと入れ換えスイッチオン。
(カメラ)
(カメラ・オン)
左腕にビデオカメラが装着され、カメラを構えて撮影を始める。
「バガミールよりさらに高画質・高密度の映像が記録できる。」
「わかった。」
「はぁ!」
それを見た女子生徒はさらに水攻撃を激しくする。
「うわっ!?くっ!」
撮影しているので攻撃が出来ないフォーゼは水攻撃を受け続けスリップする。
しばらくすると攻撃が止む。
「私の邪魔をするな、白いの。」
『ククク・・。』
そう言って女子生徒は去っていく。
一子がフォーゼに駆け寄る。
「スバル、大丈夫!?」
「うん、だけど本当に魔女なのかな?」
「・・・。」
このあと大和はカメラスイッチを受けとり解析を行う。
翌日
放課後、由紀江は男子生徒に告白されていた。
「俺、黛さんのことが気になって・・。」
「ふええ!?///」
男子生徒の告白に由紀江は顔を真っ赤にする。
だが昨日の女子生徒に見つかってしまう。
「お前・・!許さない!」
「か、体が勝手に!」
またもや怪しげな呪文を唱えるとゆっくりと男子生徒と由紀江は近くの部室に入れられてしまいさらにドアが勝手に締まりカギが掛かってしまう。
「私を振った罪をしれ!」
女子生徒が手をかざすと部室から炎が巻き上がる。
男子生徒はパニックを陥る。
「うわぁ!火が勝手に!」
「ケホッ、落ち着いて下さい!だけどどうしたら・・!」
脱出口も燃え盛っているため脱出は出来ない。
外では昴たちが女子生徒二人をみつけていた。
「おい!お前こんな事しても何もならないぞ!」
「うるさい!あんたたちといつもつるんでる腹話術をしてる女も閉じ込めてやった!」
「腹話術?まゆっちのことか?」
「おい!まさかあの中に!?」
昴は中に由紀江らが閉じ込めてられていることを知りドライバーを装着してトランスイッチをオンにする。
3・・2・・1・・
「変身!」
昴はフォーゼに変身、いつものあれを翔一らとやる。
「宇宙/><\キターーー!\>д</」
「頼んだぜ!」
フォーゼは部室へと飛び込むが炎の勢いが強力だった。
フォーゼの姿を見た由紀江が声を上げる。
「スバルさーん!助けてくださーい!」
「だけどこの炎はただの炎じゃないよ・・!」
そこでフォーゼはファイヤースイッチを思い出す。
「そうだ・・20番!ファイヤーだっけ?炎には炎!ちょうどいいよね!」
ロケットとファイヤーを入れ換え、起動。
(ファイヤー)
(ファイヤー・オン)
するとフォーゼに炎が纏わりつく。
「この感じはエレキと同じ・・!今度は熱いのがドッと来る!」
炎が晴れるとフォーゼは赤のボディに緑の目に変わる。
そして腰には専用武器・ヒーハックガンを装備したフォーゼ・ファイヤーステイツに変身完了。
銃身を伸ばして消火モードにしたヒーハックガンで炎を消す。
「なるほどね、消火器なんだ。」
フォーゼは二人の元へ駆け寄る。
「まゆっち!大丈夫!?」
「赤いフォーゼですか!?」
「フォーゼ・ファイヤーステイツっていうんだ♪」
フォーゼはファイヤースイッチをヒーハックガンにセット。
すると消防車のサイレンが鳴り響き電子音声が鳴る。
(リミットブレイク)
「いけーーー!」
ヒーハックガンから放たれた大量の水が炎をあっという間に鎮火。
フォーゼは二人を外へと運ぶ。
「うおぉ、すっげー!まるで消防士じゃねぇか!」
ファイヤーステイツを見た翔一の目が輝く。
フォーゼは二人を一子たちに任せる。
「二人をお願い。」
「うん。」
「スバルさん、ありがとうございます。(あのスイッチ・・まだ何かありそうです。)」
「無事でよかったよ。まゆっち。」
女子生徒は炎が消されると思わなかったのか膝をつく。
もう一人の女子生徒はその場を去る。
「そんな・・消しやがった・・。」
フォーゼはその女子生徒を怒りがこもった目で見る。
「振られた腹いせにまゆっちたちを傷つけたんだ・・!許さない!」
「スバル!そいつは魔女じゃない!」
「え?」
大和が駆けつけ、フォーゼは大和を見る。
大和は何かに気付き指示を飛ばす。
「後ろだ!」
「!?はっ!」
フォーゼは炎弾を弾き飛ばす。
空からゾディアーツが現れる。
「こいつ・・!」
「そいつは祭壇座・・アルターのゾディアーツだ。念動力も超高熱も全てそいつの仕業だ。」
「ご明察。ははは。」
フォーゼはアルターを押し出しグランドへと移動。
アルターは空中へ浮遊、火炎弾をフォーゼに放つ。
火炎弾をフォーゼは回避していく。
「くっ!どうしたら・・!」
そこへ大和が現れる。
「火炎弾で応戦しろ!ヒーハックガンは点火と鎮火。両方の力を備えている!」
「これ、火も撃てるの?なら!」
フォーゼは銃身を縮め、火炎モードに切り替えて両手で持って火炎弾を放つ。
何発か放ち相手の火炎弾を相殺して本体に当てて地上へと落とす。
「これすごい!」
「なかなかやるじゃない。これならどうかしら?」
アルターは杖を振りかざして攻撃してくるがフォーゼは左腕で受け止め、ほぼゼロ距離から火炎弾を放つ。
「キャァ!」
「よし、このまま一気に決める!」
アルターと距離をとったフォーゼはランチャーをオンにする。
(ランチャー・オン)
そしてレバーを操作しようとするが由紀江が現れアルターを庇う。
由紀江のまさかの行動に大和とフォーゼは驚く。
「まゆっち!?」
「まゆっち!?どうして!?」
「スバルさん、助けてくれたことは感謝してます。ですがこの人にも何かの負い目があるはずなんです!」
「まゆっち・・。」
由紀江はアルターに何かを感じていた。
人見知りの激しい由紀江の言い分にフォーゼは手を下ろしてしまう。
「あなたも何か負い目があるのね?なら私と共に行きましょう。」
「・・はい。」
アルターは由紀江を連れてその場を飛び去る。
その場にはフォーゼと大和だけが残った。
「まゆっち・・どうして・・?」
説明 | ||
IS・・ ヒーハックガンを構えるフォーゼ。 このあとすぐ・・! |
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