第二十三話 魔眼の能力と二回目の儀式 |
アニスサイド
「なぁ、儀式って一体何をやるんだ?」
そう言えば、まだ説明してなかったな〜
まぁ、簡単に説明すればいいか。
「簡単に言えば、悪魔と戦う事」
「悪魔……って、嘘だ〜」
「いや、ホントホント。まぁ信じるか信じないかはヴィータちゃん次第だし。さて、儀式は今日の夜中。みんなが寝静まった時にやるからね」
俺がそう言うと、ヴィータちゃんは少し、顔をしかめた……。
何か不都合でもあったのだろうか?
「何か不都合でもあった?」
「いや……いつもはやてと寝てるから、夜中に起きたら怪しまれないかなって……」
「ん〜、そうか……。だったら、今日は俺と一緒に寝るってはやてに言えば?」
「それだと、はやても一緒に寝るとか良いそうなんだけど……」
あ〜、そうか〜……難しいな〜。
どうしたら良いかな?
「もういっその事、トイレで起きたって言えば良いんじゃないかな?それか、はやてに気づかれないように起きるとか」
「……アニスって案外デリカシー無いんだな……。でも、やっぱ気づかれないように起きるしかないよな〜。アンクは良い案無いのか?」
「気絶させる」
「……アンクに聞いた私が馬鹿だった……」
「てめぇ……」
アンクはヴィータをにらむ睨む。
そしてヴィータも負けじとアンクを睨み返す。
「ま、まぁまぁ!二人とも落ち着いて!それじゃあ、ヴィータちゃんははやてちゃんに気づかれないように部屋から出て俺と玄関前で合流って事で良い?」
「うん、それで良い」
「オーケー。それじゃあ、これでお開き。後は夜を待つだけだね」
さて、この魔眼どうしようかな……。
まぁ、さっき目を見たけど、特に色とかは変わってなかったし、大丈夫だろう。
それにしても……魔眼か〜。正直要らないんだよね〜。
でも癪だけど、これに頼るしかないんだもんね……。悲しいな〜。
「はぁ……」
さて、これからどうしようかな〜……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と言う訳で、うだうだ考えても仕方がないので、少しだけ魔眼を使う事に。
魔力とか使わないから、ただ見ただけで物質を変えたり出来るらしい。
つう事は、石を武器に変えたり、空気を水に変えたり出来るのかな?
まぁ、複写眼は見ただけで魔法をの術式を覚える事が出来るのだから、そう言う魔眼があっても良いのかな?
「まぁ、良いや。少しだけやってみよう」
つう訳で、ただ今庭です。
家の中でやるのも何だし、どうせなら石が落ちてる所の方が良いじゃん?
「でも、どうやって発動させんの?念じれば良いの?それとも常備展開しとけって事?」
空の境界の両儀式みたいに、死の点が見えたりしねぇよな?
あれ、かなり物騒だから、やめてよね。
「ん〜、現れろ俺の魔眼〜。ん〜、ん〜!見えた!」
俺は目を瞑っていた両目を一気にカッ!と開く。
さて、手鏡手鏡……。
ありゃ、何にも変わってないや……む〜、どうやら違うようだ……。
「あーうー……分からないよ〜……」
どうしたら良いのやら。
もしかしてあれか?命の危険に晒されたときに開眼するとか?
はは、厨二乙。でも、そうしたら魔眼授ける意味なくね?今出来なきゃ儀式でも使えんのだし。
たぶん、あの二人だけでもやれると思うけど。
まぁ、使えないなら仕方ない。
魔眼には悪いけど、このまま封印しておこう。
「まぁ最後にもう一回……」
俺は最後に、そこら辺に転がってる石を睨んでみる。
……うん、やっぱ何にも変わんないか……。
そう思いながら、俺は家の中に入ろうとする。
だが。
バキャッ!
何かが砕ける音が聞こえた。
俺は、音がした方を向く。そこには、さっき俺が睨んでいた石がある所だった。
だが、先ほどの石は、ハンマーで思いきり叩かれたように粉々になっている。
「……え〜っと……あはは、これってもしかして、魔眼の効果……なのかな?」
確かこの魔眼には、分解、吸収、放出、変換が出来るって言ってたな。
じゃあ、これは分解?
……………あ〜、なるほど、やっとこれの本質が分かった。
これは、魔法を吸収する際、分解し、吸収する事が出来るんだ。
そして、分解の工程を行わないで吸収したら、それが魔力に変換される前に放出を行えば、相手の攻撃魔法をそっくりそのまま返せるってわけか……。
そして、魔力回復も行えるし、相手の武器を見ただけで分解も可能。
人間にはこの魔眼は効果を示さないので、小さいペンダント型のデバイスとか、指輪型のデバイスを見立ても、人間は分解されず、デバイスが優先的に壊される。
更には、相手のの周りの空気を物質変換し、有から無に変えることもできる。
なので空気を奪い真空にし、殺せたり出来る。
空気を無数の刃に、空気を雷に、空気を毒に、空気を重力に、空気を火に、空気を光に、空気を水に、空気を土に、空気を風に。
使い道は裕に無限……って事か……。
もはや錬金術も使えそうだな、この魔眼……おぉ、怖い怖い。
「……さて、中に入ろうっと」
何か、ホントにとんでもない物をもらっちまったな〜。
はぁ、あの馬鹿神目。ホント要らん事をしてくれた。どうすんだよコレ、ただでさえガッシュの呪文はタイムラグ無しで使えるし、斬魄刀はほとんど使えるし。
それに、まふだ試してない物もあるし……。お前、ネギまの魔法何てそんなに使ってないんだぞ?
「まぁ、なるようになれだな……。頑張りますか」
とにかく、今日は儀式を終わらせて、この身の呪いについて考えないと。
時間が無いんだから……それに……お父さんとお母さんも探さなきゃ。
「……お父さん、お母さん……」
絶対……見つけるから……。
〜キング・クリムゾン〜
はい、あっちゅ〜間に夜になりました。
キンクリ様々ですね……あ、メタ発言駄目、絶対?
すみませんなのです……。
「あ、アンクもう居たんだ」
「あぁ、つい数分前に準備終わらせてな。後はヴィータだけなんだが……」
「ん〜、やっぱり難しかったかな?」
「……いや、どうやら来たみたいだ」
俺は後ろを振り向く。
そこにはいつもの格好をしたヴィータが立っていた。
「良かった、気づかれないで出てこれたんだね」
「うん。はやてグッスリ眠ってたし。大丈夫だったよ」
「そう。それじゃ、準備は良い?ヴィータちゃん」
「……なぁ、今まで思ってたんだけど……ちゃん付けは止めて欲しいって言うか……その……」
「嫌だった?」
「いや……何て言うか……呼び捨てで呼んでもらいたくて。はやてだって呼び捨てで呼んでるから……アニスにも呼んでほしいって言うか……子ども扱いしないでほしいって言うか……」
「……うん、分かったよヴィータ。それじゃ、行こうか」
「……うん!」
まぁ、これ位なら良いか。
俺も呼びづらかったし、それに……少し距離が縮まったとも思えるしね。
そう思いながら、俺は玄関のドアを開け、外に出る。
そして、目に映ったのは、久々の灰色の空間。
ヴィータはいきなり空間が変わった事に驚いているが、たぶんそんな暇は無いと思う。
まさか、今回はそっちから出向いてくれるとは。
「あら、こんばんは」
「あ、どうもです……」
「貴方がアニス君……で良いのかしら?」
「あ、はい……よろしくお願いします」
「ふふ、よろしくね。私はイシュタル、二人目の悪魔よ」
「イシュタル……あれ?イシュタルさんって、女神の筈じゃ……」
「あら、良く知っているわね。そう、私は元、女神なの。私に名前から女神って分かってるのなら、分かるでしょ?私が何をしたのか」
イシュタル。
バビロニアの豊穣の女神の一人で、ギルガメシュ叙事詩で知名度を高めた事で有名な女神だ。
冥界に囚われていた神、タムムーズを助ける為に、自発的にアラルにくだった女神の筈……。
まぁ、少し話がアレになっちゃうから後は省くけど……。
「あれ?人間界ではそんな事になってるんだ?」
「え?違うんですか?」
「ただ私は、天界の仕事がめんどくさくて、定期的に冥界に遊びに行ってたら、堕天しちゃって。それで部類もいつの間にか悪魔にされちゃってたんだ〜。アラトゥが気を利かせてくれてさ〜。今では自堕落のニートまっただ中なのよ!」
うっわー……最初の威厳あるオーラがすっかり見えなくなっちゃったよこの人……。
つうか、まさかそんな事になってるとは……話変わり過ぎだろ……。
「いやいや、それにしても人間の妄想は怖いね。アラトゥがデーモンとナムタルーに命じて、裸になった私を襲わせるなんて……そんなのある訳ないよーwwww人間の妄想の方が怖いよ」
……はぅ、この人も痴女系の人だった……。
ちくせう……まともだと思ってた俺のバカ!
「コラそこー?そんな痛い子を見る目で見ないの!お姉さん怒りますよ?」
「……おい、こいつにも勝ったら使い魔になるのかよ……」
「さ、さぁ〜……」
「……こいつ……私は苦手だ……」
「あらあら……お姉さん悲しみますよー?ま、良いですけどね。さて!それでは儀式を開始しましょうか。私はもう準備万端なので、あとはそちらだけですよー?」
う〜ん。
まぁ、こっちも準備万端だし……。
「二人とも、行ける?」
「当たり前だ。もうグリード化は済ましてある」
「グラーフアイゼン、行くぞ!」
《Jawohl》
ヴィータはグラーフアイゼンを起動させ、騎士甲冑になる。
まぁ、アニメ本編となんら変わってないのだが、生で見るのは感動的だね。
つか、原作キャラのバリアジャケット見るの、ヴィータが初めてだな。
「それじゃあ、二人ともお願いね!俺も出来るだけ、サポートするから!」
「任せろ」
「私とグラーフアイゼンなら大丈夫だ!」
「……準備は良いですね?……それでは……行きます!」
イシュタルはそう言うと、武器を取りだし……。
って……おいおい……そんなのありかよ……。
「二人とも!あの武器に気を付けて!」
そう、イシュタルが持っている武器……。
それはこの世全ての宝具の原典の王……英雄王ギルガメッシュ……正しくはギルガメシュが持つ、最強の武器……。
|天地乖離す開闢の剣《エヌマ・エリシュ》……何でそんな物を……。
「あら、やっぱり分かりますか……。これは|天地乖離す開闢の剣《エヌマ・エリシュ》……私はバビロニアの豊嬢の女神なんですよ?一応オリジナルではありませんので、そこまでの力はありませんが……慢心せずして掛かって来るが良い!人間!」
っと……これはこれは……大層な事を。
でも、あの闘気……正直ヤバいな……。
「アニス、指示を頼む!お前だけがあの剣の能力を知っている!どうやって戦えば良い!」
「……あの剣に……弱点は無い……近距離、遠距離、どちらも最強。でも、やるとしたら近距離で、技を放たせる前にイシュタルさんを叩けば、十分行ける!だから、近距離で戦って!」
「分かった!行くぞ、グラーフアイゼン!」
《Ja》
ヴィータはアイゼンをギュッと握りしめ、勢いよく掛けて行く。
大丈夫かな……まぁ、こっちもサポートしてやんよ!
「アンク!ヴィータと同じく戦って時間を稼いで!俺はその間に、準備をしとく!」
「分かった。だが、何の準備だ?」
「……あの剣の技を封じる準備だよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
イシュタルサイド
「ハッ!」
ガキン!
「動きが単調すぎますね。そんな事では、足元を掬われますよ?」
私は、ヴィータと呼ばれているこの足を払う。
その子はそのまま転ぶが、すぐに立ち上がりまた攻撃を開始する。
ガキン!ブン!ドガァ!
……なるほど、力はあるようですね。
これは、一撃喰らえばひとたまりもない……。でも、これ位の攻撃なら十分に避けられる……。
だけど……。
「貴方が厄介そうですね、アンクさん?」
「ハァッ!」
ガスッ!
アンクと言う男の蹴りが私を襲う。
だがその蹴りを私は受け止め、そのままがら空きのボディーに剣を付く。
ドスッ!
「ガハッ!」
全く、この剣に刃が無くて良かったですね?
今頃貫通してましたよ?
「い、け……ヴィータ!」
「言われなくても!アイゼン!!」
《Explosion Raketenform》
ほぉ、これはこれは……まさかこの男が囮とは……。
でも、一体何をしてくるのでしょうか?
そう思いながら見ていると、さっきまで小さかったハンマーが、形を変えて大きくなっている。
「ラケーテン!!」
シュゴッ!ゴォォォォォ!
そして、ハンマーの片側から炎が噴き出し、その勢いで女の子が回り始める。
その勢いは徐々に加速し始め……。
「ハンマァァァァァア!!」
シュッ!ヒュゴォォォォォ!!
そのまま突っ込んでくる。
だけど、さっきとは比べ物にならないスピード……。
だったら……。
「起きなさい、エア……」
キュイィィィィィィィン!
私の声に反応し、エアが回転を始める。
そして、私は男がエアを掴んでいる手を強引に引っぺがし、女の子の攻撃をエアで受ける。
ドガァァァァン!!
「……なっ……受け止められた……」
「……どうやら、その程度の様ですね……ハァ!!」
私はハンマーを弾き上げ、そのままエアを振り降ろす。
《Panzerhindernis》
ガキン!
だけど、その攻撃は障壁で止められる。
「サンキューアイゼン!」
くっ……結構固いわね……。
だったら……こうしましょう……。
私は女の子から距離を取り、狙いを定める。
なるべき手加減はする……だけど……三人いっぺんに終わらせます!
「……|天地乖離す《エヌマ》」
キュィィィィィィィン!!!
さっきよりも回転が速くなる。
そして、徐々に剣に力が溜まってくる……。
その時。
「二人とも!俺の後ろに!」
なっ!?何で近づいてくるの!?
ヤバい、もう止められない!?
「|開闢の剣《エリシュ》!くっ、避けなさい!」
幾ら加減してるとは言え、こんなに近づいていたら、大怪我じゃ済まないわ!
お願い、避けて!
だけど、私の心配は杞憂に終わった……。
「ハァァァァ!!」
私の攻撃が、小さくなっていく……。
それも……凄く速い速度で……。
そして、見えてしまった……。
あのアニス君の目の色が……変わっていたことに……。
あれは……神しか持ちえない最悪の魔眼……どうしてあの子が……。
だとすれば、攻撃が消えたのは……分解を使ったのね……。
やれやれ、じゃあ初めから勝ち目がないじゃない。
私はそうそう思い、エアをしまう……はぁ……負けだわ負け負け。
アニスサイド
やっぱりは放って来たか……。
それにしても、ぶっつけ本番程怖いものは無いな。
死ぬかと思ったよ……。
それに、ちゃっかり魔力も吸収しましたので、少し体が軽くなった気がする。
そんな事を思っていると、イシュタルが何故かエアをしまった。
いきなりどうしたんだ?
「あぁ、負けた負けた。まさかそんな隠し玉があるなんて思わなかったわ。隷属・宝石の魔眼だ何て……どの神でも、悪魔でも相性最悪じゃないの。攻撃を見るだけで分解するだなんて……このままだったらエアも分解されるか吸収されるか、分からなかったわね……」
「……っと、それじゃあ……」
「えぇ、第二回目の儀式も無事クリア。おめでとう」
「……ふぅ……終わったぁ〜」
俺は地面に座り込む。
いやぁ、案外度胸要るわこれ……技の真ん前まで来て見なきゃならないから、恐怖が倍増。
なのはの砲撃とか目の前で見たくねぇよ……。
「良かったな、アニス!でも、今のは何なんだ?」
「あぁ、魔眼って言ってね。俺のレアスキル。魔力が使えないから、魔力なしで使えるこの目が今の俺の武器。まぁ、癪だけどね」
「そうなのか……」
ありゃりゃ、何かヴィータが少し驚いてるね。
まぁ、俺も驚いてるわ。
「さて、契約しちゃいましょうか」
あぁ、そうだった。
勝ったら契約しなきゃならないんだった。
それよりも……。
「イシュタルさんの契約方法は何ですか?前のザゼルさんは、俺の血を吸う事でしたけど……」
「あぁ。私との契約は簡単よ?手出して?」
「あ、はい……」
俺はイシュタルに言われたとおり、手を出す。
因みに右手だ。
「それじゃ……」
チュッ……。
イシュタルは片膝を付き、俺の手の甲に軽いキスをする。
その瞬間、イシュタルの体が光だし、数秒で収まった。
「……これで契約は完了しました。それでは私は悪魔界に帰りますので、用事があれば、ザゼルと同じ呼び方で私を呼べますので。それでは」
そう言って、イシュタルは帰って行った。
「……ふぅ……それじゃあ、もう寝ようか。儀式も終わった事だし」
「そうだな」
「……今ので終わりなのか……」
「でも、後何回かあるし。その時は、またよろしくね、ヴィータ」
「あぁ、任せとけ!」
そう言って、良い笑顔で俺を見るヴィータ。
さて、後何回儀式があるんだろうな……まぁ、頑張ろう。
そう思いながら、俺達三人は家の中に戻り、各自の部屋で、そのまま眠りについた……。
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魔眼も厨二乙 | ||
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