管理・THE・白書  私が死んだ理由・・・?ショック死ですが、なにか?
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〜???side〜

 

 

「・・・・・・・んぅぇ?」

 

 

そんな間抜けな声と共に、私は目を覚ました。しかし、いつもと様子が違うことに気がついた。

 

 

「・・・何で私が下にいるの?それになんで浮いてるの?」

 

 

私は下に自分がいるのを確認した。その顔は穏やかそうに眠っていた。

 

 

「お、ようやく気がついたかい?」

 

 

ふと後ろから声がしたので振り返ると、ピンクと紫の中間に位置しそうな着物を着て、右手にはオールのような棒を持った、水色の髪を後に束ねてポニーテールにした女性だった。

 

 

「・・・・あの・・・、あなたは?」

 

 

「あたしの名前はぼたんっていうのさ。よろしくね〜」

 

 

そう言って女性はヒラヒラと手を振って朗らかに笑った。その笑顔を見て、私は何故だか安心したような気持ちになった。本当に何故だかは分からない。ただそう思っただけなのだから。

 

 

「ん〜。その顔は何考えてるのかはわかんないけど、あたしの話しても大丈夫かい?」

 

 

「ふぇ?あ、はい!」

 

 

ぼたんさんの困ったような表情を見て、私は何故だか改まって背筋を伸ばしてしまった。

 

 

「そ〜こまで硬くならなくても大丈夫さね。んで、あたしの話っていうのはね・・・・」

 

 

ぼたんさんが言った言葉を聴いた瞬間、私は耳を疑った。それは当たり前じゃないか。だって

 

言いにくいんだけど、あんた死んじゃったんだよね・・・・・・

 

そんな事を言われたら、これは夢だと思うか、あぁ、自分は頭イカレタなと思うしか選択肢は無い。

 

私がそんな事を考えているとは露知らず、ぼたんさんは話を続ける。

 

 

「死因は心労と脳梗塞が重なったショック死だね。あんたの兄さんが死んだショックで、色々溜まってたのかもねぇ〜」

 

 

そういうぼたんさんの目は、すでに抜け殻となった私の身体に向けられていた。ただ、どういうわけか、先程からぼたんさんはしきりに、「う〜む」とか「何でなのかねぇ〜」とか呟いている。

 

 

「あの・・・・・・なんでってどういうことですか?」

 

 

私はなんとなく気になったので、ぼたんさんに質問をしてみた。するとぼたんさんは、あぁといって私にとんでもない事実を話し始めた。

 

 

「実はね、あんたは本来死ぬはずがないんだよ」

 

 

「・・・・・・は?」

 

 

この人は何を言っているのだろう?現に下にいるのは私ではないか。

 

 

「本来あんたは、あんたの兄さんの死を乗り越えて、あんたの兄さんの夢だった執務官を目指すために必死になって苦労や努力をしていくはずだったんだよね」

 

 

「な・・・・・」

 

 

私は驚いて声も出なかった。本来はということは、いまここに居る私は一体何なのか?そんな懐疑心に見舞われてしまった。それを察したのか、ぼたんさんはオール(櫂という名前があるらしい。by作者)に跨り、視線で乗れといってきた。

 

一体なにをするつもりなのだろうか。

 

そう思うも、私はぼたんさんの指示に従った。すると、ぼたんさんは櫂の柄を上に上げて、急上昇を始めたのだ。

 

 

「うわぁああああああああ!?何いきなり急上昇始めてるんですかー!!」

 

 

「あははっ、ごめんごめん」

 

 

ぼたんさんは笑って誤魔化した。冗談じゃない。落ちたらどうする気だ落ちたら。

 

この高度(飛行機が上昇出来る限界の高度だといえば分かっていただけるだろうか?)だ。下に落ちたら間違いなくペシャっと逝く。

 

あ、死んでるからもう死ねないのか。

 

そんな馬鹿なことを思っていると、いつの間にか巨大な門の前に来ていた。

 

 

「この先にはね、あたしの上司であるコエンマ様がいるからね。失礼のないようにしなよ」

 

 

「は、はい!!」

 

 

私はその言葉を聞いて背筋をまっすぐ伸ばした。そして、巨大な門を潜るとそこには・・・

 

 

「おい!!3丁目のエルマイアさんがもう来てんぞ!!」

 

 

「何ィ!?予定よりも3週間も早ぇじゃねぇか!!蘇生処置掛けろ!!」

 

 

「んなことより6番街のイワノフさんなんとかしてくれよ!!こっちも手一杯なんだよ!!」

 

 

「おい!!アストラルへの依頼料と謝礼金の支払い済んでねーぞ!!」

 

 

「それは金融部行け!!ここは霊魂監視部《れいこんかんしぶ》だ!!!」

 

 

「・・・・・・・何これ?」

 

 

私は中の現状を見てそう呟くのが限界だった。

 

だって明らかに威厳というか尊厳がある門をくぐったら、まるで大忙しの管理局のような感じを醸し出していたからだ。

 

(簡単にいえば、震災直後の都道府県庁をはるかに超えるあわただしさかな?by作者)

 

・・・・・いま誰かいたような気が・・・・、気のせいか。

 

 

「ん〜と、コエンマ様はどこかねぇ。あ!いたいた!!コエンマ様〜!!ティアナ・ランスターちゃんを連れてきましたよ〜!!!」

 

 

ぼたんさんは書類の山が置かれているところに大声で話しかける。すると、書類の山がガササッと動き、その中からおしゃぶりを銜えた赤ん坊が出てきた。

 

 

「おぉ〜、ぼたん!!漸く戻ってきたか!!」

 

 

そう言いながらも、そのコエンマと呼ばれた者の手は書類と思われる紙に判子を押し続けている。その姿を見て、私は思わず叫んでしまった。

 

 

「あ、赤ん坊が喋ってるぅううううううううううううううううううう!!!?!」

 

 

「やかましい!!赤ん坊ちゃうわ!!!」

 

 

私が叫んだと同時にコエンマが怒りの怒声を挙げた。さすがにうるさかったか。

 

 

「まったく・・・。幽介と同じ反応をしおってからに・・・。予想外というのは何故こうも儂を赤ん坊扱いしたがるんだ・・・」

 

 

コエンマは明らかに別の理由で落ち込んでいる。叫んだことが理由で怒られなかったのは良かったが、先程からコエンマとぼたんさんが言っている幽介というのは誰なんだろう?

 

 

「さて・・・。ぼたんから大体の説明を受けておると思うが、儂がこの霊界の責任者の一人であるコエンマじゃ。一応言っておくが、儂はこう見えてもお前より長生きしておるから、その辺は忘れてはならんぞ?」

 

 

「あ、はい。先程はすみませんでした」

 

 

そう言って私は頭を下げた。それに対してコエンマ・・・じゃない、コエンマ様はよいよいと言ってカラカラと笑っていた。

 

 

「頭を上げていいぞティアナ・ランスター」

 

 

そう言われたので頭を元に戻すと、コエンマ様が真剣な顔を私に向けていた。その表情に、私は思わずゾクリとしてしまった。それを知ってか知らずか、コエンマ様は話を始めた。

 

 

「ティアナ・ランスター。お主には今、二つの選択肢がある。一つは書類上の手続きをして輪廻転生の輪に戻るか、二つ目はとてつもなくキツイ修業をして現世に戻るか。この2択が残されておる。お主がどれを選ぶのかは自由だ。儂等は何も言わん」

 

 

そう言ってコエンマ様は話をやめた。正直、そんな事は決まっている。私は・・・・。

説明
11年前・・・。

私は兄が死んだショックで死んでしまった。

だが、そこで私は幽霊の状態となり、霊界案内人と呼ばれる女性から、

「あんたは本来死ぬべき人間じゃないんだけどねぇ〜」

と聞かされた。

その為、あの世に逝っても私の居場所は無いとの事。しかし女性は、

「ま、例外はあんただけじゃないから安心しな」

といって女性は霊界へと連れて行き、なぜか私は修行をすることとなった。・・・・・・・なんで?

これは、伝説の戦士達が丹精込めて育てた弟子であるティアナ・ランスターが、強力な力を持って6課の隊員になって、人生を謳歌する物語である。
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