IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ― 七話 |
「もうすぐクラス対抗戦だね」
「そうだね、二組のクラス代表が変更したって聞いてる」
「あ〜、なんとかって転校生に変わったんだよね」
織斑先生が来るまでの間、俺、箒、オルコット、布仏、その他数人で軽い雑談をしていた
で、原作通りに行くと鈴か……
箒とは変わらず幼馴染だった……鈴も幼馴染なのかな?
「転校生?今の時期に?」
「うん、なんでも中国から来た子だって」
「ふん、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」
「どんなやつだろう。」
知ってるけどとりあえず知らないふり
「なんだ?気になるのか?」
「まあね」
「ふん!」
なんで機嫌悪くなるの?箒さん
「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから、余裕だよ」
「―――その情報、古いよ。二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」
声をしたほうを見ると
ツインテールの髪に小柄な体格をした女子がいた。
お、ご登場か……
「中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」
ううーん、やっぱり原作通り格好つけるのはあんまり似合ってないね
「つ、士……」
お、俺に気づいた……って事は知り合い
さあ、幼馴染みたいな穏やかな関係か否か……どっちだ?
「あ、あんた……元気してたの?」
ん!?何だ?どうしたんだ?
コレが鈴?
俺の知ってる鈴はこんな感じじゃないんだけどな……
「そ、その……私が転校してからどうなったの?IS部は?」
IS部!?なんだそれは!?
フォーゼの仮面ライダー部でもモチーフにでもしたのか?
意味分からん!
「あ、ああ……解散ってか廃部になったよ」
とりあえず適当に話を合わせとくか……
「そ、そう……」
「お、おう……」
………気まずい!
なんだ?どうなってやがるんだ!?
くそっ!
「あ、私……そろそろ教室戻るわね……」
「あ、ああ……また後でな」
何がどうなってやがる……
時は流れ流れて夜
俺は一人、部屋のベッドで横になっていた
原作ではあのあと食堂で一悶着あるんだがそんなことはなかった
確かに食堂で鈴と会ったし、箒やセシリアとのコンタクトもとった
しかし、それ以上の事が起きなかったのだ……
ただ、分かったことそれは
―――彼女は俺といるとき始終悲しげな顔をしていた
「くっそ!」
やりきれない
さすがにこれは気分が悪い、悪すぎる
「士様」
声がする
体を起こすと
「神様……」
そう、俺をこの世界に送り込んだ張本人がベッドから少しはなれた位置に立っていた
「士様、申し訳ありません」
「謝るのは後ででいい……とりあえず説明してくれ」
怒気を孕んだ声
自分らしくないのは分かっていてもやはりそうなってしまう
「はい……」
神様いわく
原作通りの箒の転校後、鈴が転校してきた
どうやら俺は鈴に振り回されるような日々を過ごしていたらしい
中学に上がったある日彼女は言い出したらしい
『―――部活を、作ろう』
そうしてできたのがIS部
先生との猛講義の末、手に入れたらしい
その活動の最中俺は頑張りすぎて倒れたんだと
で、そうして苦労してできた部活
ひどく小さな部室ではあったが満足はしていたある日―――
―――鈴は転校した
そのまま部は廃部
自分のわがままで俺が倒れるまでして作った部活を自分が壊してしまったことに引き目をかんじているらしい
「説明不足でした。申し訳ありません」
「はあ……また面倒なことになっちまったな」
どうするよ?
引き目を感じるも何も実際あったことじゃないし
最悪、俺はそんな目にあってない
なのに……
「それは、あんまりじゃないか?神さんよ」
「はい……」
反省はしているのか頭を上げずひたすらに下げている神様
「一人にしてくれ……」
「はい……」
「全部、なんとかする。だから事が片付いたらもっかい俺んとこ来てくれ」
「分かりました……失礼……します」
そして、消える神様
さて……どうするかな
箒Side−
最近、士の様子が変だ……
具体的になんて言えばいいのかは分からない
しかし、明らかに変なのもまた確か……
朝は絶対に食堂では会わないし、ホームルームの時間ギリギリに教室に入ってくるし
そのときもイヤホンで音楽を聴いているのか皆の挨拶にも応じない
休み時間に入れば必ず教室から出て行く
一度後をつけてみたがそのときもイヤホンをしながらぐるぐると校舎内を歩いているだけ
「どうしてしまったのだ……士」
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