IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ― 二十八話 |
専用機持ち女子ズside―
『千冬姉、久しぶりで緊張でもしてんのか?』
『そ、そんな訳あるかぁ……ほぉ〜……しかし、これはいいな』
『よっと……』
『ば、ばか!加減を……しろ』
『えーらい、可愛い声出てんぞ……こんなもんか?』
『くあっ!そ、そこは……やめっ……ぅぅ!』
『すぐに良くなるよ……結構溜まってるみたいだしな……』
『ああぁぁっ!』
…………………
箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、簪は顔を赤らめながら入り口のドアに張り付いていた
端から見れば完全に不審者だが、今の彼女達にそんな余裕はない……
「ど、どうなってんのよ!」
鈴が小声で突っ込みを入れる
「し、知りませんわ……」
「ぼ、僕もたまたま、前を通りかかっただけだから……」
「私もだ……」
「私、は……士に、会いに、来た……」
「更識……お前、凄いな……」
『じゃ、次は……』
『士、ちょっと待て……』
バンッ!
「「「「「へぶっ!」」」」」
勢い良くドアが開けられた……
「何をしているか……馬鹿者が……」
「お、よぉ皆!遊びにでも来たのか?」
軽い口調で聞いてくる鈍感の笑顔が眩しい……
士side-
「何をしているか……馬鹿者が……」
千冬姉が勢いよくドアを開けたかと思えば……
「お、よぉ皆!遊びにでも来たのか?」
専用機持ちの皆だった
「まあまあ、入れよ……」
「……ふんっ、せっかく来たんだ、入っていけ……」
なーんで、そんなに不機嫌そうにするかな、千冬姉……
チェアにはもうすでに俺と千冬姉が座っているため6人が正座をする
なんか、申し訳ないんだけど……
「はふ〜、さすがにちょっと疲れたわ……」
「マッサージで疲れるとは訓練が足りていないのでは?」
「疲れるくらい頑張ったんだよ……千冬姉のためにな」
「……っ!そ、そうか……私の為か……ふふっ……」
「マッサージ?」
シャルが聞いてくる
「おう、マッサージ……なんか、変か?」
「い、いや!なんでも、ないよ〜」
なぜか知らんが皆胸を撫で下ろしている
ん?
「士、何か飲み物でも買って来い」
「へーい」
えーと、ヘッドフォンどこやったっけ?
「はぁー、また音楽か……」
「千冬姉は音楽、聴かない人だからな……」
「いいから、早く買って来い」
はーい
ドアを開ける
専用機持ち女子ズside-
ビール片手に片膝をつきながら座っている千冬が
「おい、いつもの馬鹿騒ぎはどうした?」
と、聞く
「い、いえ、その……」
「お、織斑先生とこうして話すのは、初めてですし……」
「まぁいい。そろそろ肝心の話をするか」
「で?お前らあいつのどこがいいんだ?」
「わ、私は……格好いいから……では、ダメでしょうか?」
「はははっ!まあ、原点帰ってと言うところか……」
「わたくしは……男らしさがある、わたくしの理想の男性だからですわ!」
「ほぉー」
「私は、どんな時でも助けてくれるところでしょうか……」
「なるほどな……」
「僕……私は、優しいところ、です///」
「アイツは、誰にでも優しいぞ?」
「そ、そうですね……」
「お前は?ボーデビッヒ」
「強いとこが……でしょうか」
「ま、アイツもそこそこは強いか……」
「わ、私は……そ、その、アニメの、ヒーロー、みたいに……頼りに、なるし、……強いし、格好いい、から……ですぅ///」
「ヒーロー……か」
「はい……」
「まぁ確かにあいつは家事も料理も出来るし、成績も良い、それにマッサージも上手い。付き合える女は得だな。どうだ欲しいか?」
「「「「「「くれるんですか!!!!」」」」」」
「やるか馬鹿」
「「「「「「えーーーーーー」」」」」」
「女ならな奪うくらいの気持ちでなくてどうする。自分を磨けよガキども」
士side-
翌朝
「ふわぁ〜、箒?」
俺ははあくびをしながら、別館へ向かう途中で箒と会った。
箒の視線をたどると
道端にウサギの耳が生えている。しかも『ひっぱってください』と書かれた木製の板も一緒で
汚い字だな……
「なあ、これってもしかして……」
「知らん。私に聞くな」
それだけ言い去っていった
「おい!ほっておいていいのか?」
「何してらっしゃいますの?」
そこにセシリアが……
「いや、ちょっとな……」
「それ!」
ウサ耳を思いっきり引っ張る
『キィィィィン…………』
何かが落ちてくるのがわかる……そして
『ドガーーーーーン!』
何かが地面に激突した
煙が晴れると、そこには人参が地面に突き刺さっていた
すると、人参が真っ二つに割れて、中から人が出てきた。腰まである長い髪、ウサギ耳のカチューシャをつけ、青と白のワンピースを着た女性が
「つっく〜〜〜〜〜ん!!」
「ちょ、束さん!?急に抱きつかないでください!///」
中に入っていた束さんが急に抱きついてきた
「え〜〜!ずっと、会ってなかったんだよ〜。束さん寂しかったよ〜」
頬を擦り付けるな〜///
「ところでつっくん。箒ちゃんはどこかな?」
「えーと……」
どう答えればいいか迷っていると
「まっ、この私が開発した箒ちゃん探知機ですぐ見つかるけどねー、じゃあつっくん。また後でね」
そして探知機片手にどこかへ去っていった
「士さん?今の方は一体……?」
そんなに睨まないで……
「篠ノ之束さん。箒の姉貴さんだよ」
「えええっ!?」
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