<インフィニット・ストラトス> 金と銀の瞳が見据えるモノ 
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枠内を逸脱したIS運用をした場合、刑法によって罰せられ・・・」

 

副担任の山田先生が教科書を読み上げていく。

 

……だけど暇だ。

 

ISの代表候補生にとって座卓の授業は復習にしかならない。

 

もちろん復習も大事だよ?大事なんだけど勉強よりいろんな事をやりたいのがこの年頃の女の子の本音だよ。

 

一夏くんの方を向くと一夏くんは頭を押さえてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりかっこいいなぁ……精神的にも外見的にも。

 

 

 

バシィッ!

 

「あうっ!」

 

「代表候補生でも授業はちゃんと聞け」

 

「す、すいません……でも一夏くんが……」

 

「織斑がどうし――――ああ、成る程」

 

……かっこよくてって言おうとしてたんだけど

 

織斑先生は一夏くんの方向を向いて、こう言った

 

「織斑、さっきから頭を抱えているが、どうした」

 

「え゛……!あっ…………」

 

あー、なーる。一夏くんはわからない所があったから頭を抱えてたんだ。…………って、オイ私。気づくのが遅すぎるぞ。

 

「織斑君、わからない所があったら聞いてくださいね。何せ私は先生ですから」

 

えっへんと胸を張る山田先生。

 

「先生!」

 

「はい、織斑君!」

 

「全部わかりません」

 

わあお!部分的にわからないのかなって思ってたらまさかの『全部わかりません』ですか!

 

「全部……ですか……?」

 

山田先生の顔がひきつっている。

 

「えっと……今の段階で授業がわからないって人はいますか?」

 

山田先生が挙手を促すけど、誰も手をあげない

 

無論、私もね。

 

さっきも言った通り、座卓の授業は復習にしかならない。

 

「織斑、入学前に渡された参考書を読んでいないのか?」

 

「古い電話帳と間違えて捨てました。」

 

ゴッ!

 

わっ、今角で殴ったよ!?……頭蓋骨にひびとかいってないかな……

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者」

 

誰にでも容赦ないなぁ、織斑先生。

 

でもだからこそ世界一になれたと思うんだけどね。

 

「再発行してやるから1週間で覚えろ」

一夏くんは無理って言おうとしてるけど織斑先生のオーラに負けて顔を振っちゃった。いや、振らないとダメなんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

休み時間。

 

「一夏くん♪」

 

「ああ、磨美か。久しぶり」

 

「うん、久しぶりだね」

 

「おお、アーデルか、久しぶりだな。」

 

近くからポニーテールの女子がやって来た

 

「あ、ほーちゃんも久しぶり♪」

 

「そのほーちゃんというあだ名はどうにかならないのか…?」

 

「ならないよん♪」

 

「にしてもキャラ変わったな。小学校の時は暗かったのに」

 

「うん。にしても一夏くんは天然だね、あの分厚いやつを捨てちゃうなんて」

 

「……はい」

 

「だからね、一夏くん。私が一夏くんの補習の先生になってあげるよ」

 

「おお!それはありg「まて」箒?」

 

「どったの?ほーちゃん」

 

「一夏には私からISの知識を教えたい」

 

「ほーちゃん、確か暗記とかそういうの苦手じゃなかったっけ?」

 

「そ、そこはだな!気合いと根性、愛と勇気で埋める!」

 

「どこのア○パ○マンなの……?ほーちゃんはISの練習の相手をやったげて。剣技とかそういうの。ほーちゃんは運動担当。私は座学を担当するから。…………これなら平等に一夏くんと一緒にいられるでしょ?」

 

最後のほうは一夏くんに聞こえないように言った

 

「…………わかってるな、それならいいだろう。」

 

「交渉成立だね。」

 

「何がなんだかわからないが二人ともたすかr「ちょっとよろしくて?」はい?」

 

声がした方向を向くと、そこには金髪蒼眼の子がいた。

 

私はこの人の事をよく知っている。

 

「あ、イギリスの…………」

 

「あなたには用は無くてよ。磨美・アーデルハイトさん。それより訊いてますの?お返事は?」

 

「あ、あぁ訊いてるけど」

 

一夏くんがそう言ったらその女子はこう言った。

 

「まあ! なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」

 

…………うざいなあ。ちょっとだけムカってきてるんだけど…………。

 

「悪いな、俺、君の事知らないし。」

 

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを?」

 

「あ、質問いいか?」

 

「ふん。下々のものの要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」

 

「代表候補生って何?」

 

ズコッ!

 

うそっ!?代表候補生の意味ぐらいわかると思ってたのにっ!

 

「あなた本気でおっしゃってますの!?」

 

「おう、知らん。」

 

「い、一夏くん…………言葉から連想して……」

苦笑いしながら私が言うと一夏くんは頭の上に電球をうかべたような顔になった。

 

「ああ!俗に言うエリートか!」

 

「そう!エリートなんですわ!」

 

セシリアさんはキレる前のペースでそう言ってきた。

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡…幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 

…………自惚れてるなぁ……その『選ばれた人間』がここにもう一人いるのに。

 

少しO☆HA☆NA☆SIしなくちゃ

 

「セシリアさん」

 

「何でしょう」

 

「あなたの言う、選ばれた人間はもう一人あなたの目の前にいるんだけど」

 

「そんな事、わかっていますわ。で現実を理解していただけました?」

 

「そうか、それはラッキーだ。」

 

一夏くんが棒読みでそう言った。

 

「あっ、あなたねぇ……大体、あなたはISについてなにも知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。あなただけが唯一男でISを操縦できると聞いていましたから、少しくらい知的さを感じさせるかと思っていましたけど、 期待はずれですわね。」

 

「俺になにか期待されても困るんだが・・・」

 

「セシリアさん、あなた程の人間ならわかってるはずでしょ、一夏くんは保護と監視、両方の意味合いでここに入学させられてる事が」

 

「えっ、そうなのか?」

「そうなんだよ、一夏くん」

 

「っ――人の気に障るようなことばかり…ふん。まあでも? わたくしは優秀ですから、あなた達のような人間にも優しく接してあげますわよ」

 

そう言われて一夏くんは若干不愉快そうな顔になった。

 

私もそんな顔になってると思うけど。

 

「まあ、わたくしは入試で教官を倒したエリート中のエリートですから? ISについて分からないところがあれば、泣いて頼まれたら教えてあげてもよくってよ?」

 

「悪いけど、ISについては磨美が教えてくれる事になってるんだ。あともう一つ質問いいか?」

 

「先ほどの基本中の基本のような質問はお断りですわよ」

 

「入試ってあれか?IS動かして戦うやつ?」

 

「それ以外に入試などありませんわ」

 

「ああ、それなら俺も倒したぞ、教官」

 

「私も〜って知ってるか。セシリアさんなら」

 

「わ、私とそこにいるアーデルハイトさんだけと聞きましたが?」

 

「あなた!あなたも教官に勝ったというの!?」

 

「うん、まあ、多分」

 

「多分!?多分ってどういう意味かしら!?」

 

「まあ落ち着けよ、な?」

 

「これが落ち着いてられ――――」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「タイムアップだ、オルコット」

 

「っ・・・・・・!!また後で来ますわ!逃げないことで!?よくって!?」

 

「さっさと座れ、オルコット。」

 

「・・・・・・っ!はい・・・・・・」

説明
第3話 授業中は暇なんです
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