ゲイム業界を駆ける炎の獅子 第9話 協会2 |
「それで?どうして、レンはねぷ子と手を繋いで帰って来たのかしら?」
協会から帰って来た俺は、仁王立ちしそう聞いてくるアイエフの前に正座させられている。
「いや?、ちょっと色々ありましてですね」
「協会に人の居る前でいきなり抱き寄せて手を繋いで来たんだよ?.......レンさん大胆!」
俺が必死にアイエフを説得する真横で、ねぷ子が頬を赤くし両手で押さえながらこんぱに話している。
ねぷ子の話す姿は、それはもう、夢見る乙女の如し.......ていうかねぷ子、いらん事言わんでよろしい。
ほら、アイエフさんがこめかみに青筋を立てて怒ってらっしゃるじゃんか。
「.......」
沈黙が痛い。
「ねぷ子はあぁ言ってるけど。何か言い残す事はある?」
ひぃぃぃ......目が、目がマジなんですけど。
「あ。そ、それだよ.....ねぷ子の言うその協会の人、あの男が気になっただけだよ」
「えぇ!!レンさんってもしかしてホ≠ゥら始まる、そっち系な趣味の人!?orz」
またねぷ子は話をややこしくする、それになんで真剣に落ち込むんだ?......あぁこんぱも半泣きで怯えているし。
......さらに、前を向くとアイエフが完全に引いてる、めっさ距離取ってるじゃん!!.........泣いていいかな?俺。
「違う、断じて違うぞ!!変な誤解をしている様だが俺は至ってノーマルだ!!」
それから3人の誤解を解くのに1時間以上掛かりました.......正座したままで。
いい加減.....足が......。
「あの男からは、嫌や気配がしただけだ」
「嫌な気配?」
「あぁ。家の家系は話す事で相手の本質・人柄を見抜く能力に長けているんだが、
俺はそれが能力が以上に長けていて、見て相手の存在感、気配だけで本質・人柄が大体分かるんだ
まぁ、相手が善か悪か見分けれるだけで、相手の言葉が嘘か真かとかは、分からないけどね」
「成る程ね。じゃあ、レンが嫌な気配と感じたって事は.....」
「あぁあいつは警戒するべき奴だと言う事だ。
ねぷ子の手を握っていたのは、いざと言う時すぐ守れる様にだよ」
「なんだ、そう言う事」
ふぅ?どうやら、アイエフの怒りはおさまったようだ.......よかった、本当によかった。
「う?。ねぷねぷだけレンさんに守ってもらってずるいです」
「へへ?ん。いいでしょ//!!」
そんな事を思っていると、横でこんぱとねぷ子がそんな話しているのに気付いた。
「もし危ない目にあったらこんぱもちゃんと守ってやるぞ!.....勿論アイエフもな!」
「本当ですか!!嬉しいです!!」
「あら。ありがとう」
「あぁ。だって俺、3人の事好きだからな(仲間として).....好きな人を守るのは当然だろ?」
「「...............」」
「....まさかの告白!?私もレンさんの事好きだし(異性として)。
はっ!!もしかしてこれは相思相愛ってやつ(ブツブツ)///!?」
「....これは急な告白ですぅ。私もレンさんの事は気になってはいたですけど(異性として)、
ついさっき合ったばかりなので、展開が速い気もするですし(ボソボソ)////」
俺が3人に向かって笑顔でそう言うと、ねぷ子とこんぱが一瞬固まった後、真っ赤な顔でブツブツ言いだした。
....あれ?俺いま良い事言ったつもりなんだが、なんか変だったか?
「ありがとう。私も好きよ、レンの事(仲間として)!」
「ん?おう!」
そうそう、こういう返事を期待していたんだが.....って、ねぷ子とこんぱがめっさ驚いてる。どした?
「ア、アイちゃん。それは抜け駆けって言うんだよ。私もレンさんの事好きなんだから(異性として)///」
「そうですよアイエフさん。抜け駆けはいけない事ですよ。私もレンさんの事好きですから(異性として)///」
「ありがとな。2人共」
「「////」」
......にしても2人はアイエフに何を抜け駆けされたんだろうな?
「はぁ?あんた達。どうせレンの事だから、あんた達が期待している様な事は一切考えてないと思うけど?
現に私もレンの思考に合わせて答えただけだもの」
.....む。よく意味がわからんが、いまもの凄くバカにされた気分だ。
「なぁ一体さっきからなんの話をしてるんだ?」
「レンあんた本当に天然ね(可哀想に)。あんたが私達が好きな理由ってなに?」
なんだってんだ急に?.......にしても、あのあからさまに哀れんだ目はなんだ!?
「ん?それは仲間だからだけど........?」
”ピシッ”
「えっ!?」
俺がアイエフの問いに答えた瞬間。
何かにヒビが入る様な音が聞こえ、その場の空気が凍てついた。
「「レンさんもう一回わかりやすく言って(くださいです)」」
「あ、あぁ」
ヤバい!!2人共、完全に目が据わってるし、声が低くなってる。
さらに、なんか2人の背後に黒いオーラが見える。
...俺が2人に何をしたかは知らんが、これだけは言える......『この状況はヤバい』、と。
「だから。3人は仲間として好きなだ。だから守って当然じゃないか?.....って言ったのですけども」
”パリンッ”
「あっ割れた」
「「.....レンさん.....」」
「ひぃぃぃぃ」
俺にはそんあ悠長な事を考えている暇など無かったみたいだ。
目の前の2人の背後の黒いオーラはドス″浮「オーラにレベルアップし、
マンガの様に背後に”ゴゴゴゴゴッ”と言う文字が見えるんじゃないかと言う位の威圧感を放っている。
助けを求めようと、ちらっと2人の後のアイエフを見るが、アイエフは木陰で携帯電話をいじっている。
...おぃぃアイエフさん!そんな事してないで助けてくれ!!
訳も分からんまま、この世とおさらばなんてしたくないんですけど!!
そんな俺の心の中の必死の訴えが届いたのか、アイエフがこちらを見てくれた。
......と思ったら、アイエフは一度溜息を吐き、もの凄く良い笑顔で手を振った後、
口でなにやらパクパクと言っただけで、また携帯電話をいじり始めた。
俺に読唇術の心得はないんだけどなぁ...............なぜか、あの口パクは怖い程に良く理解出来た。
........『アンタが悪い』.....だってさ、ははっ。
「「余所見しない(です)」」
「はいぃ」
2人に怒られ、恐怖のあまり声が裏返ってしまった......こんなに恐怖したのは昔爺ちゃんの本気を見た時以来だ。
あはははは、もうこの状況を笑う事しか出来なくなっちゃった。
「「覚悟は良い(です)よね、レンさん?」」
えぇいままよ、こうなったらとことん受けきってやろうじゃないか。
俺は心の中で覚悟を決め、手で両頬を叩き、一言。
「ばっちこ?い!」
「「レンさんのバカ?!!」」
”バチ?ンッ”
「ぎゃああああああああ!!」
その場には乾いた音と同時に俺の悲鳴が響き渡る。
そこからは、なにがあったか覚えていない、思い出したくもない。
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な、なぜだ?! 思っている事が上手く文に表せない.... |
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