IP?インフィニット・ストラトス・パラドックス? 第四話 |
翌日、俺は箒と共に食堂に行き、朝食を取ることになった。
箒は和食メニュー、俺は洋食メニューだ。じゃないと、コーヒーが付いてこないんだ・・・・
毎朝俺はコーヒーを欠かさない。前までは朝早く起きて自分で淹れてたぐらいだ。
でも、ここのコーヒーはな・・・イマイチ・・・・でも、少なくても一週間はこれで我慢か・・・
「お、織斑君っ、隣いいかなっ!?」
「ん?」
話しかけられた方を見ると、そこには朝食のトレーを持った女子が三名、俺の反応を待ちわびるが如く立っていた。
「ああ。一緒に食べようか」
大勢で食べたほうが美味しいからね?。早く友達作りたいし?。
俺がそう言うと声をかけてきた子は安堵の溜息を漏らして、後ろの二人は小さくガッツポーズ。そしてその際に聞こえた周囲の声は無視。・・・うん、なんか嫌な予感がしたんだ。
その後、その3人と色々と話しながら朝食を終えた。その際、箒が不機嫌になって先に行ってしまったが・・・・何故?
さてさて、休み時間。だとしても、何処へ行ってでも、何をしてでも女の子ばっかりのここ、IS学園。
やれやれ・・・ひとりだけの時間が欲しいんだぜ・・。
「ねえねえ、織斑くんさあ!」
「はいはーい、質問しつもーん!」
「今日のお昼ヒマ? 放課後ヒマ? 夜ヒマ?」
山田先生と織斑先生が出ていった途端、女子の半数がすごい勢いで俺の机に詰めかけてきた。
・・・・怖いです・・
「とりあえず、落ち着こうか。一編に聞かれても、少なくとも俺は答えられない」
そしてそこっ!何整理券(有料)配ってんのっ!?人を使って商売するなっ!!少なくても許可とろうよっ!!
しかも、箒がまた不機嫌になってるしっ!!何でっ!?何でっ!?もう訳分かんないっ!!!!!
・・・・ウェーイ・・取りあえず落ち着こう・・・・・ビークール、ビークール。
「千冬お姉様って自宅ではどんな感じなの?」
「それは言えないな」
「え?なんで?」
「女性というのは秘密というベールを纏ってるからこそ美しいらしい。それに・・・」
「それに?」
「本人のいる前では喋れないだろう?」
「へっ?」
「とっとと席につけ。バカども」
俺の周りの女の子たちが素っ頓狂な声をあげた瞬間、その子たちにはまさに地獄からの呼び声が響き渡った。
まあ、俺は気づいてたけどね?。いやいや、皆の慌てる姿は面白いね?。
その後、皆が席についた頃を見計らって、授業は始まった。
「そうだ、織斑。お前のISだが準備まで時間がかかる」
へっ?・・・・それって政府で用意してるってこと?
「・・・織斑先生、それは政府で用意してるということですか?」
「そうだ」
「・・・・・・申し訳ありませんが、その必要はありません」
「・・どういう事だ?」
「自分のツテを使って用意しているからです」
俺がそういうと、織斑先生はハァ?っとため息をついた。・・・うん。千冬姉さんなら分かるよね?。俺がIS関係でツテを持ってるのはあの人と千冬姉さんぐらいだし。
「ということですので、政府にはそう伝えてください」
「・・・・・・分かった」
あの人のことを言えば、さすがの政府も黙るでしょ?。
クラスメイトは話しについていけないのか、疑問符を頭の上に出してる。あ、箒以外ね。箒は分かってるからね?。
その後、箒とその姉についての暴露があったが、概ね原作通りと言った感じだ。・・・・・・原作って何だ?
「間に合うのですか?」
「・・・さあな。あの人は気まぐれだ」
一瞬、何を指してるのか分けわかんなかったけど、次の瞬間には返答してた。・・・やっぱり会話においては、主語は確実に必要だと思うんだ。
「まあ、訓練機ではないようで安心いたしましたわ」
「さすがに、そこまでは馬鹿ではないつもりだ」
「どのような機体で来ようともこの私、セシリア・オルコットにはかないませんけどっ!」
「まあご期待に添えるようにやらせてもらうさ」
兎にも角にも、まずISに慣れなくちゃいけない。でも、昨日聞いた話だと、訓練機の申請にはかなりの時間が掛かるみたいだ。
・・・・どうしたモンかな?。今やれること・・・・情報収集かね?それなら一番適した人いるね。
という訳で、昼休み。え?飛ばし過ぎだって?気にしちゃいけない。
箒やクラスメイトの誘いを断り、俺は屋上である人に電話をする。
『はい。こちら鳴海探偵事務所』
「久しぶりだな。兄弟子」
『お前っ!その声、一夏かっ!?久しぶりだなっ!お前色々と大変みたいじゃないかっ!TVで見たぞっ!!』
「あ?まあ、これについては大体、予測はついてる。まあ、そこは置いといて、フィリップさんはいるか?」
『ん?何か探しものか?』
「ああ。対戦相手の情報っていうな・・」
そう言うと電話の向こうからため息が聞こえた。
『お前・・・早速厄介ごとに巻き込まれてるのかよ・・・』
「ただ一人のISを動かせる男だ。巻き込まれないほうがおかしいな」
『やれやれ・・・分かった。変わるからちょっと待ってろ』
「ああ」
こっちだって巻き込まれたくないって・・・・でも、向こうからかわせないスピードで突っ込んできたら無理でしょ?
『もしもし?』
「久しぶりだな。フィリップさん」
『久しぶりだね、一夏。なかなか面白いことになってるじゃないか。一体どうしたらそうなるのか、興味深いね』
「生憎とその質問には俺も答えられない。・・・それより、調べてほしいことがある」
『対戦相手の情報だったね。・・それでキーワードは?』
「キーワードは『セシリア・オルコット』、『ブルーティアーズ』の二つだ」
『分かった。・・・・では検索を始めよう』
その後、対策を練るのには十分な情報が集まった。・・・・なるほどね、そんな弱点が・・・・・
「なるほど・・・十分だな。これだけあれば対策は十分に練れる」
『それはよかった。ところで、いつ対戦するんだい?』
「月曜だ。結果はおって連絡する。依頼金も振り込まなくてはいけないしな」
『依頼金は入らないよ』
「いや、払わせてもらう。こういうのはちゃんとしたケジメが必要だ。それに・・」
『それに?』
「そろそろ、所長の結婚式だろう。そのための準備金に使えばいい」
『・・・・・分かった。ありがたくもらうよ』
「是非そうしてくれ。ではまたな」
『ああ。勝利を祈ってるよ』
激励を受けて、俺は通信を切る。・・・・さぁてと、十二分に対策を練るとしますか。
そうして、放課後。寮への帰り道。
只今、頭の中でシュミレートちゅ?。うむむ、やっぱり自分の機体がどの程度か、正確に把握してないからいまいちシュミレートがうまくいかない?。注文通りでも実際に動かさないとどんな感じかわかんないもんな〜。
そんなこと考えながら歩いていると、道のど真ん中にウサミミがあった。そしてその横には『引き抜いて下さい』と書かれた看板が立っていた。
・・・・・とりあえず、千冬姉さんに連絡。
『どうした、織斑?』
「千冬姉さん。あの人が来た」
『・・・・・何っ!?どこにだっ!?』
「寮への道のど真ん中。ウサミミがある」
『分かったっ!今からそっちに行くっ!』
そして連絡を切った。・・・とりあえず、引き抜くか。
俺はウサミミを思いっきり引っこ抜いた。するとその先には・・・・『外れ』と書かれた紙が付いていた。
・・・・あれ?じゃあ、どこに?
すると上空から風を切り裂く音が聞こえた。
キィィィィィィィィィンッ!!!
思わず上を見ると、そこにはニンジン型のミサイルが落ちてくる様子が見えた。
・・・・・・・ミサイルっ!?
俺は慌てて後ろに下がる。そして次の瞬間、着弾。
「にゃはははははっ!!引っかかったね、いっくんっ!!」
その言葉とともにニンジンが縦にぱっくり割れた。そこから現れたのは、
「一か月とちょっとぶりだな。束姉さん」
篠ノ之束。現在行方不明とされるIS発明者だ。
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「とりあえず、健康そうで何よりだ。束姉さん」
「束さんはいつでも元気だよっ!ブイブイっ!!」
「千冬姉さんがもう少しで来るから待ってくれ」
「うんっ!分かったよっ!」
ちょっと待つと千冬姉さんがすぐにやってきた。
「ちーちゃんっ!!やっほーっ!!」
「束・・・お前は少しは周りのことも考えろ」
「千冬姉さん、それを束姉さんに言うのは無駄だと思うが」
俺がそう言うと千冬姉さんは思いっきり溜息をついた。
「とりあえず、このあたり一帯は封鎖しておいた。・・それで束、一体何のようだ?」
「いっくんのISを持ってきたんだよ?っ!もちろん、いっくんのご注文通りに仕上がってるよっ!!」
あ?それで来たのね。どうやって持ってくるのか気になってたけど、まさかこんな派手に持ってくるとは・・・・
「あ、後ねっ!いっくん分の補給に来たんだよっ!!」
そう言うや否や、瞬時に俺に抱きついてきた。やわらかい感触がするけどスルー。・・・スルーったらスルーなんだっ!!
「う?久々のいっくんのぬくもりだ?」
「・・・相変わらずよく抱きついてくるな、束姉さん」
「だって一か月も会えなかったんだよ??」
「そこまで長くないと思うが・・」
「束さんには十分に長いんだよ?」
そのまま俺が抵抗せずに抱き合っていると、なぜか不機嫌になった千冬姉さんが無理矢理引き剥がした。
「もういいだろう。それよりISはどこだ?」
「う?もうちょっと抱きついてたかったのに?。ま、いいや。ではではっ!上空をご覧あれっ!!」
すると、上空から金属の塊が降ってきた。・・・・・危なっ!?当たったらどうするんだよっ!?
その塊は黒と赤でカラーリングしてあった。
「これがいっくん専用機、『黒菊』だよっ!!」
「・・・・・黒菊・・」
また大仰な名前だこと。・・・・菊、ね。花言葉は高貴、真の愛とかか・・・・俺には似合わないな・・
まあ、名に恥じぬようにやるしかないか・・・
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以前の分はなるべく早く投稿します。 |
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