I・S・R・7<インフィニット・ストラトス・ライダー・7> プロローグ |
〜???〜
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・!!!」
灰色の異型をした怪物は焦り、そして全速力で逃げていた。
彼はある組織に属しており、任務に就いていた。
任務は単純明快だった。
『ある人物を殺せ』。
そう書いてあった。
だから自分はその通りにした。その結果がこれだ。
「フー・・・フー・・・クソッ!!」
怪物は悪態を着き、あたりを見渡す。そこにはただただ欝蒼とした森が広がるだけだった。
「ふぅ・・・ふぅ・・・、や、やっと撒いたか」
「お疲れさん。水でも飲むか?」
「あぁ、ありがて・・・・」
待て。いま自分は誰から水をもらった?
確かにこの任務には2人で着いていた。しかし、その相方は先程の任務の失敗の際に殺されてしまった。
だとしたら、もう考える必要はなかった。
「っ!!」
ザザザ!!
怪物は全力で後ろに下がる。先程まで怪物がいた場所には、先程怪物が受け取ろうとしていた飲料水のペットボトルを持った男が、立っていた。
暗いながらにも分かる。この男の腹にはあれ(・・)が巻かれていると。男はポケットから赤と銀でコーティングされた携帯電話を取り出し、そこに【5 5 5】と入力し、さらに本来携帯電話には着いているはずのないENTERキーを押した。
ピピッ
『STANDING BY』
「変身」
ガチャ
『COMPLETE』
カァアアアアアアアアアアアア
男が携帯をそれ(・・)にセットして、横に倒す。すると強烈な赤い光とともに、男はその体を紅く光る戦士へと姿を変えた。
「ふぅ〜。さて、逝ってもらうぜ!!!」
「!?チィイ!!」
ガギャァン!!
戦士は怪物に急接近し、殴りかかる。怪物はどこからか細長い剣と円形状の楯を取り出し、それを防いだ。
「ほぅ・・・、お前『蠍の剣士』か」
「!?テメェなんで俺の二つ名・・・グァ!」
バキッ
「悪ぃけど、これから死ぬお前には答えられない質問だな」
そう言って戦士は右腰のライトらしき物を取り外し、腹に着いている携帯からφの形をした何かを取り外し、ライトに取り付ける。
『READY』
するとライトの先端が伸び、それを見た戦士は右足にライトを取り付ける。
「くっそ!!」
それを見た怪物は何かを感じたのか、武器を捨てて一目散に走りだした。まるであれが自分の身の危険を犯す物だと知っているかのように。
「やれやれ・・・」
戦士はため息を吐いて、腹の携帯を装着したまま展開し、ENTERキーを押した。
『EXCEED CHARGE』
すると先程とは違う音声が流れ、携帯からエネルギーが出され、戦士の右足に着いたライトに充填されていった。
「シャア!!」
パシュ!ガキン!!
「グォッ!?」
戦士はそれを確認すると、足を勢いよく前に突き出す。すると紅い円錐状のエネルギー体のマークがライトから飛び出し、怪物の動きを止めた。
「フッ!!ハァアアアアアアアアア!!!」
そして戦士は飛び上がり、空中でとび蹴りのキックの体制をとった。そしてそのまま戦士は円錐へと突っ込んだ。
ズドン!!
「ウガァ!?」
サァアアアアアア
すると戦士の体が円錐へと消え、円錐が怪物の体へと突き刺さった。そして消えたはずの戦士が怪物の目の前に姿を現すと同時に、その怪物は呻いて砂となって消えてしまった。
「ふぅ・・・・・・」
戦士はため息をついて携帯を取り外し、電源ボタンを押した。すると戦士を再び紅い光が包み、その姿を元の青年へと戻した。
そして携帯をポケットに入れると、今度はグローイングシルバーの分厚い携帯電話を取り出すろ、どこかへと電話をかけだした。
【こちらアンカー害虫駆除室です。ご用件をどうぞ】
「社長室に「駆除完了」との伝言を頼む」
【かしこまりました。では失礼いたします】
「・・・・ふぅ」
青年は携帯から耳を話すと、ため息をついた。余程疲れていたのだろうか、その顔には何処となく疲労感がにじみ出ている。
『随分と疲れているようだなバディ』
「あぁ。めっちゃ疲れてるよ『セブン』」
青年は突如として聞こえてきた声に動ずることなく、携帯電話の画面に目を向ける。そこには、色々なメーターで組み合わせて作られた口と目だけの『顔』が存在した。
『そんなに疲れるものなのか?』
「あぁ。『フォンブレイバー』で例えるんだったら・・・・、『デモリッション』と『グラインダー』をソリッドなしでデュアルブーストして、それを1時間全力稼働させてたら気持がわk『分かった。私が悪かった』・・・・分かってくれたらいいよ」
セブンと呼ばれた携帯が、画面に呆れたようなエフェクトを出して非を詫びてきた。すると突然セブンが震えだす。その画面には口と思しき部分が下にスライドし、元来目があった場所には『周藤 昭久《スドウ アキヒサ》』と書かれていた。青年はすぐさま通話ボタンを押して電話に出た。
「もしもし。お疲れ様です隊長」
『よぅお疲れ。伝言は聞いた。害虫の駆除は終わったらしいな』
「はい」
『正体は?』
「尾長の毒持ち、進化系でした」
『・・・・マジか?』
「リアルです」
『・・・参ったな。実はさっき、チームD&Sから連絡が入ってたんだが、こっちも尾長の毒持ちだったんだよ。しかも駆除完了の連絡が入ったのはお前の連絡が入る約1分後。オマケくっつけて進化系だ』
「なんですって!?」
青年は驚愕していた。さて、読者の諸君には何が驚くべきなのか分からないであろう。実は青年と隊長と呼ばれる人物は、先程から暗号を用いた会話を交わしているのだ。
尾長の毒持ちはサソリのことを指していて、進化系とは、仮面ライダー555に登場するオルフェノクの事を指している。ちなみに害虫とは自分達の敵を表しているらしい。
「異変が起きている・・・ということでしょうか?」
『たぶんな。少なくとも、また組織絡みだろうな。十中八九間違いはないと思う』
「他の皆には知らせたのですか?」
『まだだ。お前さんとの会話で異変が起きてるのが発覚したんだ。これから注意をするよう通告する。お前は一度本部に戻ってきてくれ。新しい任務だ』
「わかりました隊長」
『おぅ。気をつけて帰ってこい『一夏』』
「はい」
そう言って一夏と呼ばれた青年は通話を切った。そして近くに不釣り合いに置いてあった自動販売機に、通貨とは思えない程無骨な銀貨を投入する。
ガシャガシャガシャン!!
すると、自販機が一瞬にしてバイクに早変わりしてしまったのだ。一夏と呼ばれた青年・・・いや、『織斑 一夏《オリムラ イチカ》』はバイクに跨ると、座席の下に収納されていたヘルメットと指貫手袋を着けると、タコメーター等が備え付けられている場所に、先ほどの銀色の携帯電話・・・自身の相棒である『フォンブレイバー・セブン』を着け、バイクのスロットルを回し、どこかへと走り去って行った。
〜NEXT STAGE〜
説明 | ||
織斑一夏の性格改変&コラボ物です。 | ||
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