ゲイム業界へようこそ!その10 |
食事の後、俺はノワールを協会へと送っていった。
彼女が「せっかくだから、泊まっていこうかなぁ〜?」とか言い出したのだが、それを華麗にスルーしてやったぜ。
まぁ、そんなイベントが起こったら男なら黙って突き進むしかないはずなのだが……ハイ、俺はヘタレでした。
というかまだ会って一日しか経ってないのに、そこまで好意を持ってくれているものなのか?
「まぁ、それでも俺の方は彼女を大事にしていきたいと思ってるんだがな。」
食事の際の彼女のセリフを思い返す。
俺はこの世界でノワールを含むヒロイン達と関係を持ち過ぎると、それだけ自身の存在が危うくなる。しかし、それでもノワールとはこれからも良い関係を持ち続けていきたいと思っている。
最初は彼女の為と考えパーティーに一時的に参加したつもりだったのだが、結局は俺自身が彼女にほとんど助けられていた。
我ながら情けなかったが、そんな俺でも何か出来ることがあるはずだ。自分の身が危険に晒されようと、俺は彼女を手助けしていきたい。
「あなたはもう一人じゃないわよ?前に言ったでしょ、私達はパーティーだって。」
そう、俺はもう一人じゃないんだ。それだけで何だって上手くいく気がしてくる。よし、頑張ってみようじゃないか。
明日はどんな一日になるだろうか?
期待を膨らませつつ俺はベッドに潜り、数分もしないうちに眠りについた。
………………
皆さん、おはようございます。井上 煉です。
意味も無く、俺は遠くの方々へ挨拶してみた。
窓から外を眺めると、良い天気だ…と言いたい所だが、どうやら曇っているようだ。まぁ雨が降ってないだけマシか。雨ってだけ気分が落ち着かなくなるからな。
外から視線を鏡へと移す。我ながら前世とは比べ物にならないほどの顔立ちになったものだ。寝起きのくせに、寝癖ですらカッコよく見えてしまう。
前世がこのくらいの顔立ちであったならば俺の人生はまた変わっていたのかな?
そうこうして鏡を見ながら思い出したことがある。変身後の外見ってどんな感じだったかな?女性化したのは分かっているのだが、実際の全体像を見たわけではない。
「変身!!」
掛け声と共に俺は女性へと姿を変える。問題なく変身は出来たようだ。鏡から自分の姿を確認してみる。
「こいつは…誰だ……?」
俺は呆然としてしまった。ほんの直前までそこにはまぁまぁのイケメンな俺が鏡に映っていたはずなのに、現在そこには文字通り見目麗しい美少女が存在していた。
男性だった俺の面影は全く皆無だ。ここまで別人になるとは…。
髪は薄紅色で、肩にかかる程度の長さ。そして、女性にしては結構身長が高い。キリッとした顔立ちで服装は他の女神達の変身後とほぼ同じである。
「そして極めつけはこれか…。」
ドキドキしながら俺は上半身に存在する自身の胸を揉んでみる。ぷにぷにして柔らかく、豊満な胸がそこにはあった。
何故神様は俺をこんな巨乳の女性に設定したのだろうか?せめて程ほどにしてくれればいいものを…。
そしてこんなことをしている俺に対して、恥ずかしい気持ちが沸いてくる。…というか初めて触れた女性の胸が自分自身の物とはなんだか切なくなってくるな。
「レン起きてる〜?」
「起きてるぞ〜。」
どうやらノワールが家に来てくれたようだ。
家内に足音が聞こえてくる。家に鍵をかけていなかったようだが、どうせ来る客と言えば彼女くらいだ。特に問題は無いだろう。
彼女のいる方へと向かっていく。どうやらキッチンにいたみたいだ。
「おはよう、ノワール。」
「おはよう、レン…ってなんでその格好なの?」
そこで自身の今の格好に気付く。変身して女性の姿になったままだった。
「いや、いろいろと事情があってな…。」
「ふ〜ん、そうなの…。」
そういうと彼女は俺の一部をじっと見つめている。それは俺の持つ大きな胸だった。
「改めて思うんだけど、あなたって胸が大きい人が好きなの?わざわざ変身してそんなスタイルになるなんて。」
「断じてそれは違う!!この体はなりたくてなったわけじゃ無いんだ。むしろ俺は君のような美乳が大好きなんだ!!」
「そっ、そうなんだ…。」
「……うん。」
お、おおおおお俺は、なっなんてことを口走ってしまったんだーーーーー!!これではただの変態さんではないか!?
自爆とはまさにこのことを言うのだろう…。顔が高調してくるのが自分でも分かる。どうやらノワールの方も顔が真っ赤になっているようだ。
これではお互いの顔が見れない。空気を変えなければ…!!
「とっ、ところで今日はどうしたんだ?」
「あぁ、それは今日一日予定が無かったからレンと一緒に遊ぼうかと思ってね。」
やや強引だったが、どうやら空気は元に戻せたようだ。俺も変身を解いて女性から男性の姿へと戻る。やはりこちらの姿の方が落ち着くな。
「なら散歩がてら街を見て回らないか?俺はまだこの街のこと全然知らないし、店とかいろいろと教えてもらえると助かるのだが。」
「それはいい案だわ。せっかくだしオススメの店をいくつか教えてあげるわ。」
「よろしく頼むよ、じゃあ出かける準備をしてくるから少し待っててくれ。」
そう言って俺は荷物を取りに寝室へと戻っていく。武器とかは持ったほうが良いだろうか?お金は・・・今は無いから心配しなくていいな。
ここで俺はふと気付く。
もしかして俺がこれからする行事は俗に言う「デート」になるのではないだろうか?
そう思うとなんだか異常に興奮してくる。
彼女がどう思っているかは知らないが、こっちとしては女性との初デートになるわけだ。お金はない、服も一着しかない、こんな俺に出来る最善策は「変な行動を起こさない。」これに尽きる。
ベストを尽くせ!ファイトだ、俺!!
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