超次元ゲイム ネプテューヌmk2 〜Blue Wind〜【〜COME ACROSS〜】 |
ここはギョウカイ墓場。
シュンッ!
何も無い空間が光ると同時に二人の姿が現れる。
トッ!
二人は着地した。
「ここがギョウカイ墓場……噂には聞いていたけど本当に不気味な場所ね。」
「ここの何処かにねぷねぷが居るんですね?」
その正体はアイエフとコンパだった。
アイエフはゴロゴロと雷鳴を響かせる真っ赤な空を見上げた後、自身の体よりも遥かに
大きい壊れた携帯ゲーム機が山のように積み重なっている周囲を見渡す。
「アイエフさん、コンパさん。無事につきましたか?」
「イストワール様!」
突如聞こえた声に驚いて飛び上がりそうになるコンパにアイエフは苦笑する。
「そこはゲイムギョウ界で亡くなった方が来る場所です。そこの何処かにネプテューヌさん達が居るはずです。」
「ええ、ねぷ子達を見つけたら『これ』で助ければいいんですよね?」
アイエフはポケットから小さなクリスタルのような物を取り出す。
「はい。女神達の信仰心(シェア)を凝縮した『シェアクリスタル』ですね。それを使えばネプテューヌさん達を救出できるはずです。」
「分かりました!ほら、行くわよコンパ!」
「は、はいです!」
「お二人ともお気を付けて……」
イストワールの声が聞こえなくなった。
それと同時に二人は歩き出す。
どれ程歩いただろうか―――そう言いたげにアイエフは周りを見渡す。
だが、周りの様子はずっと変わらない。相変わらず大きな携帯ゲーム機が山のように積み重なっている。真っ赤に染まった空も変わらない。唸るような雷の音も止まないものの、落雷も無く雨も降らなかった。
ギョウカイ墓場は「地獄」という名をつけるに相応しい場とも思えた。
「ハァ――――ハァ―――」
「こーんーぱーッ!もう疲れたの?」
歩くペースが徐々に遅くなるコンパにアイエフは苛立ったのか振り返り声をかける。
「あいちゃん……歩くの……速いです……」
まるで病人のようにコンパはぜぇぜぇと息を切らす。
「こんなの普通のスピードよ。コンパ、ねぷ子を助けたいんじゃないの?」
ようやくアイエフの隣まで辿り着いたコンパにアイエフは腰に手を当て言う。
コンパも膝に手を置き息を整える。
「…………」
「コンパ?」
さっきまでアイエフにも聞こえるくらいのコンパの呼吸が突然聞こえなくなりアイエフは怪訝そうに声をかける。
その拍子にコンパは顔を上げた。
「……あいちゃん、何か声が聞こえないですか?」
「え?」
コンパは耳をかざした。
「……………」
束の間、墓場の重々しくも静かな時が流れる。
「………ブ●リー……です」
「「!?」」
突如聞こえた謎の声に二人は身震いした。
「え?何今の!?」
「何か変な声ですぅ……!」
「コンパ、さっき聞こえたのってこの声?」
「う〜ん………気のせいかもしれないです……」
「……ていうか何だったの今の声……」
アイエフは腑に落ちない調子で歩き出そうとするも
「あいちゃんッ!」
コンパに止められた。
「……今度は何?」
呆れた面持ちでアイエフが振り返る。
「やっぱり声が聞こえるですッ!」
「どうせまた間違いでしょ?また変な声が――――」
「―――………ぁぁぁ―――」
話している最中に聞こえてきた叫び声にアイエフは動きを止めた。
「……何この声?」
「だんだん近づいてくるです……」
二人は声の聞こえる方―――上空を見上げた。
「――――………ぉぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
何か青い物体がこちらに向かって落下してくる。
「あ、あれは何ですか!?」
「こっちが聞きたいわよ!このままじゃぶつかるわ!コンパ、離れるわよ!」
二人は走り出す。
ヒュウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ――――ン………
ドガ――――――ン!!!!!!!!!!
先程まで二人が居た場所に何かが墜落した。
「な……何ッ!?」
アイエフはぶかぶかのコートから二本のカタールを取り出し両手で持ち構える。まるでコートから直にカタールが生えているようにも思われる構えだった。
墜落の衝撃を受けた所は砂埃が散布していて中々中の様子が確認できない。
「………」
そしてもう一つ、張り詰めたように真剣な表情のアイエフは背中に違和感を覚える。
「………コンパ?ちょっといいかしら?」
「……何ですかあいちゃん?」
「どうでもいいんだけど……どうして私の後ろに隠れてるのかしら?」
「ビックリしちゃってついつい……えへ♪ですぅ」
「えへ♪じゃないわよ!さっさとアンタも武器構えなさい!!持って来てるんでしょ?
あのでっかい注射器!」
アイエフの言葉にコンパはえへへと頭を掻く。
「実は……忘れちゃったです……えへへ♪」
「帰れ」
一言で切り捨てるアイエフの言葉にコンパはがーン!という効果音が付きそうな表情に変わる。
「ひぅッ!?……あ!でも確かあれが……」
「何?何か持ってきてるの?」
コンパはポケットから何やらキラーンと光る何かを取り出す。
「キッチンにあった『ザ★包丁』で―」
「やっぱ帰れ」
「あいちゃん、包丁をなめちゃいけないですよ?いざとなればこれを使って―」
「色々突っ込んで良いかしら?仮にも新人ナースがそんなこと言って良いのかしら?
あと人間相手ならまぁまだしも怪物相手に包丁なんかで勝てると思ってるの?それじゃ
ラ●ソーンにこんぼうで挑むって言ってんのと同じよ?」
「あいちゃん……」
コンパは目の前を指差す。
「え?」
アイエフも振り返った。
先程墜落した物が何かを調べるのを忘れていた。流石にもう砂埃は晴れてハッキリと見ることが出来る。
二人がそこで目にした物は――――
「………………足?」
そう、地面から細長い足が二本付き出ていた。青い色からして人間のそれではなく、その上少し大きめの赤いスニーカーを履いている。
どうやら胴体は地面に埋まっているらしく足先が真っ直ぐ天に向いた状態で止まっていた。
―――トサッ
――と思っていたらその足が力無く地に落ちる。
「ちょ……」
アイエフは咄嗟に口を開こうとしたが、突っ込み所が多すぎて逆に何も言えなかった。
とりあえず身の危険はないらしい――アイエフは武器を収めた。
―――バタバタバタバタバタバタバタ!!!
その刹那その足が勢いよくバタつき始める。恐らく胴体が抜けずに困っているのだろう。
「た、大変です!!」
アイエフはその足に駆け寄る。
「ちょ、コンパ!何してんの!?」
「この人を助けるです!」
「助けるって……そいつがもし――」
「相手が誰でも困っている人を放っておくなんてできないです!」
コンパはアイエフの言葉に聞く耳を持たず足を引っ張る。
「ふにゅ―――!あいちゃんも手伝って下さいです!」
「……まったくもう、仕方ないわね!」
嘆息しながらもアイエフはコンパの腰周りに手を回しコンパを引っ張る。
グイ――――ッ!!!!
二人は力を入れる。
その時だった。
―――スポッ!
綺麗に抜ける音が聞こえた。
力を入れすぎたのかアイエフとコンパの体が宙を舞う。
「きゃっ!」
「いたッ!」
そしてそのまま不時着した。
「いたたた……」
「痛いですぅ……」
アイエフとコンパはゆっくりと頭を振った。
「……ッテテテ……ったく、あの髭のオッサン無茶しやがるぜ。」
二人は声がした方に顔を向けた。
そこに立っていたのは二足歩行の青いハリネズミらしき姿――。
青い胴体に大きな白い手袋が特徴的だった。
「あの……」
「それにしてもどこだここ?」
コンパの声が聞こえていないのかハリネズミは周りを見渡す。
「……確かにこりゃあ絶望へと変わりかけてるって言っても間違いじゃないかもな……」
―――絶望?
彼の言葉の中にあった一言が引っかかった。
「ちょ、ちょっとアンタ!」
「Hun?」
アイエフの掛け声にハリネズミはやっと振り返った。
「Hey!お前達が引っ張ってくれたのか?Thank you!」
「どういたしましてです。」
「それよりアンタ――」
「ちょっと聞きたいことがあるんだが……ここはどこだ?」
アイエフの言葉を遮りハリネズミは尋ねる。
「ここはギョウカイ墓場です。ゲイムギョウ界で亡くなった人が来る場所です。」
「ゲイム………ギョウカイ?なんだそりゃ?ってことはお前達は死んだってことか?」
「いえ違います!私達は女神様達を助けに来ただけです!」
「女神……?ますます分かんなくなってきたぜ。ところでお前達の名前は?」
「私はプラネテューヌの新人ナースのコンパです。」
「私も同じくプラネテューヌの諜報部員アイエフよ。」
二人の自己紹介が終わるとハリネズミはいきなりヘッドスピンを始めた。
「わーッ!凄いです!」
コンパには大うけだった。
ヘッドスピンを終えるとハリネズミは得意気に決めポーズを取った。
「俺はソニック!ソニック・ザ・ヘッジホッグさ!」
ヒュウウウウゥゥゥゥゥ―――
スコ――――ン!!
決めポーズを取っていたソニックの頭にキラキラ光る何かが墜落する。
「「「………」」」
沈黙が奔る。
「No way……」
パタッ!
ソニックはそのまま倒れた。
「ちょッ、ちょっとアンタ!?」
ドゴッ!!
地面を何かで叩きつけるような鈍い音が響く。
「うがアアアアアアアアあああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!」
ギョウカイ墓場に這う大きな影。まるで巨大化した武器と甲冑が組み合わさっているかのような姿をした化け物―――「ジャッジ・ザ・ハード」は1人咆哮をあげた。
ドガンッ!!
ドガンッ!!
そして狂ったように持っていた髑髏の嵌め込まれた大きな斧らしき武器を地面に叩きつける。その衝撃を受けた地面は無残に抉り取られていた。
「ぐおおおおおおおおおおお!!!!!!!暇だ!!暇過ぎるううううう!!!!!!」
彼はある役目を負わされていたのだ。
そこへ―――
「―――墓守、何をやっている?」
赤い髪を靡かせた不気味な女性――「マジック・ザ・ハード」が姿を現した。
「ぬあああああッ!!!?」
ジャッジは大きく息をつきながらマジックを見下ろす。
「貴様の持ち場はここではないだろう?」
「暇なんだよおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」
ブンッ!!
ジャッジは斧をマジックに振り下ろす。
ガッ!!
しかし呆気無くマジックの持っていた鎌に受け止められた。
「フン……私に勝とうなど十年早いわ……」
「てんめええええええ!!!!!舐め腐りやがってええええええええ!!!!!」
「……まぁいいだろう。良いニュースだ。女神達を捕らえてある場所に近づいている者がいる。奴らを始末して来い。」
「なにいいッ!!!?なんでそれを早く言わねえんだよおおお!!!」
ブアッ!
ジャッジは空高く飛び上がる。
バッ!
そして猛スピードでどこかへ飛び去った。
「ひゃっはあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!暴れるぜえええええぇぇぇぇ!!!!」
説明 | ||
ソニックはいつものようにエッグマンの計画を阻止しようとしていた。だがそれはエッグマンの罠だったのだ。カオスエメラルドの力で別世界へと飛ばされてしまったソニック。そこはゲイムギョウ界と呼ばれた異世界だった。そしてその世界でネプギアと言う名の少女に出会い―――……ネプギアは姉を助け出すことは出来るのか?ソニックは元の世界へ帰れるのか?これは、ネプテューヌmk2にソニックが居たら――のもしもの物語である。―――― | ||
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