魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者 第6話 |
第6話 零治とはやての不幸
高町家にお世話になった次の日。
「なあなあ、昨日なのはちゃん家でご飯食べたって本当なん?」
「いきなりなんだ八神?」
「はやてでいいよ。それでどうなん?」
「本当だけど・・・何で?」
昼休み、昼食を食べて寝る気だった俺は、八神に話しかけられた。
「まぁ気になったからや。なのはちゃんが男の子を自分の家に呼んだの初めてやし………」
なるほどね、納得。
ああ、そうだ!今更なような気がするけど、もう原作キャラと関わらないことについては諦めました………
明らかにイベント多過ぎだもん。
高町家は自業自得だけど………
それでも翠屋のスイーツは食べる価値がある!!
だから戦闘など危ないことに巻き込まれなければいいです。
うん、それでいいや………
「………何悲しい顔してるん?」
「いや、今までの覚悟を曲げようと」
「わけ分からんわ」
苦笑いしながら言うはやて。
「と、そんなことより高町家はどうだったん?楽しかっんか?」
「うん?まぁ桃子さんの料理は最高だったけど」
「そう言う意味じゃないんやけど………」
「どういう意味だ?」
「………もういいわ」
「そうか」
なんかつまらなそうな顔してるけどなんでだ?
「なぁ、零治君………」
「零治!昨日翠屋にいたらしいじゃない!昨日本当は暇だったんでしょ!!」
いきなり大声上げてバニングスがやって来た。
「ちげぇよ。翠屋に行くのが用事だったんだよ!」
「なっ!?だったら別に今日とか明日でもいいじゃない!」
「分かってないなぁ。その時の気分で行きたい時とかあるじゃん。そういう時に行くのが最高なんじゃないか。なぁ、はやて?」
「そやな、私も時々そういう気分になるわ」
「だろ!それぐらい翠屋は素晴らしいところなんだよ」
「私だってあそこはすごくいい店だとは思うけど………何か妙に翠屋の事を熱く語るわね………」
「だって5年くらい通ってるもん、あの店」
「マジか!!私も結構な日数行ってんやけどな。零治君一度も見たことないわ」
「そう言えば私も………」
そりゃそうだ、鉢合わせないように十分警戒してたから………
「たまたまだろ、たまたま………」
「………目が泳いでるで、零治君………」
「分かりやすい奴………」
「そんなことはどうでもいい!それより俺もはやてに聞きたいことがあるんだ」
「ん、なんや?」
「恥ずかしいからちょっとこっちに………」
そう言ってはやてを手招きする。
来たはやてに耳打ちする。
「お前がおっぱい星人だって本当か?」
「!?どうしてそれを!!!」
「しっ!声がでかい。そうなら俺が聞きたいのは一つ。いつもいるはやて含めての胸の大きさ、詳しいサイズは言わなくていいからランキング形式で教えてくれ」
「なんでやねん!!って零治君は引かんの?」
「?何をだ?」
「私がおっぱい星人だって事とか………」
「何で引く必要があるんだ?別に女の子が好きってわけでもないんだろう?それにこうやって胸の大きさも聞けるし………」
「………零治君って意外と変態なんやなぁ………」
「男なんてみんなそう言うもんだよ」
「まぁサイズ言わなくていいなら構わへんけど………」
「ホントか!?なら頼む!!」
「………何話してるんだろ?」
少し悪いと思いながらもアリサは聞き耳を立てることにした。
その様子に気づいた俺ははやてに提案した。
「ここじゃ場所が悪い、場所を移動しよう」
「了解や、アリサちゃん悪いけどほな」
「ってちょっと待ちなさい!!」
アリサの声むなしく二人はダッシュで教室を後にした。
「ではでは、はやてさんお願いします」
「めっちゃうれしそうやなぁ。………最近測ったのは春休みに行ったスーパー銭湯の時や」
スーパー銭湯とは、一年前位に新しく出来た健康ランドみたいなところだ。
プールみたいに遊べるところもあり大人から子供まで楽しめる。
ちなみに有栖家は行ったことがない。
「スーパー銭湯か………俺行ったことないんだよな」
「あそこはほんといいとこやで。遊べるし、お風呂も色々な種類もあるし、混浴だからカップルもオーケーや」
「ってことは女子も裸で………」
「んなわけあるか!!」
どこから出したのか巨大なハリセンで叩かれる。
………あれ?痛くない。
「フッフッフッ、すごいやろ。この子はハリセン君57号!!改造に改造を重ねついに出来た私の最高傑作!!どんなに力が強い人が叩いても痛くない優れもの!!」
「おおお!!」
「さらに、さーらに!この柔軟さ。簡単に壊れないようになってるんや。どうや、すごいやろ!!」
そう言ってかなりねじるはやて。
「こ、こんなハリセンが世界に存在していたなんて………」
ボケ要因に優しい世界になったな………
「これを作るのにどれだけの犠牲を払ったことか…………」
「過酷だったんだな………」
「特に家族の視線が…………」
「………まぁ危ない奴だとは思われただろうな」
「だが私は負けなかった!どんな目で見られようともどんなことを言われても!!そして私は作った!!!この世で一番最強のハリセンを!!!!」
ダダーン!!と漫画みたいに文字がはやての後ろにあるように見えた。
右手にハリセンを持ち、高々と上げている。
まるで、伝説の剣を持った勇者みたいだった。
「………素晴らしい。素晴らしいよはやて!!」
「ふふん、これさえあれば怖いものなしや!!目指せお笑い日本1!!!」
「掴みとれ!!勝利の栄光を!!!」
はやてと二人でポーズを取る。
こんな馬鹿なことをやっている二人に突っ込む人は誰もいなかった………
「まぁそんな訳で完成したんや」
「しかし本当にすごいなこの柔軟性360度曲げても問題ない」
「それにフニャフニャでもないやろ。だからこんなに柔らかくてもちゃんと叩けてなおかつ、いい音なるのに痛くないんや」
なるほど、これほど科学って進化したんだ………
人間の進歩は止まらないな。
………ってあれ?
「俺何しにここまで来たんだっけ?」
「………そうやおっぱいランキングについてや!!いやぁ零治君と話があってすっかり忘れてたわ………」
「俺も恐ろしいくらい感じた。…………で、はやて」
「そう、焦らんといて。でなそこのスーパー銭湯に行った時や。」
「そう言えばスーパー銭湯って中学生何円?」
「えーっと確か1300円やったと思う」
「…………ちょっと高くない?」
「でも中は広いし、色々なお風呂も入れるし、遊ぶ場所もいっぱいあるんやで。ウォータースライダーもあったし」
「本当にそれお風呂なのか?」
「どっちやって言ったら温水プールっていったほうがいいかも」
「………だけどそっちの方が喜ぶ奴いるし、いいかも。今度行こうかなぁ。」
「一度行ってみるべきやと思うで、私も」
いやぁいいこと聞いたな。はやて物知りだし。それじゃ早速今日にでも三人に聞いてみるか………
け、けっして三人の水着姿を見たいわけじゃないからな!!
………ってあれ?
「はやて、なんか忘れてない?」
「奇遇やな私もや。」
二人でうーんと思い出そうとする。
しかし、そこで昼休みが終わる鐘が鳴る。
「ヤバッ早く戻んないと!はやて行くぞ!!」
「そやね、急ごう!」
結局零治は思い出すことはなかった。
「で、一体何を話してたのよ?」
放課後ダッシュで帰ろうとしたときにバニングス、すずか、なのはが俺の前に現れた。
「どうしたん?みんなそろって………」
「いやな、はやて。何か昼休み何してたかって聞いてきたんだよ」
「なんや、そのこと………ってか何で二人になったんやっけ?」
「いきなり零治がはやてに耳打ちしたんじゃない」
「そうだっけ?」
「そうよ」
うーん、何でそんなことしたんだっけ?
「別に隠れて話す内容でもなかったし………」
「そやなぁ。ハリセン君57号の話とスーパー銭湯の話ぐらいしかしてないしなぁ」
うーんと唸りながら思い出そうとする二人。
「「そうだ(や)おっぱいランキング!」」
「「「はい?」」」
俺たちが言ったことに?を浮かべる三人。
「いやな、はやてがおっぱい星人だって聞いたことあるから、仲良し五人組で胸の大きさでランキング付けてくれって頼んでたんだ」
「そうやった。いやぁ?話がおもろくてどんどん脱線していったからなぁ。すっかり忘れてたわ」
ハッハッハと笑う二人。
だが3人から漏れるドス黒いオーラに自分たちが口を滑ったことに気づいた。
「へぇ………」
「はやて、零治、ちょっとお痛しすぎじゃなの………い?」
「………二人とも“オハナシ”なの………」
その様子にガタガタと震える二人。
教室はいつの間にかほとんど人はいなくなっていた。
「ちょっと待て!!三人とも。あれは単なる冗談で………」
「そうやって、アメリカンジョークってやつや!」
ニコッと親指を立てるはやて。
「そんな嘘に………」
「騙されると!!」
「思ってるの?」
徐々に二人を追い詰める三人。
「零治君」
「なんだはやて?」
「私な、言っとくことがあったねん。もう少しで新しい家族ができそうなのよ。だから………」
「待て!はやて!!それは死亡フラグ!!!」
そう教えるがはやてには聞こえていないみたいだ。
「必ず………生きて帰るんや!!!」
まるでアニメの主人公みたいに叫びながら三人の脇を通るように逃げようとする
うまく虚を着いて抜けられたような気がした……………だが、
………気づいたらはやては魔王様にアイアンクローされてました。
「………どこ行くのかな?はやてちゃん」
「待ってなのはちゃん、マジでしゃれになら………ぎゃあああああああ!!」
嫌な音が教室に響く。
「はやてえええええ!!!」
戦友先に没………
「さて次は………」
「零治………」
「だね。」
ニコッとはにかむ魔王様。
「ごめん。星、ライ、夜美、おれもここまでみたいだ…………今行くよはやて………」
そう呟き俺はなすがままになった…………
満身創痍で帰った俺に三人は驚き、事情の説明を求めてきた。
心配してくれた三人に嬉しかったのか、油断して、今日の出来事全部話してしまった。
三人から大目玉食らったのは言うまでもない…………
あれ!?今週は付いてるはずなのに………
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