ゲイム業界へようこそ!その18 |
「それで結局のところ彼女のことを知っている理由はなんなんだ?そもそも『私達』ってのも気になるし。」
「その理由はですね……私は『女神様ファンクラブ』の一員だからですっ!!!」
「……はっ?」
今なんと言ったか?『女神様ファンクラブ』だと?果してそんなものいつ発足していたのだろうか。しかも『女神様』とうことはやっぱりブラックハート以外の女神も含んでいるのだろうか。
「そんな私達がブラックハート様を傷つけるなどありえません!むしろ全力で愛でさせてもらいます!!ビバ女神様なのです!!!」
「そうだったのか…、疑って悪かったな……。」
「いえいえお気になさらず〜。ところで聞きたいのですが…。」
「?」
「そんな女神様と一緒にいるあなた様は一体誰なんでしょうか?見たところ仲は良さそうですし、むしろ女神様と似た格好をしているようですが…。」
そういえばこの格好をブラックハート以外に見せるのはこの店が初めてだ。この格好時の俺の存在ってなんて説明したらよいのだろうか?
「あの…もしや…あなたも女神様なのですか…?」
ここはおそらく正直に話した方が良いな、彼女との関係をこの店員に話してしまおう。俺が女神なんて大層な者じゃなくて彼女のただの友達だってことを店員に話してしまおう!
「まさか?俺は女神なんて大層の存在じゃないさ。ただ彼女の傍にいるしがない友人の一人だよ。」
「ブラックハート様の友人……。ちなみにあなたのお名前は?」
「えっ?あっ、ええっと、レッドハートかな…(ボソッ)」
「レッドハートという名前をお持ちなのですね!その名前から察するとやはり女神様…?」
「彼女のただの友人です!!」
店員さんの言動に思わず声を荒げてしまったぜ。というかこの格好の名前なんて今決まってしまったよ!レッドハートという名前にしたのは外見が女神達に似ていたし、髪の色や装飾も赤色が基調となっているからである。あの短時間で決めたのだ、深い理由があるはず無いだろう?
「そういうことにしておきますね♪」
「そういうことにしておいてくれ…。」
「ふふっ…なるほどレッドハート様ですか…。ふふふっ…これはまた盛り上がりますね(ボソボソッ)。」
うっ、なんだろう…物凄い寒気がする!彼女の言葉の最後の方が聞こえなかったのだが、物凄く大事なことを言っていた気がするぞ…。俺はどこかで選択肢を間違ってしまったのだろうか?変なフラグ立てちゃったのか!?
「とっ、とりあえず俺は席に戻るからなっ、ケーキの場所を教えてくれてありがとな。」
「それくらいお安い御用ですよぅ〜〜、レッドハート様♪これからも私に気兼ねなく話しかけて下さいね。それだけで私は…もう…ハァハァ」
「ハハハハッ…それじゃあサヨナラ〜〜!」
そして俺はその場にいることが怖くなってノワールの待っている席へ踵を返し、急ぎ足で戻ったのだった。なんだろう、今あったことを全力で記憶から消去したい!
………………
「遅いわよ〜〜何かあったの〜?」
「イヤ〜〜ナニモナカッタヨ?ウン、ゼンゼンマッタクモッテモンダイナカッタサ!ハッハッハッ…。」
「なんだか今のあなたの台詞全てカタコトじゃなかった?」
「平和って素晴らしいことだよね!」
訝しげな彼女の視線を回避しつつ俺は持って来たケーキを物凄い勢いで平らげていった。ハハハッ、先ほどまでにケーキをたくさん食べていたはずなのに腹にまだまだ入るなぁ〜!イケルイケル〜〜〜!!
とりあえず先ほどの出来事はノワールには伏せておくことにしよう。彼女には無垢な心を持っておいてもらいたいからな。これも俺のちょっとした心配りなのさ!!
その後は特にこれと言った事件は起こらず、ノワールと二人で和気藹々と楽しんで制限時間を向かえたのだった。まるで先ほどの事件が嘘のようだな。そしてその後は例の店員に絡まれることもなく俺達は店を出たのだ。一つ気になったのが店を出たはずなのに先ほど店員から向けられていた視線のような物の数が増えたような気がしたことについてだ。この件については俺の気のせいであって欲しい。というか本当に気のせいであって下さい!!
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18本目でありんす。 | ||
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