ゲイム業界へようこそ!その19 |
皆さん俺の話を少し聞いてくれやしないか?いや、俺は今誰に聞いてもらおうとしているのかさっぱりなのだが、とりあえずどこかで見ているそこの誰かさん頼む!俺の話を聞いてくれ!!
現在の状況を説明すると俺はとあるダンジョンに来ている。理由?それはまぁ…モンスター退治のはずだ……。理由が曖昧になっているのは俺が説明もなくほぼ無理やり連れて来られたためだ。誰にって?そりゃ…。
「レンさ〜〜ん、一緒に歩こうよ〜〜〜。せっかくなんだから何か話そうよ〜〜〜。」
「ねぷねぷの言う通りですぅ、レンさ〜ん!一人で歩いていてもつまらないです〜〜〜。何か私達とお話するです〜〜!」
…皆さんのご想像の通りだ。俺は今某三人組に加わってダンジョンを徘徊している。実際のところは三人の後ろに俺がとりあえずついていってるだけなのだが。一体全体どうしてこんな状況になってしまったのだろうか…?
………ハッ!?この空気、もしや回想か!!
………………
ノワールとのデートならぬ街探索を楽しんだ俺は最後に店で食材を買って帰路についた。買い物の支払いはもちろん彼女持ちさ!!……男として泣けてきます、早く返済して汚名返上と行きたいです、ハイ。
家にあった食材も実際残りわずかだったため、この買い物でしばらく食の問題は安泰であろう。
俺の家に着くとノワールは用事があるとのことで協会へと帰ってしまった。用事はやはり女神としての仕事なのだろうか?
こちらの世界に来てからまだ二日しか経っていないのだが、彼女にこれ以上無い程に助けられたのだ、そんな俺としては何かしら恩を報いるべきだと考えている。俺が力になることと言えばおそらく街に被害を与えるモンスターの退治の手伝いくらいであろう。なので彼女がダンジョンへ向かう際には俺に他の用事があったとしても、優先してそちらを手伝うことにしよう。それが現在俺が彼女へ返せる唯一の恩返しなのである。
俺はノワールが帰ってからしばらくして夕飯の準備を始めた。自分ので言うのも癪だが俺は料理が得意ではない。今まで一人暮らしをしていたのだが、だからと言って料理が上手くなるとは言えないだろう。基本コンビニ弁当とかだったし。
そんな理由から俺の作った今晩の夕食は「男の料理」である!!
「男の料理」が如何なる物か…?傍観者達には悪いがここはあえて説明を省かせてもらおう…。名前から察してくれ、多分それでほぼ正解だから。
「いただきます。」
うん、問題なく食べれる。普通に美味しいなコレ。さすが「男の料理」である。しかしこの料理は普通に食べれるレベルと言うだけであって、極端に不味い・上手いに成りえない。ぶっちゃければ平凡の味なのだ。
俺の料理についてはここまでにするとして…なんだか寂しいな……。
昨日と今日で家の広さが変わった気がする程だ。実際そんなこと有り得ないのだが、本当にそう感じてしまうのである。人数が二人が一人になるだけでここまで変化してしまうものなのか。この寂しさは今の俺には堪えてしまう、ヤバイ涙が出そう…。もう寝てしまって明日に備えよう。
俺は食べ終えた食器を手早く片付けて、寝室のベッドに潜り込んだ。ノワールに明日もまた会えるといいな…。そんなことを考えながら俺は眠りについた。
翌朝、のそのそとベッドから起き出した俺はとりあえず外を眺める。うん!今日も良い曇りだね!!
髪も梳かさずいつもの服装で俺は朝食も取らず外へ出た。昨日の夕食の後すぐに寝てしまったためかあまり腹は空いていない。さて、今日は俺の方からノワールを向かえに行くか。
そんなことを考えていると前方に見知った三人組を発見した。おいおい…エンカウント率高すぎだろ?せっかくだしここでは俺の取るべき選択肢を挙げてみようか。
1、親しみを込めて彼女達に話しかける。「やぁ、今日もまた会ったね♪相変わらず君達は本当に可愛らしいね、もう抱きしめたいくらいだよ♪」
2、初めて会った素振りをする。「え?昨日君達と会った?この僕が?まさか、人違いじゃないですか?君達みたいな子供と僕のような優れた大人が接点を持つ可能性は極めて低い。結論として僕と君達は今日ここで初めて会ったのです。そしてこの出会いはこれっきりでしょう。それでは私にはこの後重要な用事あるので行かせてもらいますね。」
3、物陰かどこかに隠れて彼女達がいなくなるのを待つ。「ニンニン、拙者は木でござる。木はただそこにあるのみ。何も語りませぬ…。」
……どう考えても3しかないだろう?というか1と2の選択肢は一体何なんだ?俺のキャラ変わり過ぎだろう!!それと全ての選択肢の最後の会話文はどれもオカシイだろ!?なんだよ「ござる」って、忍者口調かよ!?
おそらく神様の作成したであろう選択肢全てに文句を言いつつ、とりあえず俺は3の物陰に隠れて彼女達をやり過ごす行動を取ることにした。俺は周りを見渡してすぐ近くの建物同士の隙間に身を潜めた。これは彼女達がこちらにでも来ない限りほぼ百パーセントと言っても過言では無いほど無事やり過ごせるだろう。
しかしそんな確率は簡単に崩れてしまう。そもそも俺がそんなこと考えてしまった時点でフラグが既に建ってしまったのだろうか?もしくはネプテューヌの主人公補正によるものなのか?今更どうこう考えても仕方が無い。
「むむむ?なんだかそこの物陰から変なテレパシーを感じたよ!ビビビっと来っちゃったね!」
「何なのよ?その奇妙な感覚は…。」
「こうね……何だか誰かが私に囁いてくるの!あの物陰の所へ行ってみれば面白いことになりますよって!!これはもう行くしかないよね!?」
「というか面白いことになるって随分とまた奇抜な囁きが聞こえたものね…。」
「せっかくだからその物陰へと行ってみるです〜〜。別にここから距離のある場所というわけでもないですし、何か襲って来たとしても私達の実力なら絶対大丈夫です〜〜!」
「コンパの言う通りだよ〜〜、せっかくだし行ってみようよ?ねぇ〜アイちゃんもいいでしょ〜〜?」
「はぁ…もう分かったわよ…。」
そして彼女達は俺の隠れている場所へ一直線に向かってくる。後ろへ行こうにも行き止まりで他に隠れるような場所は見当たらない。今の俺に出来ることと言えばもう神に祈るしかないのだ。しかしそんな祈りが神に届くわけが無い。もしくは仮に届いたとしてもあの神様だ、何もしてくれないに違いない。もしかしたらねぷねぷの言っていたテレパシーもあの神様が仕組んだのだろうか?そうだとしら…アノカミサマメ、ドウシテクレヨウ……?
結果としては目に見えた通りとなったわけだ。そしてこの状況から俺がするべきことは必然的に限られてくる。
「よっ、また会ったな!イヤ〜〜こんなとこで会うなんて偶然だな〜〜!ハッハッハッ……」
…それは俺がこんな不自然な場所にどうしていたのか彼女達に上手く説明しなければならないということだった。
説明 | ||
あ、たい焼き食べたい…。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1883 | 1781 | 1 |
タグ | ||
超次元ゲイムネプテューヌ | ||
くろとじるさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |