死にたがりの三十四話 急展開過ぎてワロタァァァァ! |
アニスサイド
「ケホッケホッ……ウェッ……」
えー、食事中の方すみません。
中継をおトイレに繋いでいる為、少々酷い絵面ですが、チャンネルは間違いではありません。
どうも、アニスたんだお。
「ゲホッ……」
ビチャッ!
「……ペッ!」
トイレで吐血なう。
いや、洒落になってないって……。
「あう〜、気持ち悪い……それに、痛みが無いって所がまた恐怖をあおるねこりゃ……ケホッケホッ……オェッ……」
駄目だ……まだ出そう。
口の中が鉄の味ですわもう、こりゃ呪うどうこうの前に、出血多量で死んじまうって。
「ガフッ……あ〜、ダリィ……」
ズルズル、ストッ……。
俺は耐え切れず、その場に座り込む。
全く、厄介だねぇこりゃ。まだ足に呪い受けて動けんくなった方が楽だよ。
「あ〜……貧血かなこりゃ……体が小さいってのも考えもんだねこりゃ……あー、気持ち悪い……」
立ちたいが……もう駄目だ、フラフラ。
もうかれこれ20分はトイレの中だ。そろそろ出ないと、流石に駄目かな。
「よっと……ふぅ……水流さんとな」
カシャッ、ジャー!
「おぉ、水が赤い赤い。まるでサイレンに出てくる水みたいだ」
あれを飲めば死屍に……クックックッ……。
って、何言ってんだ俺は。冗談じゃない。
「あーうー……フラフラするよ……あー気持ちわる……」
今にも倒れそうですね、分かります。
それにしても……どうしたものかな。こりゃ予定が狂うな。
予定よりも呪いの進行が速い……うむ、こりゃ本気でクリスマスまで生きてるかな?
「まぁ、何とでもなるか。後でシン・ライフォジオでも使おうかな。でも、使うと心臓痛い痛いなのです、みぃー状態になるから……駄目か〜」
口では何とでも言えるが、実際あの心臓の痛みは洒落になっていない。
例えるなら……そうだね、麻酔なしで腹をかっ捌かれて、開きになった状態から手を突っ込まれ、至る臓器を手でぐちゃぐちゃに潰される……位?
いや、それだと俺ショック死してるから……う〜ん、分かんない。
あ、因みに。シンと付く呪文は一通り使えます。
ってあぁ!!そうだった!!
ガッシュが使ってたシン系の呪文って、確か心の力使わなくても使えてたやん!
でも、俺でも魔力なしで使えんのかな?
「って……うだうだしてたらまた……!ウェッ!ケホッケホッ!」
ビチャビチャッ!
「ケフッケフッ……あー……もう駄目だ……しんどい……」
一気に血を流し過ぎた結果がこれだよ。
あーうー、貧血で頭くらくら……このまま気を失いそうで怖いね。
せめて血で、犯人はやすって書いておかないと……。
「あうあう……もうまともな思考ですらなくなってきていると言うこの事態……つか、無理に立ち上がるのはよろしくないか……」
無様だなぁ……俺。
力をもらっているのに、これじゃあ前世と何ら変わりない。
これじゃあ、地を這う虫同然じゃないか……くっくっくっ……。
「ホント、無様だよなぁ……笑っちまう……くっふふふふ……」
あー、もうまともな思考回路何ざしてねぇしな。
もうどうとでもなれってんだ。
「こんな状態で、収集か……ったく、決断が遅いんだよ、俺は……よっと……」
俺は壁を使いながらヨロヨロと立ち上がる。
体が重たい……頭も痛いし……また吐きそうだ。
「っとと……いでっ!った〜〜〜〜」
壁に頭をぶつけた。
むっちゃ痛ぇ……あー、絶対こぶで来たってこれ……。
「あーうー……さっさとでよっ……っと、流すの忘れてた」
カチャッ、ジャー!
「うむ、これでスッキリだな」
さって、出ますか……。
俺はドアに手を掛けて、開く。
「……誰も居ないな……」
辺りを見回して、自分の部屋に戻る。
さっきトイレでの出来事を聞かれていたら即死だった。
危ない危ない。
「ハァッ……ヤッヴァイ……キツイ」
部屋が凄い遠く感じる……。
足がまともに前に進んでくれない……。
息をするのが苦痛だ、焼きこげそうなくらい、肺が熱い。
「……駄目だ……こりゃ……」
ドタッ……!
「ハァッ……ハァッ……流石に……痛い……かな」
胸が苦しいと言うよりは、痛い。
俺は耐え切れずに倒れ込む。
あー、こりぁマジでヤバいって……。
「ぐっ!……ケホッケホッ!」
ツー……。
やばっ、また血が……。
それに……このままの大勢だと……血が喉に詰まって……。
「ガフッ!……グッアッ……」
ガリッ……。
息が……出来ない……。
苦……しい……。
「うっぐぁ……ゲホッ!!ゲホッ!!」
俺は無理やり口の中の血を吐き出す様に咳をする。
こりゃ……ヤバいな……。
あぁ……意識……が……。
酸素が……行き届いて……ない……。
ドタドタッ!!
あぁ……何だろう……誰かが……こっちに向かってきてる……。
えへへ……身体がボロボロなの……ばれちゃう……な……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シグナムサイド
ドタッ!
部屋の外から、何か倒れた音が聞こえた。
最初は気のせいかと思っていたが……。
ゲホッ……ゲホッ……。
誰かが咳き込んでいる様な声も聞こえてくる……。
もしやと思って、リビングから出て見てみたら。
手洗いの近くで、倒れている主が居た……。
それを見た瞬間、いきなり頭の中が真っ白になった……。
何故、どうして……と、思考の波はグルグルと私の頭の中で回っていた。
そして我に返り、すぐに主の元に駆けだす。
「主!!」
ドタドタ!!
これは……酷い……。
どうして……こんな……。
「ゲホッ……!」
「!主!お気を確かに!」
駄目だ、ここで無理に動かしては……。
それに吐血……すぐさま口内の血を出さねば、窒息してしまう……。
……これしかないか……。
「主……すみません……」
私は主を抱き寄せ、主に口に自分の口を付け、そんまま中の血を吸いだす。
そして、吸い出した血を床に吐き捨てる。
まだ残っている……どれだけの出血を……。
それを数度と繰り返し、息が荒かった主の呼吸が整っていく……。
……やっと来たか……。
「シグナム、どうしたんだよきゅうn……って……アニス!?ど、どうしたんだよ!!」
「主が血を吐いて倒れた……。すぐに主の部屋に運ぶぞ、ヴィータ」
「ちょっと待ってろ!今シャマルを呼んでくる!シグナム一人でも行けるだろ!」
「……仕方ない、早急にな」
「分かってる!!」
ヴィータはすぐにリビングに戻り、シャマルを呼びに行く。
だが……どうして急に、主は倒れたのだ……。
これ程の事なら、日常生活を見ていれば……。
!?日常生活!
思い返せば……不審な所はいくらでもあった……。
食欲不振に加え、睡眠の長さ、咳……私は主の守護騎士として失格だ!
何故気づけなかった!
……いや、悔いるのは後で幾らでも出来る。
今は主だ……。
主……何故何も言わなかったのです……。
……私は……無力だ……。
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私はキンクリしか出来ない憐れなおじさんです…… | ||
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