死にたがりの三十六話 何か温泉に来ちゃいました
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「はっ?温泉」

 

 

最初はこの一言で始まった。

 

 

「そうだ、温泉だ」

 

 

「……何でまた温泉なのさ?」

 

 

「士郎が、お前も誘って全員で温泉に行かないかって言ってきて、お前に聞いてみてくれってうるさいんだ」

 

 

「……いやさ、俺は良いんだけど……シグナムやはやてちゃんは無理なんじゃ……」

 

 

「そう、そこが問題なんだ」

 

 

俺とアンクははやてとシグナムを見る。

まぁ、主にシグナムの方に視線を重視する。

 

 

「ウチは気にせんよ?」

 

 

「私は主に着いて行きます」

 

 

ほら、これだもん。

こいつは付いてくる気満々だし……さて、どうしたものか……。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「………………」

 

 

どうも、アニスたんでございます。

今日は大変お日柄もよく、良い温泉日和ですね。

まぁ、それは置いといて……これは一体どういう事なのでしょうか?

 

 

「〜〜〜〜♪」

 

 

「……あの……なのはちゃん」

 

 

「何?」

 

 

「……何故俺はなのはちゃんの膝の上に座っているのでせうか?」

 

 

ただ今なのはの膝の上に座っております。

どうしてこうなった……。

 

 

「やっぱりアニス君は軽いの」

 

 

「答えになってません。そしてそこの二人!羨ましそうに見てないで助けてください!」

 

 

何なんだ!その物欲しそうな眼は!

俺は動物じゃねぇ!ユーノでも膝に乗っけてろ!!

 

 

あ、因みにシグナムは簀巻きにしてしまっておきました。

後、ヴィータ達が見張ってくれるそうです。

 

 

シグナムは心配性です、俺はそんなに軟じゃありません!

……いや、呪いがあるから軟なのか……。まぁ、最近は吐血はしてないし。収集も順調。

たまの羽休みと考えて、今回は温泉に浸かろう。

 

 

それにしても……ファーストキスがシグナム……か。

こう……今考えると、何も覚えてないのが恨めしいような、残念なような、恥ずかしいような、悲しいような……。

 

 

これはキスとカウントして良いのだろうか?

勘定に入れたくは無いけど、それだとシグナムが可愛そうだし……、うむ、めんどくさい。

 

 

「なのはちゃん、どさくさに紛れて触ろうとするのは止めなさい」

 

 

「……ちっ……」

 

 

舌打ちは止めなさい。その年で変態になりたいのか?

はやてのようになるぞ?後恭也、後ろの車からこっちを睨んでんじゃねぇ。

大人げないぞシスコン。

 

 

て言うか、なのはなんも悩んでないのかな?

この話の前に、フェイトにはあってるはずだけど……。

もしかして俺で悩むまいとしてる?それとも、これから?あぁ、止めなさい。せめて降ろしてください。

 

 

まぁ、着く前辺りで悩みだしましたけどね。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「嫌だぁぁぁぁぁ!行きたくなぁぁぁぁぁぁい!!」

 

 

何故かダメギかしてる俺です。

ってちょっ!?離せ!えぇい!貴様らなんぞに俺の柔肌を見せてたまるもんですか!

だから!引っ張んな!

 

 

「俺は男だって!女湯に何て入るわけにはいかない!!」

 

 

「駄目なの!アニス君は私達と同じお風呂じゃないと駄目なの!」

 

 

「だから!俺男!なのはちゃん女!分かった!?」

 

 

「でもそれだとそっちの所で死人が出ちゃうよ!」

 

 

「どういう意味だそれは!人を殺戮兵器みたいに言うんじゃあえりません!!それと士郎さーん!恭也さんが木刀持って俺に襲い掛かろうとしてまーす!!」

 

 

ドガァッ!!

 

 

ズルッズルッ……。

 

 

……何と手際の良さ。

一発で熨して男湯の方に引きずって行った……流石士郎さん。

 

 

「アンク助けっ……っていねぇ!?」

 

 

あいついねぇ!?

使えねぇ!?何でいないの!?おかしくね!?

 

 

「アンクさんなら温泉には興味が無いみたいだから、部屋で待機してるの」

 

 

「来た意味ないじゃんあいつぅぅぅぅ!!アンクのバカー!!いやぁぁぁぁぁ!」

 

 

アニス、誘拐。

その時脳裏に過ったのは、今までの明るい生活!

 

 

「誰だ!カイジみたいな地の文入れた奴!出てこーい!」

 

 

ズルッズルッ……。

 

 

こうしてー、アニスはー、連れて行かれたー……。

 

 

「しくしくしくしくしく……」

 

 

「うわー……」

 

 

「これは……」

 

 

「反則かも……」

 

 

どうも、辱めを受けましたアニスです。

もう何回目の挨拶何だか分かりません!……アニスです……。

 

 

「しくしくしくしくしくしく……」

 

 

「ア、アニス君……そんなさめざめと泣かなくても……」

 

 

「誰のせいだと!誰のせいだと思っているんだぁぁぁぁ!何で俺が女湯に入らにゃならんのですか!何でこんな事になっているのですか!せめて某試召戦争に出てくる人みたいに何か新しい湯とかあれば良かったのに!!」

 

 

俺の精神はゲシュタルト崩壊寸前!

マジで死んじゃう5秒前!

 

 

「はぁっ……このまま男湯に突貫するしかないか……って、桃子さん?」

 

 

何か桃子さんが俺の両肩を掴んで、マジな目で俺を見てるんだが……。

 

 

「アニス君、自分の顔を……いえ、自分の姿すべてを考えて見ましょう。アニス君が男湯に入ると、凄く大変な事になるの」

 

 

「大変な事……ですか?」

 

 

「そう……アニス君は男の子だけど……顔は女の子そのもの……いえ、それ以上よ……そんな子が狼の男湯に行ったら、どうなるか分かる?あそこは狼の巣窟よ、アニス君じゃ絶対に生き残れない……」

 

 

「こ、こぇぇ!男湯こえぇ!」

 

 

何か俺の口調がよつばみたいな感じになってるのはなんでだろう?

まぁ、男湯はそんな所じゃないって信じてる。

 

 

「だから、アニス君は女湯で我慢してね?」

 

 

「男湯行って来まーす」

 

 

ガシッ!

 

 

ズルッズルッ!

 

 

俺は犠牲になったのだ……。

て言うか助けてくださぁぁぁぁぁい!!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「うぇ〜い……きんもちいい〜……」

 

 

「アニス君、お年寄りみたい」

 

 

「順応はやっ」

 

 

「あはは、アニス君らしいね」

 

 

温泉浸かりなう。

どうして露天風呂ってこんなに気持ちが良い物なのだろうか。今の俺には理解できない。

だって、ただ外にお風呂を沸かしただけだよ?それは凄いと思わないかい?

 

 

「それにしても、アニスって髪相当長いわね。切らないの?」

 

 

「切っても良いんだけどね〜。アンクがうるさいんだー。だから未だに髪の長さは更新中だよ。最近は地面に着きそうで着きそうで。せめてなのはちゃん達と同じ身長だったら大丈夫なんだろうけど」

 

 

「ふぅーん」

 

 

「何さ、その意味深なふぅーんは……」

 

 

「アニス君って、自分で髪手入れしてるの?」

 

 

「いや、特別な手入れはしてないよ?ただ簡単にシャンプーしてリンスしてるだけ」

 

 

「羨ましいわ〜」

 

 

「うわっ、いつの間に桃子さん……」

 

 

何かいつの間にか横に居たんだけど。

へ?それよりも恥ずかしくないのかって?いや、だってみんなタオル巻いてくれてるし。

 

 

「私もアニス君みたいにサラサラの髪になりたいな〜」

 

 

「今でも十分サラサラだと思いますがね」

 

 

「あら、ありがとう」

 

 

まぁ、ホントの何だけどね。

だってこの人達って、歳とればとるほど若返る戦闘民族でしょ?

え?違う?っですよねww。

 

 

「それじゃあ、そろそろ私達はあがるの」

 

 

「そうね、あんまりつかり過ぎちゃうとのぼせちゃうし」

 

 

「だね」

 

 

「あれ?三人とも上がっちゃうんだ。それじゃあ、俺も体洗ったらすぐあがるよ」

 

 

「分かったの。それじゃあ一足先に部屋に戻ってるからね」

 

 

「あいよー、です。さて、体洗っちまうか」

 

 

俺は湯船から出て、近くの椅子に座り、タオルにボディーソープを漬けてわしゃわしゃし、体を洗う。

それにしても、ホントに痩せたな……。

アンクが気を利かせて、最近まで体調悪くて食欲が無かった云々って言ってくれなかったら今頃どうなってたか。

 

 

うむ、これからどんどん痩せこけていくのかな?

それはそれで怖いな。でも、食ったもんが血となって吐き出されるし、あんまり多くは食えない。

……はぁっ、サッサと収集しないとな。もう起源は残ってない。

 

 

早くしないとシグナム達が収集を始めてしまう……。

そうなる前に、俺の手で終わらさなければ。

俺はそう考えながら、身体を流す。

 

 

「さて、上がりますか……」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「いっやぁ〜、きんもちよかった〜」

 

 

《何かつやつやしてるなお前》

 

 

「何でそこで鈴口調になったのかは知らないけど、つやつやはするさ。温泉だし」

 

 

《そんなもんか》

 

 

「そんなもんだ。つか、目の前で見知った顔が居るのだが……」

 

 

何か言い合いしてんのかな?

それにしても……まぁまぁ、子供に単価斬るなよな……。

 

 

「あれ?三人とも何してんの?こんな所で立ち止まって」

 

 

「あ、アニス君」

 

 

「ちょっとこのお姉さんが……ね?」

 

 

「あ、アニス良い所に来たわね!何か言ってやんなさいよ!この人ったら!」

 

 

「アニスじゃないかい!久しぶりー!」

 

 

あ、アルフ……。

あぁ、ジュエルシードがらみで居るのですね。分かります。

 

 

「あれ?アルフさん、お久しぶりですね」

 

 

「そうだよー、ホントに久しぶりだよー!全く、何で遊びに来てくれないのさ!」

 

 

「あはは、ごめんなさい。少し色々忙しくてですね」

 

 

「まぁ、この際良いさ。それにしても、アンタこの前より痩せて無いかい?ホントに心配になって来たよ」

 

 

「いえいえ、心配ないですって……って、三人とも何でそんな目が点になってるのさ?」

 

 

何か、凄いシュールなんですけど……。

まぁ、どうでも良いか。

 

 

「あの、お知り合い?」

 

 

「あ、うん。ちょっとこの間知り合ってね」

 

 

「そうなんだ……」

 

 

「あ、そうだ!アニス、ウチの連れに会っちゃくれないかね?」

 

 

「連れ?……あぁ、あの子ですね」

 

 

一応お茶を濁しとく。

なのはには気づかれて、俺が一応関係者ではない事を装っておく。

 

 

「ごめん、ちょっちこの人の連れに会ってくる。すぐに戻ってくるから!」

 

 

「うん、分かったよ。それじゃあ、行こうか」

 

 

「すずか!アンタそれで良いの!?」

 

 

「いってらっしゃーい」

 

 

「なのはまで!?う〜、あぁもう分かったわよ!行ってきなさい!」

 

 

「ありがとう、アリサちゃん。それじゃあ行きますか、アルフさん」

 

 

「そうだね。それじゃねー、ちびっ子達」

 

 

こうして、俺はフェイトに会いに、アルフに着いて行くことにしたのだった。

                                     〜続く〜

説明
なのはとフェイト、どちらか一人を選べと言われたら、私は迷わずヴィータを選びたい……
へっ?二択じゃないのかよって?
おいおい、堅い事言うなよ、たかが二択だろ?
……お前の場合は二択ぶち破ってるだろって?
ですよねwwwww
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温泉 フェイト・テスタロッサ リリカルなのは 

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