雨の日の旅 |
ざあざあと遠くのほうで雨の音がする。
僕は立ち上がり、窓を開けた。
ざああああ、と途端に雨の音が大きくなった。
空を見上げた。
厚い雲は黒くよどんでいた。
僕は出かける事にした。
昨日も雨だった。
今日も、朝からずっと雨だった。
昨日も出掛けた。
今日も出かける事にした。
黄色の合羽を着て、同じ色の長靴を履き、青い傘を差した。
「あら、レンくんお出かけ?」
ママに聞かれた。
「うん!」
ぼくは元気に返事をした。
玄関を出ですぐに右に曲がる。
ピシャリ、と水溜りを踏んだ。
近くのブロック塀に何かいた。
近づいてみる。
「あ、カタツムリ」
思わず声を出した。
そっと手を伸ばしてみた。
こつん、とカタツムリの殻を叩いてみたら
ヒュン、って引っ込んでしまった。
なんだか、ごめんね。
カタツムリさん。
散歩の邪魔しちゃった。
また何か発見。
猫だ。
真っ黒い。
雨がかからないところで
小さくなって眠ってる。
僕は隣に行ってみた。
猫は目を一回パチッと開けて
また閉じて、眠った。
「おやすみ、ネコさん」
そのとき窓が開いた。
ママが
「おやつだよ」
って。
しょうがないから今日の冒険はここまでだね。
僕は僕の家の庭の探検を終えた。
説明 | ||
今日は雨だった。 昨日も、雨だった。 そして僕は 今日も出掛ける。 短編です。 |
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コメント | ||
ホッとしますね。今もこんな子どもの風景は残っているのかな。残っていると良いな。(華詩) | ||
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雨 小さな 旅 | ||
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