超次元ゲイムネプテューヌmk2 Reborn 第三話 再生 |
現在プラネテューヌ教会
「ネプギアさん。大変です!!」
教会内の静寂はその一言で破られた。
ドアを開ける音と共にその声は教会内に響き渡った。
それに続いて妖精の様な姿で本の上にたたずんでいる見かけ5歳程度の少女が教会の一室に血相を変えて飛び込んできた。
プラネテューヌの教祖、イストワール。
恐らく彼女の名を知らないものはプラネテューヌには存在しないであろう。
今までのプラネテューヌの財政危機はほとんど彼女によって立て直されてきた。
国の主権も今は彼女が握っている、いわば女神の次にその名をプラネテューヌ全土に轟かせてる。
だが今回の行動はいつも冷静な彼女らしからぬ行動である。
「いーすんさん?いったいなにがあったんですか!?」
椅子に腰掛けていた紫がかった桃色の髪をした見かけ13か14歳ぐらいの少女が彼女のほうに振り向いて戸惑いながら答える。
プラネテューヌ元女神候補生ネプギア。
その名はプラネテューヌはおろかゲイムギョウ界全土に知られている。
ただ一人の女神の生き残りであり、現在の世界における最高権力者が彼女である。
イストワール「魔剣ゲハバーンが…何者かに奪われました…。」
ネプギア「ッ!!」
魔剣の名を聞いた途端に、ネプギアの顔が青ざめる。
自分と魔剣とをつなぐ因縁、それは彼女にとって絶対に切り離せないものであった。
彼女がプラネテューヌの女神候補生であった頃、彼女は彼女の姉であり、プラネテューヌの女神であるネプテューヌと一緒に他の女神の命を奪ったのである。
もちろんこれは彼女達が望んだわけではない。
世界を救うにはこれしかないとわかりつつ、最後まで躊躇し、苦肉の策として実行したのだ。
友である他の女神の命を奪うことは彼女達にとって耐え難かったことであろう。
そして最後にネプテューヌは自分の命を魔剣にささげるために、ネプギアに自分の命を奪ってくれと頼んだのである。
最愛の姉の命を奪うことは、彼女にとっては死よりつらいことだったが、ネプテューヌの必死の説得により、実行に移したのである。
そしてその剣で犯罪神をたおし、今に至るのである。
だが国民にその事実を知るものは居ない。
現時点でそのことを知っているのは一部の部外者を除けばそれぞれの国の教祖とネプギアのみである。
ネプギア「あの剣が…。でもあれは…。」
イストワール「はい。この教会の地下室に厳重な警備の下保管してあります。なのに監視カメラには人影一つうつっておらず、扉が開閉された痕跡もありませんでした。」
ネプギア「そう…ですか……。」
イストワールの言葉にネプギアはふいに視線を床に落とした。
これを見たイストワールは一息ついてネプギアに話しかけた。
イストワール「この件は内密に調査します。何かわかったらすぐにお知らせします。」
ネプギア「はい。お願いします。」
ネプギアは静かに返した。
イストワールは静かに体を反転させ、開いたままのドアをくぐって部屋を後にした。
部屋はふたたび沈黙に包まれ、ネプギア一人がそこに取り残された。
軽くため息をついた後にネプギアはドアに向けていた体をもとあった方向に戻した。
ネプギア「やっぱり…あの選択は間違ってたのかな…。」
ネプギアはうつむいたままつぶやいた。
それは彼女の心の奥底に秘めている思いが言葉に表れた瞬間だった。
今でも犯罪神に言われた言葉が胸に残っているのだ。
国が一つに統一されたといっても国名がプラネテューヌに変わったぐらいでネプギア一人では治めきれず、それぞれの国の元教会が、臨時政府を築いて政治を行っているのが現状だ。
彼女は今でも自分の無力さを呪っている。
ネプギア「やっぱり私一人じゃ…。お姉ちゃん…。」
ネプギアは静かにまぶたを閉じた。
同時にネプギアは今は亡きたった一人の姉、ネプテューヌを思った。
閉じられたまぶたの隙間からは小さな雫が流れ落ち、彼女の手の甲に落下した。
現在氷室の部屋。
仮眠を終えた氷室が時計に目をやる。
時刻は午後1時だ。人間にとっては真昼だが悪魔にとっては真夜中にも等しい時刻だ。
まだはっきりとしない意識の中、氷室は目を細めたままバサバサと頭を掻き、深いため息をついた。
軽く腕を回して何とか意識を覚醒させ、目の前のドアを押し開けて階段を下り始めた。
このビルからGANTZのある場所までの30分間、何も言わず、何にも目をくれずにただひたすらに歩き続けた。
自分の体とGANTZとの距離が約1m弱まで近づいたとき、その閉ざされた口は初めて動いた。
氷室「GANTZ、転送頼む。」
行ってくだちい
ふざけた文字が浮き上がると同時にレーザーが照射され、氷室の体が頭から徐々に消えて行き、完全にその場所から姿を消した。
現在ギョウカイ墓場跡地。
転送された氷室は太陽の眩しさに眉をひそめ、手を目の前にかざした。
徐々に手をどかすことで目を慣らし、問題なく見える程度に回復したところで口を開いた。
氷室「GANTZ。始めてくれ。」
この方をやっつけてくだちい。
GANTZに文字が浮かび上がった後にある画像が映し出される。
さらに続いてその画像の説明のような文章が映し出された。
キラーマシン
特徴
でかい
かたい
好きなこと
破壊
大暴れ
口ぐせ
ウィーン
直後にGANTZからレーザーが照射され、画像のとおりのキラーマシーンが8体、氷室の前に姿を現した。
金属の体を持つ氷室の体の倍はあろうかというその大型ロボットは、機械の起動音とともに氷室の方向に移動を始めた。
氷室は動揺することもなく、日本刀を出す要領と同じく、ハンドガンを出してキラーマシーンに向けて乱射し始めた。
引き金が引かれるたびに乾いた音と共に弾丸がキラーマシーンに向けて直進し、薬莢が地面に音を立てて落ちた。
が、キラーマシンの装甲の前ではいとも簡単に弾丸ははじき返されていった。
氷室(まあまあ装甲は硬いようだな。だったら…。)
心の中での呟きは氷室の思考を実行に移させた。
氷室は日本刀を出し、地面を蹴ってキラーマシンの群れの中へ飛び込んでいった。
近くにいた2体のキラーマシンが氷室の頭と腹を目掛けて同時にモーニングスターをふるった。
が、氷室は最初の頭への一撃を上体を後ろへ反らして避け、腹への一撃を刀の先を地面に向けて体の横側に構え、そのままモーニングスターが刀当たると同時に進行方向へずらしてその一撃を流した。
大振りをして隙ができた一瞬に氷室はキラーマシーンの肩のあたりに飛び、刀を首と胴体をつなぐ関節めがけて勢いよく振るった。
ガキャンという音と共に1体のキラーマシーンの首が跳ね飛び、それを確認することも無く氷室は返す刀でもう1体の首を絶った。
ズズン…。
首が地面に落ちる音と共にキラーマシンは地面に伏し、完全に沈黙した。
氷室(残りは…数えるのも面倒臭え。)
氷室は後方へ跳び、キラーマシンと距離をとった。
その後左手に力をこめると、どす黒い炎が渦を巻いて左手に宿った。
その瞬間、轟音と共に残りすべてのキラーマシンの足元から真っ黒な火柱が上がった。
その火柱はキラーマシンを焼いた。
いや、焼くと言うよりはかき消した。
音が徐々に小さくなり、火柱が止んだ後、そこには一片の残骸、一振りの灰さえも残されてはいなかった。
氷室「済んだぞ。採点、速くしろ。」
あれだけのことがあった後でも声色1つ変えずに氷室は口を動かす。
声に反応してGANTZの表面に徐々に文字が浮かび上がってきた。
それぢはちいてんをはじぬる
氷室 56点
total 708点
氷室「ついに集まったか。GANTZメニューを出してくれ。」
GANTZに向けて氷室がやや強めの口調で言う。
言葉に反応してGANTZの表面に前回の戦いでは現れなかった文字が現れた。
100点めにゅー
1 より点数の高い敵を出す
2 MEMORYの中から好きな人間を生き返らせる
氷室「2番だ。この7人を再生しろ。」
氷室の発言には一切の迷いも見られなかった。
氷室が選んだのはあの時死んだ7人の女神だった。
直後にGANTZにまたしても文字が浮かび上がった。
ここにいきかえらせますか?
氷室「……いいや。安全を確保の上で死ぬ直前の場所に生き返らせてくれ。」
氷室はGANTZの文字を見て顎に手を当てて視線を落とし、しばらく考えた。
だがすぐに結論は出た。
氷室の言葉に呼応してGANTZに文字が浮かび上がる。
氷室 total 8点
氷室「これで良いのか…? 一応確認に行くか。」
先ほどの点数から700点を引かれた点数を見て氷室は小さく呟いた。
言うなり氷室は目の前に黒い炎を展開させ、その中に姿を落とした。
catastropheまであと一週間。
説明 | ||
もう気がついている人が大半だとおもいますが、この作品は GANTZを掛け合わせています。 あともう1つ、吸血鬼ハンターDという小説も組み合わせています。 この話を読めば分かるのですが、原作とGANTZの仕様がだいぶ変わっております。 GANTZファンの皆さん、ごめんなさい……。 |
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コメント | ||
藾弑さん>氷室「コピーだ。オリジナルは既に死んでる。こいつで再生された人間は、言わばファックスから出てきた人間だ。」 レオン「知るほどにGANTZってのは謎だらけだな……。」 ライ「全ての謎が解けるのは何時になるんだろうな?」(クリケット) クァム「GANTZが生き返らせたってのはコピーなのか?」コピー? クァム「いや、だってさ主人公(GANTZ本編)は電車に引かれた奴と同じ偽物じゃなかったかっけ?」…わからん。(駆蘭) |
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