白い日とその後の事
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「よぉっし、出来上がりっと」

出来上がった物をみてあたしは満足して笑う、ちょっと作りすぎたかもしれないけどそれはまぁそれで良いし

「後はラッピングだけね、ずいぶんたくさん作ったみたいだけど…誰に渡すのかしら?」

「もちろんあたしにもだよな?」

隣からマミさんと杏子が笑いながら聞いてくる、なんでこう二人で印象が違うんだろう、間違いなく笑い方のせいだろうけど

「そりゃーもちろんマミさん……と、ついでに杏子にも用意はしてますよー、お世話になってますからね」

「おいちょっと待て、なんであたしの時だけやたらと間が空いてんだよ?」

「さてなんでしょうかねー?ってゆーかあんた食べる専門じゃないのよ、何しに来てるのよ?」

「何ってそりゃーもちろんマミにメシたかりにきたに決まってんじゃん」

「佐倉さん、それは自慢げに言う事じゃないと思うの」

胸を張ってダメな事を言う杏子にマミさんが苦笑いを浮かべて呟いた、でも困ったような感じより嬉しそうなのが強いのはなんだかんだで良い関係なんだろうな

「それで、大量に作ったって言う事は美樹さんは渡す人も多いのね」

「そうなんですよー、まどかは毎年だから良いんだけどなんでか今年は女の子から沢山きちゃって…しかも本命っぽそうなのが多くて大変ですよ、おまけに家でやろうにも

一人じゃ作り方がわからないものもあったから助かりましたよー」

「ふふっ、どういたしまして、それじゃあ明日を楽しみにしておくわ」

「そういうマミさんは誰にあげるんです?」

「えっ?わ、私?えぇっと……秘密よ、ひみつ…」

やっぱり気になるのは確かにあるので聞いてみたら面白いくらいにうろたえ始めた、こういうのを見ると必ず絡んでくるのがいて…

「あー?どうせほむらだろ?」

「っ!さっ!ささささささ佐倉さん!?ななななんでっ!?」

…ほらいた、杏子があっさりと相手をバラした

「なんでって…あんだけバレバレな態度してたら誰でも気付くっつーの」

あっ、良く見ると杏子の顔が面白くなさそう……

「じゃあそういうあんたは誰かにあげる予定とかあるの?」

「あっ?あたしは貰う専門だからな、さやかとかマミとか…」

貰う専門とか言う割には最後は聞き取れない言葉でボソボソと何か言ってるし…まさか、ね…だとしたらマミさん当日は修羅場かも

「さてと、お世話にもなったしあとは当日をお楽しみにーってことで今日はこのへんで」

「えっ、あ…そっ、それじゃあね」

「おー、期待してるからなー」

まだうろたえてるマミさんと微妙に機嫌の悪い杏子を置いて、最後の仕上げをするためにあたしは家に帰ることにした

「なぁマミ、さやかの奴なんであれ買ってたんだ?」

「…さぁ?飾り付けが必要なものもなかったし……何に使うのかしら?」

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―――白い日―――

 

さぁて準備も万端で忘れ物無し!と言うことで浮かれ気味に登校してると前に何時ものまどかの姿、若干そわそわしてるというか浮かれた足取りなのはやっぱり今日がその日

だからなんだろうなぁ、可愛い奴め、後ろから抱きついてやる

「まどかっ!おはよ」

「ひゃっ!?あっ、さやかちゃん…おはよう」

やっぱり浮ついてるなーと反応を見てつい笑みがこぼれてしまう―っと、そうだ、まず一つ渡さないと

「はいっ、これ」

一度体を離してから制服のポケットに入れておいたクッキーを入れた袋を渡す、ついでに紙も一緒に

「わぁ、ありがとう…これ手作り?それにこれ…?」

「今年は渡す人が多くてねー、何時も通り買って渡そうとしたら作るより高くついちゃいそうだから作ってみたのよ、あぁ、その紙は早目に読んでおいてね、割りと重要だから」

「そうなんだ…ティヒヒ…それでも嬉しいな………うんっ!読んでおくよ」

「おーぅ、二人とも」

杏子が出てきた、昨日言った手前ちゃんと渡すものは用意してるからかばんからゴソゴソ探してっと

「おはよっ、ほらこれ」

「おはよう杏子ちゃん、はいっ」

あたしとまどかの二人から菓子をもらえて杏子は満足そうに笑う、あいつおとなしくしてれば結構可愛いのにもったいないと思うんだけど…

「さーんきゅっ、あたしからはマミがよこすと思うからそっちを期待してくれ、そんじゃなっ!」

そういってさっさとどこかに行ってしまった……ってあの後姿は…

「おはよっ!仁美、はいっ!」

「仁美ちゃんおはよう…はいこれっ」

「おはようございます、まどかさん、さやかさん、ありがとうございます…私からも…はいっ」

振り返ってから何時ものように笑う仁美に二人で菓子を渡したら仁美からもお返しを貰った

「うわっ、なんか豪華なんだけど……」

「な、何か凄いね…これ」

…何か見た目にも豪華そうで本当に貰ってもいいのか困ってしまう……

そうこうしてると微妙に時間が危ないので少し急ぎ気味に学校へ行く事になった

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―――学校―――

 

「おーおー…教室が色めいておりますなぁ」

やっぱり先月ほどじゃあないけど色々とね…教室に入ってそう呟いてあたし達は自分の席に向かってまずかばんを下ろした

「おはよっ、ほむら」

「ほむらちゃんおはよう」

「おはようまどか………と、さやか」

「ちょっと待って、なによその間は」

妙に既視感のあるやり取りをしつつもクッキーの入った袋を見せて

「まぁそんなに失礼な挨拶するならあげるのやめようか、残念ねーせっかくの手作りなのに」

「ちょっ、ちょっとした冗談よ」

「ま、まぁ冗談って言ってるからあげようよ」

まどかが止めてくれたから素直に渡す

「………あっ、ありがとう…」

「まっ、お礼は来年に期待するわ、今はその反応だけで充分だわ」

「…………むぅ…」

「ん〜?それは嫉妬かなぁ?可愛い嫁ねー!」

むくれたまどかの頭をグシグシと撫でてやるとちょうどチャイムも鳴ったんで席に戻る事にする

余りじっくり見る事はできなかったけど凄く嬉しそうにしてたのを見るとやっぱり作った甲斐があったと言うものね

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―――昼休み―――

 

「ふぅ…渡すのは大体終わったかなー…疲れたぁ…」

「さやかちゃん今年はモテモテさんだったからね……お疲れ様」

恭介やバレンタインの時にくれた女の子達にクッキーやマシュマロを渡すので午前中の休み時間が潰れてしまい

ようやくゆっくr「あれっ?さやかちゃん、あれマミさんじゃないかな?」まどかが指をさしつつ言ったので

その方向を見ると教室のドアのあたりでマミさんが様子を伺ってた

「マミさんどうしたんです?あっ、これどうぞ」

「誰かに用事ですか?あとこれどうぞ」

「あっ、ありがとう二人とも…えっ……とね…暁美さん……いるかな?」

「ほむらですか?あそこにいますけど……呼びます?」

「へっ!?あっいや、わっ、私から直接伝えるわ…」

そう言ってマミさんはほむらの所に―なんか凄いギクシャクしてるのは気のせいじゃないよね…あれ

「ねぇさやかちゃん…もしかしてだけど……」

「多分そうだと思うわ…というかあそこまでだとわからない方が…ね」

ヒソヒソと話をしつつ席に戻ってお昼ごはんを再開、もちろんマミさんたちは視界に収めつつだけど

「…そうだ、さやかちゃんわたしからなんだけど…」

「おっと待ったまどか、それは後で…ね?紙に書いてあったでしょ?」

「あっ……うん、じゃあ…その時に」

朝まどかに渡した紙に『まだ渡すものがあるから後であたしの家に来て』と書いておいたのだ

ついでにまどかから貰えるであろうものもその時にいただいてしまおうというわけである

「そういうことだから…ごめん、ちょっと寝させて…さすがに疲れたわ」

そういってあたしは机に突っ伏した―疲れが溜まっていたのかあっさりと意識は落ちてまどかに起こされたのは始業のチャイムがなる直前であった

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―――放課後―――

 

「ただいまっとー、そんでもっていらっしゃい、ちょっと用意があるから先にあたしの部屋で待っててよ」

「おじゃまします…うん、わかった」

まどかを先にあたしの部屋に通してからあたしは台所へ、作った色々な物を持って部屋に入る

「お待たせー」

「あっ…うん………」

何か微妙に緊張した面持ちのまどかがいた……うん、まぁあたしも少しは緊張してるけど

「それでね、本命はね、これなのよ…受け取ってもらえるかな?」

あたしは一番丁寧に包装した包みをまどかに渡す

「うん…開けても…いいかな?」

「もっ、もちろんよ……」

袋を縛ってるリボンを解き、袋の中を見るとまどかは目を見開いた

「これ…さやかちゃん作ったの?」

「えっ、あっ、うん…あたしが作ったの」

中身はマミさんに教えてもらって作ったキャンディ

仁美と恭介の取り合いになって負けて…自棄になったり落ち込んでたあたしを何も言わず傍で慰めたりしてくれたまどか…。

そんなまどかへのあたしからの返答と感謝と好意をこめた特別なものである。

「まどか…」

あたしの言葉はそれ以上は遮られた、まどかが急に抱きついてきたから

「わたし……さやかちゃんが好き…さやかちゃんが上条君を好きだったのと同じ…好きなの…ずっと…初めて会った時からずっと…」

まどかの告白にあたしは混乱してしまう、だって初めて会った時からって事は…その、あたしはそんなまどかの気持ちも知らないでつきあわせていたって

事で……

「まどか……その…えっと…」

言いたい事、応えたい事がありすぎて言葉が出ず、でもまどかの好意が凄く嬉しくて…恥ずかしくて……

「あ…あたし…も…………その……好き………」

ようやく言えたのはこれだけ、何時ものようにたくさんの言葉も出ないけど…精一杯のあたしの気持ち

「っ…ご、ごめんね…さやかちゃん…しばらく…このままで……いさせて…」

まどかはあたしの胸の辺りに顔を埋めて少しの間泣いていて…あたしはその…そんなまどかが可愛いかったのと…気恥ずかしいのとで…何も出来なくて

「……ごめんね、急に泣いちゃったりして」

「あっ…いや…だっ、大丈夫だよ……」

しばらくした後まどかは何時も通りに戻っていて―ただ、今までよりも笑顔が眩しくて…あたしはそれを見つめ返すのだけでも恥ずかしくて顔が赤くなっていて…

「あっ、キャンティ…いただくね?」

そういってまどかは袋からキャンディを出して一つを口の中に入れて、美味しそうに食べていた

「ど……どう………かな?」

「美味しいよ…そうだ、さやかちゃんも一緒に…ねっ?」

「えっ?一緒って…んぅっ!?」

あたしの返答も待たずにまどかはあたしの頬に手を当てると……その…キスをしてきた

「んっ…ちゅ…ふぅ……」

舌を使ってキャンディをあたしの口に押し込んできた、飴特有の甘い味と…少しだけ混ぜたレモンの味がする…

「…はぁっ…ねっ…わたしにも…んっ…ぅ……ちゅっ…んっ…んんっ」

まどかがもう一度キスをしてあたしの口の中に移動させた飴を舌を使って取ろうとした

その時にまどかの舌があたしの口の中を舐めたり、まどかの唾液があたしの口の中に流れ込んできて、それがとっても甘くて

舐められた跡が凄く熱くて……あたしの頭の中が真っ白になっていって…どんどん甘美なものにかわっていって…

「ふぁ……はっ…ま…どかぁ………」

口を離して漏れ出た言葉は普段のあたしからは想像できないような声だった…

「んっ…さやかちゃんの飴……凄く美味しいよ…だから…もう一回…ねっ?」

そう言ってまどかはまたあたしに口移しのキスをしてきた………

「……ぁ…は……ま…ど…か……」

恥ずかしいのと、飴の甘さと、まどかの唇と…舌の熱さと甘さにあげた飴が全部無くなる頃にはあたしは口の周りをベタベタにして

だらしなくぐったりと床に横たわっていた

「さやかちゃん…可愛い……んっ…あれ?」

まどかは唾液でべたついてるあたしの口元を舐めていた―その時あたしの脇に視線が移った

「これって……スプレーチョコ?」

まどかがそれを取ってまじまじと見る――そしてあたしを意地悪そうに見て…わかってるだろうにあえて聞いてきた

「ねぇさやかちゃん、なんでこんなチョコ持ってたのかな?」

「あっ…ぇ…………に……食べさせたかった…から…」

「良く聞こえなかったなー、もう一回言ってくれるかな?」

「えぅ……まっ…まどかに…食べさせたかった……から」

ちゃんと言える頃には恥ずかしすぎて顔も見られないくらいにあたしの心臓はドキドキしてたし…予想が出来るこの後のまどかの反応に

……その…ちょっとだけ…期待もしてた…

「ふぅん……でもさやかちゃんこんなんじゃあ食べさせられないからわたしが食べさせてあげるよっ」

そう言ってまどかはスプレーチョコを自分の口の中に流し込んでからあたしに近寄り――

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―――数ヵ月後―――

 

今日はわたしとさやかちゃんが恋人同士になってからの初めてのデート…みたいなものの日

あの日以来さやかちゃんは、恥ずかしがり屋になってしまい最初は私を見ることも出来ない位にはずかしがってました

それなのに離れてると寂しがったり泣いちゃったりして、それがとても可愛らしいくって…つい意地悪しちゃったりもしちゃったりもしました

「さやかちゃんは………あっ、いたいた、おはようさやかちゃん」

「―…っ!?おっ…おはよ……まどか」

少し辺りを見回すと電柱の影からわたしの様子を見るようにさやかちゃんがこっちを見ていた

呼びかけるとビクッとして隠れようとするけど手招きまでするとゆっくりと出てきてそばまで来る、それだけでも十分可愛いのに

恥ずかしそうに話しかけてくる、それがさらにかわいかったりします

「もぅ…これじゃあわたしをお嫁さんに出来ないよ?」

「うっ!…うぅ……いいもん、そうなったらまどかのお嫁さんになるから…」

少しからかうだけでもこんな可愛い反応をされるともっともっとしたくなっちゃうけど――

「鹿目さん、美樹さん、二人ともおはよう」「おーぅバカップル元気か?」「おはよう、まどかにさやか」

声のした方を見るとマミさんと杏子ちゃんとほむらちゃんが来ました

実は三人とも一緒に来ていて、マミさんの両腕をほむらちゃんと杏子ちゃんが片方ずつ腕を組んでるような形だったりします

わたし達と同じで、ホワイトデーに色々あったみたいだけど、三人そろって仲が良さそうなのでなによりです

「おはよう、マミさん、杏子ちゃん、ほむらちゃん」

「おっ、おおおおおはよ…」

「ふふっ、それじゃあ行きましょうか」

みんな揃ったので早速デートに行くことに、まず最初はみんなで公園で散歩から

杏子ちゃんが引っ張るような形でマミさんたちが先に行き、わたしとさやかちゃんはその後ろを歩く―という位置

わたしはさやかちゃんの手を取り、指を絡めてからゆっくりと歩き出します

それはまるで、わたし達のようにゆっくりとした歩み、私たちはゆっくりと進んで、絆や、愛を深めていけば良いから

「さやかちゃん…大好きだよ」

「あたしも……まどか、大好き」

 

説明
ホワイトデーのネタとして某所にUPした作品です

最後がなんともグダグダになってしまった物ですが
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タグ
まどさや さやまど 魔法少女まどか☆マギカ ホワイトデー 

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