死にたがりの第四十話 人間関係はめんどくさい |
ちっすー、アニスたんだお。
今回は他の世界からお送りしております。
《マスター、二時の方向に居ます》
「了解!」
ただ今収集中。
それにしても、やっぱ少ないな〜、魔力。
まだ50ページしか溜まってないよ。ホントにどうしようかな。期限まであと一週間ちょい……。
「そらっ!」
「ガァァァァ!!」
「あーもう!暴れんな!ほら、もう少しで終わるから!」
「グァァッ……」バタン!
あーらら、またやっちった……。
どうも手加減が難しいなこれ。どうしてもギリギリまで取っちまう……。
むー、まぁ……それでも1ページか1ページ半位しかないんだけどね。
はぁ、マジでどうしよう。
《お疲れ様です》
「どもー……あぁ、疲れた」
これでどうやら最後の様だ。
少ねぇな……10匹程度か、ここら辺に居たのは。
まぁ、これ以上やると管理局とか来そうだし、ここは引き上げるとしますか。
「帰りますか」
《ですね》
俺は転移符を使って、地球に戻る。
これ、魔力使わないから良いね、便利で。そう思う俺なのでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シュン!
「っと……よし、帰ってこれた」
着いたのは海鳴市の公園。
しかも人気のない所。ここならバレズに転移を出来るし、戻っても来られる。
うむ、我ながら最適な場所を見つけたと自負しているよ。
「さーって……帰りますか」
《ですね》
俺は森の中から出て、公園の人気の多い所に出る。
でも、今日は誰も居ない。何か、寂しいなおい。
「って……あれ?なのは……?」
ふと遊具の所を見たら、なのはが鞄を背負ってブランコに乗っていた。
……?こんな所で何やってんだ?もう学校は……終わってる時間か。
まぁ良いや、行ってみよう。
そう思いがなら、俺はなのはに近づく。
「やっほー、なのはちゃん」
「うわぁっ!?」
何故驚くし……つか、何気にショックなんですけど……。
え、何?俺嫌われちゃってる系?
「ア、アニス……君?……あっ!」
バッ!
なのは俺を見て、何故か疑問を投げかけてから、いきなり何かを思い出したかのように顔を俺から背ける。あら、やっぱり嫌われてる系なのねこれ。
「あの……何故に顔をそむけるのでしょうかなのはちゃん……」
「その……今の自分の顔……見られたくないから……」
「今の顔?」
うむ、何かいたずら書きでもされましたかな?
それとも前髪を間違えてハサミでパッツンしちゃったとか?
「どうしたの?顔に悪戯書きでもされたのかにゃ?」
「そ、そんなんじゃないもん!」
なのははいきなりこっちを向く。
……うむ、悪戯書きは無い、前髪をパッツンしたわけでもない……。
なら、どうして顔を見られたくないって言ったんだ?
「どうしたのなのはちゃん、元気ないけど……」
「あぅ……その……な、何でもないよ!うん、何でもない!」
何故か妙に元気になったないきなり。
これが空元気と言う奴か?
「嘘、明らかに空元気でしょ、それ」
「あぅ……違うもん!なのは全然元気だもん!」
「今まで浮かない顔をしていた人がどの面下げてそんな言葉が言えるのか……あぁ、アニスたん悲しい。友達に何も話してくれないなんて……およよよ」
「うっ……」
ありゃりゃ、また浮かない顔になっちゃった……。
俺のせい?……ですよねー。
「ホントにどうしちゃったの?なのはちゃん、何時ものなのはちゃんらしくない。何か俺には言えない事?もしかして、恋愛とか?」
「ち、違うよ!そんなんじゃないよ!」
「じゃあ何?喧嘩でもしたのかにゃー?」
「……そ……それは……」
そう言って、再び俺から視線を外すなのは。
……うっそ、マジで当たっちゃった?
「もしかして、当たり?」
俺のその言葉に、少しを間をおいて、なのはは小さく頷く。
喧嘩……あぁ、もしかしてアリサが何かなのはが元気なくぼーっとしてるのが気に食わなくて云々所ね。
「……どうしてまた喧嘩なんて?」
「……なのはが悪いの……なのはが、アリサちゃんやすずかちゃんそっちのけで、考え事ばかりしてたから……」
「考え事?」
ジュエルシードの件ですね。
この度はうちのアンクが失礼しました、これ以上余計な事はさせませんので、許してください。
「その考え事って……なに?」
「その…………ごめん……言えない……」
「……うむ、もしかして、アリサちゃんやすずかちゃんにも?」
「うん……言えない事なんだ……」
「隠し事ですか。そりゃアリサちゃんが怒っても無理ないね。どうせ、アリサちゃんが怒って、すずかちゃんがなだめ役だったんでしょ?」
「うん……」
「ふむ……まぁ、人間誰しも秘密の一つや二つ位はあるものですし。それに、話せない様な事だから秘密とう言う物ですし。そんなにホイホイと人に話せたら、それは秘密じゃありませんしね」
「……でも……」
……えぇい、この生真面目が。
ちったぁポジティブシンキングに考えろよ!俺だって呪いが掛かってるけど頑張ってんだよ!
この絶望の状況下の中で!
どうしてそこで諦めるんだよ!頑張れ頑張れやればできるどうしてそこで諦めるんだよ積極的にポジィティブに頑張れ頑張れ!
「まぁ、話せないのなら良いですけど。特に追求も言及もしません。ただ、覚えておいてください」
「えっ……?」
「なのはちゃんが悩んでいるのなら、それをどうにかしたいと思うのが友達です。今はまだ話せないのでしたら、時間が掛かっても構いません。必ずとも言いません。その秘密を、悩みを打ち明けれる様になってください。俺も待ってるんで。俺はからは以上。んじゃ、俺は帰ります。ノシ」
俺はなのはに視線を外して振り返り、そのまま踵を返す。
だけど……。
ギュッ……。
「……はい?」
足が宙に浮いてる……だと……何これ怖い。
っつか、背中が妙に暖かいんですけど……。
「えっと……なのはちゃん?」
「……ありがとう……アニス君……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なのはサイド
わわわ!
どうしようどうしよう!ついアニス君を後ろから抱きしめちゃった!
でも、アニス君の言葉、凄く重かった……。
自分が魔導師である事、あの子の事……フェイトちゃんの事や、この前現れた新しい誰かの使い魔さんの事……。
そんな事をずっと考えて、それでアリサちゃんと喧嘩しちゃって。
そして、元気のない顔を見られたく無くて、つい寄り道をして、この公園に来ちゃった。
ここでアニス君に会えるた事は少しびっくりしちゃったけど。
アニス君は言ってくれた、待ってくれると……。
絶対にこの事を打ち明けれる様に頑張る!
……でもその前に……。
「……ありがとう……アニス君……」
「……なのはちゃん……」
「アニス君のお蔭で、元気が出たよ」
「いえいえ、あんなの俺が一方的に話してただけですので。お礼を言われる筋合いわないと思いますけど」
「じゃあ私も一方的に言うよ。ありがとう、アニス君」
「みぃー、少しこそばゆいのですよ……あうあう」
そう言って、恥ずかしそうに頭を掻くアニス君。
ホントに、可愛いな〜。
「あの……そろそろ離してほしいのですが……」
「あ、ごめんね。今降ろすから」
少し名残惜しいけどね……。
私はそう思いながら、アニス君を降ろす。
「それじゃ、俺はもう帰るね?」
「うん、ありがとうねアニス君。私、頑張るから!」
「うむ、良い表情だ。そんじゃね〜」
そう言ってアニス君は駆けて行く。
さて、私も早く家に帰って少し休んでから、ジュエルシード探ししなきゃ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アニスサイド
「いや〜、人間関係ってめんどくせぇな」
《しまらない、流石マスター、しまらない》
「えぇい黙れこの腐れデバイス。つかマジで人間関係って複雑でめんどくさくてあれだね」
《それが度し難く、醜悪で醜く酷くても、それが人間なのですよ。所詮人間関係など一本の線でしかありません。それが無数に人に繋がり、徐々に増えていく。切ろうと思ったら簡単に、直そうを思えば難しく、でも……切っても切れないと言う線もあります。それが縁です。まぁ、人間はそれを無意識に理解はしてますけど、意識的には理解してませんので仕方ない事かと》
「永遠の議題だね。人間関係」
《ですね》
何か最後にしてはいきなり何か哲学チックになっちゃったけど気にしない。
だってそれが俺だから♪
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まぁ、世の中いろんな人が居るからねぇ…… | ||
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コメント | ||
途中でアニスが炎の精霊を召喚してるんですけど……よくそんな体力あったなぁ、と思った今日この頃。(kyon) | ||
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