ダンボール戦機 in DOG DAYS 第四章 姫様救出大作戦! |
「ぶぅははははは!親衛隊長も勇者も恐るに足らず」
ミオン砦内部、そこでシンクとエクレールは戦っている中ガレット獅子団の戦士団将軍ゴドウィンと遭遇していた
「リコからの砲撃がとまっちゃってるけど?」
「無理もない、砲術士は歩兵に詰められれば無力なんだ。 むしろ、よくここまでもってくれたと褒めてやりたい」
先ほどまでリコッタによる砲撃で援護してもらっていたのだがそれも今はなく軽くピンチに陥っていた
そして二人は少し考えてから同時に叫ぶ
「エクレール! 僕がここに残るからエクレは先に!」
「勇者! 私がここに残るから貴様は先に!」
・・・内容が丸被りであった
場所は移り砦までの道中、バンとジンが砦に向かってセルクルを走らせていた
「すごい!速いぞ、アキレス!」
バンはアキレスと名付けたセルクルにそう言い、言われたアキレスは一度鳴いてから更にスピードを上げた
「・・・あれ?」
そこでバンは何かに気付く
「どうしたんだい、バン君」
「いや、さっきまであそこから何か飛んでたのにいつの間にかなくなってる」
バンが指差す方をジンも見る、バンの言うとおり先ほどまでその場所からシンク達の援護砲撃が行われていたのだがいつの間にか止んでいたのだった
「確かに・・・あそこで何かあったのかもしれないね」
「俺、様子を見てくる、ジンは先に行っていてくれ」
「判った、気をつけて」
バンはジンにそう告げ、進行方向を砲撃が行われていた方へ変えた
「うぅ・・・降参でありますぅ」
リコッタはガレットの兵士に囲まれ白旗を振っていた
先ほどまで砲撃でシンク達を援護していたのだが歩兵に詰め寄られてしまい成す術がなくなっていたのだ
(エクレと勇者様は姫様を助けるために頑張っているのに私にはもう何もできないであります)
そんな中、リコッタは自分の不甲斐無さに落胆する
(もっと・・・皆さんの役に立ちたいであります)
リコッタがそう考えている間にも兵士はにじり寄ってくる
(私も・・・姫様を助けたい!)
目を瞑り強く願う、そこに
「必殺ファンクション!ライトニングランス!」
叫び声と共に青い電光が走る、その一撃でリコッタを囲んでいた兵士はほとんどねこだまに変えられた
リコッタはその光景に目を見開く
「今のは・・・」
「リコッタ!」
突如聞こえたその声に振り向くとそこにはイプシロンを装着したバンがいた
「大丈夫か?」
バンはリコッタに駆け寄りながらそう聞いてきた
「は、はいであります」
「よかった、やっぱり来て正解だったな」
バンはホッとしたような表情でそう言った、リコッタはそんなバンを見上げて唖然とする
「バンさん・・・」
「あとは俺に任せて」
バンはそれだけ言うと残ったガレット兵士の方を向く、ガレット兵士はバンに武器を向けながら問う
「貴様、何者だ!」
「俺は山野バン。 さぁ、バトル開始だ!」
そう言うとバンはイプシロングレイブを構え兵士に斬りかかる
「やぁあ!」
「ぐあぁ!」
バンは敵の攻撃をイプシロンガーターで防ぎつつ逆に攻撃を加え兵士達を次々とねこだまへと変えていった
その光景をリコッタは見惚れていた
「いいから行って!エクレなら砦の中とか詳しいでしょ!?」
「足止めなんて難しい戦場、貴様に務まるわけなかろうが!貴様こそさっさと行けぇ!」
再びミオン砦内部、シンクとエクレールはお互い自分が残り相手に先に行くよう言い、やがて喧嘩を始めてしまった
その光景にゴドウィンはだんだん怒りが溜まり
「ぶぅるぁぁぁぁぁああ!!」
ついに切れた
「お前等ぁ!この土壇場で、楽しいやりとりしてんじゃねぇ!」
そして二人に斧を振り下ろした、だがそこに空から何かが降ってきた
「ぬぅわああ!」
それはゴドウィンを吹き飛ばし、シンク達の前に突き刺さる
「遠間より失礼仕った」
その声にシンクとエクレールは振り向く、そしてエクレールはその人物を見て明るい表情になる
「ダルキアン卿!」
「おぉ、久しぶりでござるなエクレール。 しばらく見ないうちに大きくなったでござるな」
「はい!」
「ダルキアンだとぉ!?」
ゴドウィンはその名前を聞いて驚きの声を上げる
「いかにも、そこの斧将軍と勇者殿にはお初にお目にかかる。 ビスコッティ騎士団自由騎士、オンミツ部隊頭領、ブリオッシュ・ダルキアン。 騎士団長ロラン殿からの要請を受け、助太刀に参った!」
ダルキアンはそう名乗り巻物を広げる
するとその背後から弓矢が飛んできた
「危ない、後ろ!」
シンクがそれに気付き叫ぶとダルキアンは腰の刀を握り
「紋章剣・裂空一文字」
弓矢を放った者がいた塔ごと切り裂いた
「す、すごい!」
「いや〜助かったでござるよ勇者殿」
言いながらダルキアンは立っていた屋根から飛び降りシンク達の前に着地する
「押しかけ助っ人の推参でござる。 さあ、いざ尋常に・・・勝負でござる」
言うと同時に彼女の背後から花火が上がった
「やぁあ!」
バンは最後の一人を倒し、一息就く
「ふぅ、これで最後だな。 大丈夫だった?リコッタ」
そして後ろで見ていたリコッタに振り向いて無事を聞く
「・・・・・」
「? リコッタ?」
「・・・へ?」
そのリコッタは少し頬を赤くしてボーっとしていた
「大丈夫?」
「あ、は、はい!大丈夫であります!」
バンは屈み込んでもう一度聞く、それにリコッタは更に顔を赤くして敬礼しながら答えた
「そう、よかったよ・・・っ!」
ホッとしながら胸を撫で下ろすバン、だがそこに何かが飛んできてそれをとっさにバンはイプシロンガーターで防いだ
「リコッタ、下がって!」
「は、はい!」
バンは危険を感じリコッタを自分の後ろに隠す
「・・・・・・・」
そして意識を集中させ敵の動きを探る、すると木の枝が擦れる音に気が付きそこに向かってイプシロングレイブを振るう
「そこだぁ!」
「っ!」
ガキンと金属がぶつかり合う音が響き、バンは謎の人物と対峙する
「ユッキー!」
「・・・へ?」
そこにリコッタがその謎の人物をそう呼び、バンは驚きの声を上げて動きを止める
「ユッキー!その人は敵じゃないでありますよ!」
「え?」
今度はユッキーと呼ばれた狐の耳がついた金髪の少女が驚いて動きを止める
「敵じゃない・・・?」
「ホントでござるかリコ?」
二人は武器を収め、リコッタにそう聞く
「そうであります、二人とも敵じゃないでありますよ!」
リコッタにそう言われた二人は顔を合わせる
「いやぁ、そうだったのでござるか。 すまなかったでござる」
「いや、敵じゃないならいいよ。 俺は山野バン」
バンは合体を解除し名を告げる
「私はビスコッティ騎士団自由騎士オンミツ部隊筆頭、ユキカゼ・パネトーネでござるよ、忍々」
ユキカゼと名乗った少女は人差し指と中指を立てながらそう言った
シンクとエクレールは砦内で二手に別れる
そしてそれぞれ敵と対峙していた
「よりにもよって三バカか・・・」
エクレールは額に手を置き項垂れる
「誰がバカですか!?」
「バカって言う方がバカ」
「そうや!バーカバーカ!」
エクレールが遭遇したのはミルヒを誘拐した張本人、ジェノワーズだった
「貴様等の相手はいろんな意味で頭が痛いが・・・」
言いながら武器を構えるエクレール
「ビスコッティ騎士団親衛隊長、エクレール・マルティノッジ! 貴様等を倒させてもらう!」
「じゃあこっちも。 ガウ様直属秘密諜報部隊ジェノワーズ、ノワール・ヴィノカカオ」
「同じく、ベール・ファーブルトン!」
「ジョーヌ・クラフティ!いくで!」
ジェノワーズも武器を取り出し、エクレールに襲い掛かる
そして同時刻、砦のとある場所でシンクは銀髪の少年と遭遇していた
「よぉ、お前が勇者か!」
「くっ!」
この銀髪の少年はガウル・ガレット・デ・ロワ、レオンミシェリの弟である
「おっと、名乗り忘れてたな。 俺は・・・」
「でやぁ!!」
ガウルが名乗ろうとするとシンクはパラディオンを振るう、それを槍で防ぐ
「名乗りもさせてくれないか」
「急いでるんでね! 姫様は返してもらうよ!」
「はっ、やってみろ!」
再びシンクとガウルはぶつかり合った
「なかなかやるでござるな」
「ぬぅ・・・」
ミオン砦内部ではダルキアンとゴドウィンが戦っていた、だがダルキアンの方が優勢なようだ
そのダルキアンの後ろから兵士が迫り
「もらったあ!」
「むっ!?」
武器を振るった、だがその兵士は上から振り下ろされた何かによってねこだまへと変えられてしまう
「お主は?」
兵士をねこだまに変えた主にダルキアンは警戒しつつ聞く
「僕は海道ジン、ビスコッティ側の人間だ」
地面に突き刺さったゼノンハルバードを抜きながらジンはそう告げる
「そうであったか、拙者はブリオッシュ・ダルキアン、よろしくでござる」
ダルキアンは警戒を解きジンに笑いながらそう言った
「早速ではあるがジン殿、ここは拙者に任せて勇者殿とエクレの援護に行ってくれないか」
「判りました、では失礼します」
ジンは了承し、二人の元へと向かおうとする
「させるか!」
そこに兵士達が襲い掛かる、それを見たジンは
「・・・試してみるか」
手を前に出し、紋章を発動させる
「必殺ファンクション!」
そしてゼノンハルバードを振り上げ
「インパクトカイザー!」
それを地面に叩きつける、するとそれにより生まれた地面の亀裂から炎が噴火し、それを喰らった兵士達は一気にねこだまへと変えられてしまった
「おみごと」
ダルキアンはそれを見て拍手しながら賞賛した
「では」
ダルキアンに軽く会釈してジンは走っていった
「ユッキー!花火たくさんゲットしたでありますよー!」
そして先ほど砲撃が行われた場所、そこにリコッタが大きめの袋を引っさげながら走ってきた
「ナイスでござる、リコ」
それを見て答えたのは先ほど駆けつけたユキカゼである
「それでは行くでござるよリコ!」
「了解であります、ユッキー!」
袋を担ぎ、リコッタはユキカゼの背中に乗る
ユキカゼはそれを確認すると高くジャンプして
「「リコッタ&ユキカゼ式砲撃術!」」
紋章を発動させてから真下にいるガレットの兵士に袋を落とす
『ぎゃあーーー!!』
突然の不意打ちに対応できず、多くの兵士がねこだまへと変えられる
「くそっ、上だ!上に矢を放て!」
上からの攻撃に気が付き残った兵士はユキカゼとリコッタに弓矢を向けるが
「させるか!」
『ぎゃあーーー!!』
アキレスに乗ったバンがすれ違いながら兵士を切り裂き、ねこだまへと変えていく
「ナイスでござる、バン殿!」
「そっちもな!このまま砦に突撃だ!」
「了解であります!」
「了解でござる!」
返事をするとユキカゼは一度着地し、思いっきり踏み込んで砦の門を飛び越えた
「なにっ!?」
門番は思わず見上げて驚く、その隙に
「やぁあ!!」
『うわぁ!!』
バンは門番達を倒し、扉を砦の中に進入する
「んんー?」
「ぬ?」
その騒ぎに戦っていたゴドウィンとダルキアンは扉の方に振り向く
「やっと着いた」
「貴様はぁ!」
ゴドウィンはその姿と顔を見て思い出す、レオンミシェリを倒した少年であることを
「お主は?」
「えっと、ユキカゼが言ってた親方様って人ですか? 俺は山野バン、先に来てたシンク達の仲間です」
ダルキアンに聞かれ、そう答えるバン
「おぉ、そうでござるか」
「親方様ー!」
二人がその声に振り向くとユキカゼが城壁に乗ってリコッタとダルキアンに手を振っていた
「余所見をするなぁ!!」
そこにゴドウィンがバンとダルキアンに向かって鉄球を投げる
「やあ!」
だがバンに弾かれてしまう
「ほう、なかなかやるではないか」
「ダルキアンさん、俺がやります」
バンはイプシロングレイブを構えゴドウィンと対峙する
「・・・うむ、周りの兵士は拙者とユキカゼに任せるでござる」
「はい!」
ダルキアンは何故だか判らないがバンの実力を見てみたくなり、さっきまで自分が引き受けていた相手を任せた
そしてバンとゴドウィンはお互いの武器を相手に振るった
「くっ・・・」
場所は戻って、エクレールとジェノワーズの戦い
三人の連携攻撃で序々に体力が奪われていた
「楽勝」
「そろそろ終わりにしましょうか」
「せやな」
ジェノワーズは余裕の表情でエクレールに迫る
「このっ!」
エクレールは短刀を振るうがあっけなくかわされる
「どりゃあ!」
そしてジョーヌが斧を振り上げエクレールに振り下ろそうとする
(くそ、ここまでかっ)
エクレールは目を瞑り諦める
ガキィン
だがそこに金属がぶつかり合う音が響く
「・・・なんだ?」
目を開き、前を見るとそこにはジョーヌの斧をゼノンハルバードで受け止めたジンがいた
「ジン!?」
「な、なんやお前!」
ジョーヌはジンから飛び退いて問うその近くにノワールとベールも駆け寄る
「海道ジン、彼女の味方だ」
ジンはその問いにゼノンハルバードを地面に突き立てて答えた
「エクレール、ここから先は僕に任せてもらおう」
「大丈夫なのか?こいつらバカだがかなり強いぞ」
「あぁ、問題ない」
エクレールの問いに対して平然と答えるジン
それを聞いてジェノワーズが反応する
「なんやと!」
「生意気ですね」
「・・・でもかっこいいかも」
ジョーヌとベールは怒っていたがノワールだけは違うところに注目していた
「ええで、その余裕へし折ったる」
「あとで後悔してもしりませんよ」
「・・・いきます」
そして各々の武器を構えるジェノワーズ、それに対してジンもゼノンハルバードを構える
「バン君ならこう言うかな・・・バトルスタート!」
ジンはゼノンハルバードを振り上げジェノワーズに向かっていった
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