超次元ゲイムネプテューヌ Original Generation Re:master 第2話
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更に時は遡って数日前の数日前。

ややこしいので普通に数日前でいいと思う。

 

前回の序盤で名が出てきた『士官学校』。

士官学校とはモンスターとの戦闘のために育成される戦闘員生で卒業生の大概は戦闘員(ソルジャー)になる者が多い。

 

そこにテラバ・アイトの姿があった。

このテラという少年、実は士官校生だったのである。

この日もテラは学校側から支給される課題を受けるために課題受付所を訪れていた。

(ん……、別にこれといって受けたいモノはないんだけど)

張り出される課題をざっと見回し、内容を確認するがこれといって彼の興味を惹くものはない。

だがしかし、これも名の通り『課題』。受けなければ落点、満たされなければ落第である。

そんな無様な真似を晒したくはないのでテラはこうして課題を受ける。

「これでいいか」

テラが選んだのはなんてことはない、一定地区内のモンスターの掃討。

受付嬢に課題受諾の旨を伝え、足早に受付所を去った。

 

「ほっ」

場所は何年も前にダンジョンとして指定された森林地区。

モンスター他、あちこちに毒花が群生するとかで問題が起こっている地域である。

襲いかかる吸血バットの攻撃を避けて銃弾を撃ち込む。

スライヌはそのジェル状の身体の特性を生かして大きく跳躍、上から襲いかかる。

横っ飛びでそれを避けて、弱点であるファイア弾を撃ち込む。

スライヌはジュワッと音を立てて蒸発する。

微妙に香ばしい匂いを嗅ぎ付けて別のモンスターがやってくる。

「あー、もう!」

テラは両手にダガーを構えて敵陣に突っ込む。

自慢できる話ではないが、テラは銃撃戦ではなく、こういう戦闘の方が得意だ。

振り下ろされる棍棒を跳躍でかわし、相手に背後に回り込み、斬りつける。

倒れたところで脳天に弾丸を撃ち込み、消滅させる。

 

そんな戦闘の最中、

 

ずべっ

 

「へ……?」

 

テラが最後に見た景色、それは遥か下方に広がる森林地帯であった。

要するに崖から転落したのである。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

皆様も体験したことはないだろうか。

「あ、これ夢だ」

と分かる夢は。

テラにも今現在そのような「あ、これ夢だ」という状況になっている。

なんで二回言った?

 

「あ、これ夢だ」

何故三回言う?

彼の目の前に広がるのはただただ黒黒黒黒……。

黒一色の真っ暗闇である。

そのくせ、彼の身体だけは蛍光塗料を塗ってあるかのようにビカビカと光っている。

「あははー。夢ならどうしようもないなー、寝とこ」

テラは結構マイペースである。

ごろんと横になり、すぅすぅと寝息を立て始める。

『あの』

不自然な世界に鈴のような可愛らしい声が響く。

『あのー』

しかし、以前としてテラが起きる気配はない。

『あの……』

声も段々か細くなり、若干涙混じりである。

『すいませーん……』

 

……

…。

 

 

 

 

ビシャーン!

いきなり雷鳴が轟き、紫電がテラの身体を走る。

「あばば」

妙な叫び声を上げてテラは身を起こす。

「な、なんだ!?」

『やっと起きていただけましたか?』

「んあ?」

テラは声に気付いたのか間抜けな声を上げて辺りをキョロキョロと見回す。

『初めまして、私は“史書”イストワールです』

「……?」

テラは頭上に疑問符を浮かべる。

『えぇと……とどのつまり女神の補佐といいますか……』

イストワールの声にテラは「へぇ」と声を漏らす。

「んで? その女神補佐様が俺に何か用? つーか俺、崖から落ちたような……?」

テラの話の飲み込みの早さにイストワールは感心というかなんというか、とにかく吃驚したのである。

テラは必死に自分の記憶をたどるがなんか思い出せない。

『打ち所が悪かったんでしょうね。まあ、事故前後の一部の記憶が欠落しているだけのようですし、問題ないでしょう』

投げやりだなー、とテラは思ったが口に出せる人間じゃなかった。

『実は……貴方にお願いしたいことがあるのです』

「お願い……?」

イストワールの妙な低姿勢にテラは怪訝な顔をする。

『私、こうして話をしていますが、実は囚われの身となっているのです』

「へぇ……」

『あの、反応薄くないですか?』

「いや、ありがちだなーと思って」

『そうですか?』

ゲームのやりすぎである。

『とにかく、私の助けるために各大陸に散らばる『鍵の欠片』というアイテムを探し出して欲しいのです』

「いいよ、別に」

『早っ! いいんですか、ホントに』

「いや、ここに呼び出された時点で俺に拒否権ないじゃん」

『あの、別に嫌なら嫌って言って貰ってもいいんですけど……』

イストワール泣きそう。

「いやいやいや、ここで断ったら俺、スゲー嫌なヤツじゃん。ここまで来たら断れないじゃん。いいよ、受けるよ!」

『ありがとうございます!』

嬉しそう。

「それで、俺はどうすればいいの?」

『えぇと、ここから目覚めたらきっと私の協力者の方々が貴方を保護してくれているはずなので、その方達の指示に従っていただけますか?』

「はいはい、了解」

イストワールはお願いします、と付け加えてテラの足下に大穴を開けた。

「ちょ! 帰すにしてももう少しやり方g……!」

言い終わらないうちにテラは重力に従って落下する。

あ、なんかデジャヴ、的なことを考えながらテラの意識は途絶えた。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

LED加工された蛍光灯の光が寝惚け眼のテラを襲う。

「う……」

いきなり刺激の強い光を見たせいでテラの視界はぼんやりとしている。

テラは辺りを探るように片手で周囲を探る。

 

ふに

「ねぷっ!?」

 

テラの手に何やら柔らかなものが触れる。

何だろうこれは? とか思いながらテラは更にその物体を触れる。

テラの手中にすっぽり収まる、しかしながらふにふにと触れると形を変えるソレは何やらずっと触っていると興奮してくる――

とか、思ったところでテラはガバッと身を起こした。

彼の視界に映ったのは頬を真っ赤に染めた紫髪の少女。

自分の手は何度見直しても彼女の発展途上の胸に伸びている。

 

「「……」」

 

暫しの沈黙が流れる。

「えっと……うん……」

「はい……」

テラは揉むことは止めたものの、未だにソレから手を放せない。

「い、いいと……思う」

「ありがとうございます……」

「「……」」

また沈黙。

最早この状況を打破できるものはないのである。

 

「うわぁぁあああああ!!」

 

テラは悲鳴を上げて後退る。

その声に驚き、紫髪の少女もビクリと身を震わせる。

「何事!?」

「いきなり大声を上げてどうしたですぅ!?」

バタバタとキッチンから2つの足音が響く。

二人、コンパとアイエフが目にしたのは額を擦りつけるように土下座している少年と彼女らのパーティの一人、胸元を押さえて顔を真っ赤にしているネプテューヌだった。

「えっと……何? この状況?」

アイエフの困惑した問いにネプテューヌは「アハハ……」と苦笑するしかなかった。

 

 

 

 

「マジで申し訳ございませんでした」

「いえいえ」

二人の起こった事件を知らないコンパとアイエフの二人は奇異の目で二人を見る。

「えぇと……少しばっかり話を端折るんだが君達はイストワールに頼まれて世界を救うために頑張っているパーティでいいのかな?」

妙な切り出しである。

「イストワール?」

「ん〜、そのお名前は聞き覚えがないですぅ」

「マジでか」

テラは『畜生、あの野郎』とか内心毒づく。

「いーすんだね!」

紫髪の少女、ネプテューヌはビシリと人差し指を突きつけて答える。

人を指さすのはやめましょう。

「へぇ……イースンさんの本名ってイストワールだったんだ」

「知らなかったんだ……」

「あんたが言わないからでしょ!?」

初対面であるテラを置いてけぼりにして口論を始める二人。

テラとコンパはすごい疎外感を感じた。

「とにかく」

アイエフはゴホンと咳払いを一つ。

「私はアイエフ。訳あってこの厄介者二人の保護者ってトコロね」

「そうか、俺はテラバ・アイト。好きなように呼んでくれ。イストワールに言われてあんた達に協力するように言われた」

挨拶の意味も兼ねてテラとアイエフは握手する。

「私はコンパですぅ。好きに呼んでくれていいですぅ」

「おう、よろしくな。コンパ」

テラはにこっと微笑む。

「最後は私、ネプテューヌだよ! ねぷねぷでもねぷ公でもねぷ子でも好きに呼んでね!」

「んじゃ、ねぷ子。ヨロシクな」

「よろしく〜♪」

ネプテューヌはそう言うなりテラに右腕にぎゅっと抱きつく。

「ああっ! ねぷねぷズルイですっ!」

そう言ってコンパもテラに飛びつく。

「わわっ! ちょ、落ち着け!」

バランスを崩して倒れるテラ。

「ちょ――!」

その先にはアイエフが。

 

 

バターン!

 

 

一同は床に叩き付けられる。

 

 

 

 

「はぁ……。ホントに大丈夫か……?」

テラはふっとそんな愚痴を零した……。

 

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超次元ゲイムネプテューヌ 二次創作 ご都合主義 

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