真(チェンジ)!!仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【第10話:疑念のT・黄昏と激突 後篇】
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『くっ……』

『諦めろ…お前らに未来は無い…』

「お、俺…?」

四季は知らぬ間に何処かの荒野に立っていた…。

目の前にはスカーフが黒く目付きの悪い仮面ライダーディケイド・ブラッド。

そして、赤い珠のついた杖に寄りかかって立ち上がる白い服の女性…。

『貴方に…私達の…未来は渡さない!!』

『俺の未来を奪ったお前らが未来を掴む資格は無い!!』

ディケイドBは黒い紅いラインの入った銃を取り出すとカードを装填する。

『RIRIKAL RIDE…』

『さあ!!踊れ!!』

『FATE』

すると金髪の黒い服を着た女性が召喚される…。

『な…なのは?』

『フェイトちゃん!?』

フェイトと呼ばれた金髪の女性は白い女性と知り合いのようだ…。

『俺と同じ苦しみを味わいながら死んでいけ…』

『えっ?体が勝手に…?』

フェイトの体はその主の言うことを聞かず金色の刃の鎌を構えると白い女性に斬りかかる。

 

『や、やめて!?フェイトちゃん!』

『な、なのは逃げて!!』

 

 

 

ザシュ

 

しかし、フェイトの鎌は女性を捉え真っ赤に染まる。

「!」

『!』

フェイトは鎌を刺した状態のまま硬直する。しかし、女性は血に濡れた手でフェイトの頬を撫でる…。

『フェイトちゃん…これからも…ずっと…友達だよ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

『FINAL ATACK RIDE DECADE BLOOD』

ドゴォォン

 

「!」

2人は組み合いながら紅い閃光に呑まれ消え失せた。

 

「てんめぇぇぇぇ!!」

四季もこれには怒り狂いディケイドBへ変身をするが…

 

 

「!?」

気がつくとあの黒いスカーフのディケイドBの姿は無く、なぜか自分の手にはガンモードに変形したライドブッカーが握られている…。

 

 

『お前が殺した…』

『お前が壊した…』

『お前が破壊した…』

何処からか声が響き辺りから異形が立ち上がる…。

 

「ち、違う!!俺じゃない!!俺じゃないィィィ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

 

 

四季は目を覚ますとそこが朝で自室であることを知る…。

悪夢のためか汗で服は濡れている。

 

「そういや…俺…昨日倒れ…!?」

ここで四季は自分の身体に触れる生暖かいモノに気づいた…それは…

「すー…すー…」

「!?」

自らのベッドに突っ伏し眠っているシュテルであった…。しかも、朝でお目覚めの『彼の息子』の位置に近い位置に顔がある…。

(やばい…迂闊に動けないぜ!?)

実は四季、一応それなりの歳なのだが今まで女性に縁が無かった…。実際、彼は旅で並行世界を転々としているので出逢いがあっても発展することなど無かった…。

 

そんな彼がこんな状況であり、彼の息子は天を指しているのは必然的だろう…。

(どうする?どうする?俺!?)

ライドブッカーからカードをとりだしどこぞのクウガの中の人ネタに走る四季…。相当焦っている。

 

 

因みに選択肢は…

・放置

・起こす

・寝る

・襲う←「却下だ!!」

 

 

 

「仕方ない起こすか。」

『起こす』の選択肢をチョイスする四季。ここでキルバットが『いっけぇぇ!!童貞卒業!!』と書かれたカンペを出してきたがもれなく枕で叩き落とした。

 

 

「おい、起きろ。」

「起きてます。」

「!!」

何と彼女はとっくに目を覚ましていた。

「い、いつから起きてた?」

「貴方がカードをいじっていた時です。」

「なぜ寝たふりをしていた?」

「『襲う』を選択したらボコッて警察につきだして慰謝料をたんまり請求できると思いまして…」

(こ、コイツ…)

 

この女…油断出来ない。四季はそう思った。

「さて、冗談はさておき気分はいかがですか?」

「ああ、問題無い…」

「なら何故屈んでいるのですか?」

「男の事情だ。」

四季は女性に流石にモッコリとした股間を見せる訳にはいかず『く』の字に身体を曲げている。

(ん?そう言えば…)

四季はシュテルに顔を近づける…。

「な、何でしょう?」

ジー…

かなり顔を近い位置に置く四季…。

(コイツ…似ている?)

彼は夢の中の白い女性を思いだした。彼女はとシュテルと違いワインテイルだったが髪を短くするとかなりシュテルと似ている…。

 

 

 

 

「あ…あの…//」

「あ!!すまねえ…」

余りにも自らの顔を見つめられ顔を赤らめ目をそらすシュテル…。四季も思わず謝ってしまう。

「確か…あんた…えっと…」

「星光の殲滅者シュテル・ザ・デストラクターです。シュテルとお呼び下さい。」

「んじゃシュテル、お前何でここに…」

「あの…それには深い訳が…」

 

 

 

 

 

 

 

 

昨晩…

鳴海探偵事務所前…

「お前らの寝床は無え!」

「「「ええ!?」」」

カズキらを泊めるとのことでシュテル、レヴィ、ロードを締め出した翔子。その脇でフィリップがしくしくと泣いており事務所の奥からは『助けてくれ!』と隼人の悲鳴が聞こえる。

(仕方ない…)

ここで三人+アルファはカフェ『スプリング』にUターン。そして、シュテルが再度オーナーに土下座。

オーナーはやむなくシュテルが四季に一晩付き添うことを条件に彼女らを泊めたのだ。

 

(オーナーマジ、良い人)

四季は自分がオーナーに拾われたことを心の底から感謝した。そこへ…

「ヤッホー!朝ですよ!!」

ハイテンションのレヴィが入ってきて一瞬固まると…

「失礼しました…」

ドアを閉めた…

「王様!!シュテルが!!シュテルが!!」

「ちょ!?レヴィ違うわよ!!」

シュテルがその後を追う。

「ハッハッハッハッハッ!!」

四季はそれを笑いながら見ていた。

 

 

 

 

 

 

時は過ぎ…

午前10時24分

風都大学近く…

 

そこにはカズキ、斗貴子、ブラボーと何故かイキイキしている翔子と精根まで吸い付くされたような隼人とすでに全快の四季がいた。

「隼人だっけか?大丈夫か?」

「一応…問題ない…」

四季も気遣って声をかけるがマトモな反応は帰ってこない…。しかし、翔子は構わず話だす。

「ええ、今回の作戦はスティンガー、コーウェンの確保。まず第一段階としてドクター早乙女から情報を聞き出すこと。なお、早乙女は表だった経歴は無いから今回はスルー。万が一ドーパントとの遭遇、スティンガーらが逃走を図った場合に備えてメンバーを3つに分けます。」

 

翔子・隼人ペア

大学へ

カズキ・ブラボーペア

見廻り

四季・斗貴子ペア

同じく見廻り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

「斗貴子さん…大丈夫かな…」

「どうしたカズキ?斗貴子が心配か?」

カズキ・ブラボーペア

見廻りといっても普通に話している。

「んん…そうなんだけど…」

「けど?」

「何か『危ない』っていうか…何か…」

「危ない?斗貴子がか?」

ウンウンと首を振るカズキ。しかし、首を傾ける…。

「何でかな…斗貴子さんの身が危ないていうより斗貴子さん自体が危ない気がするんだ…。」

「?」

このカズキの不安が後に的中するのはそう遅くは無かった…。

 

 

 

 

斗貴子・四季ペア

「…」

「…」

こちらはどちらも無言…。

(気まず!!)

四季は心で叫ぶが誰にも届かない…。

仕方ないので脳内で例のカードネタをする四季。

 

・そのまま←現状維持

・話しかける←話題どうする

 

 

 

 

 

結局…

黙ることにした四季。何故なら彼女から殺気を感じとったのだ…。

「四季さん…でしたよね?」

「あ?ああ、そうだけど…」

何か気に触る事をしただろうか?風呂はさっき入ってきたから体臭は無いだろうし特に何もした覚えは…

 

(まさか…口臭!?)

 

レディが嫌う男性の原因の典型的な例を思い付く四季。しかし…

 

「『紅蓮の破壊者』ってご存知ですか?」

「!どうしてそれを?」

「答えて下さい。貴方は『紅蓮の破壊者』なのですか?」

斗貴子は明らかに殺気のレベルを本当に殺意のレベルまであげていく…

「だったら…?」

「貴方をいや、貴様をここで倒す!!」

斗貴子はとうとうバルキリースカートを起動させる。

「これは面倒なことになったな…」

四季もブラックディケイドライバーを取りだし腹に当てるとベルトの形態にする。

「やるしかないか…変身!!」

『KAMEN RIDE DECADE BLOOD』

 

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