俺、遊戯王の世界で生き残れるかな…… 第二話
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拝啓、皆様。

日本は暑かったり寒かったりする国ですがいかがお過ごしでしょうか?

私は……今天国にいます。

 

「……この世界サイコーーー! アニメバンザーーーイ!」

 

そう言った俺、山崎涼太の周りには沢山のDVDやゲームが転がっていた。

 

「なんてすばらしい世界なんだ! この世界は!」

 

何故俺がこんなに喜んでいるかというと、俺の貯金が一億あり、アニメやゲームを大量購入したのだ。

 

「あ゛〜〜〜。もう何もしたくねー。一生ここでアニメ見てて良いんじゃないかな? 幸い、こっちにも家と家族はいたし。」

 

そう、俺がこの世界で気になっていた家族や家などは気にしなくて良かったようだ。俺が元の世界で住んでいた場所に家もあったし家族もいた。

なら、無理して弱い俺がデュエルアカデミアに行ってデュエルの技術を学ばなくったって普通に就職すればよくね? 働きたくねーけど。

 

(何を言っているのですか涼太! せっかくデュエルアカデミアの入学試験に受かったのですから行かないと駄目です!)

 

……はぁ。うるさいなー。

 

そう思って、俺は声のするほうを見る。

白銀の鎧をまとった凛々しい少女が仁王立ちして俺を睨んでいた。

 

遊戯王GXを見た人ならこれがなんだか分かるだろう。そう、俺がこの前使った『英霊・アルトリア=ペンドラゴン』の精霊である。どうやら俺にもカードの精霊が見えるようだ。元からなのか神の言っていた特典かは知らないが……

このセイバーの精霊、入学試験のデュエルが終わった後いきなり出てきて俺に何かとお小言を言ううるさい奴なのである。

 

「良いじゃねーか。デュエルアカデミアに行かなくてもさ。あそこ、死亡フラグの山なんだぜ? 一般生徒でもやばいかも知れないんだから。行きたくないでござる! 絶対に行きたくないでござる!」

 

(なっ!? またそんなことを言って! 神風と謳われた日本男子として恥ずかしく無いのですか!?)

 

「特には。君子危うきに近寄らずとも言うし」

 

そんな第二次世界大戦の日本軍みたいなことする奴は早々いないぞ。てか、居ないでくれ。

 

(ああ言えばこう言って! あなたはデュエルアカデミアに行かなくてはいけないのです!)

 

「嫌だー!死にたくない!行きたくないー!」

 

(行くのです!)

 

「行かない!」

 

(行くのです!)

 

「セイバーこそ! さっきからイクイク言って恥ずかしくないのかよ!」

 

(な!? ななな!? 破廉恥な! そこに直りなさい! その性根! 叩き直してあげます!)

 

セイバーは顔を真っ赤にし、俺を睨みつけながら剣を構える。

 

「ははっwww精霊だから俺に触れられないのに叩き直すとかwww全然怖くないですよ〜」

 

(はぁっ!「ぬぉっ!?」……どうしたのですか涼太? 怖くないのではなかったのですか?)

 

無茶苦茶怖かった! 目の前に白刃が迫ってくるのが見えるとか、恐怖以外の何者でもないよ! 人間、本能には勝てないね。

 

(それでは……その性根を叩き直します!)

 

「来るなーーーー!」

 

どたどたバタバタ!

 

「涼太! 何やってんの!?」

 

どたどたやってると俺の部屋に入ってくる人が居た。俺の母さんだ。

 

「母さん!? どうしたん!? 俺、今忙しいんだけど!?」

 

「一人でどたどたしない! 一階にまで響いてきてうるさいよ!」

 

「は、はい…………セイバー、俺が悪かったから剣を構えながらにじり寄ってこないでくれ……」

 

「何か言った?」

 

母さんが訝しげに俺に聞いた。

 

「いや、何でもない」

 

「そう? あ、あんたに手紙が来てたよ。はい」

 

そう言って母さんは俺に手紙を渡してきた。……何々?

 

『やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!』

 

俺はその一文を見て、手紙をゴミ箱に放った。

 

「悪は滅びた。それじゃあ、またアニメでも見よう」

 

俺はそう言ってパソコンに手を伸ばす。が、俺が電源を入れる前にパソコンの電源がついた。

 

「何故に? ……って!?」

 

『やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜!(以下エンドレス)』

 

怖っ!? 何が怖いって黒地に血みたいな赤い色で文字が出てるからマジ怖い! でも見たくないから無視する!

 

俺が無視し続けているとパソコンがスクロールして一番下まで見えるようになった。そこにはこう書いてあった。

 

『あなたは赤い部屋は好きですか?』

 

「手紙ーーーーー!」

 

俺はゴミ箱にもうダッシュ! 今までの人生の中で一番早く動き手紙を取った!俺は手紙を開く。

 

『やっほ〜〜! ☆神☆様☆だよ〜〜! びっくりした? 涼太くんが悪いんだよ〜? 私の手紙を無視するから。冗談だけど、脅かしてみました♪』

 

心臓が止まるかと思ったわ!

 

『ごめんごめん♪ お詫びと言ってはなんだけど、今度そのデッキの強化カードでも送るね?』

 

強化カードねぇ? でも俺、デュエルアカデミアに行くつもりは……

 

『駄目だよ〜? デュエルアカデミアに行かなかったら、☆ぱーん☆ってなって今度こそ赤い部屋になっちゃうからね♪』

 

何でだよ!?

 

『他の神様がね? 君は怠け者だからそういう仕掛けでもしておこうって言って聴かなくてさ〜』

 

止めろよ!?

 

『こんな面白……じゃなかった。こんなか弱い子に止められるわけないじゃない♪』

 

面白がってやがる!? こいつ絶対邪神だよ!

 

『純粋な子供って残酷だよね♪』

 

「むっきーーー! 破ってやる! こんな手紙……って!? 本当に破れねぇ!?」

 

『前に言ったじゃん。破れないって♪ じゃあ、デュエルアカデミアに行ってね? 乗り遅れたら☆ぱーん☆ってなっちゃうかも知れないから気をつけてね〜? P.S この手紙は読み終わった後に燃えるから気をつけてね☆』

 

「……は? うぉっ!?」

 

俺が手紙を読み終わった後、内容通りに手紙が一瞬で燃え尽き、灰すら残さず消えた。

 

「…………はぁ。仕方ない。デュエルアカデミアに行くか」

 

(だから言ったではないですかデュエルアカデミアに行きなさいと)

 

セイバーが嬉しそうに言った。

 

「うるさいよ。えっと、合格届けは……っと」

 

俺はデュエルアカデミアの合格届けを読んだ。

 

「えっと……入学式が……X月2日。…………同じ日にここに集合……今日はX月1日の夜…………明日だーーー!?」

 

やべぇ! 用意も何もしてない! このままでは☆ぱーん☆ってなる!?

 

「急げーーーー!」

 

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結論から言うと、俺は間に合った。

 

そして今日は入学式。

 

新入生は講堂に集められ校長の話を聞いている。

……ちらほらと見たことのある顔がいるな〜こいつらと勝負しなきゃいけないわけか……出来るかな?

 

それにしても校長先生の話は長い。俺の前にいる奴――この髪型からして十代だろうけど――立ちながら寝てやがる。羨ましい。

 

校長の話が終わり、俺は十代たちと自己紹介をしていた。

 

「俺は山崎涼太。同じオシリスレッドとしてよろしくな?」

 

「ああ! 俺は遊城十代!よろしく!」

 

「僕は丸藤翔! よろしく!」

 

あ〜そうだった。丸藤翔か。名前をど忘れしてた。ごめんよ翔君。

 

俺たちが話しているとそこに2番……じゃない。空気……違う。……ああそうだ、大地君だったな。三沢大地が来た。

 

「やあ2番。お前もレッドか?」

 

「いや、僕はこの制服で分かるだろう? ラーイエローだ」

 

「あ、制服の色ってそう言う事だったんだ」

 

いや、そこは気づこうぜ? 十代。

 

「どうして君と涼太がレッドなのか不思議だよ」

 

三沢は不憫そうな目で俺達を見る。

 

「む? なんだか引っかかる言い方だな?」

 

「ま、気にしない事だ。失敬するよ。1番君」

 

そう言い、三沢は歩いていく。

 

「ははは、まぁお前こそ落ち込まずに頑張れよ!」

 

「そうそう、君たちの寮は向こうだよ」

 

三沢は振り返って俺達に言った。

 

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オシリスレッドの寮についた俺達を待っていたのは簡素というかぼろいというか古そうなアパートが建っていた。

うむ、社長の職権乱用ですね分かります。

 

「それじゃあ俺はこっちの部屋だから」

 

「おう! また後でな!」

 

「また後で!」

 

そう言って十代たちは自分の部屋に入っていく。

俺も入るか。

 

部屋に入る。……人が住んでる気配なし。他人の持ち物なし。……一人部屋かな? だったら嬉しいんだけど。俺は十代たちが迎えに来るまで自分の持ち物を整理していた。

 

 

「ふーん。そんな事言われたのか」

 

十代たちが島を散策に俺を誘ってきたので一緒に散歩していると同室の前田 隼人からオシリスレッドに来た奴には未来なんて無いと言われたらしい。

 

「でも! 俺は赤が大好きだぜ! 燃える炎、熱い血潮、熱血の俺にはお似合いだぜ!」

 

「まあ十代の話はどうでも良いとして、オシリスレッドに入ったら未来が無いなんて嘘っぱちだ。本当に未来が無いなら学校もそんな生徒取らないよ」

 

悪どい所だと金目当てで入れるかもしれないけどな。あの海馬がそんな事する人材を使うとは思えん。

 

「そ、そうだよね? ……そうだ。今から落ち込んでどうするんだ! 頑張れ僕!」

 

「おう! その粋だ! …………ってあれ? 十代は?」

 

「本当だ。兄貴がいない」

 

俺たちが辺りを探しているとセイバーが出てきて教えてくれた。

 

(涼太。彼なら向こうに走っていってしまいました)

 

「翔! こっちだ!」

 

「ええ!? 待ってよ〜! 涼太くーん!」

 

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「匂う匂うぞ! デュエルの匂いだ!」

 

どんな匂いだ。

 

俺が内心ツッコミを入れている間に十代は大きな部屋に入っていってしまった。

 

「あ、勝手に入っちゃっていいの!?」

 

「良いんじゃないか? 駄目だったら謝れば良い」

 

そう言って俺も入っていく。

 

「わぁ〜! これ最新設備のデュエルフィールドだよ!?」

 

へぇ〜〜全く分かんないけどそうなんだ。

 

「いいな〜こんな所でデュエルやってみたいな〜」

 

「よし! じゃあやろうぜ!」

 

「え? 良いのかな?」

 

「何言ってんだよ?俺たちここの生徒なんだぜ?「という訳にはいかないんだな〜これが」ん?」

 

十代が盛り上がっているとそこに声をかけてくる2人組みがいた。

 

「ここはオシリスレッドのドロップアウトボーイが来るところじゃないぞ? 上を見てみろ!」

 

一人が俺たちの後ろを指差していった。

俺たちは後ろを見てみる。そこにはオベリスクの巨神兵の顔の紋章があった。

 

「オベリスクの紋章が見えないか?」

 

「だから?」

 

俺はそう言った。

 

「は?」

 

2人組みは驚く。

 

「オベリスクの紋章はある。だから? ここをオシリスレッドが使っちゃいけないルールでもあるの?」

 

「誰かと思ったら!」

 

「万丈目さん! クロノス教諭に勝った110番と111番ですよ!」

 

聞けよコラ。君たちもキャッチボールじゃなくてドッヂボール派ですか?

 

呼ばれると万丈目が観客席の方から現れた。

 

「お前たちか……お前たちのデュエルは見ていた。入学試験で手抜きをしていたとはいえクロノス教諭を破った」

 

「実力さ」

 

「運だ」

 

「ふふふ、その実力と運。ここで見せてほしいものだな?」

 

「いいぜ?」

 

面倒くさいからパスの方向で。

 

そう言おうとする前に俺達に声がかかった。

声のしたほうを見ると一人の女の子がいた。名前は確か天上院明日香。どうでもいいが変換しにくい。

 

「やあ、天上院君。この新入りが余りに世間知らずなんでね〜学園の厳しさを少々教えて差し上げようと思って」

 

「そろそろ寮で歓迎会が始まる時間よ?」

 

「ぐっ! 引き上げるぞ!」

 

万丈目がそういうと万丈目の取り巻きの二人も一緒に行ってしまった。

 

「あなた達、万丈目君の挑発に乗らないことね。あいつら、ろくでもない連中なんだから」

 

万丈目君何したんだよ!無茶苦茶嫌われてんぞ!?

 

「あなた達の寮でも歓迎会が始まるわよ?」

 

「そうだ! 寮に戻るぞ!」

 

「あ! 待ってよ兄貴!」

 

そう言って十代と翔は自己紹介をしながら走っていってしまった。

 

「……なにかしら?」

 

「あ、すまん。あんたに似てる人を知ってるんでな。ついつい、見ちまったんだ」

 

無論、セイバーのことだ。金髪だし、性格きつそうだし、普通に綺麗だし。

 

「そう、それじゃあね。くれぐれも万丈目君の挑発に乗らないようにしなさい」

 

「おう。んじゃあ、俺も行くわ。じゃあな?」

 

そう言って俺は十代たちを追いかけていった。

 

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歓迎会のご飯は味噌汁に目刺しにご飯に沢庵だった。まあ俺としては別に構わないんだが「歓迎会だから今日は豪勢です」とか言われたら学園長に直訴しに行ってた。

 

歓迎会も終わり、俺は部屋でゆっくりと惰眠を……

 

PiPiPiPi!

 

貪ろうと思ったんだけどな〜

 

俺は携帯みたいなやつ(名前? 忘れたわ!)を開いて今届いたメールを確認した。

 

『今日の0時デュエルフィールドで待っている。貴様とオベリスクブルーのエリートとの実力差を分からせてやるよ!』

 

こいつは確か万丈目の取り巻きのめがね……

 

(何なのですか!? 彼は! 涼太、行きましょう! 彼をけちょんけちょんにしてやるのです!)

 

けちょんけちょんなんて君の口から出てくるとは思いもよらなかったよセイバー。

 

「やだ。メンドクサイ。今日は寝る」

 

(行くのです!!!!!)

 

「うぉ!? 声ででけえよ!?」

 

(行くのです行くのです!)

 

「分かった分かった! はぁ……」

 

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午前0時

 

俺たちはデュエルフィールドにいた。

 

俺たち、というのは俺と十代と翔のことだ。十代は万丈目に呼び出されて翔はその付き添いらしい。

 

「見せてもらおう。クロノス教諭を破ったのはまぐれか実力か」

 

いやだから、運だって。

 

「言い忘れていたがこのデュエルは互いのベストカードを賭けたアンティールールだ!」

 

「なっ!?」

 

おいおい! 冗談じゃねーぞ! ただのデュエルならまだしもアンティだと!?

 

「聞いてない! 俺は降り(良いでしょう! 私たちが勝つのですから!)……おいセイバー。俺は降りるんだぞ? 負けたらお前がとられちゃうんだから」

 

(大丈夫です! 私たちなら勝てます!)

 

「はぁ……わかった。負けても恨むなよ? ……分かった! そのルールでやってやる!」

 

(私たちの強さ、見せてあげましょう!)

 

「たぶん今回お前の出番無いけどな?」

 

(そんな!?)

 

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俺たちは向かい合い5枚ドローする。そして……

 

「「デュエル!!」」

 

「まずは僕のターン! ドロー! 僕は『切り込み隊長』を召喚!」

 

『切り込み隊長』

レベル3 地 効果 戦士族

攻1200 守400

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

『切り込み隊長』! つまり戦士族デッキか!?

 

「『切り込み隊長』の効果発動! このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる! 来い!『不意打ち又佐』!」

 

『不意打ち又佐』

レベル3 闇 効果 戦士族

攻1300 守800

このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

このカードは表側表示でフィールド上に存在する限り、

コントロールを変更する事はできない。

 

「さらに僕は手札から装備魔法『デーモンの斧』『融合武器ムラサメブレード』を『不意打ち又佐』に装備する!」

 

『デーモンの斧』

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースする事でこのカードをデッキの一番上に戻す。

 

『融合武器ムラサメブレード』

装備魔法

戦士族のみ装備可能。

攻撃力が800ポイントアップする。

このカードは魔法カードを破壊する効果では破壊されない。

 

『不意打ち又佐』

攻1300→3100

 

おいおいマジかよ!?

 

「ターンエンド! せいぜい足掻くんだな? ドロップアウトボーイ!」

 

俺がどうしようか考えていると後ろから声が聞こえた。

 

「あわわ……兄貴もまずいけど涼太君もかなりまずいよ〜」

 

「そうね……彼はどうやってこの状況を切り抜けるのかしら?」

 

翔と……この声は天上院明日香か? 2人がそう言ったので俺は隣を見る。

十代の『フレイム・ウィングマン』が何故か万丈目のフィールドに。どうしてだ? そんなことより、この状況をどうやって切り抜けるかだ。頑張らんと!

 

俺 ライフ4000 手札5枚

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

 

取り巻きA ライフ4000 手札2枚

モンスター 『切り込み隊長』『不意打ち又佐』

魔法・罠  『デーモンの斧』『融合武器ムラサメブレード』

 

 

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「俺のターン! ドロー! 俺は『魔術師・遠坂凛』を召喚!」

 

「む、新しい魔術師か」

 

『魔術師・遠坂凛』

レベル4 光 効果 魔法使い族

攻1300 守1300

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

 

「『魔術師・遠坂凛』の効果を発動! デッキから『サーヴァント・アーチャー』を守備表示で特殊召喚』!」

 

『サーヴァント・アーチャー』

レベル4 風 効果 戦士族

攻500 守2000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「……カードを二枚枚伏せターンエンドだ」

 

俺 ライフ4000 手札3枚

モンスター『魔術師・遠坂凛』『サーヴァント・アーチャー』

魔法・罠 2枚

 

 

取り巻きA ライフ4000 手札2枚

モンスター 『切り込み隊長』『不意打ち又佐』

魔法・罠  『デーモンの斧』『融合武器ムラサメブレード』

 

 

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「ふ、やはりな!」

 

万丈目の取り巻きが俺に話しかけてくる。

 

「何がだ?」

 

「お前のカードは強力だがフィールドに出すのに時間がかかる! それより早くお前のライフを減らせば簡単に倒せるって訳さ!」

 

「……やってみれば分かることだ」

 

「ふん! なら手札から『サイクロン』を発動!」

 

ちっ!? まずい! どっちを破壊する!?

 

伏せカードは『マジックアーム・シールド』と『攻撃の無力化』だ。

 

「左の伏せカードを破壊する!」

 

あいつから見て左、ってことは!

 

「っ!『攻撃の無力化』が!?」

 

「ふっ、バトル!『不意打ち又佐』で『サーヴァント・アーチャー』を攻撃!」

 

『不意打ち又佐』が『サーヴァント・アーチャー』に迫り、切り伏せた。

 

「ぐぅ!?」

 

「ははは! もう一つの伏せカードは役に立たないカードみたいだね!? 『不意打ち又佐』! 魔術師の小娘も切り伏せろ!」

 

『不意打ち又佐』が凜に迫る。

 

「トラップカード発動!『マジックアーム・シールド』!」

 

「っなに!?」

 

『マジックアーム・シールド』

通常罠

自分フィールド上にモンスターが存在する場合、相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手フィールド上に表側表示で存在する攻撃モンスター以外のモンスター1体のコントロールをバトルフェイズ終了時まで得て、そのモンスターに攻撃を受けさせる。

 

フィールドに盾が現れる。盾からマジックアームが伸び『切り込み隊長』を凜の前に持ってきた!『不意打ち又佐』は『切り込み隊長』を切ってしまう。

 

「くっ!」

 

俺 ライフ4000→2200

 

でもアニメ版の効果じゃないから俺にダメージが来るんだよね。

 

「ちっ! 悪あがきを……僕はカードを一枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

俺 ライフ2200 手札3枚

モンスター『魔術師・遠坂凛』

魔法・罠 なし

 

 

取り巻きA ライフ4000 手札1枚

モンスター 『不意打ち又佐』

魔法・罠  『デーモンの斧』『融合武器ムラサメブレード』伏せ一枚

 

 

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「俺のターン! ドロー!」

 

さて……よし!

 

「おい」

 

「なんだ?」

 

「俺のデッキには英霊が7体いる」

 

「だからどうしたって言うんだ? ……あのレベルのモンスターが7体か。ドロップアウトボーイには勿体無い。僕が貰ってやろう!」

 

取り巻きの人は俺を見下した目でそう言った。

 

「だから見せてやるよ。速攻性がある英霊をな! 俺はまずサイクロンを発動! フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する!」

 

フィールドに風が吹き荒れ取り巻きの伏せカードが破壊される。

 

「くっ!?」

 

伏せカードは『落とし穴』! ……危ねー。

 

「後顧の憂いが無くなったところで俺は『魔術師・葛木宗一郎』を召喚!」

 

俺のフィールドにスーツ姿の男が現れる。……この人、魔術師じゃないのに何で魔術師ってついてるんだろう? 種族も戦士族みたいだし……まあいっか。

 

『魔術師・葛木宗一郎』

レベル4 闇 効果 戦士族

攻2000 守0

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分のターンのエンドフェイズ時まで表示形式を変更する事ができない。

 

「『魔術師・葛木宗一郎』の効果発動! このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する! 俺はデッキから『サーヴァント・キャスター』を攻撃表示で特殊召喚する!」

 

『サーヴァント・キャスター』

レベル4 闇 効果 魔法使い族

攻1000 守1500

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「それがどうした! 雑魚が一枚増えただけじゃないか!」

 

「そうでもないぜ? 俺は手札の『英霊・メディア』の効果を発動!」

 

『英霊・メディア』

レベル7 闇 効果 魔法使い族

攻1000 守3000

自分のフィールドに『サーヴァント・キャスター』がフィールドに表側表示で存在するとき、魔術師と名のつくモンスターを一体と『サーヴァント・キャスター』を生贄にしてこのカードを特殊召喚できる。

このカードが召喚、特殊召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないときターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「フィールドにいる『魔術師・遠坂凛』を生贄に」

 

凜が光に包まれ消える。……なんかスッゲー睨まれた気がするんだけど気のせいだよな? ……まあ良いや。

 

「『英霊・メディア』を特殊召喚!」

 

「ははっ! 何をするかと思ったら! そんな雑魚モンスターを召喚してどうするつもりだい!? 僕のには全く歯が立たないじゃないか!」

 

「慌てるなよ。『英霊・メディア』が特殊召喚されたことによって『英霊・メディア』の効果を発動する! この英霊は英霊でありながら魔術師でもある。つまり……このカードが召喚、特殊召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚することが出来るって訳さ! 俺はデッキから『サーヴァント・アサシン』を攻撃表示で特殊召喚!」

 

『サーヴァント・アサシン』

レベル4 闇 効果 戦士族

攻1200 守1000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないときターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「さらに手札にある『英霊・佐々木小次郎』の効果を発動する!」

 

「何だと!?」

 

『英霊・佐々木小次郎』

レベル6 地 効果 戦士族

攻100 守2500

自分のフィールドに『英霊・メディア』、『サーヴァント・アサシン』がフィールドに表側表示で存在する場合『サーヴァント・アサシン』を生贄にすることで手札から特殊召喚できる。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないときターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「このカードは自分のフィールドに『英霊・メディア』、『サーヴァント・アサシン』がフィールドに表側表示で存在する場合『サーヴァント・アサシン』を生贄にすることで手札から特殊召喚できる! 来い!『英霊・佐々木小次郎』!」

 

俺のフィールドに『英霊・佐々木小次郎』が現れる。さっきも書いてあったように攻撃力は100だ。それを”攻撃表示”で召喚する。

 

「…………ぷっ……あっはっはっはっは! どうしたドロップアウトボーイ? 諦めて自棄にでもなったのかい!?」

 

「涼太く〜ん!」

 

翔、情けない声出すなよ。男だろ?

 

「…………」

 

「涼太!」

 

「ん?」

 

十代が俺を呼んできたのでそっちを向く。

 

「何か秘策があるんだろ? なら……二人とも勝ってやろうぜ?」

 

そう言って十代はサムズアップしてくる。

 

「ああ!」

 

俺もサムズアップを返す。

 

「さて、俺は……「っ! ガードマンが来るわ!」……んぁ?」

 

「アンティルールは校則で禁止されているし、時間外に施設を使っているし、校則違反で退学かもよ!?」

 

「ええ!? そんな校則あるのかよ!?」

 

「マジで!?」

 

俺も初めて知った聞いてないよそんなこと!

 

「はぁ……あなた達生徒手帳を読まないの?」

 

「読まない!」

 

「何で威張ってるのよ!」

 

「……くっ! 今日の所はここまでにしておいてあげるよ。あのままやったら僕の勝ちだったから命拾いしたね?」

 

「そんな風に人を見下してるといつか足元を掬われるよ? あんたのフィールドには魔法・罠カードは無かった。なら俺にもチャンスは合ったってことだ。次のデュエルが楽しみだな?」

 

「ふん! ほざいていろ」

 

そう言って万丈目たちは去っていった。

 

「兄貴! 涼太君! 見つかっちゃうよ!」

 

翔がそう叫ぶ。そうだ。早くここから出ないと!

 

「うう〜〜! 嫌だ! 俺はここを動かない〜!」

 

ぎゃ〜!? 十代の奴が駄々こねやがった!

 

「十代! もう万丈目も居なくなったんだからここに居る意味ねーよ! 早く行くぞ!」

 

「嫌だ! ならお前が相手してくれ!」

 

「なら、後でやってやるから!」

 

「分かった!」

 

「「「だああ!?」」」

 

十代の変わり身の早さに皆ズッコケてしまった。

 

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デュエルアカデミア 校舎前

 

「どう?オベリスクブルーの洗礼を受けた感想は?」

 

「まあまあかな? もう少しやると思ってたけどね?」

 

十代は胸を張ってそう言った。

 

「そうかしら? 邪魔が入っていなかったら今頃アンティルールで大事なカードを失うところじゃなかったの?」

 

「いいや? さっきのデュエル。俺の勝ちだったぜ?」

 

そう言って十代は『死者蘇生』を見せてきた。

最後にドローしたカードだったんだろうか?

たぶん、『E・HERO フレイム・ウィングマン』を墓地から蘇らせるつもりだったんだろう。蘇ったフレイム・ウィングマンで攻撃するつもりだったんだろう。十代の勝ちだ。

 

「あ! そう言えば涼太君は?」

 

「あ、俺も気になってたんだ。どうするつもりだったんだ?」

 

「俺か? 俺はこれだ」

 

俺は一枚のカードを見せる。

 

『柳桐寺』

永続魔法

このカードは『英霊・メディア』がフィールドに表側表示で存在するときのみ発動できる。

このカードが場に存在するとき全てのモンスターは攻撃力と守備力が入れ替わる。

『英霊・メディア』がフィールドを離れたときこのカードを破壊する。

 

「右手に盾を左手に剣を」の永続魔法版ですって!?」

 

そう、このカードがあれば『英霊・メディア』と『英霊・佐々木小次郎』の攻撃で倒せたはずだった。

 

「んじゃあ、帰ろうぜ? 疲れた」

 

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(……………………………………)

 

「あ〜なんだ、その〜」

 

俺は部屋の片隅に居る。なにやら暗いふいんき(ry)を出している物体に話しかける。

 

(…………………………くすん)

 

「ああもう! 悪かったよ! 俺が悪かった! ごめんね? 使って上げられなくて」

 

俺がそう言うとその物体は涙目で俺を見上げてきた。この物体が何なのかと言うと……セイバーである。今回、取り巻きを倒そうと意気込んできたのに活躍どころかフィールドにすら出されないという。……どんまい。

 

(…………と……なら)

 

「え?」

 

(悪いと思っているのなら次のデュエルの時には使ってください!)

 

「そんなことで良いのか?」

 

(はい!)

 

セイバーが笑顔になる。薄汚れた俺には眩し過ぎる笑顔だ。

俺はセイバーに微笑を返す。

 

(涼太……)

 

「セイバー…………ごめん。それ無理」

 

(だああ!?)

 

おーズッコケたズッコケた。いいコケ方だ。

 

(何故ですか!? 私の何がいけないというんですか!?)

 

「いやセイバーのせいじゃなくてだな? 強制力というかそういうのが働いて……セイバーは最低3回はこの後デュエルに出れないんだ♪」

 

(そ……そんな!?)

 

「安心しろセイバー。キャスターとアサシンこと小次郎も同様だ」

 

(そんな言葉では安心できませんよ!)

 

「我侭を言うな」

 

(そうよセイバー)

 

(全くだ。私達など相手に止めすら刺せなかったのだぞ)

 

うんうん……って、ええ!?

 

「ナデイヅンディスカ!?」

 

(ここではリントの言葉で喋りなさい?)

 

「一応リント語だよ! ってか何でお前たちまで精霊化してるんだよ!?」

 

(そうです! 私の出番が減ってしまうではありませんか!)

 

「問題はそこじゃねーよ!」

 

俺が何故キャスターとアサシンが精霊化してるのかを聞こうとしたら部屋のドアを叩きながら大きな声が聞こえてきた。

 

「おーい! 涼太! デュエルしようぜ!」

 

「ええい! ((十代|デュエルバカ))か! ……仕方ない。今度絶対に聞くからな!」

 

俺はそう言って十代とデュエルをするため部屋から出る。

 

……今回も何とか生き残れたな〜

 

説明
俺は何の変哲もない普通の高校生。なのに…… え?ここどこ? トイレ? 何故に? え?遊戯王の世界? ちょっ!? 俺そんなに強くないんですけどーーー!?
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コメント
ZERO&ファルサさまコメントありがとうございます。ありがとうございます。面白く出来るように頑張ります。(RYO)
サーヴァント達の漫才が面白かった!(ZERO&ファルサ)
うぉい! アングラーさんはさすがに無いよ! 前者が正解だね。(RYO)
うーん…アーチャーの腕を移植された士郎とか?…はっ!まさかアーチャー+釣り竿でアチャーさん(アングラーさん)とか!?(okaka)
okakaさまコメントありがとうございます。オンドゥル語はOPとかにも影響を与えてますからね。これも全部乾巧って奴の仕業なんだ。パワーアップカードはぶっちゃけ言っちゃうと融合カードです。さて、何のカードか分かりますか?(RYO)
万丈目サンダー!ってオンドゥル語まででるとはwwwwこの調子で全部の英霊が精霊化しそうな感じですがパワーアップのカードが気になる(okaka)
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