K-ON!+EXPLORES...第16話・合宿part3! |
「で、でっけぇ〜ーーーっ!!!」
大きい声でそう叫ぶ律
「本当にこんな所に泊まっていいの?」
唯が珍しくそんな正当論を紬に向けると・・・
「本当はもっと大きな所に泊りたかったんだけど・・・一番小さい所しか借りられなかったの」
「一番小さい・・・これで・・・?」
そう言って、紬以外の俺たちはその一番小さい別荘に目を向ける
羨ましいもんだ、これよりまだ大きい別荘がいくつもあるのか・・・
別荘持っている事態羨ましいけど
やっぱこういうのは努力して手に入れるしかないのかな
「おぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「デカいな、おい!!」
「うわぁ〜広〜い〜!!」
「すっげぇ〜な〜!!」
律、正樹、唯とすぐに別荘へ入っていくと・・・
「ん?これは・・・?」
澪が疑問に思って発した先は、大きい皿に盛り付けてある果物だ
本当にすごいな、見たことがない果物まで・・・!!!
そして、律達が聞いた事には部屋にはお姫様ベット、冷蔵庫には高級なお肉があるらしい
「いつもなるべく『普通』にしたいって言っているんだけど、なかなか分かってもらえなくて・・・」
「いや、迷惑が掛かっていないなら、ありがたい事だけどな」
「そうだよ、もし次琴吹家の使用人に会ったら、お礼を言わないといけないね」
「そんな・・・いいですよ、泰広君」
「ところで、スタジオってどこなんだ?」
あ、そういえばスタジオってどこなんだろうか?
この家のスケールを考えるなら、かなりのものな気がする
「こっちこっち〜♪」
手を振りながら案内をする紬
しばらく紬についていくと・・・
「どうぞっ」
「広ッ!!!」
やはりスタジオとはいえ、かなり大きい所だな
ドラムもキーボードもきっちり設置されているし・・・
「しばらく使っていないから、動くか心配だけど・・・」
「うん!!大丈夫そう!!」
「こっちのアンプも全然使えるよ」
俺と澪がアンプの状態を確認し終えて
「あれ?唯と律は?」
「途中でいなくなっちゃったけど・・・」
「何やってんだかあのアホ2人コンビは」
「そういえばあの2人はよくはしゃいでいたね」
「あんまいい予感がしねぇな」
そう4人で会話を交わしていると・・・
ガソコソッ!
澪が鞄の中からラジカセを取り出した、結構古いな
せめてCDとかなかったのかな?
「それは?」
「あぁ〜・・・」
澪が頷きながら、再生ボタンを押す
♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪
「・・・昔の軽音部の学園祭でのライブ・・・この前部室で見つけたんだ」
「上手・・・」
「ギターがハンパねぇな」
「私たちより・・・相当上手い」
「うん・・・」
「何か聞いてたら負けたくないって・・・!」
「それで合宿って言い出したのね」
「そういう事か・・・」
「それなら俺も聞いて欲しいのがある・・・!昔の軽音部じゃなくてプロだけど・・・」
俺はそう言ってIpodを取り出して、3人に聞かせた
♪♪♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜♪
「これもすごい・・・」
「泰、これなんていうバンドなんだ?全部神技みたいだな」
「『凛として時雨』と言うんだ、キーボードはいないけど・・・」
「ああ、でもかなり上手いな・・・」
「俺もこの合宿で家で練習して出来ないところを見直そうと思ってね、でもこれを聞いたらかなり自身を無くしてさ・・・それで今回に懸けているんだよね・・・」
「・・・負けないと思う!!私たちなら・・・!」
「ムギ・・・・・!」
ドガーン!!!!!!!!
「よ〜っしっ!!遊ぶぞ〜!!!!!」
「オ〜ウ!!イェーイッ!!」
唯と律だ、てかもう着替えてしまったのか・・・
「お前ら何やってたんだよ」
「って早ッ!!練習は!!?」
「先行ってるから、4人とも急いでね〜!!!」
そう言って走って出て行ってしまった2人
「・・・これでも?」
「え、ええ、まあ・・・」
せっかくのいい雰囲気が一瞬で台無しになったな・・・
『お〜〜〜〜い!!!』
『早くぅ〜〜〜〜!!!』
「ちょっと待って〜!3人とも、行こ?」
「うん・・・ってえ?」
「えっ?ムギ行くつもり?」
「せっかくだし・・・少しぐらいなら・・・ね?」
「待てよ、紬、本当に行くのか?」
「うん・・・じゃあ待っているから・・・!」
タタタタタ・・・
「あいつ本当に行きやがった・・・」
「澪、どうするんだい?個人練習は出来るけど・・・」
「・・・・・・・・」
「仕方ない、俺も行こう」
「って待てよ、正樹!!」
「だってよ、俺たちだけで合わせることは出来ないし・・・それに夜は晴れていても遊べないだろ」
「そりゃそうだけど・・・」
「じゃあ俺も行くぜ」
タタタタタ
「正樹まで言ってしまったね・・・」
「・・・・・・・・・・」
澪は黙り込んだままだ
「澪・・・俺も紬が言った通り負けないと思うよ、確かに俺も昔の軽音部や『凛として時雨』さんの曲を聞いた瞬間かなり不安になったよ、自分は今後上手くなれるのかってね、でも、俺たちの絆なら昔の軽音部には絶対に負ける気がしない、いや、負けない!!君は学校の部活でも真面目に練習しようと意欲的だし、家でも相当練習していると思う!!不安になる要素なんかないじゃないか!」
「泰広・・・・・」
「今は練習出来ないし、大体は合宿が主体でここまで来ているんだけど、たまには息抜きも必要だと思うし、あんまり乗り気じゃないけど俺たちも行こうよ」
「うん・・・泰広、ありがとう!」
「いいよ、というか当然のこと言っただけどね、練習は夕方辺りからでもすればいいし、澪を1人に出来ないからね」
「・・・・・/////」
「あれっ!?澪どうしたの?顔が赤いけど・・・?」?????
「・・・はわわわっ、な、なななんでもないっ!」
「ならいいけどね・・・???」?
「(何だ?いきなり顔がトマトみたいに赤くなったけど・・・)」
「は、はは早く行くぞ!!」
「?・・・うん・・・?」???
〜浜辺にて〜
俺は今ビーチパラソルの下でくつろいでいる
ん?向こうで何か律達がやっているみたいだな
「無人島に流れ着いて、かれこれ2週間か・・・」
「流された時は、どうなる事かと思ったけどな・・・」
「でも、これはこれで楽しいよね・・・」
何らかの芝居をやる木の棒を地につく律と浮き輪を引きずる唯
何やってんだか・・・w
「・・・・・・・・あ、大物発見」
と、律が打ち上げられた海藻を拾い上げる。
「助かった・・・」
「ごっつぁんです・・・」
「何勝手な設定作ってんだ」
「う・・・」
手に持った海藻をぼとりと取り落として立ち尽くす律と唯
「み、澪ちゃん・・・」
「ん?どうしたお前ら?・・・・・失礼しました・・・」
「くらえっ!!!」
怒りと妬みを乗せたビーチボールを全力投球で澪の顔面に投げつけた律
「唯!!泳ぐぞ!!」
「うん!!!」
そう大きい声が響いてきて、律と唯は海へと飛び込んでいく
「・・・・・痛い」
そりゃそうだろう、何も警戒していないでビーチボールだろうが当たれば痛いもんだ
向こうで一体何があったんだ?
「・・・・・・・・・・」
「正樹、どうしたの?何があった?」
「お前は純粋だな」
「は!?どういう事だよ?」
「澪のスタイルを見ろや、お前だって思春期だろ」
「あ〜そういう事か・・・ってな、ななな何言ってんだよ、正樹///」
「やっと気がついたのかよ、バカ・・・ってかお前それするなら普段眼鏡しろよ」
「ヤダ、これと眼鏡は違うし」
そう言って俺は、紫外線防止用のサングラスを掛ける
「俺は寝るけど、正樹はどうする?」
「そうだな、ちっと泳いでくる、ここにいても目のやり場がな・・・」
「なるほど・・・」
「じゃあ行ってくる」
正樹はそう言って、海へと走っていった
ちなみに律と唯は浜辺と海の間辺りで遊び、紬は砂遊び、澪は写真を撮っているみたいだ
さて、俺は寝ますかっと・・・・
・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・zzz」
ドバッ!
「うっ!!ゴハッ!!ガハッ!!」
な、何だ?辛いし、目が痛い!!
俺がサングラスを取って起きて見上げると・・・
「やっと起きたか・・・」
他の5人だ、どうやら俺に海水を掛けたのは律らしい
「な、何するんだよ!!い、痛い!!」
「だから止めろと言っただろ!!」
「いいじゃんいいじゃん〜、それより、泰、ビーチバレーやろうぜ!!」
「は?べ、別にいいけど・・・」
「よしっ!じゃあ勝負だ!!」
チームは普通は2人1組なんだけど、何か3人1組でやるってさ
まあいいけどね
ちなみにチームは、俺は澪と紬、正樹と唯と律だそうだって
25点マッチ!?何かまた細かいとこまで・・・
「それじゃあ、始めるか」
正樹がそう言って、俺に少し強めのサーブを放つ
「ホラ、紬!!」
俺はレシーブでボールを真上に上げる
「はいっ!!!」
紬がトスを俺と澪の間に上げる
「澪!!打って!!」
「分かった!!」
そして澪は勢い良くジャンプして、律と唯の間に強烈なアタックを打つ
ビーチボールとはいえ、あれはなかなかの威力だと思う
「(よしっ!これで決まる!!)」
やはり律と唯、どちらとも取ろうとした矢先譲り合ってしまうパターンになっている
そう俺が思っていた瞬間・・・・・
「させっかよっ!!!!」
ズバーン!
正樹がヘッドスライディングして、ボールを真上に上げた
「(さすがだな・・・正樹)」
「唯!!!!」
律がトスを唯にあげる
「任せて!!りっちゃん!!」
唯が澪のようにジャンプをしてアタックを打とうとしたら・・・
「えいっ!!」
スカッ
空振った・・・・・w
しかも、そのボールは運悪く唯の右肩に当たった
当たっていなかったら、正樹が取れていたかもね
「な〜にやってんだよ!!唯!!」
「えへへ、ごめんね〜、りっちゃん、まーくん」
「ったく次は頑張れよ」
「うん!!」
そう向こうが会話を交わしていると・・・
「泰広君バレー上手ですね〜」
「本当に上手いぞ、泰広」
「いや、そうでもないよ」
「でも、あんな綺麗なレシーブはないわよ」
「ああ、小学校の頃正樹にずっと遊びでああいうの打たれていてもう慣れたからね」
「ああいうのって・・・まだまだすごいのがあるのか」
「お前ら次サーブだぞ〜!」
「はいはい」
こうしてビーチバレーは延々と続いた
俺も結構盛り上がっていたと思うし、楽しかったな
ちなみに3対2で俺たちの辛勝であった
「くっそ〜、泰に負けたぜ〜!」
「泰に負けた〜!」
「やっくんに負けた〜!」
「(・・・どういう意味だよ・・・あ、そういや・・・)」
「ねぇ、思ったけど練習しなくていいのかい?」
俺がやや皮肉を込めて言った
別に怒っていないし、ちょっとからかうつもりで言ったけど・・・
「あぁっ!? 練習〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
と激しく今更な叫びを上げる
そこまで驚かなくても・・・
「「忘れていたのかよ」」
正樹と律がハモる
「・・・ま、全く律が遊ぼうとか言うからだぞー・・・」
「棒読みで言っても、説得力に欠けるぞ・・・」
「一番楽しそうに遊んでいたのは誰だ〜?」
確かに・・・多分ビーチバレーでも澪が一番盛り上がっていたかもな・・・
こうして、昼の遊びタイムは終了
そして、俺は正樹の調理を手伝った
女子4人の感想は・・・
「おいしいわ〜」
「これ本当に上手いと思う」
「正樹、今度作り方教えて!!」
「ま〜くん、おいしいよ〜!」
やはり正樹は料理が趣味なだけあるな
さて、今から練習だしここからは心機一転と行きますか!!
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・って思ったけど・・・・・
「はあぁ〜お腹いっぱぁい〜」
「あぁ〜床が冷たくて気持ちい〜」
何やってんだか・・・
「こうやって目を閉じると、何か波に流されている感じがするよ〜」
気持ちはすっごい分かるけどな
「おやすみなさい...」
「おやすみ...」
そして、唯と律は永遠の・・・いや、ただの夜寝へと陥ってしまう
「始めるぞーっ!」
「2人とも起きて!!」
「お前ら、起きろよ!けじめぐらいつけろや」
「そうだよ、遊びっぱなしじゃマズイって」
上から、澪、紬、正樹、そして俺と2人に促す
「ムギ、泰広、ちょっと退いてて!!正樹、手伝って!!」
「何をだ?」
ヒソヒソヒソ・・・・・
澪の提案ならそこまで支障はないだろうし、安心は出来る。そして・・・
「了解っと」
正樹がそう言って、あの重いベースアンプを律の横と唯の横にそれぞれ1台ずつ置いて・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
響き渡る重低音・・・さすがに2台は耳に来るな・・・
「「うぅ〜〜〜〜〜」」
でも、2人は嫌がってはいるが起きない
そしてついに・・・・・
「・・・オイ、お前ら俺を怒らせるとはな・・・」
ゴゴゴゴゴ!!!
正樹に黒いオーラが出てきている、相当来ているな、こりゃ
「「ん??ひっ、ひぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」
「唯に律、さすがに正樹を怒らせたらマズイと思うよ?」
俺は2人に警告を送ると、さすがにこの2人も堪忍したようだ
しかし、この2人・・・フラフラですよ・・・w
「なあ、今日は止めにしようぜ〜?」
「早ッ!!!」
「練習が目的でここに来たの!」
「それがそうだけどさ・・・」
「・・・そういえば律、最近太ったんじゃないか?」
「えっ!?」
何かまたすごい事を発したな、澪
「特にお腹の所とか〜最近ドラム叩いていないからかな〜?」
「うわ〜〜〜〜〜ん!!!!!!!」ドドドドドドドド!!!!!
ものすごい勢いと力で叩き始めた律
ニヤリ
やはり澪の秘策だったのか、さすがに男勝り気の女子だろうがこの頃はスタイルとかは気にしていても当たり前といっていいかもね
「もうギター持てない・・・」
「「えぇ〜!!?」」ガビーン!!
「だって、このギター重いんだもん〜」
「唯、紬に失礼だよ」
「だから軽いやつにしとけって言ったのに・・・」
「誰だ!!このギター買うって言ったの!!」
「「お前|(あんた)だ!!!」」
結局唯も律も、尽き果ててしまいさっきと同じようになった
「汚れちゃうわよ?」
紬の警告
「もう・・・学園祭はどうするつもりだよー・・・」
ため息混じりの澪。もはや諦めが入ってるのか、あまり強く言わなくなってしまった。
「だからー、メイド喫茶がいいって言ってるだろー?」
「え〜? お化け屋敷がいいよ〜」
「それはクラスの出し物でやれよ」
「やっくんはどっちがいいと思う?」
「その前にライブがあるんだけどな・・・」
「唯、正樹、お前ら何も分かっていない・・・」
澪を見てみろ
そして、2人の視線が澪に当たる
「な、何よ?急に」
「澪ほどメイド姿が似合う奴、なかなかいないぞ〜?」
「おぉ〜・・・」
と感心する唯
「黒のストッキング!純白のエプロン!そして………メイドカチューシャ!!『萌え萌え〜〜〜きゅーーー』・・・・・とか言ったりしてなー!!」
「かわいいかも〜」
正樹と澪は少し顔を赤らめている
・・・・・?あんま興味沸かない・・・
やはり過去は忘れられない・・・か
あいつ(・・・)とメイド服は関係なくても、やはりかわいいとかそういうの分からない・・・
俺があいつを・・・あいつを・・・守っていれさえいれば・・・!
ガツンッ!
ん??????
どうやら澪が律に拳骨を与えたらしい
俺もその衝動で気がついた
良かった・・・誰にもバレていないみたいだ
「・・・・・・・・・・・・」
「仕方ない、休憩にするか」
澪らしくない発言が出た、やはりもう無理だと断定したらしい
〜現在休憩中〜
「終わったら本当に練習するからな〜」
澪、スイカ食べながら言うのはどうかと思う
まあ澪は俺以上の真面目だし、大丈夫だろう
「分かってるって」
「あれ?唯は?」
正樹が俺に尋ねる、そういや見当たらない
「「せ〜のっ!」」
「ん???」
ババーン!!
「うおっっっと!」
いきなり視界が明るくなった
どうやら打ち上げ花火とかを派手に使っているらしい
「それじゃあ、最後の曲イックぜ〜!!!」
唯はギターを演奏している
近くにいた澪を見ていると、見とれている
「ねえ、澪、やっぱ唯はいつもタラタラしているけど、やっぱりやる気は人一倍ある頑張り屋だと思うよ?」
「・・・そうだな」
そして、あっという間に打ち上げ花火は終わり
「・・・ってもう終わり〜?」
「そうだな〜、予算がな〜」
「いつかまた!」
「そん時は俺も入るよ!」
「うん!!一緒にやろ!!やっくん!!」
「そうだな! 武道館公演じゃ派手にばばば〜〜〜〜んっと!!」
ん・・・?武道館・・・あー、そういや武道館とか言っていたな
「武道館〜?」
「おいおい、目標はソコだって決めたろ?・・・なっ、澪?」
「え・・・?」
「じゃあその時はピンクがいい〜!」
「小学生かよ・・・」
「だってかわいいじゃん〜」
「だからそれが小学生だってよ」
「私もピンクはちょっと・・・」
「武道館目指すなら、まずこれ位はできるようにならないとな!」
あれ?いつのまにラジカセ持ってきたんだ?
「うわっ、うまいな〜・・・誰がやってるんだコレ?」
「でも、この曲・・・」
唯が何かを察したように言う
どうかしたのか?
『お前らが来るのを待っていたァァ・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!』
うおっ!!焦った・・・まあそこまで怖くはないけど・・・
「お〜いいね〜これぐらい派手じゃないと」
正樹は全然ビビッていない
「聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない・・・・・」
対照的に澪はまたしゃがみ込み『聞こえない』を連発
ちなみに澪以外の3人は耳を塞いでいたみたいだ
「お〜い、大丈夫かい?澪」
「しっかりしろよ」
「澪ちゃん、大丈夫だから!!!」
「お化けなんかじゃないわ」
俺、正樹、唯、紬と澪に声を掛けると・・・
「・・・・・ホント?」
澪がこちらに少し赤らめた顔を向けながら聞いてきた
「「きゅるるり〜ん♪」」
「ああ、大丈夫だって、幽霊なんかこの世にいないよ」
俺は澪に彼女の利き手でも左手を差し上げた
「(あれ?泰広の奴、大分軽音部に慣れて来ているみたいだな・・・ここまで行くとはな)」
「うん、ありがとう泰広・・・///」
〜スタジオにて〜
とりあえず澪が完全に落ち着くまで待つことにした
すると・・・・・
「でも、唯ちゃんさっきの曲・・・」
「うん!!見てて!!え〜と・・・」
♪♪♪〜〜〜〜〜〜♪
「う、嘘・・・」
「こんな人が身近にいるなんて・・・」
「天然だとある意味怖いものだな」
♪♪♪〜〜〜〜〜〜♪
「はい!!ど〜お!?」
「すごい!!完璧!!」
パチパチ
「えへへ〜///」
「絶対音感なんて・・・すごい」
「でも、『みょーん』ってとこが分からなくて・・・」
「『みょーん』?」
「多分それチョーキングのことじゃないか?」
「『ちょーきんぐ??』」
「「違う」」
律が唯へのチョークスリーパーをしたので
俺と澪が突っ込む
これで軽音部から3人やられた
「チョーキングっていうのは、音を出しながら弦を引っ張る事」
実際にそのチョーキングを行う澪
すごいな、澪は。ベース担当なのに何でも知っている
俺もチョーキングは知っているけど
ほとんどやったことないしな・・・
みょ〜〜〜ん
「えっと〜これで〜・・・こう?」
「そうそう!」
「ぷっ・・・」
「ん?」
何故か吹きだす平沢。更に唯は何度も何度も
みょーんみょーんみょーん
と習いたてのチョーキングを連発し、
「ぷくくく・・・あははははは!!!これ何か変〜!!」
「え!?そんなツボるとこ!?」
笑う唯も分かることはないけど、何度聞いていてもな〜・・・
う〜ん、やっぱ天然ってよく分からないやw
こうして9時に練習は終了した
〜午後10時・・・露天風呂にて〜
俺と正樹は4人の入浴後に入らせてもらうことにした
しかし、露天風呂まであるなんて一体どこまで金持ちなんだ・・・
「ふうぅ〜いい湯だな、泰」
「そうだね」
「お前、今日しばらく見ていたけどお前全然女子と話せるようになってるぜ」
「そうかな?」
「そうだよ!そうじゃないなら、澪に『大丈夫』とか言わないし、手も差し伸べたりなんかしないと思うぞ」
「まあそれならいいけど」
「んじゃ、そろそろ上がろうぜ〜」
「はいよっと!」
〜午後11時・部屋にて〜
「じゃあ、もう寝よう」
「早いな〜宿泊訓練かよ」
「いいからもう寝るぞ!」
澪がそう促すと
「それじゃあ、自分の部屋で寝てね、おやすみなさい」
「「おやすみ〜」」
「「お疲れ〜」」
上から唯、律、紬と挨拶をしてきたので
俺たちも挨拶を返した
そして、皆は各自部屋へと入っていった
さて、俺ももう寝よう・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
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第16話目どうぞ〜 |
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